ツアー・オブ・オマーン2日目は逃げ切りで決着。31歳のルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が集団を振り切り、プロ11年目で初勝利を飾った。



第2ステージに望んだ増田成幸(JCLチーム右京) photo:A.S.O.

ツアー・オブ・オマーン第2ステージのコースは、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がスプリント勝利した前日と同じく平坦基調。しかし終盤に短い丘が2つ設定されたため、パンチャーなどあらゆる脚質の選手に可能性のあるレイアウトに。中でもスピードに長けたアフリカ大陸選手権3連覇中のヘノック・ムルブラン(エリトリア、XDSアスタナ)が注目された。

砂漠地帯を駆けるレースは、逃げにワールドチームのスーダル・クイックステップがフェルヴァーケを送る。遅れてメイン集団からオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)とヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)の2名が飛び出し、追走集団を形成。先頭にできた2つの集団を追うプロトンは、22歳の若きドイツ王者マルコ・ブレンナーで勝負したいチューダー・プロサイクリングが牽引した。

終盤に3名に絞られた逃げ集団 photo:A.S.O.

岩山の間を駆けるプロトン photo:A.S.O.

単独先頭に立ち、フィニッシュを目指すルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

3名に絞られた逃げ集団は、最後から2つ目の登り(距離2.5km/平均6.9%)でフェルヴァーケ1名となる。牽引にジェイコ・アルウラーやUAEチームエミレーツXRGも加わったプロトンは、40名まで人数が絞られながら単独逃げを追いかける。集団スプリントに持ち込みたいチームが必死に追走したものの、最後の丘に入ってもフェルヴァーケとの差がゼロになることはなかった。

「残り10kmで体力が底をついていた。だが家族のことを考え続けたら、最後まで踏み続ける力が湧いてきた」とレース後に語ったフェルヴァーケ。スプリントに入った後続を振り返り、そのまま先頭でフィニッシュ。プロ初勝利を喜んだ。

集団を振り切り、プロ初勝利を飾ったルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

2015年にプロデビューし、11年目で初勝利を飾ったフェルヴァーケ。「今日はプロ初勝利を飾るとても美しい日となった。何度か勝利に迫ったことはあったが、ようやく手に入れることができた。最後に指さしたのは家族のタトゥー。プロ選手とは自分と家族の犠牲の上に成り立っていることだからね」と喜びを語った。

フィニッシュ手前では落車が発生し、トム・ドネンウィルト(フランス、グルパマFDJ)が地面に叩きつけられるトラブルが発生。そのスプリントでは新加入ヴァランタン・パレパントル(フランス)が先着したため、スーダルがワンツーフィニッシュを達成した。

総合首位にも立ったルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

日本人最高位だったのは63位(4分29秒遅れ)でフィニッシュした増田成幸(JCLチーム右京)。また石橋学(JCLチーム右京)と小山智也(ブルゴスBH)も無事完走を果たしている。
ツアー・オブ・オマーン2025第2ステージ結果
1位 ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 4:45:06
2位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:02
3位 ショーン・フリン(イギリス、ピクニック・ポストNL)
4位 フェリックス・エンゲルハート(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング)
個人総合成績
1位 ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 9:12:15
2位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:06
3位 ショーン・フリン(イギリス、ピクニック・ポストNL) +0:08
4位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) +0:11
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング) +0:12
その他の特別賞
ポイント賞 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
ヤングライダー賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 スーダル・クイックステップ
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.