2014/06/20(金) - 09:40
日本最大規模の自転車レースイベントの一つ、Mt.富士ヒルクライム。今回は24kmに渡る登りにひたすら挑む、そんなイベントに集まったバイク達にフォーカスしてみました。TOP5のバイクに続き、今中大介さんや最軽量選手権優勝バイクも登場します!
まこと さん カレラ PHIBRA
ファンライド誌の連載でもお馴染みのミュージシャン、まことさん。Mt.富士ヒルクライムのゲストとしてもお馴染みだが、所有する中から今回は弓なりのトップチューブが美しいフィブラを持ち込んだ。
パーツで目立つのは、やはり豹のペイントが施されたチネリのramハンドル。これにホワイトのブラケットフードとグリーン、レッドのバーテープを組み合わせハンドル周りでイタリアを表現している。「全てにおいて"自分道"がありますよ。僕が所有しているバイクは全部、形が長く続きそうなモデル。このフィブラも40歳の誕生日に買ったのですが、46歳になった今も古びてないですよね」。確かに一切古い感じはしないし、どこにも破綻が無く、とにかく美しく磨かれた様子からはバイクに対する強い愛情が伝わってくる。
このフィブラは完全なるオーダーメイドフレームで、笑い話としてイタリアからの問いに背伸びして答えたらとても硬い仕様になってしまったそう。でも「女性に例えるならば、言うことを聞いてくれない気難しい小娘ですが、付き合いがいはありますよ」と嬉しそうなご様子だった。
今中大介さん(インターマックス代表) クォータ KOM AIR
ご存知インターマックス代表の今中大介さん。ステージ裏で取材中だったところに通りかかったのが運の尽き(?)と出演のお声掛けをしてみました。土曜日はステージイベント、日曜日はゲストライダーとしてお忙しい今中さんの愛車はクォータのハイエンドバイクであるKOM。2種類が用意されるKOMだが、「しっとりとした上質な乗り味で、ライトウェイトの硬さとのマッチングが良いですね」と言う軽量バージョンの「AIR」をチョイスしていた。
ホイールはライトウェイト、タイヤにヴェロフレックスのレコード、ハンドル周りはリッチーとオーソドックスな山岳仕様(?)で組まれたバイクだが、こだわりはWR製のサドル。ペラペラな軽量カーボン製だが、「長距離をゆっくり乗ると少し痛みが出ますが、ヒルクライムのように短時間を高強度で走る場合には快適ですよ。」と言う。サドルには滑り止めとしてビニールテープを張っているあたり、ヨーロッパのプロっぽさを感じるところ。
全体的に前乗りのセッティングが気になって聞いてみたところ、「プロの時とは大きくポジションが変わっていますね。前は思いっきりサドルを引いていたんですが、どんどんハンドルが前に出ています」とのこと。ちなみに身長172cmでサドルハイトは740mmというから、脚が長くて羨ましい限り!ちなみにステムは120mmとのことでした。
渋谷さん キャノンデール SUPERSIX EVO BLACK INC.(計量選手権優勝バイク)
一目見ただけで凄みを感じさせる軽量チューニングが施されたこちらは、渋谷さん(顔出しNGとのことで、手のみご出演)のキャノンデール SUPERSIX EVO BLACK INC.。わずか4.275kgという重量をマークし計量選手権で見事優勝を飾ったスーパーお金掛かってる仕様バイクである。
このバイクのテーマは「しっかりと登って、しっかりと下りもこなせる超軽量バイク」。確かにフロントギアは2枚だし(カーボンチェーンリングだけど)、下ハンドルもカットしていない(バーテープ無いけど)というロードバイク然としたスタイルで、それは「自転車の美しさを破綻させたくない」ことにも理由があるからだそう。シフトワイヤーには軽量化のためにケブラーを使っているが、ブレーキワイヤーは安全を考慮してチタン製のものを採用している。
ホイールやブレーキキャリパー、クランク、サドル、ハンドル周りなどはax-lightnessで揃えており、アウターワイヤーはノコンでペダルはAERO LIGHT。規格が合わずに使えないパーツは工夫して取り付けているそうだ。「軽量すぎて慣性が働かず、平坦や下りではすぐ失速してしまうんです。でも登りの軽さはやっぱり魅力で、一度こんなバイクを作ってみたかった。完成度ですか?軽量バイクに終わりはありませんよ(笑)」
水野恭志さん アマンダ カーボン×クロモリハイブリッド仕様
会場でひときわ目を惹いていたのは、ディスクホイールを組み合わせた水野さんのアマンダ。このアマンダはクロモリとカーボンのパイプを使っていて、赤い部分がカーボン、黒い部分がクロモリで作られている。オーダーのキーワードは「高剛性」で、とにかく硬いレーシングバイクに仕上がっているそうだ。
気になるホイールは後輪が木リムにバルサとハニカム材を組み合わせ、それをカーボンで挟んだディスク。前輪はテスト中の木リム+カーボンスポークのコンプレッションホイールだという。後輪は表面にカーボン材を追加したことで剛性が上がり、非常に満足しているとのこと。「重量はありますが、このままヒルクライムに出ます。全く性能的には不満がありませんよ。」と言う。
ちなみにコンポーネントはDi2で、アマンダお約束(?)のSRMを組み合わせてパワートレーニングを積んでいると言う。「できれば(タイムは)65分、最低でも70分を切りたいですね。」と教えてくれたが、果たして結果は…?
