2025/04/13(日) - 08:50
第5回パリ〜ルーベ・ファムは、初出場のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が19kmの独走。パリ五輪のMTB金メダリストが母国フランスに初優勝をもたらした。

連覇を目指すロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos

4月12日、午後1時10分にスタートしたパリ〜ルーベ・ファム photo:CorVos 
笑顔でスタート前インタビューに応えるマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
「クラシックの女王」と呼ばれるパリ〜ルーベは、今年も女子レースのファムからスタートする。2020年の第1回大会は中止されたものの、その後継続開催されて今年で5回目。舞台は昨年と全く同じ、パリ近郊のドゥナンから南のルーベ・ヴェロドロームを目指す148.5kmで、パヴェと呼ばれる石畳セクターは全17箇所(総距離29.2km)に及ぶ。
今年もアランベールは通過せず、その代わり最高難易度を示す5つ星の「No.11 モンサン・ぺヴェル」と「No.4 カルフール・ド・ラルブル」が登場。男子レースで予報されている雨の心配はなく、別名「北の地獄」は晴天に恵まれた。
集団の先頭でスタートの時を待ったのは前回覇者ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)。2022年優勝者エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)こそ落車の影響で不出場になったものの、2023年覇者のアリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)と初代王者エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)が揃う。今年限りでの引退を発表しているダイグナンにとっては、これが現役最後のパリ〜ルーベとなった。

最初の石畳区間に入る前に形成された逃げは2名 photo:CorVos

全17つのパヴェ区間に選手たちが突入する photo:CorVos
序盤の平坦路でクインティ・トン(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ)とオーレラ・ネルロ(ポーランド、ウィンスペース・オレンジシール)が飛び出す。逃げ集団を形成した2名は2分45秒のリードで最初の石畳区間、「No.17 ホーニング〜ヴァンディニー」に突入。それを追うメイン集団ではリドル・トレックが積極的な牽引を見せ、特にアシストに徹するエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)の牽引が目立った。
石畳に苦戦する選手たちが遅れていくなか、3つ目のパヴェセクターを前にファンダイクが飛び出す。残り62km地点で先頭の2名に追いつく一方、プロトンではコペッキーが自らペースを上げて前を追い、チームのエーススプリンターであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)もこれに追随する動きを見せた。

集団を高速牽引するエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック) photo:CorVos

終始ウィーベスのアシストに徹したロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:CorVos
パヴェ区間を越える度に、逃げとプロトンの差は縮まっていく。そして14秒差まで追い詰めたプロトンでは、「No.12 オシー・レ・オルシ〜ベルセ」に入る直前のコーナーで落車が発生。これにパリ五輪のマウンテンバイク金メダリストで、今年からロードに本格参戦するポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が巻き込まれた。
それを尻目にコペッキーがペースを上げ、その背後にウィーベスはもちろんマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がつき、単独先頭に立っていたファンダイクを捉える。石畳区間を繋ぐ舗装路でジャクソンやクロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)らも追いつき、一時的に新たな先頭グループが形成される。ファンダイクが遅れ、またコペッキーの加速による揺さぶりもあり、先頭は6名に絞られた。
落車で遅れたフェランプレヴォなどが、残り36km地点でコペッキーたちに合流。その直後にエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、リドル・トレック)がアタックして先頭に立つと、集団に20秒差をつける。逃げが生まれたことで一旦展開が落ち着くなか、「No.6 ブールゲル〜ヴァヌアン」を前にフェランプレヴォが飛び出した。

残り19km地点で単独先頭に立ったポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
これにコペッキーらは反応せず、あっという間にフェランプレヴォはノルスゴーをキャッチ。そして「No.5 カンフィン・アン・ペヴェル」に入った残り19kmでフェランプレヴォは再び加速。MTBで培った卓越したテクニックを駆使しながら5つ星の「No.4 カルフール・ド・ラルブル」で後続との差を一気に拡げた。
その後3つの石畳セクターでもフェランプレヴォのスピードは落ちず、むしろ増していく。後続ではスプリントに持ち込みたいコペッキーが中心となって追走するものの、タイム差は一向に縮まらない。また、追走集団内でエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)がアタックする場面もあったが、これはフェランプレヴォのチームメイトであるフォスがしっかりとマーク。その間にもフェランプレヴォは独走を続け、ルーベ・ヴェロドロームに到着した。
2014年のロード世界選手権を22歳の若さで制し、2015年にはシクロクロス世界選手権とMTBクロスカントリー(XCO)世界選手権で優勝。23歳にして3冠を達成したフェランプレヴォが、第5代パリ〜ルーベ・ファムの王者に輝いた。

圧巻の独走で初勝利を決めたポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

石のトロフィーを掲げたポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
母国フランスに大会5回目にして初優勝をもたらしたフェランプレヴォ。「落車後、集団に復帰してアタックすると決めていた。すると素早くリードを得ることができた。ここ数日間は体調が良くなかったので、当初の作戦はマリアンヌ(フォス)をアシストすることだった。だが単独先頭に立った後は、全力でペダルを回した。本当に素晴らしい結果を得ることができた」と、喜びを語った。
また、これでボーイフレンドである2022年覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と揃ってパリ〜ルーベ覇者になったことになる。
2位には追走集団を飛び出したレティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール)が入る。そしてスプリントに持ち込まれた3位争いはウィーベスがフォスを退け、初の表彰台に上がった。

