2016/01/20(水) - 08:55
4方向からクリートをキャッチできる独自のビンディングシステムで、根強い人気をもつクランクブラザーズのペダル。今回は、そのラインナップの中からCANDYとmalletをピックアップしてインプレッションした。
4面でのクリートキャッチが出来る唯一のビンディングシステムを持つクランクブラザーズのペダル。中でも、もっともシンプルでベーシックなモデルであるエッグビーターは泥つまりもしづらく、クリートキャッチが容易であることからXCライダーを中心に多くのMTBerやCXライダーの支持を集めてきた。
クランクブラザーズのビンディングペダルラインアップは、プラットフォームの大きさで3種類が用意される。プラットフォームレスで、軽量性と泥はけを重要視したXCレース向けのエッグビーター、小ぶりなプラットフォームでパワー伝達効率を向上させるとともに、クリートキャッチがしやすくなったXC/AM用のキャンディ、大きなプラットフォームにピンが配置され、抜群の安定感を持つDH用のマレットの3種類だ。
今回インプレッションしたのは、プラットフォームを持つキャンディとマレットである。オフロードイメージの強いクランクブラザーズであるが、今回キャンディはロードバイクに取り付け、日々の通勤や取材などで使用してみた。一方マレットは、MTBに取り付け、トレイルライドやCXレースでテストを行った。
クランクブラザーズ CANDY3
今回のインプレッションでは、オフロードバイクではなく敢えてロードバイクへと取り付けてみたキャンディ3。軽さやパワー伝達効率を求めるレースユースであれば、専用のロード用ペダルが最も適していることは論をまたないが、通勤やロングツーリングであれば、多少の軽量化や踏み面の大きさよりも、脱着の容易さや歩きやすさといった要素をより重要視する人も多いだろう。
そういった向きにはMTB用のビンディングシステムを使用することになるが、線の細いロードバイクにゴツゴツとしたMTBペダルは似合わないという悩みもあったのではないだろうか。しかし、このキャンディは非常に洗練されたシェイプのプラットフォームと、鮮やかなカラーリングでロードバイクと組み合わせても何ら違和感のないルックスを持っている。カーボン化の進むロードペダルにはない、カラーアルマイトのメタリックな輝きは目に新鮮に映るし、高級感を演出してくれる。
4面ビンディングと聞くと、なにか特別な扱いが必要だと身構えてしまう人もいるかもしれないが、その装着感は至ってナチュラル。ペダルがどんな方向を向いていても、非常にスムースにクリートをキャッチしてくれるので、ビンディング初心者にもぴったりだろう。とくにペダル脱着回数が多い通勤ライドでは、その恩恵を多いに感じることができた。上手くステップイン出来ずに、ペダルの様子を確認するため下を向いてしまうようなことも少ないので、安全面でもメリットは大きい。
コンパクトなデザインのプラットフォームながら、シューズとの接触面積は多く確保されているようで、流石にロード用ペダル程ではないものの、しっかりと足裏を支えてくれているような安定感を感じる。ロード用ビンディングシューズに専用のクリートをつけた状態であれば、重量的なビハインドもほとんどないため、かなりハイペースなライドにも対応してくれるだろう。
ロードシューズ用の三つ穴クリートはプラスチックベースにクリートがボルトオンされ、その周りを滑り止めのゴムパーツが囲うことで歩行性を確保している。クリートが直接地面に当たることが無いので、寿命も延びる。もちろんMTBシューズにも対応しているため、ペダルを交換することなく走りの軽さを求めるときはロードシューズ、出先で歩くことが多いときはMTBシューズというようにシチュエーションによって使い分けることが出来る。
総じて、オフロードからオンロードまで幅広く対応できるペダルであるので、初めてのビンディングペダルを考えている人や、ロードバイクもMTBも持っている人、ロングツーリングや通勤をメインとする人には非常に使い勝手の良いペダルだと感じた。
クランクブラザーズ mallet3
さて、一方のマレット。DH用のフラットペダルのような大きなプラットフォームはいかにもオフロード用です!と主張しているような存在感がある。重量も実測248g(片側)と、さすがに軽いとは言えないがそのデメリットを補って余りあるメリットがこのペダルにはあると感じた。
ピンが打たれた大きなプラットフォームは、他のどのペダルよりもしっかりしたホールド感をもたらしてくれる。CXレースで使用した際は、再乗車時にクリートがすぐに嵌まらなくてもとりあえず踏んでいけるばかりか、そのまま下りに入っても大丈夫なほど。とはいえ、クリートキャッチもしやすいため、そのような状況に陥ることは早々ないだろう。
DHレースで大きなシェアをもつということが納得できる性能であり、そのメリットはトレイルライドなどでも大いに活かせるものである。ライディングテクニックが未熟で、余裕が少ない初心者ほど、このペダルのメリットを享受することができるのではないだろうか。大ぶりな見た目さえ許せば、ハードテールバイクやシクロクロスバイクに取り付けても活躍できるだけの潜在力を感じるプロダクトだった。
