ツール・ド・九州の第1ステージ「大分ステージ」は、残り10kmを前にひとつになった集団から抜け出した4名での勝負を、エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー)が制して優勝。前日のクリテリウムで優勝したルーカス・ネルーカー (イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が2位に続き、上位をワールドチームとプロチームが占める結果となった。草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)が日本人最上位の7位となった。



チアリーダーがエールを送る ©︎ツール・ド・九州2024実行委員会
留目夕陽のスタートサインは「TDM」 ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会


ツール・ド・九州初日のスタートラインに揃った選手達 ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会

ツール・ド・九州第1ステージは、大分県内を東西に横断するコース設定。海沿いの別府市にある立命館アジア太平洋大学をスタートし、国内有数の温泉地・湯布院温泉を通り、やまなみハイウェイを通過。内陸部にある日田市内で周回コースを2周してフィニッシュする138km。途中、2級山岳が3回、スプリントポイントが2回設定される。

別府湾を背にパレードスタート ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会

レース前半を逃げ続けたトマ・ボネとマッテオ・ヴェルシェ(共にフランス、トタルエナジー) ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会

リアルスタート直後から長く続いたアタック合戦ののち、30kmを経過したあたりでトマ・ボネとマッテオ・ヴェルシェ(共にフランス、トタルエナジー)が抜け出す。2名は後続のメイン集団に30秒前後の差をつけて先行。36km過ぎに設定された九重の山岳賞、50km過ぎに設定された長者原のスプリントポイントを通過してさらに逃げ続ける。

逃げを追ってワールドチームが集団を牽引 ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会

長者原を行く集団 ©︎ツール・ド・九州0224実行委員会

メイン集団はアスタナ・カザクスタンとEFエデュケーション・イージーポストがコントロールを開始。59km過ぎに設定された四季彩ロードの山岳ポイントで先行する2人を吸収する。

日田市内の周回に入っても逃げ続けるクリスティアン・ズバラーリ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Satoru Kato

1分未満の差まで縮めたメイン集団 photo:Satoru Kato

残り70kmを切ってコース後半に入ると、クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ)が単独先行。集団との差を2分以上まで広げて日田市内へ向かう。

メイン集団は日田の周回コースを前にペースアップし、先行するズバラーリとの差を一気に1分差まで縮める。そして最後の周回に入る直前に吸収し、集団はひとつに。

ひとつの集団にまとまって最終周回へ photo:Satoru Kato

エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー)が優勝 photo:Satoru Kato

残り5km付近、アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタンチーム)、ルーカス・ネルーカー (イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)、エミリアン・ジャニエール、ジョルダン・ジュガット(以上フランス、トタルエナジー)、小林海(マトリックスパワータグ)の5名が抜け出すも、小林はつき切れず4名が先行する。

10秒ほどの差をつけて最終コーナーをクリアした4名はスプリント勝負へ。ジャニエールがワールドチームの2人を抑えて先頭でフィニッシュし優勝した。

個人総合首位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー) photo:Satoru Kato

山岳賞 マッテオ・ヴェルシェ(フランス、トタルエナジー) photo:Satoru Kato
ベストジャパニーズライダー賞 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato


エミリアン・ジャニエール コメント
「レース前はちょっと調子が良くなかったけれど、勝ててとても嬉しい。ズバラーリがとても強くて1人で逃げていたが、EFやアスタナと私のチームが協力して捕まえ、最後はスプリンターとして力を見せて勝つことが出来た」
マイナビ ツール・ド・九州2024 第1ステージ大分 結果(138km)
1位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー) 3時間17分28秒
2位 ルーカス・ネルーカー (イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) +0秒
3位 アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタンチーム)
4位 ジョルダン・ジュガット(フランス、トタルエナジー)
5位 イヴァン・スミルノフ(アスタナ・カザクスタンチーム)) +10秒
6位 イェロン・メイヤース(オランダ、ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)
7位 草場 啓吾(愛三工業レーシングチーム)
8位 岡 篤志(JCLチーム右京)
9位 ベンジャミ・プラデス(スペイン、VC福岡)
10位 レオネル・キンテロ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島)
個人総合成績 第1ステージ終了時
1位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー) 3時間17分18秒
2位 ルーカス・ネルーカー (イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) +3秒
3位 アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタンチーム) +6秒
4位 ジョルダン・ジュガット(フランス、トタルエナジー) +12秒
5位 トマ・ボネ(フランス、トタルエナジー) +15秒
6位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) +17秒
ポイント賞 第1ステージ終了時
1位 エミリアン・ジャニエール(フランス、トタルエナジー) 25p
2位 ルーカス・ネルーカー (イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) 21p
3位 アントン・チャーム(デンマーク、アスタナ・カザクスタンチーム) 16p
山岳賞 第1ステージ終了時
1位 マッテオ・ヴェルシェ(フランス、トタルエナジー) 10p
2位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ) 5p
3位 トマ・ボネ(フランス、トタルエナジー) 5p
チーム総合成績 第1ステージ終了時
1位 トタル・エナジー 9時間52分36秒
2位 JCLチーム右京 +18秒
3位 VC福岡 +18秒
第2ステージは熊本県の阿蘇山周辺のカルデラを駆け抜ける山岳コース。距離は今大会最短となるが、今大会唯一の1級山岳が設定されるステージだ。初日から強さを見せたワールドチームとプロチームが熊本でも力を発揮するか?。熊本阿蘇ステージは午前9時にスタートする。


text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, ツール・ド・九州2024実行委員会

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