2024/09/19(木) - 08:27
西ヨーロッパの小国ルクセンブルクを巡るツール・ド・ルクセンブルクが開幕。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が登りスプリントを制し、来るロード世界選手権に向け好調を見せつけた。
フランスとベルギー、そしてドイツに隣接する小国ルクセンブルクを舞台にしたシュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)が開幕した。1935年の初開催から今年で84回目と歴史ある本大会は、日本の神奈川県や佐賀県と同程度の国土を5日間かけて巡るステージレースだ。
大会を通して長い上りは登場しないため出場選手にクライマーは多くない。その代わりロード世界選手権(9月29日)を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、など近年稀に見る豪華メンバーが出場。10のワールドチームを含む19チームが初日のスタート地点である首都ルクセンブルクに揃った。
初日は4つのカテゴリー山岳を越える丘陵ステージで争われた。いずれも登坂距離は5km以下と短いものの、後半2つの勾配は8%以上とタフなレイアウト。またフィニッシュ地点は緩斜面を上がった先に設定された。
大会のレースディレクターかつ母国の英雄であるアンディ・シュレクがアクチュアルスタートの旗を振り、幾つかのアタックと吸収を繰り返した後に4名の逃げが成立。今年下部チームから昇格したペピン・レインデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ)を中心とする逃げは最大7分弱のリードを得る。追いかけるメイン集団では前年の総合優勝者であるマルク・ヒルシ(スイス)を擁するUAEチームエミレーツとリドル・トレックが先導した。
レインデリンクとマッティア・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ)の作るハイペースは2名を振り落とし、残り50km地点で4分47秒差を維持する。一方のプロトンではエミール・フェルストリンゲ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が途中リタイア。チーム内で体調不良者が続出し、2名が不出走だったためたためアルペシンはこれでファンデルプールを含む3名となった。
残り20kmを切り、そのアルペシンからシルヴァン・ディリエ(スイス)が先頭でハイペースを作る。そしてフィニッシュまで8km地点で逃げを捉え、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)のためウィルコ・ケルデルマン(オランダ)が先頭で最終ストレートに突入する。その横からはアンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)が先にスプリントを開始し、ケルデルマンとクロンの間を縫うようにファンデルプールが飛び出した。
緩斜面を圧倒的なスピードで駆け上がるアルカンシエルに対し、ラポルトやクロンは背後につくことすらできない。そしてファンデルプールがフィニッシュラインを先頭で通過し、4月のパリ〜ルーベ以来となる勝利を掴み取った。
ロードレースでプロ通算50勝目を飾ったファンデルプール。「ステージレースの初日で勝利するのはいつでも気持ちがいい。また最後に手を上げて(勝利して)から随分と時間が経っていた。今日はレースを楽しみ、美しいステージだった。だから明日からのレースが楽しみだよ」と喜び、勾配の厳しい世界選手権に向け絞りきった腕に総合リーダージャージの袖を通した。
フランスとベルギー、そしてドイツに隣接する小国ルクセンブルクを舞台にしたシュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)が開幕した。1935年の初開催から今年で84回目と歴史ある本大会は、日本の神奈川県や佐賀県と同程度の国土を5日間かけて巡るステージレースだ。
大会を通して長い上りは登場しないため出場選手にクライマーは多くない。その代わりロード世界選手権(9月29日)を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)、など近年稀に見る豪華メンバーが出場。10のワールドチームを含む19チームが初日のスタート地点である首都ルクセンブルクに揃った。
初日は4つのカテゴリー山岳を越える丘陵ステージで争われた。いずれも登坂距離は5km以下と短いものの、後半2つの勾配は8%以上とタフなレイアウト。またフィニッシュ地点は緩斜面を上がった先に設定された。
大会のレースディレクターかつ母国の英雄であるアンディ・シュレクがアクチュアルスタートの旗を振り、幾つかのアタックと吸収を繰り返した後に4名の逃げが成立。今年下部チームから昇格したペピン・レインデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ)を中心とする逃げは最大7分弱のリードを得る。追いかけるメイン集団では前年の総合優勝者であるマルク・ヒルシ(スイス)を擁するUAEチームエミレーツとリドル・トレックが先導した。
レインデリンクとマッティア・バイス(イタリア、ポルティ・コメタ)の作るハイペースは2名を振り落とし、残り50km地点で4分47秒差を維持する。一方のプロトンではエミール・フェルストリンゲ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が途中リタイア。チーム内で体調不良者が続出し、2名が不出走だったためたためアルペシンはこれでファンデルプールを含む3名となった。
残り20kmを切り、そのアルペシンからシルヴァン・ディリエ(スイス)が先頭でハイペースを作る。そしてフィニッシュまで8km地点で逃げを捉え、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)のためウィルコ・ケルデルマン(オランダ)が先頭で最終ストレートに突入する。その横からはアンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)が先にスプリントを開始し、ケルデルマンとクロンの間を縫うようにファンデルプールが飛び出した。
緩斜面を圧倒的なスピードで駆け上がるアルカンシエルに対し、ラポルトやクロンは背後につくことすらできない。そしてファンデルプールがフィニッシュラインを先頭で通過し、4月のパリ〜ルーベ以来となる勝利を掴み取った。
ロードレースでプロ通算50勝目を飾ったファンデルプール。「ステージレースの初日で勝利するのはいつでも気持ちがいい。また最後に手を上げて(勝利して)から随分と時間が経っていた。今日はレースを楽しみ、美しいステージだった。だから明日からのレースが楽しみだよ」と喜び、勾配の厳しい世界選手権に向け絞りきった腕に総合リーダージャージの袖を通した。
ツール・ド・ルクセンブルク2024第1ステージ結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:46:28 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | |
4位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:46:18 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:04 |
3位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | +0:06 |
4位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | +0:09 |
5位 | バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:10 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) |
山岳賞 | ペピン・レインデリンク(オランダ、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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