text:Naoki.YASUOKA
4面でのクリートキャッチが出来る唯一のビンディングシステムを持つクランクブラザーズのペダル。中でも、もっともシンプルでベーシックなモデルであるエッグビーターは泥つまりもしづらく、クリートキャッチが容易であることからXCライダーを中心に多くのMTBerやCXライダーの支持を集めてきた。
クランクブラザーズのビンディングペダルラインアップは、プラットフォームの大きさで3種類が用意される。プラットフォームレスで、軽量性と泥はけを重要視したXCレース向けのエッグビーター、小ぶりなプラットフォームでパワー伝達効率を向上させるとともに、クリートキャッチがしやすくなったXC/AM用のキャンディ、大きなプラットフォームにピンが配置され、抜群の安定感を持つDH用のマレットの3種類だ。
今回インプレッションしたのは、プラットフォームを持つキャンディとマレットである。オフロードイメージの強いクランクブラザーズであるが、今回キャンディはロードバイクに取り付け、日々の通勤や取材などで使用してみた。一方マレットは、MTBに取り付け、トレイルライドやCXレースでテストを行った。
クランクブラザーズ CANDY3
今回のインプレッションでは、オフロードバイクではなく敢えてロードバイクへと取り付けてみたキャンディ3。軽さやパワー伝達効率を求めるレースユースであれば、専用のロード用ペダルが最も適していることは論をまたないが、通勤やロングツーリングであれば、多少の軽量化や踏み面の大きさよりも、脱着の容易さや歩きやすさといった要素をより重要視する人も多いだろう。
そういった向きにはMTB用のビンディングシステムを使用することになるが、線の細いロードバイクにゴツゴツとしたMTBペダルは似合わないという悩みもあったのではないだろうか。しかし、このキャンディは非常に洗練されたシェイプのプラットフォームと、鮮やかなカラーリングでロードバイクと組み合わせても何ら違和感のないルックスを持っている。カーボン化の進むロードペダルにはない、カラーアルマイトのメタリックな輝きは目に新鮮に映るし、高級感を演出してくれる。
4面ビンディングと聞くと、なにか特別な扱いが必要だと身構えてしまう人もいるかもしれないが、その装着感は至ってナチュラル。ペダルがどんな方向を向いていても、非常にスムースにクリートをキャッチしてくれるので、ビンディング初心者にもぴったりだろう。とくにペダル脱着回数が多い通勤ライドでは、その恩恵を多いに感じることができた。上手くステップイン出来ずに、ペダルの様子を確認するため下を向いてしまうようなことも少ないので、安全面でもメリットは大きい。
コンパクトなデザインのプラットフォームながら、シューズとの接触面積は多く確保されているようで、流石にロード用ペダル程ではないものの、しっかりと足裏を支えてくれているような安定感を感じる。ロード用ビンディングシューズに専用のクリートをつけた状態であれば、重量的なビハインドもほとんどないため、かなりハイペースなライドにも対応してくれるだろう。
ロードシューズ用の三つ穴クリートはプラスチックベースにクリートがボルトオンされ、その周りを滑り止めのゴムパーツが囲うことで歩行性を確保している。クリートが直接地面に当たることが無いので、寿命も延びる。もちろんMTBシューズにも対応しているため、ペダルを交換することなく走りの軽さを求めるときはロードシューズ、出先で歩くことが多いときはMTBシューズというようにシチュエーションによって使い分けることが出来る。
総じて、オフロードからオンロードまで幅広く対応できるペダルであるので、初めてのビンディングペダルを考えている人や、ロードバイクもMTBも持っている人、ロングツーリングや通勤をメインとする人には非常に使い勝手の良いペダルだと感じた。
クランクブラザーズ mallet3
さて、一方のマレット。DH用のフラットペダルのような大きなプラットフォームはいかにもオフロード用です!と主張しているような存在感がある。重量も実測248g(片側)と、さすがに軽いとは言えないがそのデメリットを補って余りあるメリットがこのペダルにはあると感じた。
ピンが打たれた大きなプラットフォームは、他のどのペダルよりもしっかりしたホールド感をもたらしてくれる。CXレースで使用した際は、再乗車時にクリートがすぐに嵌まらなくてもとりあえず踏んでいけるばかりか、そのまま下りに入っても大丈夫なほど。とはいえ、クリートキャッチもしやすいため、そのような状況に陥ることは早々ないだろう。
DHレースで大きなシェアをもつということが納得できる性能であり、そのメリットはトレイルライドなどでも大いに活かせるものである。ライディングテクニックが未熟で、余裕が少ない初心者ほど、このペダルのメリットを享受することができるのではないだろうか。大ぶりな見た目さえ許せば、ハードテールバイクやシクロクロスバイクに取り付けても活躍できるだけの潜在力を感じるプロダクトだった。
text:Naoki.YASUOKA
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