2012/03/05(月) - 17:51
3月4日、東京都八王子市の浅川河川敷で東京シクロクロスが開催された。今年で2回目の大会となるこのレースの最上級Aクラスを制したのは招待選手として出場した地元八王子在住の山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)だった。
シクロクロス熱が徐々に高まる関東圏において、昨年誕生した「東京シクロクロス Spring 」。東京都自転車競技連盟と八王子自転車競技連盟が共催するこの大会。昨年は97人だった参加者も、今年は約160人のエントリーが受け入れられた。少ない人数だが、参加申し込みが始まってすぐに満員になる人気ぶりは初回以上だ。
ちなみに2月11日に開催されたCyclo Cross Tokyoと紛らわしいネーミングの大会名だが、こちらは「東京シクロクロス」。どちらかと言えば通称の「八王子シクロクロス」のほうがしっくりくる人のほうが多いだろう。
レースコースは八王子市の中心部に近い、八王子市役所の目の前の浅川の河川敷に設定される。鶴巻橋のたもとにある野球やサッカーが出来る広場を拠点に、河原に広がる草地を切り開いでコースが造成された。
コースは昨年大会とほぼ同じところに造成されたが、今年はディフェンディングチャンピオンの向山浩司(GRUPPO AQUATAMA)にアドバイスを求め、よりシクロクロスらしいコースに作り変えられた。
河原の草地を切り拓いて作られたコースは、ふかふかの深い砂が続く「砂地獄」、短いドロップオフや急登、走りの重いウェット区間、そしてタイトコーナーの続くテクニカルセクションなどをバランスよく組み合わせた、よりシクロクロスらしい面白いコースに作り変えられた。昨年度はサスペンションの無いクロス車ではつらいほどのガレ場が続いたためMTBでも同等に走れたが、今年はハイスピードで走れるシクロクロス車に有利な設定。
試走時には深い砂場も、レースが進むにつれ踏み固められていった。数日前の大雪で当初予定していたコースどりができなかった状況とはいえ、走った人には概ね好評のコースとなった。
クラスAは山本和弘がトップ3以外全員をラップする圧勝
最上級のクラスAは男子JCF登録者による50人、60分のレース。スタートから勢い良く飛び出したのは向山 浩司(エスペランススタージュ・WaveOne山口)。向山がリードする集団は1週目から長く伸びる。
2週目に入ると山本和弘が追い込み、そして抜くと先行をはじめる。山本カズに続くのは向山、鈴木 祐一(RiseRide)、足立 晴信(Bio Racer)、安藤 光平(オーベスト)ら。
MTB仕込みのスムーズな走りでハイペースを保つ山本カズ。向山が3週目に入ってメカトラに見舞われると、もはや誰の視界にも入らない独走状態に入る。その後も段違いのペースは落ちることなく、次々と選手をラップしていく。
山本カズは最終的には2位向山と3位鈴木の2人以外の全員を周回遅れにしてしまう、まさに圧勝の走り。山本カズは地元八王子在住で、このレースには向山とふたり招待選手として出場していた。
カズ「すごく応援がたくさんで良かった!じつは僕の住んでいる家のご近所さんが大勢観戦に来てくれたんです。いつにない大声援があったので、すごく気持よく走れました。八王子のこのあたりは僕にとっては庭のようなもので、ホームコースで気持ちよく走れました。
コースも良かったですね。砂地あり、ぬるぬるした湿地あり、硬く締まった高速コースありで、すごく楽しめる良いコースでしたね。走りごたえもあったし、走っても気持ちよかったです。この大会はまた続いて欲しいですね。
4日後にはMTBワールドカップ開幕にあわせて南アフリカに飛びます。日本での最後のいい追い込みになりました」。
MTBクロスカントリーではロンドン五輪出場を目指すカズ。シーズン突入を前にそちら本業の抱負と仕上がり具合を聞いた。
カズ「ワールドカップは全戦出場するんですが、まずは完走したい。そしてオリンピックの枠取り合戦で日本に2枠目をもたらすことが大切な目標になってきます。そして6月の全日本で優勝することが、今年の目標になりますね。ですから、前半に集中していきたいですね。ここからスタートというところです。
今の体調の仕上がりは70%ぐらい。徐々に上げていきますよ。応援してください」
もともとは八王子が1964年(昭和39年)の第18回夏季オリンピックの自転車ロードレースの舞台となったことから、五輪招致活動の関連行事として開催されるようになった経緯を持つ東京シクロクロス。そのため、地元から参加の八王子市在住のなかからは上位入賞の選手への表彰も用意されていた。
初開催時は余裕のなさが目立った運営も、今年は参加人数を増やすなど、広がりを見せた。スタッフは東京都ロードなどと同じメンバーによるものだが、手馴れたことで来年度の継続開催にも期待が膨らむ。
関東圏のシクロクロスであるお台場のCyclo Cross Tokyo、埼玉・吉見のGPミストラル、埼玉・秩父の秩父サイクルスポーツフェスティバルの主催者らも出場・観戦に来ていたため、来シーズンは各大会間での協調やカテゴリー統一、首都圏のシクロクロスを統合したシリーズ化などにも期待したいところだ。
