フランスで個人タイムトライアルのワンデーレース「クロノ・デ・ナシオン」が開催。今年パリ五輪とTT世界選手権の2冠を達成したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)が現役最終レースで勝利を飾り、男子はキュングが3度目の優勝を果たした。



レ・ゼルビエで行われたクロノ・デ・ナシオン photo:Chrono des Nations

男子はイル・ロンバルディア、女子はシマック・レディース・ツアーが閉幕したことで男女共にヨーロッパでのワールドツアーが終了した。そんななかフランス西部レ・ゼルビエを舞台に、個人タイムトライアルのワンデーレースであるクロノ・デ・ナシオン(UCI1.1)が行われた。

東京五輪ロードの金メダリストであるアンナ・キーセンホーファー(オーストリア、ローランド)も出場した女子は26名で争われ、グレース・ブラウン(オーストラリア)らFDJスエズからは最多の5名が出場した。コースはレ・ゼルビエから反時計回りに南部を走って戻って来る27.23kmの平坦路。丘一つなく、コーナーも少ないTTスペシャリスト向けのレイアウトだ。

圧巻のトップタイムで現役最終レースを勝利したグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ) photo:Chrono des Nations

アルカンシエル姿で表彰台に上がったグレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ) photo:Chrono des Nations

トップタイムを叩き出したのはパリ五輪の金メダリストかつTT世界王者であるブラウンだった。初披露となったアルカンシエルを着たブラウンは、出場選手の中で唯一平均スピードを46km/hに乗せ、2位のヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ)に対し51秒差をつける圧巻の走り。またキーセンホーファーは54秒差で3位に入った。

32歳でありながら現役最後のレースを勝利したブラウンは、「人生を残された時間に費やす時がきた」と自身のインスタグラムに投稿。また所属するFDJスエズは「これ以上の締めくくりはない」と言葉を送っている。



男子はキュングが2年振り3度目の勝利

男子レースを制したシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) photo:Chrono des Nations

1クラスのレースにもかかわらず、昨年はレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を13秒差でジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が破る、白熱の戦いが繰り広げられた男子。今年も元TT欧州王者のシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)やTT世界選手権のミックスリレーで優勝したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)など豪華メンバーが揃った。

45.43kmレースを制したのはキュングだった。51分53秒のトップタイムにはヴァインは4秒、ヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、バーレーン・ヴィクトリアス)は5秒届かない。その結果キュングが2年ぶり、3度目となる優勝を果たした。

3度目の優勝を果たしたシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) photo:Chrono des Nations
クロノ・デ・ナシオン2024女子結果
1位 グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ) 35:26
2位 ヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ) +0:51
3位 アンナ・キーセンホーファー(オーストリア、ローランド) +0:54
4位 カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +1:01
5位 ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJスエズ) +1:17
クロノ・デ・ナシオン2024男子結果
1位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) 51:53
2位 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) +0:04
3位 ヨハン・プリースパイタースン(デンマーク、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:05
4位 ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) +0:28
5位 アレック・セガールト(ベルギー、ロット・デスティニー) +1:08
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos