2012/01/15(日) - 21:28
1月15日、真夏のオーストラリア・アデレードでツアー・ダウンアンダーが動き出した。初日のUCI非公認クリテリウムレースは、2008年と2010年大会の総合優勝者アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が勝利。宮澤崇史(チームサクソバンク)はエーススプリンターのアシストとして走りながら21位でレースを終えた。
ダウンアンダー初日は、アデレード市内のライミルパークを囲むように設置された1.7kmコースで行なわれるクリテリウムレース。UCIワールドツアー本戦に出場する選手が全員顔を揃えるが、UCI非公認であり、顔見せ的な意味合いが強い。また、この日の成績はUCIワールドツアー本戦の総合成績には反映されない。
昨年まで癌の啓蒙活動を行なう団体が冠スポンサーにつき「キャンサーカウンシル・クラシック」として行なわれていたが、今年から「ダウンアンダー・クラシック」に名前を戻している。
レースはフラットな周回を30周する。5周毎にスプリントポイントが4つ設定されており、レース全長は51km。出場する19チームのプレゼンテーションの後、日が傾き始めた午後7時にスタートが切られた。
ファーストアタックはFDJ・ビッグマットのアルノー・クーテル(フランス)。今年プロ2年目を迎えた22歳の動きに、ホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)やティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)、ダニエーレ・ラット(イタリア、リクイガス・キャノンデール)らが追いつき、最大9名の逃げグループが形成された。
1つ目のスプリントポイントはグティエレスが獲得。今年ガーミン・バラクーダに移籍したジャパンカップ覇者ネイサン・ハース(オーストラリア)が残りの3つのスプリントポイントを先頭通過する。
スプリントポイント争いを終えた逃げグループは協調体制が崩れ、やがてゴールまで距離を残して集団に飲み込まれる。
ここからはスプリンターチームによる激しいポジション争いが勃発。ラボバンク、ロット・ベリソル、チームスカイ、グリーンエッジ、ランプレ・ISD、BMCレーシングチームが主導権を争いながらハイスピードな展開を作っていく。
エーススプリンターのジョナサン・キャントウェル(オーストラリア)を引き連れる宮澤崇史は常に集団前方に位置。一時は集団先頭に出るシーンも見られたが、人数を揃えてトレインを組むチームが前に出る。
最終周回の鐘が鳴ると、5名でトレインを組むロット・ベリソルが先頭に。ラスト1kmで抵抗に出たサットン、ヘイマン、ボアッソンのスカイトレインを寄せ付けず、ロットトレインが主導権を握ったまま最終コーナーに突入した。
ヘンダーソンに連れられて最終コーナーを抜けたグライペルは、先に仕掛けたボアッソンの動きを慎重に読み、ラスト200mでスプリントを開始する。
抜群の加速でボアッソンを置き去りにし、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)の追撃を振り切るグライペル。2年前の同レースで優勝しているヘンダーソンが後方で腕を上げる中、グライペルのガッツポーズが決まった。
グライペルはレース後のインタビューでチームメイトたちの働きを讃える。「レース前にずっとリードアウトトレインの練習をしていた。早くもその成果が出たよ。でも個人的にはそれほど難しいタスクではなかった。ルーランズの後ろにヘンダーソンが付いて、自分がヘンダーソンの後ろに付いた。彼らのホイールに食らいついて、ラスト200mでスプリントを開始しただけなんだ。新たなシーズンのスタートとして申し分ないよ」。
一段と筋肉質になった感のあるグライペルが快勝。新体制でスタートしたベルギーチームに早速勝利をもたらした。
宮澤崇史は7秒遅れの21位でゴール。エーススプリンターのキャントウェルはスプリント最前線に絡むことが出来ずに6位だった。UCIプロチームライダーとして初戦を終えた宮澤崇史のコメントは後ほど現地レポートにて。
期待されたグリーンエッジはロビー・マキュアン(オーストラリア)の15位が最高位。昨年このクラシックを制したマシュー・ゴス(オーストラリア)は最終周回を前に発射台役のマキュアンから離れてしまい、59位でゴールしてる。ラボバンクに移籍したマーク・レンショー(オーストラリア)は最終周回のパンクによってチャンスを失った。
休息日を挟んで、ツアー・ダウンアンダーは17日に本格始動する。第1ステージはプロスペクトからクレアまでの149km。再びスプリンターたちによるバトルが繰り広げられることになりそうだ。
ツアー・ダウンアンダー2012クラシック結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 1h03'17"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
4位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
5位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
6位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、チームサクソバンク)
7位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
8位 ホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)
9位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)
10位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
21位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +07"
