2016/11/10(木) - 08:45
最新バイクにパーツがそろう3日間となったサイクルモード。きらびやかにショーアップされたメーカーブースだけが、サイクルモードの魅力ではありません。さまざまなテーマごとに出展された企画ブースの様子を紹介していきましょう。
クルマとスポーツバイクのマリアージュ シックスホイールスタイル
自動車があれば、スポーツバイクはもっと楽しくなる。ロードバイクなら、普段走りに行くことができないエリアへ出かけられるし、MTBを楽しむのならトレイルやパークまでのアプローチは自動車が必須といってもいいほど。そんな、自転車生活をもっともっと豊かにしてくれる自動車にフォーカスを当てたエリアがシックスホイールスタイルだ。
しまなみ海道のお膝元である広島県を本拠とする自動車メーカーのマツダは、クリーンディーゼルのスポーツカー「CX-3」を出品した。三船雅彦さん率いるグループとしまなみ海道をツーリングをした際にも使用したサイクリングサポートカーで、広島・尾道から愛媛・今治までの往路をサイクリングで、復路を自転車を積んだクルマで戻るという企画だった。
サイクリストがライディングポジションにこだわるようにドライビングポジションにこだわった「走る歓び」を感じられるクルマづくりを目指しているマツダは、自転車の最適な積載方法としてクルマ後部に積載・牽引するヒッチキャリアの開発にもキャリアメーカーとの共同開発で着手しているとのことで、そのプレゼンも行っていた。
また、シックスホイールスタイルコーナーで最も多く並んでいたのが、トランポとして大人気を誇るトヨタ・ハイエース。中でもコンプリートカーやカスタマイズアイテムなどを発売するトヨタモデリスタインターナショナルは、ニーズに合わせて荷台をカスタマイズした2台の「MRT」デモカーを持ち込んだ。
「MRT」とはモデリスタが提唱するマルチロール・トランスポーターの略で、ハイエースの内装をカスタマイズしやすいベースに整えた上で納車するシステム。会場に用意された一台は自転車を積みながら、シングルベッドキットを組み込んで車中泊を可能にしたカスタマイズ、もう一台はより多くの自転車やアイテム類を積み込めるようカスタマイズしたものだ。5台積みのサイクルホルダーはまだ製品化されていないプロトタイプとのことだが、定評あるミノウラ製で、各種パーツがイエローとなっているのはモデリスタのオリジナルなのだそう。
「オートバイに乗る方やオートキャンプを楽しむ方にとって、車中泊は今や一般的なもの。ですが自転車ユーザーにとってはまだまだ遠い存在なのでは?と感じ、その魅力をお伝えするために出展しました」とは、モデリスタの小島学さん。「商用車のイメージが強いハイエースですが、オプションを工夫することで快適なトランポ兼キャンパーにもなるんです。最近は車中泊可能な道の駅も増えていますし、こういったクルマがあれば、1泊2日程度の小旅行がもっと快適に、そしてバリエーションに富んだプランを組むことができるんです」と語ってくれた。ちなみに車体のエアロパーツやアルミホイール、パワースライドドアなどを含めた価格は4,428,296円(税込、車中泊仕様)と4,120,201円(トランポ仕様)。
また、ベーシックなモデリスタに対して、趣向を凝らしたカスタムハイエースを販売するALFLEXでは、高級キャンピングカー同様のゴージャスな内装をセットしたデモカーを展示。お値段800万円ほどとハイエンドだが、一台一台を丁寧に作り上げるだけに特別感もひとしおだ。
シックスホイールスタイルブースでは軽キャンパーが展示されていた他、アキコーポレーションブースではチーム右京のチームカーが展示されていたり、ミノウラブースにも中積みホルダーを設置したクルマがあったりと、注目も上々だった様子。
愛車と一緒にどこへ行こう? 自転車×旅フェア
お気に入りの一台を見つけて、自分の物にしたら、次に問題になってくるのが、「どこを走ろうか?」ということ。近場の定番コースも良いけれど、そればかりでは飽きてしまう。自動車のようにあっという間に通り過ぎてしまう事もなく、電車のようにルートが決まっているわけでもない、自由に旅を楽しめる自転車は地域を良く知るためにうってつけの手段だ。
サイクルモードでは自転車×旅フェアと銘打って、全国各地から自転車で巡るのにぴったりのエリアを紹介する企画が設けられた。サイクリストにとっては永遠の憧れである北海道や沖縄、しまなみ海道を擁する愛媛県をはじめとして、様々な自治体が集まった。いくつか、注目のブースを紹介しよう。
しまなみ海道サイクリングが世界的に知名度を高めつつあるなど、官民一体となったサイクルツーリズム先進県である愛媛県は、なんと道後温泉の「足湯」をブースで再現。歩き(漕ぎ)疲れた人の足の疲れを癒やしていた。「ノッてるガールズ愛媛」のお嬢さんたちが持っているのは愛媛県内の温泉&サイクリングマップ。しまなみ海道を楽しんだら、おすすめのサイクリングコースで愛媛県内も自転車で旅してもらおうという考えだ。
美ら島センチュリーライド、ツール・ド・おきなわ、シュガーライド久米島、エコスピリッツライド&ウォークin南城市などの開催と、スポーツ合宿などでの利用、そして自転車でのエコツーリズムでサイクリストを魅了し続ける沖縄県は今年もサイクリングアイランドOKINAWAをブース展開してPR。イベント&サイクリングマップも配布し好評でした。
イリオモテヤマネコが生息する秘境である八重山諸島の西表島も、「西表島を人とスポーツでつなぎたい」と、その恵まれた環境を利用してのスポーツ合宿を呼びかける。西表島スポーツプロジェクトの川尻さんはサイクリストでありダイビングインストラクターでもあるため、ロードライドをガイドしてくれたり、沖合のバラス島などでのスイムにも連れて行ってくれる。「イリオモテの魅力を体験できるスポーツ合宿を提案しています」と魅力をアピール。
青森県は奥入瀬、十和田、下北半島などサイクリング好適地の宝庫だが、8つの参考サイクリングコースを提案したマップとアドバイスにより「行くたび、あたらしい青森」というキャッチフレーズで青森でのサイクルツーリズムをアピール。配布された林檎ジュースの美味しかったこと!