東京シクロクロス Spring 2012 リザルト
A
1位 山本 和弘(キャノンデールレーシングチーム) 15周 56 ′09′′
2位 向山 浩司(エスペランススタージュ・WaveOne山口)
3位 鈴木 祐一(RiseRide)
4位 影山 善明(オンザロード)
5位 足立 晴信(Bio Racer)
6位 竹野 洋介(ARAI MURACA)
7位 安藤 光平(オーベスト)
8位 浅井秀樹(サイクルクラブ3UP)
9位 岩波 信二(CORSA YAMANASHI)
10位 松尾光浩(042−703−9122)
B
1位 伊藤博彦(桜高競輪部)
2位 綾野 真(チバポンズ川口農園シクロワイアード)
3位 岩崎恭二(佐多塾)
4位 木下大輝(千葉経済高校)
5位 金子恵治(TEAM TAMAGAWA)
6位 原野博明(エキップナカムラ)
7位 大山智(エキップミストラル)
8位 島田進(Team奥州)
9位 村崎進(TEAM TAMAGAWA)
10位 大久保 英人(Bio Racer)
C
1位 佐藤 修平(SYNERZY)
2位 横山健太郎(Team12So)
3位 川野 太雅(Team-K)
4位 大木 英史(チーム物見山XCO)
5位 浅野 雅(サイクルセンター吉岡)
6位 笠原 智昭(Bio Racer)
7位 園田 奨(Bio Racer)
8位 佐藤 光国(ラバネロ)
9位 数馬 清宏(Enjoy House CSC)
10位 織田 聖(equipe mistral jeune)
F1
1位 広瀬 由紀( c-kirin.com)
2位 高田 真琴 ( bike room sin)
3位 綾野桂子(チバポンズ)
F2
1位 早瀬 美希(ナカザワジム)
2位 林 知寿子(ラスティック428)
3位 中田 悠衣(クラブL'ottimo)
K1
1位 山田 雄大 (ARAI MURACA)
2位 小林 慧紀 (西東京市立向台小学校)
3位 武石 滉生 (Team-K)
4位 千葉 純平 (日野自動車レーシングチーム)
K2
1位 川野 碧己(Team-K)
2位 高本亮太(Team-K)
3位 中島渉(Team The Monkey’s)
K3
1位 綾野 尋(チバポンズ)
2位 嶋崎 亮我(ゼロ・トレランス)
3位 高橋 瑞希(Team-K)
※正式リザルトは追って公式サイトで発表される。
フォトギャラリー2(Google Picasaウェブアルバム)
photo&text:Makoto.AYANO
シクロクロス熱が徐々に高まる関東圏において、昨年誕生した「東京シクロクロス Spring 」。東京都自転車競技連盟と八王子自転車競技連盟が共催するこの大会。昨年は97人だった参加者も、今年は約160人のエントリーが受け入れられた。少ない人数だが、参加申し込みが始まってすぐに満員になる人気ぶりは初回以上だ。
ちなみに2月11日に開催されたCyclo Cross Tokyoと紛らわしいネーミングの大会名だが、こちらは「東京シクロクロス」。どちらかと言えば通称の「八王子シクロクロス」のほうがしっくりくる人のほうが多いだろう。
レースコースは八王子市の中心部に近い、八王子市役所の目の前の浅川の河川敷に設定される。鶴巻橋のたもとにある野球やサッカーが出来る広場を拠点に、河原に広がる草地を切り開いでコースが造成された。
コースは昨年大会とほぼ同じところに造成されたが、今年はディフェンディングチャンピオンの向山浩司(GRUPPO AQUATAMA)にアドバイスを求め、よりシクロクロスらしいコースに作り変えられた。
河原の草地を切り拓いて作られたコースは、ふかふかの深い砂が続く「砂地獄」、短いドロップオフや急登、走りの重いウェット区間、そしてタイトコーナーの続くテクニカルセクションなどをバランスよく組み合わせた、よりシクロクロスらしい面白いコースに作り変えられた。昨年度はサスペンションの無いクロス車ではつらいほどのガレ場が続いたためMTBでも同等に走れたが、今年はハイスピードで走れるシクロクロス車に有利な設定。
試走時には深い砂場も、レースが進むにつれ踏み固められていった。数日前の大雪で当初予定していたコースどりができなかった状況とはいえ、走った人には概ね好評のコースとなった。
クラスAは山本和弘がトップ3以外全員をラップする圧勝
最上級のクラスAは男子JCF登録者による50人、60分のレース。スタートから勢い良く飛び出したのは向山 浩司(エスペランススタージュ・WaveOne山口)。向山がリードする集団は1週目から長く伸びる。
2週目に入ると山本和弘が追い込み、そして抜くと先行をはじめる。山本カズに続くのは向山、鈴木 祐一(RiseRide)、足立 晴信(Bio Racer)、安藤 光平(オーベスト)ら。
MTB仕込みのスムーズな走りでハイペースを保つ山本カズ。向山が3週目に入ってメカトラに見舞われると、もはや誰の視界にも入らない独走状態に入る。その後も段違いのペースは落ちることなく、次々と選手をラップしていく。
