2012/07/13(金) - 15:04
ケンジェジンからチェシンまでの201kmで行なわれたツール・ド・ポローニュ第3ステージ。2つの1級山岳と1つの2級山岳、そして3つの3級山岳を越えるこの中級山岳ステージで、オリカ・グリーンエッジの別府史之が逃げた。
レース序盤にアタックを仕掛ける別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferlaレース序盤にメイン集団を抜け出した別府史之は、ガブリエーレ・ボシージオ(イタリア、ウテンシルノルドネームド)とマテウス・タチャク(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)とともにエスケープ。メイン集団から実に17分ものリードを稼ぎ出す。
別府史之は16km、101km、164km地点のスプリントポイントをいずれも先頭通過。2つの1級山岳を2位通過する。総合で4分01秒遅れの別府史之は、長時間にわたってバーチャルリーダーの座に就いた。
チームカーのナルデッロ監督と言葉を交わす別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferlaしかしレース後半に入るとメイン集団は急速にペースアップ。別府史之ら3名は、石畳と3級山岳を含むゴール前の周回コース(6.3km・3周)に入ってすぐ吸収された。
隣国チェコに立ち寄るこのチェシンの周回コースでアタックが繰り返され、マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、FDJ・ビッグマット)、マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)が続いてエスケープ。
この中から生き残ったルトキェビッチにセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)が追いつき、2人で最終周回を駆け抜ける。10秒ほどのリードを得てラスト1km。
逃げに乗った別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferla
チームカーを待つ宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク) photo:Riccardo Scanferlaしかし、ゴールに向けた勾配5%弱の登りが始まると先頭2名は失速。ルトキェビッチとエナオモントーヤは、イエロージャージを着るモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)がリードするメイン集団にラスト200mで飲み込まれる。そこからタイミング良く飛び出したスティバルが勝利した。
ゴール地点チェシンの街を駆け抜ける photo:Riccardo Scanferla「スティービー」の愛称で呼ばれるスティバルは、2010年と2011年のシクロクロス世界選手権で優勝している26歳。昨年クイックステップに移籍し、ロードレースに本腰を入れている。オフシーズンにはシクロクロスも継続的に参戦し、今年5度目のナショナルチャンピオンに。しかし3連覇が懸かった世界選手権では13位に終わった。
ダンケルク4日間レースでのステージ優勝(総合2位)に続くシーズン2勝目を飾ったスティバルは「今日は母国チェコに立ち寄るコースで、ファンたちから熱い声援を受けたんだ。この勝利に大きく貢献してくれたチームメイトたち、特にクヴィアトコウスキーに感謝している。これからは、彼の総合優勝をサポートしていきたいと思う」とコメントする。ステージ4位に入ったチームメイトのクヴィアトコウスキーは、スプリントポイントでボーナスタイム3秒を獲得。モゼールと1秒差の総合2位に浮上している。
別府史之は10分46秒遅れ、宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)は20分47秒遅れでゴール。別府史之は「今日は逃げると決めていた日だった。このコースは以前走ったこともあって難しいステージだけに、逃げ切る事も視野にいれて逃げた。終盤まで逃げて最後は捕まってしまったけど、調子も良く力強く走れてオリンピック前に良い手応えを感じられた一日だった」とツイートしている。
ゴールスプリントを制したゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Riccardo Scanferla
レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。
ツール・ド・ポローニュ2012第3ステージ結果
1位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) 5h01'51"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
3位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
8位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
9位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
10位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
155位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +10'46"
178位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +20'47"
個人総合成績
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 15h24'31"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +01"
3位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +06"
4位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ) +07"
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) +09"
6位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +10"
7位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
10位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
105位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +14'41"
177位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +34'51"
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)
ポイント賞
モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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別府史之は16km、101km、164km地点のスプリントポイントをいずれも先頭通過。2つの1級山岳を2位通過する。総合で4分01秒遅れの別府史之は、長時間にわたってバーチャルリーダーの座に就いた。
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隣国チェコに立ち寄るこのチェシンの周回コースでアタックが繰り返され、マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、FDJ・ビッグマット)、マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)が続いてエスケープ。
この中から生き残ったルトキェビッチにセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)が追いつき、2人で最終周回を駆け抜ける。10秒ほどのリードを得てラスト1km。
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ダンケルク4日間レースでのステージ優勝(総合2位)に続くシーズン2勝目を飾ったスティバルは「今日は母国チェコに立ち寄るコースで、ファンたちから熱い声援を受けたんだ。この勝利に大きく貢献してくれたチームメイトたち、特にクヴィアトコウスキーに感謝している。これからは、彼の総合優勝をサポートしていきたいと思う」とコメントする。ステージ4位に入ったチームメイトのクヴィアトコウスキーは、スプリントポイントでボーナスタイム3秒を獲得。モゼールと1秒差の総合2位に浮上している。
別府史之は10分46秒遅れ、宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)は20分47秒遅れでゴール。別府史之は「今日は逃げると決めていた日だった。このコースは以前走ったこともあって難しいステージだけに、逃げ切る事も視野にいれて逃げた。終盤まで逃げて最後は捕まってしまったけど、調子も良く力強く走れてオリンピック前に良い手応えを感じられた一日だった」とツイートしている。
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レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。
ツール・ド・ポローニュ2012第3ステージ結果
1位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) 5h01'51"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
3位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
7位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
8位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
9位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
10位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
155位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +10'46"
178位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +20'47"
個人総合成績
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 15h24'31"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +01"
3位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +06"
4位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ) +07"
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) +09"
6位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +10"
7位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
10位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
105位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +14'41"
177位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +34'51"
山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)
ポイント賞
モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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