信越エリアのサイクリング事情を紹介していた信越自然郷ブース。ロードバイクでもMTBでも楽しむことができる豊かな自然を誇るエリアの魅力を伝えてくれた。これからの時期は雪が降ってしまうため、普通であれば自転車とは縁遠くなりそうなものだが、じつは隠し玉が。戸狩温泉スキー場で行われる「雪ちゃりナイター」では夜のゲレンデを自転車専用に借り切ってスノーライドを楽しめるのだとか。
長野にもほど近い軽井沢で行われるグランフォンド軽井沢ブースでは、なぜか金魚すくいが出来るように。エイドが充実していることが特徴の同大会らしく、サイクルモード中のエイドステーションとして利用してもらえれば、というコンセプトのこと。ちなみに子供だけでなく、大人たちも真剣に金魚を追いかけていました。
タイ郊外のチェンライにある公園「シンハーパーク」もブース出展! チェンライ国際MTBの舞台でも有り、公園内にバイクコースやMTBトレイルが縦横無尽にあり、シンハービール直営の美味しいレストランが好評だ。この地で新城幸也選手や金子大介選手(写真)もトレーニングして日本人サイクリストとの関係も深い。今後バイクイベントなどで日本からも多くのゲストを迎えたい意向だ。
text&photo:CW編集部
クルマとスポーツバイクのマリアージュ シックスホイールスタイル
自動車があれば、スポーツバイクはもっと楽しくなる。ロードバイクなら、普段走りに行くことができないエリアへ出かけられるし、MTBを楽しむのならトレイルやパークまでのアプローチは自動車が必須といってもいいほど。そんな、自転車生活をもっともっと豊かにしてくれる自動車にフォーカスを当てたエリアがシックスホイールスタイルだ。
しまなみ海道のお膝元である広島県を本拠とする自動車メーカーのマツダは、クリーンディーゼルのスポーツカー「CX-3」を出品した。三船雅彦さん率いるグループとしまなみ海道をツーリングをした際にも使用したサイクリングサポートカーで、広島・尾道から愛媛・今治までの往路をサイクリングで、復路を自転車を積んだクルマで戻るという企画だった。
サイクリストがライディングポジションにこだわるようにドライビングポジションにこだわった「走る歓び」を感じられるクルマづくりを目指しているマツダは、自転車の最適な積載方法としてクルマ後部に積載・牽引するヒッチキャリアの開発にもキャリアメーカーとの共同開発で着手しているとのことで、そのプレゼンも行っていた。
また、シックスホイールスタイルコーナーで最も多く並んでいたのが、トランポとして大人気を誇るトヨタ・ハイエース。中でもコンプリートカーやカスタマイズアイテムなどを発売するトヨタモデリスタインターナショナルは、ニーズに合わせて荷台をカスタマイズした2台の「MRT」デモカーを持ち込んだ。
「MRT」とはモデリスタが提唱するマルチロール・トランスポーターの略で、ハイエースの内装をカスタマイズしやすいベースに整えた上で納車するシステム。会場に用意された一台は自転車を積みながら、シングルベッドキットを組み込んで車中泊を可能にしたカスタマイズ、もう一台はより多くの自転車やアイテム類を積み込めるようカスタマイズしたものだ。5台積みのサイクルホルダーはまだ製品化されていないプロトタイプとのことだが、定評あるミノウラ製で、各種パーツがイエローとなっているのはモデリスタのオリジナルなのだそう。
「オートバイに乗る方やオートキャンプを楽しむ方にとって、車中泊は今や一般的なもの。ですが自転車ユーザーにとってはまだまだ遠い存在なのでは?と感じ、その魅力をお伝えするために出展しました」とは、モデリスタの小島学さん。「商用車のイメージが強いハイエースですが、オプションを工夫することで快適なトランポ兼キャンパーにもなるんです。最近は車中泊可能な道の駅も増えていますし、こういったクルマがあれば、1泊2日程度の小旅行がもっと快適に、そしてバリエーションに富んだプランを組むことができるんです」と語ってくれた。ちなみに車体のエアロパーツやアルミホイール、パワースライドドアなどを含めた価格は4,428,296円(税込、車中泊仕様)と4,120,201円(トランポ仕様)。