山本カズは最終的には2位向山と3位鈴木の2人以外の全員を周回遅れにしてしまう、まさに圧勝の走り。山本カズは地元八王子在住で、このレースには向山とふたり招待選手として出場していた。
カズ「すごく応援がたくさんで良かった!じつは僕の住んでいる家のご近所さんが大勢観戦に来てくれたんです。いつにない大声援があったので、すごく気持よく走れました。八王子のこのあたりは僕にとっては庭のようなもので、ホームコースで気持ちよく走れました。
コースも良かったですね。砂地あり、ぬるぬるした湿地あり、硬く締まった高速コースありで、すごく楽しめる良いコースでしたね。走りごたえもあったし、走っても気持ちよかったです。この大会はまた続いて欲しいですね。
4日後にはMTBワールドカップ開幕にあわせて南アフリカに飛びます。日本での最後のいい追い込みになりました」。
MTBクロスカントリーではロンドン五輪出場を目指すカズ。シーズン突入を前にそちら本業の抱負と仕上がり具合を聞いた。
カズ「ワールドカップは全戦出場するんですが、まずは完走したい。そしてオリンピックの枠取り合戦で日本に2枠目をもたらすことが大切な目標になってきます。そして6月の全日本で優勝することが、今年の目標になりますね。ですから、前半に集中していきたいですね。ここからスタートというところです。
今の体調の仕上がりは70%ぐらい。徐々に上げていきますよ。応援してください」
もともとは八王子が1964年(昭和39年)の第18回夏季オリンピックの自転車ロードレースの舞台となったことから、五輪招致活動の関連行事として開催されるようになった経緯を持つ東京シクロクロス。そのため、地元から参加の八王子市在住のなかからは上位入賞の選手への表彰も用意されていた。
初開催時は余裕のなさが目立った運営も、今年は参加人数を増やすなど、広がりを見せた。スタッフは東京都ロードなどと同じメンバーによるものだが、手馴れたことで来年度の継続開催にも期待が膨らむ。
関東圏のシクロクロスであるお台場のCyclo Cross Tokyo、埼玉・吉見のGPミストラル、埼玉・秩父の秩父サイクルスポーツフェスティバルの主催者らも出場・観戦に来ていたため、来シーズンは各大会間での協調やカテゴリー統一、首都圏のシクロクロスを統合したシリーズ化などにも期待したいところだ。
東京シクロクロス Spring 2012 リザルト
A
1位 山本 和弘(キャノンデールレーシングチーム) 15周 56 ′09′′
2位 向山 浩司(エスペランススタージュ・WaveOne山口)
3位 鈴木 祐一(RiseRide)
4位 影山 善明(オンザロード)
5位 足立 晴信(Bio Racer)
6位 竹野 洋介(ARAI MURACA)
7位 安藤 光平(オーベスト)
8位 浅井秀樹(サイクルクラブ3UP)
9位 岩波 信二(CORSA YAMANASHI)
10位 松尾光浩(042−703−9122)
B
1位 伊藤博彦(桜高競輪部)
2位 綾野 真(チバポンズ川口農園シクロワイアード)
3位 岩崎恭二(佐多塾)
4位 木下大輝(千葉経済高校)
5位 金子恵治(TEAM TAMAGAWA)
6位 原野博明(エキップナカムラ)
7位 大山智(エキップミストラル)
8位 島田進(Team奥州)
9位 村崎進(TEAM TAMAGAWA)
10位 大久保 英人(Bio Racer)
C
1位 佐藤 修平(SYNERZY)
2位 横山健太郎(Team12So)
3位 川野 太雅(Team-K)
4位 大木 英史(チーム物見山XCO)
5位 浅野 雅(サイクルセンター吉岡)
6位 笠原 智昭(Bio Racer)
7位 園田 奨(Bio Racer)
8位 佐藤 光国(ラバネロ)
9位 数馬 清宏(Enjoy House CSC)
10位 織田 聖(equipe mistral jeune)
F1
1位 広瀬 由紀( c-kirin.com)
2位 高田 真琴 ( bike room sin)
3位 綾野桂子(チバポンズ)
F2
1位 早瀬 美希(ナカザワジム)
2位 林 知寿子(ラスティック428)
3位 中田 悠衣(クラブL'ottimo)
K1
1位 山田 雄大 (ARAI MURACA)
2位 小林 慧紀 (西東京市立向台小学校)
3位 武石 滉生 (Team-K)
4位 千葉 純平 (日野自動車レーシングチーム)
K2
1位 川野 碧己(Team-K)
2位 高本亮太(Team-K)
3位 中島渉(Team The Monkey’s)
K3
1位 綾野 尋(チバポンズ)
2位 嶋崎 亮我(ゼロ・トレランス)
3位 高橋 瑞希(Team-K)
※正式リザルトは追って公式サイトで発表される。
フォトギャラリー2(Google Picasaウェブアルバム)
photo&text:Makoto.AYANO
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