2016/12/23(金) - 11:35
11月27日、千葉県袖ヶ浦市にあるサーキット、袖ヶ浦フォレストレースウェイにて開催されたセオサイクルフェスティバル。そこに集まった、こだわりの自転車たちを紹介します。まずは男性のバイクから。
安宅将貴さん(セオサイクル初石)メリダ REACT TEAM
お!桜の花びらが舞い散るあのフレームは、メリダの新城幸也限定モデルのREACTOじゃないですか!?と思ってお声かけさせていただいた安宅さん。ランプレ・メリダも使用するプロスペックバイク、しかもスペシャルエディションの乗っているということからも相当のメリダフリークなのでは?と思ってお話を伺ったところ、「いや、実は……。」と苦笑気味の反応。
「この桜、自分で貼ったんですよね(笑)」な、なんだってー!ちなみに車用のステッカーを流用しているんだとか。なかなかの完成度でした、というよりいや、完全にユキヤモデルだと思ってました(汗)「レースで走っていてもよく声をかけられるんですよね」とのこと、思うツボにはまってしまいました。
ステッカーはDIYとのことですが、全体的な雰囲気もかなりまとまりのある一台。ホイールもフルクラムのハイエンドカーボンディープモデルたるRacingSPEED XLRを使用しているのもランプレ・メリダっぽくて良いですね。全体的にピンクとグリーンのランプレカラーをメインにまとめられているのもまた好印象。
フィジークのバーテープやベロトーゼのシューズカバーはピンクで、パイオニアのペダリングモニターはグリーンとなっており、フレームカラーとのマッチングも最高。持ち主のセンスの良さを感じさせる一台でした。
工藤 隆さん(Team Dreamer)アンカー RHM9
セオフェスは初めて、という工藤さん。どうでした?と感想を尋ねてみると、「かれこれ15年ぶりくらいになるかな、自転車のイベントにでるのは」とおっしゃる。なんと、昔自転車レースで怪我をしてしまい、職場との約束でイベントに出ることをやめていたのだとか。「今年定年を迎えたので、本当に久しぶりなんですよ!」と嬉しさがこちらに伝わってくるような最高の笑顔でした。
さて、そんな工藤さんの愛車は国産ブランド、アンカーのレーシングカーボンフレームRHM9。ヘッドチューブにトップチューブとダウンチューブの端部が巻き付くような「ドラゴンクローヘッド」が特徴的なフレームだ。現行のフラッグシップモデルであるRS9から数えれば2世代前のモデルとなるが、ピカピカのシルバーに塗装されたフレームはきれいに磨き上げられており、経過した年月を感じさせない。駆動系にも汚れは一切なく、自転車への愛情がうかがえます。
メタルフレームのように輝く銀色のフレームに組み合わせられるのは情熱的な赤色のパーツたち。フルクラムの初代RacingZeroにはじまり、サドルやバーテープ、ペダルなどなど、レッドパーツがあしらわれ、ツートーンに仕上げられていました。ちなみにコンセプトは?と尋ねると「ウルトラマンカラーなんですよね(笑)」とのこと。なるほど、納得です。
フレームの型式は古いですが、コンポーネントは最新のシマノ 9100系デュラエース。「昔は最後のバイクはカンパで組もうと思っていたのですが、シマノにしてしまいました。でも、変速も驚くほど速くなっていますし、ブラケットも握りやすくて、とてもいいですね。」と気に入っておられるようでした。
鶴岡清隆さん(クランクゴリラ)グエルチョッティ EUREKA
本格的な日本での展開が始まったイタリアのグエルチョッティを駆る鶴岡さん。「Crunk Gorilla」というチーム名は「ドランクとクレイジーを掛け合わせた造語でCRUNK。つまり、気が狂うくらい酔っぱらったゴリラ、という意味です」とのことで、その名の通りの爆発的なスプリント力で、上級クラスで3位に入賞されていました。
「とにかく、リア三角が軽くて硬くて力を逃がさないので、スプリンター向きのバイクなんですよ」と愛車について語るツ鶴岡さん。いろいろなこだわりが詰まったバイクだということですが、とにかく重視しているのは平坦での伸びなんだとか。たしかに、エンヴィのスーパーディープホイールはとても迫力があって、いかにもトップスピードが伸びそうなオーラを漂わせていました。
今となっては珍しい、78デュラのクランクに組み合わせられるのはなんと54Tのチェーンリング。「ランスが好きだったので、この時代のクランクは手放せないんですよね」と鶴岡さん。KCNCのゴールドチェーンリングボルトで、アクセントを加えているところに遊び心を感じます。
鈴木隆之さん(BMレーシング)オルベア ORCA OMR
鈴木さんの愛車はスペインの老舗バイクブランド、オルベアのフラッグシップモデル、ORCA OMR。所属するBMレーシングのイメージカラーであるブルーとピンクに塗り分けられたフレームは、オルベアのカスタムペイントプログラム、「My O」でオーダーしたもの。