パリ〜ルーベ・ファム2025表彰台:2位ボルゲージ、1位フェランプレヴォ、3位ウィーベス photo:CorVos



「クラシックの女王」と呼ばれるパリ〜ルーベは、今年も女子レースのファムからスタートする。2020年の第1回大会は中止されたものの、その後継続開催されて今年で5回目。舞台は昨年と全く同じ、パリ近郊のドゥナンから南のルーベ・ヴェロドロームを目指す148.5kmで、パヴェと呼ばれる石畳セクターは全17箇所(総距離29.2km)に及ぶ。
今年もアランベールは通過せず、その代わり最高難易度を示す5つ星の「No.11 モンサン・ぺヴェル」と「No.4 カルフール・ド・ラルブル」が登場。男子レースで予報されている雨の心配はなく、別名「北の地獄」は晴天に恵まれた。
集団の先頭でスタートの時を待ったのは前回覇者ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)。2022年優勝者エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)こそ落車の影響で不出場になったものの、2023年覇者のアリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)と初代王者エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)が揃う。今年限りでの引退を発表しているダイグナンにとっては、これが現役最後のパリ〜ルーベとなった。


序盤の平坦路でクインティ・トン(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ)とオーレラ・ネルロ(ポーランド、ウィンスペース・オレンジシール)が飛び出す。逃げ集団を形成した2名は2分45秒のリードで最初の石畳区間、「No.17 ホーニング〜ヴァンディニー」に突入。それを追うメイン集団ではリドル・トレックが積極的な牽引を見せ、特にアシストに徹するエレン・ファンダイク(オランダ、リドル・トレック)の牽引が目立った。
石畳に苦戦する選手たちが遅れていくなか、3つ目のパヴェセクターを前にファンダイクが飛び出す。残り62km地点で先頭の2名に追いつく一方、プロトンではコペッキーが自らペースを上げて前を追い、チームのエーススプリンターであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)もこれに追随する動きを見せた。


パヴェ区間を越える度に、逃げとプロトンの差は縮まっていく。そして14秒差まで追い詰めたプロトンでは、「No.12 オシー・レ・オルシ〜ベルセ」に入る直前のコーナーで落車が発生。これにパリ五輪のマウンテンバイク金メダリストで、今年からロードに本格参戦するポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が巻き込まれた。
それを尻目にコペッキーがペースを上げ、その背後にウィーベスはもちろんマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がつき、単独先頭に立っていたファンダイクを捉える。石畳区間を繋ぐ舗装路でジャクソンやクロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)らも追いつき、一時的に新たな先頭グループが形成される。ファンダイクが遅れ、またコペッキーの加速による揺さぶりもあり、先頭は6名に絞られた。
落車で遅れたフェランプレヴォなどが、残り36km地点でコペッキーたちに合流。その直後にエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、リドル・トレック)がアタックして先頭に立つと、集団に20秒差をつける。逃げが生まれたことで一旦展開が落ち着くなか、「No.6 ブールゲル〜ヴァヌアン」を前にフェランプレヴォが飛び出した。

これにコペッキーらは反応せず、あっという間にフェランプレヴォはノルスゴーをキャッチ。そして「No.5 カンフィン・アン・ペヴェル」に入った残り19kmでフェランプレヴォは再び加速。MTBで培った卓越したテクニックを駆使しながら5つ星の「No.4 カルフール・ド・ラルブル」で後続との差を一気に拡げた。
その後3つの石畳セクターでもフェランプレヴォのスピードは落ちず、むしろ増していく。後続ではスプリントに持ち込みたいコペッキーが中心となって追走するものの、タイム差は一向に縮まらない。また、追走集団内でエリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ)がアタックする場面もあったが、これはフェランプレヴォのチームメイトであるフォスがしっかりとマーク。その間にもフェランプレヴォは独走を続け、ルーベ・ヴェロドロームに到着した。
2014年のロード世界選手権を22歳の若さで制し、2015年にはシクロクロス世界選手権とMTBクロスカントリー(XCO)世界選手権で優勝。23歳にして3冠を達成したフェランプレヴォが、第5代パリ〜ルーベ・ファムの王者に輝いた。


母国フランスに大会5回目にして初優勝をもたらしたフェランプレヴォ。「落車後、集団に復帰してアタックすると決めていた。すると素早くリードを得ることができた。ここ数日間は体調が良くなかったので、当初の作戦はマリアンヌ(フォス)をアシストすることだった。だが単独先頭に立った後は、全力でペダルを回した。本当に素晴らしい結果を得ることができた」と、喜びを語った。
また、これでボーイフレンドである2022年覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)と揃ってパリ〜ルーベ覇者になったことになる。
2位には追走集団を飛び出したレティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール)が入る。そしてスプリントに持ち込まれた3位争いはウィーベスがフォスを退け、初の表彰台に上がった。

パリ〜ルーベ・ファム2025結果
1位 | ポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | 3:40:07 |
2位 | レティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFオートリー・キャノンデール) | +0:58 |
3位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:01 |
4位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、EFオートリー・キャノンデール) | |
6位 | マリア・コンファロニエーリ(イタリア、ウノエックス・モビリティ) | |
7位 | エリーズ・シャベイ(スイス、FDJスエズ) | +1:04 |
8位 | クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | +1:06 |
9位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | +1:21 |
10位 | キアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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