2011/08/06(土) - 11:39
1級山岳が合計11カ所設定されたツール・ド・ポローニュ第6ステージ。ゴール前で飛び出したダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ)が優勝し総合首位に立った。しかし粘りを見せたペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)が3秒差の総合2位に。総合争いは最終日に持ち込まれる。
最終日前日の第6ステージは、累積標高4000mオーバーの最難関山岳ステージ。ブコビナを起点とする大小2種類の周回コースには合計11カ所の1級山岳が設定されている。最後はブコビナ・タトシャンスカを駆け上がってゴールだ。
総合争いを大きく左右するこの難関山岳ステージで、序盤からディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)やオスカル・プヨル(スペイン、オメガファーマ・ロット)、ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)ら10名が逃げる。この中で最も積極的に山岳ポイントを稼いだゴラスは一躍山岳賞トップに立った。
メイン集団はアスタナがコントロールを担い、最大5分30秒まで広がった逃げグループとのタイム差を詰めて行く。結局逃げグループは最終周回で吸収。ゴールまで28kmを残してレースはフリダシに戻った。
ゴール12km手前に位置する急勾配の1級山岳タウロンで、ディフェンディングチャンピオンのマーティンがアタック。マーティンは持ち前の登坂力で後続を引き離すも、独走は得策ではないと判断して集団に戻る。
続いてカウンターアタックで飛び出したマレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)が独走のままゴールに至る登り区間へ。20名ほどに絞られたメイン集団は、リーダージャージのサガンのためにヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が懸命にペースを作る。
降り始めた雨の中、メイン集団はラスト2.5km地点で先頭のルトキェビッチをキャッチ。この中からオリバー・ザウグ(スイス、レオパード・トレック)らがアタックを仕掛けたが、マーティン率いるメイン集団を引き離すことが出来ない。そしてリーダージャージのサガンもしっかりこの中に残った。
ラスト1kmを切るとスティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ)がアタックし、これを追ってワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)とマーティンが飛び出す。サガンはマーティンの加速に追従できずにラスト500mで脱落。
日が暮れ、雨雲が覆った暗いゴール地点。最後はクミングスを抜いたポエルスとマーティンのバトルに持ち込まれ、ゴール前で飛び出したマーティンが勝利。リーダージャージのサガンは苦しみながら13秒遅れでゴールした。
昨年ジャパンカップを制したマーティンがポローニュの最難関山岳ステージ制覇。マーティンは同時にリーダージャージを獲得した。「今日は全力を尽くしたよ。ビッグネームが集まるこの大会で良い成果を得ることができた。ステージ優勝のことだけを考えてアタックしたので、リーダージャージはサプライズ。でも総合首位を守るのは難しいかもしれない」。
マーティンが最も警戒するのは、僅か3秒差の総合2位につけるサガンだ。「サガンは確実に自分よりスプリント力がある。我々のチームはスプリンターのハウッスラーに頼ることになるだろう」。中間スプリントでは3秒、2秒、1秒、そしてゴールラインでは10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられる。つまりサガンがステージ3位までに入れば総合は逆転する。
粘りの走りで山岳ステージをこなしたサガンは「今日は本当にハードなステージだった。ベストを尽くしたけど、ゴール前で脚がつって、ペダルに力が入らなくなった。まだ総合成績は分からない。僕はマーティンから僅か3秒遅れ。明日は中間スプリントとゴールラインでボーナスタイムを狙っていくよ」とコメント。スプリント力のあるマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)も総合で3秒差。最後の最後までリーダージャージの行方が分からない秒差の闘いになるだろう。
なお、この日は20名がリタイア。開幕3連勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)は38分20秒遅れのグルペットでゴールしている。
レース展開と選手コメントはレース公式サイトならびにストリーミング映像より。
ツール・ド・ポローニュ2011第6ステージ結果
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ) 5h41'05"
2位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +01"
3位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM) +04"
4位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・ISD)
5位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +06"
6位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)
7位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
8位 パヴェル・チースリク(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
16位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +13"
個人総合成績
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ) 23h50'06"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +03"
3位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
4位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +17"
5位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +19"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +22"
7位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 スティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット) +26"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
ヴァカンソレイユ・DCM
