2013/12/19(木) - 10:26
先日開催された野辺山シクロクロスには、今年も多くのこだわりマシンが集結した。ここに集った6台のバイクを通じて、魅惑のハンドメイドシクロクロスバイクの世界をご紹介したいと思います。
八木健太郎さん(Hutte 8to8)Signal Crusade
大阪府大阪市で、クロモリオーダーフレームを中心としたプロショップHutte 8to8(ヒュッテ ハトヤ)のオーナーを務め、ブースを出展した八木健太郎さん。ご自慢の愛車はアメリカのハンドメイドビルダーブランド「Signal Cycles」のコンセプトモデルCRUSADE(クルセード)だ。
このバイクはカスタムオーダーバイクの敷居を下げようと八木さんらが企画したもので、コロンバスのゾナチューブとカーボンフォークを組み合わせて頑丈さと走りの軽さを狙っている。
八木さんが特に気に入っているというカラーリングは、アメリカ側でデザインしたもの。「カッコ良くもあり、可愛くもあり、誰にでも受け入れられるものだと思っていますよ。」と語る。価格はフレーム+フォークで231,000円だ。
ホイールはシグナルとも関係のある、ポートランドのCORSA CONCEPTS。フロントシングルとしているのは、昨年の野辺山を走った八木さんの経験によるものだそう。ご自身のブースには、お客さんも含めて数台のCrusadeが並べられ、大きな注目を集めていた。
田辺"nb"信彦さん(Blue Lug)GEEKHOUSE BIKES TEAM MUDVILLE
カスタムオーダーメイドを得意とするプロショップ「Blue Lug幡ヶ谷」にお務めのnbさん。今回の会場で最も注目を集めたであろうその愛車は、アメリカのハンドメイドブランド「GEEKHOUSE BIKES」のTEAM MUDVILLE。
2年前にMTBをオーダーしたところ、その乗り味とビルダーの人柄に惚れ込み、幾つかの要点を伝えた以外は完全オマカセでオーダーしたそうだ。ブルー×ピンクのビビッドなペイントは、GEEKHOUSE BIKESがサポートするチーム仕様のカラーリング。バーテープやアウターケーブルもチームカラーでコーディネイトされている。
コンポーネントはSRAMの新型FORCEにAvid Ultimateブレーキの組み合わせ。ホイールはZIPP404をクリスキングハブで組んだもの。パーツアッセンブルは、バイクを作ったビルダーに「カッコいい」と思ってもらえるようチョイスしたそうだ。
岩崎基規さん(3up)Independent fabrication Planet-X
シクロワイアードのインプレッションライダーとしても度々登場する、サイクルハウスミカミに通う岩崎基規さん。淡いブルー一色にペイントされた素敵な一台は、アメリカ・ニューハンプシャーに居を構えるIndependent fabricationのPlanet-X。
「遠くにあってもすぐに分かるような、かつ可愛いバイクが欲しかったんです。」というバイクには、特に「クラウン」が大きく配置された、フロントフォークのデザインにこだわりがあるそう。今年の9月に納車したばかりだが、このバイクのデビュー戦で2位になり、C2クラスに昇格を決めたそう。
トムソンのハンドル&シートピラーやホワイトインダストリーのハブ、クリスキングのチタンヘッドセット、ポールのカンチブレーキなど、バイクは全体的にブルー×シルバーで統一されている。コンポーネントは6800系アルテグラだが、クランクはSRAM FORCE、チェーンリングにはプラクシスワークス製品を導入してルックスを高めている。
藤村英司さん(A:Ge by team-rh.com)Stoemper EDDY
パープル×ミントグリーンのカラーリングが目を引く一台は、藤村英司さんのStoemper EDDYだ。「実はこの前にもシクロクロスバイクは所有していたのですが、サイズが合わず。2台目はハンドメイド系が良いなと思っていて、ネットで探していたところStoemperに辿り着きました。」というこのバイク、2011年のシクロクロス東京で優勝したベン・ベルデンのバイクと同じカラーリングが施されている。
「クロモリなのですが、軽いアルミバイクと同じくらい進んでくれるし、ハンドリングはとても軽く気に入っています。"新世代クロモリ"のバイクには乗ったことが無かったのですが、とても驚かされましたね。」
