2025/02/24(月) - 12:06
2月22日(土)Jプロツアー開幕戦の鹿屋・肝付ロードレースが開催され、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)を下して優勝した。3位には渡辺一気(京都産業大学)が入り、U23首位のネクストリーダージャージを獲得した。
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寒波による寒さの中、春を予感させる菜の花畑 photo:Satoru Kato
2025年のJプロツアーは、3年連続で鹿児島県の鹿屋・肝付ロードレースで開幕した。前週に開催された東京クリテリウムは特別戦としてシリーズ戦に組み込まれないレースのため、ここから9月末まで全11戦の長いシーズンが始まる。
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鹿児島県立大隅広域公園の中を集団が流れていく photo:Satoru Kato
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チームジャージを一新したシエルブルー鹿屋がチームプレゼンテーションに立つ photo:Satoru Kato 
案山子(かかし)の静かな応援の中に話題の方が・・・ photo:Satoru Kato
鹿児島県東部、大隅半島の中ほどに位置する鹿屋市と肝付町にまたがる1周6.5kmのコースを舞台に行われる鹿屋・肝付ロードレースは、鹿児島県立大隅広域公園をスタート/フィニッシュとし、丘陵地帯のなだらかなアップダウンのあるコースレイアウト。前半は下り基調、後半は登り基調となるが、勝負所になるような長く険しい登りは無く、逃げが決まりづらい。残り500mからフィニッシュまでは登りとなるが、過去2回は集団でのスプリント勝負で決着している。
全国的な寒波の影響は九州最南端の鹿児島にも及び、大会当日の朝は霜がおりるほど冷え込んだ。Jプロツアーがスタートした正午過ぎには陽差しのおかげで寒さは緩んだものの、凍りつくような冷たい風が吹き続ける中でのレースとなった。
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JBCF理事長に就任した加地邦彦氏 photo:Satoru Kato 今大会直前、東京クリテリウムでの不適切発言を巡ってJBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)の安原昌弘理事長が辞表を提出。代わって加地邦彦氏が理事長に就任した。
大会の冒頭、加地理事長は一連の騒動を陳謝し、信頼回復に努め、今後も連盟として強化・育成を継続すると挨拶した。
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地元チームのシエルブルー鹿屋を先頭にパレードスタート photo:Satoru Kato
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スタート直後から地元チームのシエルブルー鹿屋が集団先頭で動く photo:Satoru Kato
昨年大会よりも約20kmほど延長して23周149.5kmで行われたJプロツアーのレース。パレード走行ののちリアルスタートが切られると一気にペースが上がる。主導するチームは現れないものの、それでも直前に行われたE1カテゴリーよりも1周あたり20秒から30秒速いペースで進行していく。
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Jプロツアー開幕戦は17チームが出場 photo:Satoru Kato
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8周目、6名の集団が先行 photo:Satoru Kato
8周目、石原悠希(シマノレーシング)、三浦一真(チームブリヂストンサイクリング)、織田聖(マトリックスパワータグ)、柴田雅之(ヴィクトワール広島)、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)の6名が先行。その後三浦は集団に戻り、5名となった先頭集団は20秒前後の差をメイン集団につける。
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芽吹いた畑の中を進む集団 photo:Satoru Kato
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レース中盤に先行した3名 photo:Satoru Kato
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17周目、先頭集団を追ってヴィクトワール広島がペースアップ photo:Satoru Kato
11周目、先行していた5名が吸収されるのと前後して集団がふたつに割れ、30名弱の集団が先行。その中から、入部正太朗(シマノレーシング)、新城雄大(KINAN Racing Team)、森田吐夢(京都産業大学)が先頭集団を形成する。3名は後続の集団との差を広げ、17周目には50秒差をつける。
後続集団ではヴィクトワール広島が牽引してペースアップ。18周目に孫崎大樹、中村圭佑(以上ヴィクトワール広島)、トマ・ルバ(KINAN Racing Team)、渡辺一気(京都産業大学)ら4名が先頭集団に合流して7名となる。その後森田が遅れて6名となるものの、20周目にホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)と山田拓海(シマノレーシング)の2名が後方から追いつき、先頭集団は8名に再構成される。後方集団との差は1分以上まで開き、勝負は8名に絞られた。
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終盤、8名になった先頭集団 photo:Satoru Kato
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終盤、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)がアタックを繰り返す photo:Satoru Kato
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残り2km、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)とトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が先行 photo:Satoru Kato
残り2周となる22周目に入ると、ルバがアタックを繰り返して揺さぶりをかける。最終周回に入るとコース中盤の平坦区間でアタックしたルバにトリビオが追従して差を広げていく。2名はそのまま最後まで逃げ切り、残り500mからの登り勝負へ。ルバを従えるようにしてトリビオが先頭で残り100mの登りスプリントを開始。ルバは追いきれず、トリビオが両腕を突き上げてフィニッシュした。
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ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)がトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)を従えてスプリント photo:Satoru Kato
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ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が開幕戦勝利 photo:Satoru Kato
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表彰式 photo:Satoru Kato
トリビオは表彰式で「みんなで鹿児島で合宿して、みんなが良い仕事をしてくれたおかげで勝てた」と、日本語でコメント。レース前に行われたチームプレゼンテーションでは優勝宣言をしていたといい、有言実行の結果となった。
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渡辺一気(京都産業大学)が大健闘の3位 photo:Satoru Kato
一方、3位には渡辺が入り、U23首位の証となるネクストリーダージャージを獲得した。渡辺は4月から京都産業大学の2年生。同大学は2023年からJプロツアー登録を開始し、今年3年目。この日は途中まで先頭集団に加わっていた森田が敢闘賞を獲得し、3年目の開幕戦で大きな結果を残した。
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今年最初のリーダージャージは、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)と、渡辺一気(京都産業大学) photo:Satoru Kato 
森田吐夢(京都産業大学)が敢闘賞を獲得 photo:Satoru kato
渡辺は、「欲を言えば優勝できる展開だったので、ちょっと悔しい。最後の場面で二人が行ってしまったが、追う足は残ってなかった。でも表彰台に乗れて、U23のジャージを着られたので良かったと思う。最初の逃げに森田さんが乗って入れ替わるようになったが、僕らは学生チームで個人個人で動いているから作戦を考えていたわけでなく、結果としてチームとして動いているように見えたかもしれないけれど、良い形が出来たと思う。今年は世界選手権に出場することが目標。将来はヨーロッパで選手になりたい」と、コメントした。
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2025年のJプロツアーは、3年連続で鹿児島県の鹿屋・肝付ロードレースで開幕した。前週に開催された東京クリテリウムは特別戦としてシリーズ戦に組み込まれないレースのため、ここから9月末まで全11戦の長いシーズンが始まる。
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鹿児島県東部、大隅半島の中ほどに位置する鹿屋市と肝付町にまたがる1周6.5kmのコースを舞台に行われる鹿屋・肝付ロードレースは、鹿児島県立大隅広域公園をスタート/フィニッシュとし、丘陵地帯のなだらかなアップダウンのあるコースレイアウト。前半は下り基調、後半は登り基調となるが、勝負所になるような長く険しい登りは無く、逃げが決まりづらい。残り500mからフィニッシュまでは登りとなるが、過去2回は集団でのスプリント勝負で決着している。
全国的な寒波の影響は九州最南端の鹿児島にも及び、大会当日の朝は霜がおりるほど冷え込んだ。Jプロツアーがスタートした正午過ぎには陽差しのおかげで寒さは緩んだものの、凍りつくような冷たい風が吹き続ける中でのレースとなった。
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大会の冒頭、加地理事長は一連の騒動を陳謝し、信頼回復に努め、今後も連盟として強化・育成を継続すると挨拶した。
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昨年大会よりも約20kmほど延長して23周149.5kmで行われたJプロツアーのレース。パレード走行ののちリアルスタートが切られると一気にペースが上がる。主導するチームは現れないものの、それでも直前に行われたE1カテゴリーよりも1周あたり20秒から30秒速いペースで進行していく。
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8周目、石原悠希(シマノレーシング)、三浦一真(チームブリヂストンサイクリング)、織田聖(マトリックスパワータグ)、柴田雅之(ヴィクトワール広島)、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)、宮崎泰史(キナンレーシングチーム)の6名が先行。その後三浦は集団に戻り、5名となった先頭集団は20秒前後の差をメイン集団につける。
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11周目、先行していた5名が吸収されるのと前後して集団がふたつに割れ、30名弱の集団が先行。その中から、入部正太朗(シマノレーシング)、新城雄大(KINAN Racing Team)、森田吐夢(京都産業大学)が先頭集団を形成する。3名は後続の集団との差を広げ、17周目には50秒差をつける。
後続集団ではヴィクトワール広島が牽引してペースアップ。18周目に孫崎大樹、中村圭佑(以上ヴィクトワール広島)、トマ・ルバ(KINAN Racing Team)、渡辺一気(京都産業大学)ら4名が先頭集団に合流して7名となる。その後森田が遅れて6名となるものの、20周目にホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)と山田拓海(シマノレーシング)の2名が後方から追いつき、先頭集団は8名に再構成される。後方集団との差は1分以上まで開き、勝負は8名に絞られた。
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残り2周となる22周目に入ると、ルバがアタックを繰り返して揺さぶりをかける。最終周回に入るとコース中盤の平坦区間でアタックしたルバにトリビオが追従して差を広げていく。2名はそのまま最後まで逃げ切り、残り500mからの登り勝負へ。ルバを従えるようにしてトリビオが先頭で残り100mの登りスプリントを開始。ルバは追いきれず、トリビオが両腕を突き上げてフィニッシュした。
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トリビオは表彰式で「みんなで鹿児島で合宿して、みんなが良い仕事をしてくれたおかげで勝てた」と、日本語でコメント。レース前に行われたチームプレゼンテーションでは優勝宣言をしていたといい、有言実行の結果となった。
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一方、3位には渡辺が入り、U23首位の証となるネクストリーダージャージを獲得した。渡辺は4月から京都産業大学の2年生。同大学は2023年からJプロツアー登録を開始し、今年3年目。この日は途中まで先頭集団に加わっていた森田が敢闘賞を獲得し、3年目の開幕戦で大きな結果を残した。
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渡辺は、「欲を言えば優勝できる展開だったので、ちょっと悔しい。最後の場面で二人が行ってしまったが、追う足は残ってなかった。でも表彰台に乗れて、U23のジャージを着られたので良かったと思う。最初の逃げに森田さんが乗って入れ替わるようになったが、僕らは学生チームで個人個人で動いているから作戦を考えていたわけでなく、結果としてチームとして動いているように見えたかもしれないけれど、良い形が出来たと思う。今年は世界選手権に出場することが目標。将来はヨーロッパで選手になりたい」と、コメントした。
Jプロツアー2025第1戦 鹿屋・肝付ロードレース 結果
1位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) | 3時間27分32秒 |
2位 | トマ・ルバ(KINAN Racing Team) | +1秒 |
3位 | 渡辺 一気(京都産業大学) | +15秒 |
4位 | 新城 雄大(KINAN Racing Team) | +17秒 |
5位 | 孫崎 大樹(ヴィクトワール広島) | +17秒 |
6位 | 入部 正太朗(シマノレーシング) | +19秒 |
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