池内清晄さん ルック 695 Premium COLLECTION 「JAPAN」
池内さんの愛車は、ルックが2012年に発売した695のPremium COLLECTION、ジャパンモデル。選りすぐられた職人の手によって日の丸をコンセプトとしたカラーリングが施された貴重な限定生産品だ。
フレームと同じくサドルやホイールなどもホワイト×レッドカラーの製品を使い、とても精悍な印象を受ける。ヒルクライム決戦用アイテムとしてリアカセットをreconのアルミスプロケットに、タイヤをTOFOのElite JETに交換済みだ。基本はシマノDi2で組んでいるものの、ブレーキキャリパーだけはカンパニョーロ。「古い人間ですから、ブレーキはやっぱりカンパだよなって思うんです。」
池内さんは大学時代に自転車競技に打ち込み、トラック競技のスプリント種目で宇都宮国体に出場した経験の持ち主で、暫くのブランクを経て3年前から自転車に復帰。しかし続けざまに自転車で2回の交通事故に遭い、怪我を負ったまま昨年の本大会に参加して散々な思いをしてしまったそうだ。今年はリベンジとして体重を10kg落としてきたとのことで、「ショップのスタッフに"これで1時間半きらなきゃダメですよ"と脅されているんです(笑)」と教えてくれた。
text&photo:So.Isobe
まこと さん カレラ PHIBRA
ファンライド誌の連載でもお馴染みのミュージシャン、まことさん。Mt.富士ヒルクライムのゲストとしてもお馴染みだが、所有する中から今回は弓なりのトップチューブが美しいフィブラを持ち込んだ。
パーツで目立つのは、やはり豹のペイントが施されたチネリのramハンドル。これにホワイトのブラケットフードとグリーン、レッドのバーテープを組み合わせハンドル周りでイタリアを表現している。「全てにおいて"自分道"がありますよ。僕が所有しているバイクは全部、形が長く続きそうなモデル。このフィブラも40歳の誕生日に買ったのですが、46歳になった今も古びてないですよね」。確かに一切古い感じはしないし、どこにも破綻が無く、とにかく美しく磨かれた様子からはバイクに対する強い愛情が伝わってくる。
このフィブラは完全なるオーダーメイドフレームで、笑い話としてイタリアからの問いに背伸びして答えたらとても硬い仕様になってしまったそう。でも「女性に例えるならば、言うことを聞いてくれない気難しい小娘ですが、付き合いがいはありますよ」と嬉しそうなご様子だった。
今中大介さん(インターマックス代表) クォータ KOM AIR
ご存知インターマックス代表の今中大介さん。ステージ裏で取材中だったところに通りかかったのが運の尽き(?)と出演のお声掛けをしてみました。土曜日はステージイベント、日曜日はゲストライダーとしてお忙しい今中さんの愛車はクォータのハイエンドバイクであるKOM。2種類が用意されるKOMだが、「しっとりとした上質な乗り味で、ライトウェイトの硬さとのマッチングが良いですね」と言う軽量バージョンの「AIR」をチョイスしていた。
ホイールはライトウェイト、タイヤにヴェロフレックスのレコード、ハンドル周りはリッチーとオーソドックスな山岳仕様(?)で組まれたバイクだが、こだわりはWR製のサドル。ペラペラな軽量カーボン製だが、「長距離をゆっくり乗ると少し痛みが出ますが、ヒルクライムのように短時間を高強度で走る場合には快適ですよ。」と言う。サドルには滑り止めとしてビニールテープを張っているあたり、ヨーロッパのプロっぽさを感じるところ。
全体的に前乗りのセッティングが気になって聞いてみたところ、「プロの時とは大きくポジションが変わっていますね。前は思いっきりサドルを引いていたんですが、どんどんハンドルが前に出ています」とのこと。ちなみに身長172cmでサドルハイトは740mmというから、脚が長くて羨ましい限り!ちなみにステムは120mmとのことでした。