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
ダウンアンダー初日は、アデレード市内のライミルパークを囲むように設置された1.7kmコースで行なわれるクリテリウムレース。UCIワールドツアー本戦に出場する選手が全員顔を揃えるが、UCI非公認であり、顔見せ的な意味合いが強い。また、この日の成績はUCIワールドツアー本戦の総合成績には反映されない。
昨年まで癌の啓蒙活動を行なう団体が冠スポンサーにつき「キャンサーカウンシル・クラシック」として行なわれていたが、今年から「ダウンアンダー・クラシック」に名前を戻している。
レースはフラットな周回を30周する。5周毎にスプリントポイントが4つ設定されており、レース全長は51km。出場する19チームのプレゼンテーションの後、日が傾き始めた午後7時にスタートが切られた。
ファーストアタックはFDJ・ビッグマットのアルノー・クーテル(フランス)。今年プロ2年目を迎えた22歳の動きに、ホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)やティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)、ダニエーレ・ラット(イタリア、リクイガス・キャノンデール)らが追いつき、最大9名の逃げグループが形成された。
1つ目のスプリントポイントはグティエレスが獲得。今年ガーミン・バラクーダに移籍したジャパンカップ覇者ネイサン・ハース(オーストラリア)が残りの3つのスプリントポイントを先頭通過する。
スプリントポイント争いを終えた逃げグループは協調体制が崩れ、やがてゴールまで距離を残して集団に飲み込まれる。
ここからはスプリンターチームによる激しいポジション争いが勃発。ラボバンク、ロット・ベリソル、チームスカイ、グリーンエッジ、ランプレ・ISD、BMCレーシングチームが主導権を争いながらハイスピードな展開を作っていく。
エーススプリンターのジョナサン・キャントウェル(オーストラリア)を引き連れる宮澤崇史は常に集団前方に位置。一時は集団先頭に出るシーンも見られたが、人数を揃えてトレインを組むチームが前に出る。
最終周回の鐘が鳴ると、5名でトレインを組むロット・ベリソルが先頭に。ラスト1kmで抵抗に出たサットン、ヘイマン、ボアッソンのスカイトレインを寄せ付けず、ロットトレインが主導権を握ったまま最終コーナーに突入した。
ヘンダーソンに連れられて最終コーナーを抜けたグライペルは、先に仕掛けたボアッソンの動きを慎重に読み、ラスト200mでスプリントを開始する。
抜群の加速でボアッソンを置き去りにし、ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)の追撃を振り切るグライペル。2年前の同レースで優勝しているヘンダーソンが後方で腕を上げる中、グライペルのガッツポーズが決まった。
グライペルはレース後のインタビューでチームメイトたちの働きを讃える。「レース前にずっとリードアウトトレインの練習をしていた。早くもその成果が出たよ。でも個人的にはそれほど難しいタスクではなかった。ルーランズの後ろにヘンダーソンが付いて、自分がヘンダーソンの後ろに付いた。彼らのホイールに食らいついて、ラスト200mでスプリントを開始しただけなんだ。新たなシーズンのスタートとして申し分ないよ」。
一段と筋肉質になった感のあるグライペルが快勝。新体制でスタートしたベルギーチームに早速勝利をもたらした。
宮澤崇史は7秒遅れの21位でゴール。エーススプリンターのキャントウェルはスプリント最前線に絡むことが出来ずに6位だった。UCIプロチームライダーとして初戦を終えた宮澤崇史のコメントは後ほど現地レポートにて。
期待されたグリーンエッジはロビー・マキュアン(オーストラリア)の15位が最高位。昨年このクラシックを制したマシュー・ゴス(オーストラリア)は最終周回を前に発射台役のマキュアンから離れてしまい、59位でゴールしてる。ラボバンクに移籍したマーク・レンショー(オーストラリア)は最終周回のパンクによってチャンスを失った。
休息日を挟んで、ツアー・ダウンアンダーは17日に本格始動する。第1ステージはプロスペクトからクレアまでの149km。再びスプリンターたちによるバトルが繰り広げられることになりそうだ。
ツアー・ダウンアンダー2012クラシック結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 1h03'17"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
4位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
5位 スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
6位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、チームサクソバンク)
7位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
8位 ホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)
9位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)
10位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
21位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +07"
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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