連日複数の山岳ポイントが登場するブエルタ・アル・パイスバスコ。第4ステージは序盤に形成された先頭グループがメイン集団を振り切り、逃げメンバーのファンデンブロックとヴァンデヴェルデをスプリントで下したミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)が優勝を飾った。

バスク地方の山岳地帯を進むメイン集団バスク地方の山岳地帯を進むメイン集団 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comカテゴリー1級〜3級まで、計7つの山岳ポイントが設定された第4ステージ。総合が動くような決定的な上りはなく、かといってスプリンターステージでもない。すでに総合で遅れている選手にとっては格好の逃げコースだ。

気温が30度に迫るほどの陽気に包まれたこの日、レースは開始直後からアタックが繰り返された。山岳賞逆転を狙うレイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)が最初の3級山岳を先頭で通過すると、その後すぐに6名のアタックが決まる。

チームメイトに守られて山岳をこなすアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)チームメイトに守られて山岳をこなすアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com逃げグループは続く1級山岳ウルキオラ峠でクリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)、ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)、ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、サイレンス・ロット)、フィリップ・ダイグナン(アイルランド、サーヴェロ)の4名に絞られた。

逃げに乗ったのはステージレースで総合上位を狙えるオールラウンダーばかり。しかし逃げグループの中で最高位はファンデンブロックの総合64位・13分18秒遅れ。リーダージャージを擁するアスタナは危機感を示さず、タイム差が7分30秒に広がるまで放置した。

序盤から逃げ続けるミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)やフィリップ・ダイグナン(アイルランド、サーヴェロ)序盤から逃げ続けるミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)やフィリップ・ダイグナン(アイルランド、サーヴェロ) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comやがてこの日最後の3級山岳でダイグナンが脱落し、先頭はファンデンブロック、アルバジーニ、ヴァンデヴェルデの3名に。メイン集団はスプリント勝負に興味を示したクイックステップが牽引を始めたが、先頭に追いつくことは無かった。

最後は3名によるステージ優勝争いに持ち込まれ、ファンデンブロックとヴァンデヴェルデをスプリントで破ったアルバジーニが勝利。1分25秒遅れのメイン集団先頭はベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)が穫った。新城幸也(Bboxブイグテレコム)も集団内でゴールしている。

互いに牽制し合いながらゴールに向かう先頭の3名互いに牽制し合いながらゴールに向かう先頭の3名 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comアルバジーニはチームコロンビアに移籍した今シーズン初勝利。「昨日に引き続いて今日のコースもハードだった。序盤の山岳から集団前方の位置取りを心がけて、一旦逃げグループが形成されてからは気が抜けなかった。でも徐々に逃げ切りが確実になってきて、スプリント勝負ではラスト300mまで僕が先頭。何とか2人を抑えて先頭でゴール出来たよ」と、28歳の中堅スイス人ライダーは語る。

「ティレーノ〜アドリアティコの後は調子が思わしくなかった。調子がいいと思ったら、その翌日にはパワーが欠けていたり。でも今日は絶好調と思えるぐらい調子が良かったんだ。今日の勝利は自信とやる気を与えてくれる。同時にチームコロンビアに勝利をもたらせたことも嬉しい」。

ファンデンブロックとヴァンデヴェルデをスプリントで破ったミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)ファンデンブロックとヴァンデヴェルデをスプリントで破ったミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア) photo:Cor Vos昨年フレーシュ・ワロンヌで7位に入っているアルバジーニの次なる目標は、4月20日のアムステル・ゴールドレースを皮切りにスタートするアルデンヌクラシックウィークだ。

リーダージャージはアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が危なげなくキープ。しかし37km地点で発生した落車にはアスタナのダニエル・ナバーロ(スペイン)とクリストファー・ホーナー(アメリカ)が巻き込まれ、前者はレースを続行したが、後者は病院に搬送された。

X線検査の結果、ホーナーは肩甲骨の骨折が判明。アスタナは重要な山岳アシストを失った。

ホーナーの落車に関してコンタドールは「目を閉じたくなるぐらい酷い落車だった。骨折だけで済んだことが幸運なぐらいだ。明文化されたルールじゃないけど、落車が発生したとき、メイン集団は止まってくれた。選手のみんなが慣習を重んじたことに感謝したい」とコメントしている。

レース展開はレース公式サイトとライブストリーミング、選手コメントはチーム公式サイトより。

ブエルタ・アル・パイスバスコ2009第4ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)3h59'42"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、サイレンス・ロット)
3位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)+1'25"
5位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
6位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、サーヴェロ)
7位 ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)
8位 クリスティアン・クネース(ドイツ、ミルラム)
9位 ダビ・デラフエンテ(スペイン、フジ・セルヴェット)
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
72位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)16h00'16"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)+08"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)
4位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+27"
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+32"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+35"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+54"
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
10位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)
89位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+21'30"

ポイント賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)

山岳賞
アイトール・エルナンデス(スペイン、エウスカルテル)

中間スプリント賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームコロンビア)

チーム総合成績
ケースデパーニュ

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