2010/08/05(木) - 10:26
2010年8月4日、ツール・ド・ポローニュ(UCIプロツアー)第4ステージが山がちな177.9kmで行なわれ、山岳で縮小した50名強の集団によるスプリントでミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)が優勝。同時にリーダージャージを獲得した。集団内でゴールした別府史之(レディオシャック)は総合14位に浮上している。
ここまで平坦ステージが続いたツール・ド・ポローニュもいよいよ山岳地帯に突入。第4ステージはポーランド南部のティヒからチェコ国境に面したチェシンまでの177.9kmで行なわれた。
中盤にかけて1級山岳が3つ設定されており、決してスプリンター向きとは言えない。山岳で縮小した小集団によるスプリント勝負に注目が集まった。
アタック合戦の末に、50km地点で飛び出したのは3名。2008年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)総合優勝者で、昨年トラック世界選手権のポイントレース、マディソン、団体追い抜きを制したキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)、ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)、そして山岳賞ジャージを着るドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ・テストチーム)が逃げた。
この逃げグループはアスタナが牽引するメイン集団から最大5分40秒のリード。最大勾配が20%を超える1級山岳でロランが脱落し、マイヤーとフーガーランドの2人が逃げ続けた。
連続する3つの1級山岳で50名ほどに縮小したメイン集団は、ゴールまでの平坦区間で先頭2名とのタイム差を詰めて行く。マイヤーを振り切ったフーガーランドが最後まで諦めずに抵抗したが、チェシンの周回コース突入後しばらくしてメイン集団に吸収された。
石畳を含む周回コースでカウンターアタックを仕掛けたのはヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク)とマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)の2人。そこから更に独走態勢に持ち込んだマルカートがフィニッシュラインでガッツポーズを繰り出したが、これは周回数の間違い。メイン集団は1周回勘違いしたマルカートを飲み込み、ゴールスプリント勝負に向かった。
リーダージャージのアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)を始め、ほとんどのスプリンターがグルペットでゴールに向かう中、ランプレのミルコ・ロレンツェット(イタリア)とグレガ・ボーレ(スロベニア)がロングスプリント。昨年大会の覇者アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)を振り切った2人が、そのままのオーダーでゴールに飛び込んだ。
ペタッキに次ぐランプレ第2のスプリンターとして注目を集めるロレンツェットは29歳。これまでイタリアレースを中心に勝ち星を挙げていたが、プロツアーレースでの勝利はこれが初めて。今年はツール・ド・フランスでペタッキをアシストしながら総合135位で完走している。
「今シーズン初勝利なので興奮したよ。プロキャリアの中で最高の勝利だ。今日はスプリントだけが持ち味ではないことを証明出来た。イエロージャージを獲得出来て本当に満足している。ツール・ド・フランスではペタッキのアシストを務め、そのおかげで調子が上がっていた。とにかく今はこの勝利を堪能したい(レース公式サイト)」
ロレンツェットはステージ優勝と同時にリーダージャージを獲得。「明日は厳しいステージが待っているけど、チームメイトの力を借りて、全力でこのジャージを守りたい」とコメントしたが、翌第5ステージは完全にクライマー向きの山岳ステージだ。1級山岳が合計5つ設定されており、しかも最後は標高差460mの山岳を駆け上がってゴール。総合優勝を狙うクライマーたちが動いてくるだろう。
連日ステージ上位に絡む走りを見せていた別府史之(レディオシャック)はこの日もメイン集団内でゴール。フミは自身のTwitterの中で「今日は逃げようとして何度も何度も序盤にアタックを仕掛けたけど、序盤の平均時速52km/hの中では難しかった。終盤のサーキットは石畳の登りゴールが難しかった。最後は55人の先頭集団でフィニッシュした。明日、明後日が山場だ」とコメント。多くのスプリンターたちが遅れたため、フミは総合14位にジャンプアップしている。
レース内容と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツール・ド・ポローニュ2010第4ステージ結果
1位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ) 4h07'36"
2位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ)
3位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)
4位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
5位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ) +02"
6位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
7位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
8位 マルティン・ペデルセン(デンマーク、フットオン・セルヴェット)+04"
9位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドBGZ)
46位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ) 17h00'51"
2位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ) +07"
3位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) +08"
4位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ) +10"
5位 ケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +14"
6位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ) +15"
7位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ)
8位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)
10位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
14位 別府史之(日本、レディオシャック) +17"
ポイント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
山岳賞
ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)