なんと、カラーリングだけでなく、ネームまで入れられるとのことで、トップチューブにはBMレーシングのレターが入っているのもまた、所有欲をくすぐるポイント。オルベアフリークを自任する鈴木さん、このバイクでORCAは3台目なのだという。「曲線的なデザインの第2世代を最初に乗って、その後サンチェスモデルに乗り換え、今はこのモデルに乗っているのですが、一番乗りやすいのはこのORCAですね。」とかなりお気に入りのよう。
組み合わせるパーツもユニークで、コンポーネントはカンパニョーロ スーパーレコード、そしてホイールやステム、シートピラーはステラアズッラを使用している。「特にホイールがいいんですよ。5年以上前から使っているカーボンクリンチャーリムなのですが、特にトラブルも起きていませんし、結構軽いんですよ。パワータップで組んでいるのですが、40mmハイトで1500gくらいに仕上がっています」という。
かなりエンスージアスト好みのパーツチョイスだが、走力もかなりのもので、今年はシニア初級で3位に入った鈴木さん。ちなみにセオフェスは2度目で、去年は5位だったという。「去年は5位、今年は3位なので、来年はぜひ1位を目指したいですね!」と力強い宣言をいただきました。
井狩聖貴さん(BMレーシング)ズノウ Z-1NEXT
上級に出場した井狩さんの愛車は船橋の自転車店、ZUNOW EASTのオリジナルフレームだ。テーパードヘッドが主流となった現代のロードフレームにおいては目新しさを感じる細身のカーボンパイプで構成されたフレームは、端正なたたずまいで、まるで美術品のよう。
ルックなどのOEMを手掛けてきた実力を持つフランスのシファックの手によるフレームは、カーボンパイプを複雑なラグでつないだ独特の造形。「乗り味はかなり柔らか目ですね。以前はアルミバイクに乗っていたのですが、だいぶ脚へのあたりは優しいバイクです。とても自分にマッチしていると思いますね」と井狩さん。
今回は、平坦系のコースと聞いてコスミックカーボンを履いてきたという井狩さんだが、実際走ってみると「意外に上りがあるので、少し重さを感じるところもありました。でも、下りや平地ではアドバンテージでしたね」とのこと。
サドルのチョイスもユニークで、ワンバイエスの幅狭レールを使った「ナロウサーティ」を愛用。「とても脚が回しやすいので、これは手放せませんね。ただ形が独特なので、みんながみんなフィットするかは保障できませんが(笑)」とのことでした。
text&photo:Naoki.YASUOKA
安宅将貴さん(セオサイクル初石)メリダ REACT TEAM
お!桜の花びらが舞い散るあのフレームは、メリダの新城幸也限定モデルのREACTOじゃないですか!?と思ってお声かけさせていただいた安宅さん。ランプレ・メリダも使用するプロスペックバイク、しかもスペシャルエディションの乗っているということからも相当のメリダフリークなのでは?と思ってお話を伺ったところ、「いや、実は……。」と苦笑気味の反応。
「この桜、自分で貼ったんですよね(笑)」な、なんだってー!ちなみに車用のステッカーを流用しているんだとか。なかなかの完成度でした、というよりいや、完全にユキヤモデルだと思ってました(汗)「レースで走っていてもよく声をかけられるんですよね」とのこと、思うツボにはまってしまいました。
ステッカーはDIYとのことですが、全体的な雰囲気もかなりまとまりのある一台。ホイールもフルクラムのハイエンドカーボンディープモデルたるRacingSPEED XLRを使用しているのもランプレ・メリダっぽくて良いですね。全体的にピンクとグリーンのランプレカラーをメインにまとめられているのもまた好印象。
フィジークのバーテープやベロトーゼのシューズカバーはピンクで、パイオニアのペダリングモニターはグリーンとなっており、フレームカラーとのマッチングも最高。持ち主のセンスの良さを感じさせる一台でした。
工藤 隆さん(Team Dreamer)アンカー RHM9
セオフェスは初めて、という工藤さん。どうでした?と感想を尋ねてみると、「かれこれ15年ぶりくらいになるかな、自転車のイベントにでるのは」とおっしゃる。なんと、昔自転車レースで怪我をしてしまい、職場との約束でイベントに出ることをやめていたのだとか。「今年定年を迎えたので、本当に久しぶりなんですよ!」と嬉しさがこちらに伝わってくるような最高の笑顔でした。
さて、そんな工藤さんの愛車は国産ブランド、アンカーのレーシングカーボンフレームRHM9。ヘッドチューブにトップチューブとダウンチューブの端部が巻き付くような「ドラゴンクローヘッド」が特徴的なフレームだ。現行のフラッグシップモデルであるRS9から数えれば2世代前のモデルとなるが、ピカピカのシルバーに塗装されたフレームはきれいに磨き上げられており、経過した年月を感じさせない。駆動系にも汚れは一切なく、自転車への愛情がうかがえます。