シフトレバーはトラブルの少なさとメンテナンスのしやすさから、レトロシフトをチョイス。ディレイラーは6700系アルテグラで、クランクセットはローター+Qrings。クリスキングのBBもフレームとベストマッチ。「今後シクロクロスに参戦するのはもちろんですが、シングルトラックや林道ツーリングなど、幅広い楽しみ方をしたいなと思っています。」と語ってくれた。
太田原契寿さん KUALIS Steel
前の藤村さん同様に、Rapha Japanとも深い繋がりのある渡辺誠一さんのお店「…&bicycle」に通う大田原さん。ご自慢の愛車は日本人ビルダー西川氏がアメリカで展開するブランド「KUALIS(クオリス)」のスチールシクロクロスバイクだ。
「折角買うならアメリカのオーダーバイクが欲しいなと思いまして、知り合いである渡辺さんに相談したところ、このブランドを進められたんです。」と言う大田原さん。「パリっとしたカーボンとは違い、粘りのある走りがとても楽しいですね。」とお気に入りのご様子だ。
相当悩んだというカラーリングは、ホワイトとモスグリーンのシックな組み合わせ。もともとカンパニョーロユーザーであることからヴェローチェをチョイスし、ホイールはDTスイスのR415リムを使った手組品。後々カーボンの完組ホイールを導入する予定だそうだ。野辺山の雰囲気にピッタリの、品のある素敵なバイクだった。
吉廣創さん(KINFOLK CX-JP)KINFOLK SS
ブラック×ハイビズイエローの配色にセンスを感じるバイクは、吉廣創さんのKINFOLKバイク。ストリートバイクに強く、海外(特にアメリカ)のメッセンジャーから大きな支持を受けているブランドであり、このフィレット仕上げのバイクは群馬県・桐生のライジンワークス製作によるものだ。
細身のパイプを使ったフレームとシンプルなシングルスピード、スポーク数の少ないロルフプリマホイールと組み合わせることで、非常に美しいフォルムが特徴だ。ギアード仕様にもできるようリアエンドやワイヤー受けはあらかじめ用意されている。「まだ納車したばかりなんです。初めてのオーダーフレームですからとても乗ることに歓びを感じています。とても面白いバイクですよ」と語る吉廣さん。今後は地元の関西クロスを中心にレースに出たいと話してくれた。
text&photo:So.Isobe
八木健太郎さん(Hutte 8to8)Signal Crusade
大阪府大阪市で、クロモリオーダーフレームを中心としたプロショップHutte 8to8(ヒュッテ ハトヤ)のオーナーを務め、ブースを出展した八木健太郎さん。ご自慢の愛車はアメリカのハンドメイドビルダーブランド「Signal Cycles」のコンセプトモデルCRUSADE(クルセード)だ。
このバイクはカスタムオーダーバイクの敷居を下げようと八木さんらが企画したもので、コロンバスのゾナチューブとカーボンフォークを組み合わせて頑丈さと走りの軽さを狙っている。
八木さんが特に気に入っているというカラーリングは、アメリカ側でデザインしたもの。「カッコ良くもあり、可愛くもあり、誰にでも受け入れられるものだと思っていますよ。」と語る。価格はフレーム+フォークで231,000円だ。
ホイールはシグナルとも関係のある、ポートランドのCORSA CONCEPTS。フロントシングルとしているのは、昨年の野辺山を走った八木さんの経験によるものだそう。ご自身のブースには、お客さんも含めて数台のCrusadeが並べられ、大きな注目を集めていた。
田辺"nb"信彦さん(Blue Lug)GEEKHOUSE BIKES TEAM MUDVILLE
カスタムオーダーメイドを得意とするプロショップ「Blue Lug幡ヶ谷」にお務めのnbさん。今回の会場で最も注目を集めたであろうその愛車は、アメリカのハンドメイドブランド「GEEKHOUSE BIKES」のTEAM MUDVILLE。
2年前にMTBをオーダーしたところ、その乗り味とビルダーの人柄に惚れ込み、幾つかの要点を伝えた以外は完全オマカセでオーダーしたそうだ。ブルー×ピンクのビビッドなペイントは、GEEKHOUSE BIKESがサポートするチーム仕様のカラーリング。バーテープやアウターケーブルもチームカラーでコーディネイトされている。
コンポーネントはSRAMの新型FORCEにAvid Ultimateブレーキの組み合わせ。ホイールはZIPP404をクリスキングハブで組んだもの。パーツアッセンブルは、バイクを作ったビルダーに「カッコいい」と思ってもらえるようチョイスしたそうだ。
岩崎基規さん(3up)Independent fabrication Planet-X