スプリント賞
ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
ここまで平坦ステージが続いたツール・ド・ポローニュもいよいよ山岳地帯に突入。第4ステージはポーランド南部のティヒからチェコ国境に面したチェシンまでの177.9kmで行なわれた。
中盤にかけて1級山岳が3つ設定されており、決してスプリンター向きとは言えない。山岳で縮小した小集団によるスプリント勝負に注目が集まった。
アタック合戦の末に、50km地点で飛び出したのは3名。2008年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)総合優勝者で、昨年トラック世界選手権のポイントレース、マディソン、団体追い抜きを制したキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)、ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)、そして山岳賞ジャージを着るドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ・テストチーム)が逃げた。
この逃げグループはアスタナが牽引するメイン集団から最大5分40秒のリード。最大勾配が20%を超える1級山岳でロランが脱落し、マイヤーとフーガーランドの2人が逃げ続けた。
連続する3つの1級山岳で50名ほどに縮小したメイン集団は、ゴールまでの平坦区間で先頭2名とのタイム差を詰めて行く。マイヤーを振り切ったフーガーランドが最後まで諦めずに抵抗したが、チェシンの周回コース突入後しばらくしてメイン集団に吸収された。
石畳を含む周回コースでカウンターアタックを仕掛けたのはヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク)とマルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)の2人。そこから更に独走態勢に持ち込んだマルカートがフィニッシュラインでガッツポーズを繰り出したが、これは周回数の間違い。メイン集団は1周回勘違いしたマルカートを飲み込み、ゴールスプリント勝負に向かった。
リーダージャージのアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)を始め、ほとんどのスプリンターがグルペットでゴールに向かう中、ランプレのミルコ・ロレンツェット(イタリア)とグレガ・ボーレ(スロベニア)がロングスプリント。昨年大会の覇者アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)を振り切った2人が、そのままのオーダーでゴールに飛び込んだ。
ペタッキに次ぐランプレ第2のスプリンターとして注目を集めるロレンツェットは29歳。これまでイタリアレースを中心に勝ち星を挙げていたが、プロツアーレースでの勝利はこれが初めて。今年はツール・ド・フランスでペタッキをアシストしながら総合135位で完走している。
「今シーズン初勝利なので興奮したよ。プロキャリアの中で最高の勝利だ。今日はスプリントだけが持ち味ではないことを証明出来た。イエロージャージを獲得出来て本当に満足している。ツール・ド・フランスではペタッキのアシストを務め、そのおかげで調子が上がっていた。とにかく今はこの勝利を堪能したい(レース公式サイト)」
ロレンツェットはステージ優勝と同時にリーダージャージを獲得。「明日は厳しいステージが待っているけど、チームメイトの力を借りて、全力でこのジャージを守りたい」とコメントしたが、翌第5ステージは完全にクライマー向きの山岳ステージだ。1級山岳が合計5つ設定されており、しかも最後は標高差460mの山岳を駆け上がってゴール。総合優勝を狙うクライマーたちが動いてくるだろう。
連日ステージ上位に絡む走りを見せていた別府史之(レディオシャック)はこの日もメイン集団内でゴール。フミは自身のTwitterの中で「今日は逃げようとして何度も何度も序盤にアタックを仕掛けたけど、序盤の平均時速52km/hの中では難しかった。終盤のサーキットは石畳の登りゴールが難しかった。最後は55人の先頭集団でフィニッシュした。明日、明後日が山場だ」とコメント。多くのスプリンターたちが遅れたため、フミは総合14位にジャンプアップしている。
レース内容と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツール・ド・ポローニュ2010第4ステージ結果
1位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ) 4h07'36"
2位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ)
3位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)
4位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
5位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ) +02"
6位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
7位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
8位 マルティン・ペデルセン(デンマーク、フットオン・セルヴェット)+04"
9位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、ポーランドBGZ)
46位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ) 17h00'51"
2位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ) +07"
3位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) +08"
4位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ) +10"
5位 ケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +14"
6位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ) +15"
7位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ)
8位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)
10位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)
14位 別府史之(日本、レディオシャック) +17"
ポイント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
山岳賞
ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)
スプリント賞
ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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