メタルフレームのように輝く銀色のフレームに組み合わせられるのは情熱的な赤色のパーツたち。フルクラムの初代RacingZeroにはじまり、サドルやバーテープ、ペダルなどなど、レッドパーツがあしらわれ、ツートーンに仕上げられていました。ちなみにコンセプトは?と尋ねると「ウルトラマンカラーなんですよね(笑)」とのこと。なるほど、納得です。
フレームの型式は古いですが、コンポーネントは最新のシマノ 9100系デュラエース。「昔は最後のバイクはカンパで組もうと思っていたのですが、シマノにしてしまいました。でも、変速も驚くほど速くなっていますし、ブラケットも握りやすくて、とてもいいですね。」と気に入っておられるようでした。
鶴岡清隆さん(クランクゴリラ)グエルチョッティ EUREKA
本格的な日本での展開が始まったイタリアのグエルチョッティを駆る鶴岡さん。「Crunk Gorilla」というチーム名は「ドランクとクレイジーを掛け合わせた造語でCRUNK。つまり、気が狂うくらい酔っぱらったゴリラ、という意味です」とのことで、その名の通りの爆発的なスプリント力で、上級クラスで3位に入賞されていました。
「とにかく、リア三角が軽くて硬くて力を逃がさないので、スプリンター向きのバイクなんですよ」と愛車について語るツ鶴岡さん。いろいろなこだわりが詰まったバイクだということですが、とにかく重視しているのは平坦での伸びなんだとか。たしかに、エンヴィのスーパーディープホイールはとても迫力があって、いかにもトップスピードが伸びそうなオーラを漂わせていました。
今となっては珍しい、78デュラのクランクに組み合わせられるのはなんと54Tのチェーンリング。「ランスが好きだったので、この時代のクランクは手放せないんですよね」と鶴岡さん。KCNCのゴールドチェーンリングボルトで、アクセントを加えているところに遊び心を感じます。
鈴木隆之さん(BMレーシング)オルベア ORCA OMR
鈴木さんの愛車はスペインの老舗バイクブランド、オルベアのフラッグシップモデル、ORCA OMR。所属するBMレーシングのイメージカラーであるブルーとピンクに塗り分けられたフレームは、オルベアのカスタムペイントプログラム、「My O」でオーダーしたもの。
なんと、カラーリングだけでなく、ネームまで入れられるとのことで、トップチューブにはBMレーシングのレターが入っているのもまた、所有欲をくすぐるポイント。オルベアフリークを自任する鈴木さん、このバイクでORCAは3台目なのだという。「曲線的なデザインの第2世代を最初に乗って、その後サンチェスモデルに乗り換え、今はこのモデルに乗っているのですが、一番乗りやすいのはこのORCAですね。」とかなりお気に入りのよう。
組み合わせるパーツもユニークで、コンポーネントはカンパニョーロ スーパーレコード、そしてホイールやステム、シートピラーはステラアズッラを使用している。「特にホイールがいいんですよ。5年以上前から使っているカーボンクリンチャーリムなのですが、特にトラブルも起きていませんし、結構軽いんですよ。パワータップで組んでいるのですが、40mmハイトで1500gくらいに仕上がっています」という。
かなりエンスージアスト好みのパーツチョイスだが、走力もかなりのもので、今年はシニア初級で3位に入った鈴木さん。ちなみにセオフェスは2度目で、去年は5位だったという。「去年は5位、今年は3位なので、来年はぜひ1位を目指したいですね!」と力強い宣言をいただきました。
井狩聖貴さん(BMレーシング)ズノウ Z-1NEXT
上級に出場した井狩さんの愛車は船橋の自転車店、ZUNOW EASTのオリジナルフレームだ。テーパードヘッドが主流となった現代のロードフレームにおいては目新しさを感じる細身のカーボンパイプで構成されたフレームは、端正なたたずまいで、まるで美術品のよう。
ルックなどのOEMを手掛けてきた実力を持つフランスのシファックの手によるフレームは、カーボンパイプを複雑なラグでつないだ独特の造形。「乗り味はかなり柔らか目ですね。以前はアルミバイクに乗っていたのですが、だいぶ脚へのあたりは優しいバイクです。とても自分にマッチしていると思いますね」と井狩さん。
今回は、平坦系のコースと聞いてコスミックカーボンを履いてきたという井狩さんだが、実際走ってみると「意外に上りがあるので、少し重さを感じるところもありました。でも、下りや平地ではアドバンテージでしたね」とのこと。
サドルのチョイスもユニークで、ワンバイエスの幅狭レールを使った「ナロウサーティ」を愛用。「とても脚が回しやすいので、これは手放せませんね。ただ形が独特なので、みんながみんなフィットするかは保障できませんが(笑)」とのことでした。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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