2日連続の集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・台湾第4ステージ。イタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック)が勝利し、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が8位に入った。



お寺である褒忠祠(バオジョンツー)を出発した選手たち photo:Tour de Taiwan

多くの日本人選手が参戦するツール・ド・台湾(UCI2.1)も残り2日。第4ステージはコース中央に3級、2級、4級山岳が登場するものの、フィニッシュ地点である高雄国家体育場までの約50kmは平坦路。そのため前日に続く集団スプリントが予想された。

この日も逃げを目指す、激しいアタック合戦が繰り広げられる。そのため6名の逃げグループが形成されるのに1時間を要し、その中には昨年総合2位でゼッケン1をつける小石祐馬(JCLチーム右京)と沢田時(宇都宮ブリッツェン)が入る。逃げ集団は3級と2級山岳を越えたものの、3つ目の4級山岳の手前でメイン集団に吸収された。

市街地を進む選手たち photo:Tour de Taiwan

振り出しに戻ったレースは、新たに総合2位ブレイディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)を含む3名が逃げを打つ。ギルモアは最大3秒のボーナスタイムが与えられる中間スプリントを先頭通過し、チームメイトであるモーリッツ・クレッチュ(ドイツ)を抜いて総合首位に立つ。そしてプロトンが再び逃げを捉え、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

スプリントに向けて集団先頭に人数を固めたのは、エリトリアのコンチネンタルチームであるクイック・プロチーム。その後ろにイスラエルやルージャイインシュランスもトレインを並べるなか、ギルモアのリードアウトからイタマル・アインホルン(イスラエル)がスプリントを開始。そのまま先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。

スプリント勝利したイタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック) photo:Tour de Taiwan

総合21位でベストアジアンライダー賞を着る小石祐馬(JCLチーム右京) photo:Tour de Taiwan

下部チーム所属の若手で構成されたチームの中、唯一のトップチームとして参戦したアインホルン。「自分のスプリントは強いと、常に自分自身を信じている。僕に必要なのは適切なお膳立て。今日はチーム一丸となり、勝利を狙うことができた」と、今大会チーム2勝目を喜んだ。

2位には新城幸也のチームメイトであるフィリッポ・フォルティン(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が入り、4位はアンドレア・ダマート(イタリア、JCLチーム右京)。日本人最高位は8位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)で、ベストアジアンライダー賞ジャージは総合21位の小石が着用している。
ツール・ド・台湾2025第4ステージ
1位 イタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック) 3:08:34
2位 フィリッポ・フォルティン(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
3位 ポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)
4位 アンドレア・ダマート(イタリア、JCLチーム右京)
5位 カール・パトリクラウク(エストニア、クイック・プロチーム)
8位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ブレイディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) 11:10:50
2位 モーリッツ・クレッチュ(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)
3位 ジョルディ・ロペス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +0:06
4位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
5位 ジャコモ・バッラビオ(イタリア、ヒリンコウ・アドバリクス)
その他の特別賞
ポイント賞 ブレイク・クイック(オーストラリア、ルージャイ・インシュアランス)
山岳賞 ランデル・ロークス(ベルギー、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)
チーム総合成績 エウスカルテル・エウスカディ
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Taiwan