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
最終日前日の第6ステージは、累積標高4000mオーバーの最難関山岳ステージ。ブコビナを起点とする大小2種類の周回コースには合計11カ所の1級山岳が設定されている。最後はブコビナ・タトシャンスカを駆け上がってゴールだ。
総合争いを大きく左右するこの難関山岳ステージで、序盤からディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)やオスカル・プヨル(スペイン、オメガファーマ・ロット)、ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)ら10名が逃げる。この中で最も積極的に山岳ポイントを稼いだゴラスは一躍山岳賞トップに立った。
メイン集団はアスタナがコントロールを担い、最大5分30秒まで広がった逃げグループとのタイム差を詰めて行く。結局逃げグループは最終周回で吸収。ゴールまで28kmを残してレースはフリダシに戻った。
ゴール12km手前に位置する急勾配の1級山岳タウロンで、ディフェンディングチャンピオンのマーティンがアタック。マーティンは持ち前の登坂力で後続を引き離すも、独走は得策ではないと判断して集団に戻る。
続いてカウンターアタックで飛び出したマレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)が独走のままゴールに至る登り区間へ。20名ほどに絞られたメイン集団は、リーダージャージのサガンのためにヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が懸命にペースを作る。
降り始めた雨の中、メイン集団はラスト2.5km地点で先頭のルトキェビッチをキャッチ。この中からオリバー・ザウグ(スイス、レオパード・トレック)らがアタックを仕掛けたが、マーティン率いるメイン集団を引き離すことが出来ない。そしてリーダージャージのサガンもしっかりこの中に残った。
ラスト1kmを切るとスティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ)がアタックし、これを追ってワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)とマーティンが飛び出す。サガンはマーティンの加速に追従できずにラスト500mで脱落。
日が暮れ、雨雲が覆った暗いゴール地点。最後はクミングスを抜いたポエルスとマーティンのバトルに持ち込まれ、ゴール前で飛び出したマーティンが勝利。リーダージャージのサガンは苦しみながら13秒遅れでゴールした。
昨年ジャパンカップを制したマーティンがポローニュの最難関山岳ステージ制覇。マーティンは同時にリーダージャージを獲得した。「今日は全力を尽くしたよ。ビッグネームが集まるこの大会で良い成果を得ることができた。ステージ優勝のことだけを考えてアタックしたので、リーダージャージはサプライズ。でも総合首位を守るのは難しいかもしれない」。
マーティンが最も警戒するのは、僅か3秒差の総合2位につけるサガンだ。「サガンは確実に自分よりスプリント力がある。我々のチームはスプリンターのハウッスラーに頼ることになるだろう」。中間スプリントでは3秒、2秒、1秒、そしてゴールラインでは10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられる。つまりサガンがステージ3位までに入れば総合は逆転する。
粘りの走りで山岳ステージをこなしたサガンは「今日は本当にハードなステージだった。ベストを尽くしたけど、ゴール前で脚がつって、ペダルに力が入らなくなった。まだ総合成績は分からない。僕はマーティンから僅か3秒遅れ。明日は中間スプリントとゴールラインでボーナスタイムを狙っていくよ」とコメント。スプリント力のあるマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)も総合で3秒差。最後の最後までリーダージャージの行方が分からない秒差の闘いになるだろう。
なお、この日は20名がリタイア。開幕3連勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)は38分20秒遅れのグルペットでゴールしている。
レース展開と選手コメントはレース公式サイトならびにストリーミング映像より。
ツール・ド・ポローニュ2011第6ステージ結果
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ) 5h41'05"
2位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +01"
3位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM) +04"
4位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・ISD)
5位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +06"
6位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)
7位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
8位 パヴェル・チースリク(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
16位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +13"
個人総合成績
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・サーヴェロ) 23h50'06"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +03"
3位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
4位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +17"
5位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ) +19"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +22"
7位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 スティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット) +26"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
ミカル・ゴラス(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
チーム総合成績
ヴァカンソレイユ・DCM
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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