渋谷さん キャノンデール SUPERSIX EVO BLACK INC.(計量選手権優勝バイク)
一目見ただけで凄みを感じさせる軽量チューニングが施されたこちらは、渋谷さん(顔出しNGとのことで、手のみご出演)のキャノンデール SUPERSIX EVO BLACK INC.。わずか4.275kgという重量をマークし計量選手権で見事優勝を飾ったスーパーお金掛かってる仕様バイクである。
このバイクのテーマは「しっかりと登って、しっかりと下りもこなせる超軽量バイク」。確かにフロントギアは2枚だし(カーボンチェーンリングだけど)、下ハンドルもカットしていない(バーテープ無いけど)というロードバイク然としたスタイルで、それは「自転車の美しさを破綻させたくない」ことにも理由があるからだそう。シフトワイヤーには軽量化のためにケブラーを使っているが、ブレーキワイヤーは安全を考慮してチタン製のものを採用している。
ホイールやブレーキキャリパー、クランク、サドル、ハンドル周りなどはax-lightnessで揃えており、アウターワイヤーはノコンでペダルはAERO LIGHT。規格が合わずに使えないパーツは工夫して取り付けているそうだ。「軽量すぎて慣性が働かず、平坦や下りではすぐ失速してしまうんです。でも登りの軽さはやっぱり魅力で、一度こんなバイクを作ってみたかった。完成度ですか?軽量バイクに終わりはありませんよ(笑)」
水野恭志さん アマンダ カーボン×クロモリハイブリッド仕様
会場でひときわ目を惹いていたのは、ディスクホイールを組み合わせた水野さんのアマンダ。このアマンダはクロモリとカーボンのパイプを使っていて、赤い部分がカーボン、黒い部分がクロモリで作られている。オーダーのキーワードは「高剛性」で、とにかく硬いレーシングバイクに仕上がっているそうだ。
気になるホイールは後輪が木リムにバルサとハニカム材を組み合わせ、それをカーボンで挟んだディスク。前輪はテスト中の木リム+カーボンスポークのコンプレッションホイールだという。後輪は表面にカーボン材を追加したことで剛性が上がり、非常に満足しているとのこと。「重量はありますが、このままヒルクライムに出ます。全く性能的には不満がありませんよ。」と言う。
ちなみにコンポーネントはDi2で、アマンダお約束(?)のSRMを組み合わせてパワートレーニングを積んでいると言う。「できれば(タイムは)65分、最低でも70分を切りたいですね。」と教えてくれたが、果たして結果は…?
池内清晄さん ルック 695 Premium COLLECTION 「JAPAN」
池内さんの愛車は、ルックが2012年に発売した695のPremium COLLECTION、ジャパンモデル。選りすぐられた職人の手によって日の丸をコンセプトとしたカラーリングが施された貴重な限定生産品だ。
フレームと同じくサドルやホイールなどもホワイト×レッドカラーの製品を使い、とても精悍な印象を受ける。ヒルクライム決戦用アイテムとしてリアカセットをreconのアルミスプロケットに、タイヤをTOFOのElite JETに交換済みだ。基本はシマノDi2で組んでいるものの、ブレーキキャリパーだけはカンパニョーロ。「古い人間ですから、ブレーキはやっぱりカンパだよなって思うんです。」
池内さんは大学時代に自転車競技に打ち込み、トラック競技のスプリント種目で宇都宮国体に出場した経験の持ち主で、暫くのブランクを経て3年前から自転車に復帰。しかし続けざまに自転車で2回の交通事故に遭い、怪我を負ったまま昨年の本大会に参加して散々な思いをしてしまったそうだ。今年はリベンジとして体重を10kg落としてきたとのことで、「ショップのスタッフに"これで1時間半きらなきゃダメですよ"と脅されているんです(笑)」と教えてくれた。
text&photo:So.Isobe
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