また、ベーシックなモデリスタに対して、趣向を凝らしたカスタムハイエースを販売するALFLEXでは、高級キャンピングカー同様のゴージャスな内装をセットしたデモカーを展示。お値段800万円ほどとハイエンドだが、一台一台を丁寧に作り上げるだけに特別感もひとしおだ。
シックスホイールスタイルブースでは軽キャンパーが展示されていた他、アキコーポレーションブースではチーム右京のチームカーが展示されていたり、ミノウラブースにも中積みホルダーを設置したクルマがあったりと、注目も上々だった様子。
愛車と一緒にどこへ行こう? 自転車×旅フェア
お気に入りの一台を見つけて、自分の物にしたら、次に問題になってくるのが、「どこを走ろうか?」ということ。近場の定番コースも良いけれど、そればかりでは飽きてしまう。自動車のようにあっという間に通り過ぎてしまう事もなく、電車のようにルートが決まっているわけでもない、自由に旅を楽しめる自転車は地域を良く知るためにうってつけの手段だ。
サイクルモードでは自転車×旅フェアと銘打って、全国各地から自転車で巡るのにぴったりのエリアを紹介する企画が設けられた。サイクリストにとっては永遠の憧れである北海道や沖縄、しまなみ海道を擁する愛媛県をはじめとして、様々な自治体が集まった。いくつか、注目のブースを紹介しよう。
しまなみ海道サイクリングが世界的に知名度を高めつつあるなど、官民一体となったサイクルツーリズム先進県である愛媛県は、なんと道後温泉の「足湯」をブースで再現。歩き(漕ぎ)疲れた人の足の疲れを癒やしていた。「ノッてるガールズ愛媛」のお嬢さんたちが持っているのは愛媛県内の温泉&サイクリングマップ。しまなみ海道を楽しんだら、おすすめのサイクリングコースで愛媛県内も自転車で旅してもらおうという考えだ。
美ら島センチュリーライド、ツール・ド・おきなわ、シュガーライド久米島、エコスピリッツライド&ウォークin南城市などの開催と、スポーツ合宿などでの利用、そして自転車でのエコツーリズムでサイクリストを魅了し続ける沖縄県は今年もサイクリングアイランドOKINAWAをブース展開してPR。イベント&サイクリングマップも配布し好評でした。
イリオモテヤマネコが生息する秘境である八重山諸島の西表島も、「西表島を人とスポーツでつなぎたい」と、その恵まれた環境を利用してのスポーツ合宿を呼びかける。西表島スポーツプロジェクトの川尻さんはサイクリストでありダイビングインストラクターでもあるため、ロードライドをガイドしてくれたり、沖合のバラス島などでのスイムにも連れて行ってくれる。「イリオモテの魅力を体験できるスポーツ合宿を提案しています」と魅力をアピール。
青森県は奥入瀬、十和田、下北半島などサイクリング好適地の宝庫だが、8つの参考サイクリングコースを提案したマップとアドバイスにより「行くたび、あたらしい青森」というキャッチフレーズで青森でのサイクルツーリズムをアピール。配布された林檎ジュースの美味しかったこと!
信越エリアのサイクリング事情を紹介していた信越自然郷ブース。ロードバイクでもMTBでも楽しむことができる豊かな自然を誇るエリアの魅力を伝えてくれた。これからの時期は雪が降ってしまうため、普通であれば自転車とは縁遠くなりそうなものだが、じつは隠し玉が。戸狩温泉スキー場で行われる「雪ちゃりナイター」では夜のゲレンデを自転車専用に借り切ってスノーライドを楽しめるのだとか。
長野にもほど近い軽井沢で行われるグランフォンド軽井沢ブースでは、なぜか金魚すくいが出来るように。エイドが充実していることが特徴の同大会らしく、サイクルモード中のエイドステーションとして利用してもらえれば、というコンセプトのこと。ちなみに子供だけでなく、大人たちも真剣に金魚を追いかけていました。
タイ郊外のチェンライにある公園「シンハーパーク」もブース出展! チェンライ国際MTBの舞台でも有り、公園内にバイクコースやMTBトレイルが縦横無尽にあり、シンハービール直営の美味しいレストランが好評だ。この地で新城幸也選手や金子大介選手(写真)もトレーニングして日本人サイクリストとの関係も深い。今後バイクイベントなどで日本からも多くのゲストを迎えたい意向だ。
text&photo:CW編集部
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