1クラスながら毎年豪華メンバーが出場するクロ・レース(UCI2.1)。クロアチアを舞台とした6日間レースをクリストフが勝利した初日から、アンドレースンが制したクイーンステージの4日目までレポートします。



クロアチアで開催中のクロ・レース photo:Cro Race

レースカテゴリーは1クラス(上から3番目)ながら過去の総合優勝者にはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)やアダム・イェーツ(イギリス)などが名を連ね、毎年豪華メンバーが揃うクロ・レース。アドリア海に面した東欧の国クロアチアを6日間をかけて巡るステージレースが、10月1日(火)に開幕した。

本格的な山岳ステージは登場せず、クイーンステージ(最難関ステージ)である4日目を除く全ステージが集団スプリントという予想。UAEやイネオスなど6つのワールドチームが出場し、来年モビスターへの移籍が発表された前年覇者オールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)が前回覇者の証であるゼッケン1をつけた。

出場選手の中でも注目されたのはジェイコ・アルウラーの一員として出場したベン・ウィギンス(イギリス)。2013年ツールドフランスの総合優勝者であるブラッドリーを父に持つ19歳は、現在ハーゲンスバーマン・ジェイコに所属。なお現時点で来年以降の契約は明らかにされていない。

第1ステージ:37歳クリストフが初日スプリントを制す

大会初日のスプリントはアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が勝利 photo:Cro Race

初日はコース中盤の1級山岳を登り、下ってから約40kmの平坦路がフィニッシュまで続いていくレイアウト。予想通りレースは集団スプリントに持ち込まれ、ウノエックス・モビリティとイネオス・グレナディアーズがトレインを並べる。そして終盤にコーナーが連続するテクニカルなコースを抜け、37歳のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が勝利した。

第2ステージ:モラノがようやくの今シーズン初勝利

2日目のスプリントは フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が制す photo:Cro Race

2日目も大集団によるスプリントで決着し、勝ったのはフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)だった。キム・ハイドゥク(ドイツ、イネオス・グレナディアーズ)などの奇襲アタックは失敗に終わり、ポルティ・コメタが集団先頭でトレインを組みながら最終ストレートへ。そして混沌と化したスプリントで、モラノが今季初勝利を手に入れた。

第3ステージ:コース短縮のレースでマクナルティが41km独走

雨の中、41kmの独走で勝利したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:Cro Race

大会3日目は154kmの平坦ステージが予定されていたものの、強風のため89.5kmに短縮された。雨が降るなかアタックと吸収を繰り返すプロトンから、残り53km地点でハイドゥクが飛び出す。遅れてブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)も集団を抜け出し、2km足らずで合流した。

先頭2名の40秒後方を走るプロトンはバーレーンが先導し、残り42kmでマクナルティがハイドゥクを振り切り、単独先頭に立つ。その後マクナルティは今年6月にTTアメリカ選手権を制した独走力を披露。風に加え雨も降りつけるなか、マクナルティがステージ優勝と共に総合首位に立った。

第4ステージ:クイーンステージを22歳アンドレースンが制す

クイーンステージを制したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:Cro Race

第4ステージはコース中央の超級山岳が設定され、終盤に2つの3級山岳を越えるクイーンステージ。残り23km地点で逃げ集団は捉まり、直後のパブロ・カストリーリョ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)によるアタックは決まらない。その後DSMフィルメニッヒ・ポストNLがハイペースに持ち込み、頂上にフィニッシュが設定された石畳の短い登りへ。

フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)のペースメイクからエドアルド・ザンバニーニ(イタリア)が先頭に立つ。しかし勝ったのは、集団後方から猛追したヤングライダー賞ジャージのアンドレースンだった。

大会4日目が終わった時点で総合首位に立つブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

この結果アンドレースンは総合2位に上がり、3秒遅れの7位でフィニッシュしたマクナルティが総合首位を守っている。
第1ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) 3:53:02
2位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・コメタ)
3位 アルベルト・ブルットメッソ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
第2ステージ結果
1位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 2:16:19
2位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・コメタ)
3位 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
第3ステージ結果
1位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) 1:47:23
2位 イゴール・アリエタ(スペイン、UAEチームエミレーツ) +0:34
3位 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
第4ステージ結果
1位 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) 3:58:38
2位 エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +0:03
個人総合成績(第4ステージ終了時点)
1位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) 11:55:19
2位 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +0:25
3位 エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:31
その他の特別賞(第3ステージ終了時点)
ポイント賞 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)
山岳賞 アクセル・ファンデルトゥーク(オランダ、メテック・ソーラーワットpbマンテル)
ヤングライダー賞 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
チーム総合成績 DSMフィルメニッヒ・ポストNL
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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