シクロワイアードのインプレッションライダーとしても度々登場する、サイクルハウスミカミに通う岩崎基規さん。淡いブルー一色にペイントされた素敵な一台は、アメリカ・ニューハンプシャーに居を構えるIndependent fabricationのPlanet-X。
「遠くにあってもすぐに分かるような、かつ可愛いバイクが欲しかったんです。」というバイクには、特に「クラウン」が大きく配置された、フロントフォークのデザインにこだわりがあるそう。今年の9月に納車したばかりだが、このバイクのデビュー戦で2位になり、C2クラスに昇格を決めたそう。
トムソンのハンドル&シートピラーやホワイトインダストリーのハブ、クリスキングのチタンヘッドセット、ポールのカンチブレーキなど、バイクは全体的にブルー×シルバーで統一されている。コンポーネントは6800系アルテグラだが、クランクはSRAM FORCE、チェーンリングにはプラクシスワークス製品を導入してルックスを高めている。
藤村英司さん(A:Ge by team-rh.com)Stoemper EDDY
パープル×ミントグリーンのカラーリングが目を引く一台は、藤村英司さんのStoemper EDDYだ。「実はこの前にもシクロクロスバイクは所有していたのですが、サイズが合わず。2台目はハンドメイド系が良いなと思っていて、ネットで探していたところStoemperに辿り着きました。」というこのバイク、2011年のシクロクロス東京で優勝したベン・ベルデンのバイクと同じカラーリングが施されている。
「クロモリなのですが、軽いアルミバイクと同じくらい進んでくれるし、ハンドリングはとても軽く気に入っています。"新世代クロモリ"のバイクには乗ったことが無かったのですが、とても驚かされましたね。」
シフトレバーはトラブルの少なさとメンテナンスのしやすさから、レトロシフトをチョイス。ディレイラーは6700系アルテグラで、クランクセットはローター+Qrings。クリスキングのBBもフレームとベストマッチ。「今後シクロクロスに参戦するのはもちろんですが、シングルトラックや林道ツーリングなど、幅広い楽しみ方をしたいなと思っています。」と語ってくれた。
太田原契寿さん KUALIS Steel
前の藤村さん同様に、Rapha Japanとも深い繋がりのある渡辺誠一さんのお店「…&bicycle」に通う大田原さん。ご自慢の愛車は日本人ビルダー西川氏がアメリカで展開するブランド「KUALIS(クオリス)」のスチールシクロクロスバイクだ。
「折角買うならアメリカのオーダーバイクが欲しいなと思いまして、知り合いである渡辺さんに相談したところ、このブランドを進められたんです。」と言う大田原さん。「パリっとしたカーボンとは違い、粘りのある走りがとても楽しいですね。」とお気に入りのご様子だ。
相当悩んだというカラーリングは、ホワイトとモスグリーンのシックな組み合わせ。もともとカンパニョーロユーザーであることからヴェローチェをチョイスし、ホイールはDTスイスのR415リムを使った手組品。後々カーボンの完組ホイールを導入する予定だそうだ。野辺山の雰囲気にピッタリの、品のある素敵なバイクだった。
吉廣創さん(KINFOLK CX-JP)KINFOLK SS
ブラック×ハイビズイエローの配色にセンスを感じるバイクは、吉廣創さんのKINFOLKバイク。ストリートバイクに強く、海外(特にアメリカ)のメッセンジャーから大きな支持を受けているブランドであり、このフィレット仕上げのバイクは群馬県・桐生のライジンワークス製作によるものだ。
細身のパイプを使ったフレームとシンプルなシングルスピード、スポーク数の少ないロルフプリマホイールと組み合わせることで、非常に美しいフォルムが特徴だ。ギアード仕様にもできるようリアエンドやワイヤー受けはあらかじめ用意されている。「まだ納車したばかりなんです。初めてのオーダーフレームですからとても乗ることに歓びを感じています。とても面白いバイクですよ」と語る吉廣さん。今後は地元の関西クロスを中心にレースに出たいと話してくれた。
text&photo:So.Isobe
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Lugged Bicycle Frame Construction: A Manual for the First Time Builder
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