ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)がイネオス・グレナディアーズからヴィスマ・リースアバイクに移籍。五輪金メダルを獲得したオフロード最強女王がロードレース復帰を果たして新たな目標に向かう。



パリ五輪MTBで圧勝したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:CorVos

「去年の冬にオリンピック後のキャリアについて考えていた。12年に及ぶMTB五輪メダル獲得という夢を叶えた今、自転車競技おける新しいチャレンジを目指すべきだと思った。ヴィスマはチーム選びの中で自然な選択だった。チームの方向性と、高いプロ意識は私の心に訴えるものがあった」。ヴィスマ・リースアバイクとの3年契約締結(2025〜2027年)、そしてロード転向を発表したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)は、チームリリースの中でそのように心境を語っている。

母国開催のパリオリンピックMTBレースで、圧倒的な走りを披露して金メダルを勝ち取ったフェランプレヴォ。今年出場した全レースで圧勝(ショートトラックを除く)という結果を残す現世界女王は、2014年のロード世界選手権を22歳の若さで制し、その年のジロ・デ・イタリアは総合2位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ制覇など20代はロードを中心に多くのタイトルを残してきた。

今年、出場全XCOレースで圧勝しているポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) photo:UCI

2014年のロード世界選手権を制したフェランプレヴォ photo:Tim de Waele

当時所属していたラボバンク・リブがMTBとシクロクロス参戦を認めていたため、2015年にはシクロクロス世界選手権とMTBクロスカントリー(XCO)世界選手権を連続制覇し、23歳にしてロード・シクロクロス・MTBの三冠覇者に。しかし周囲の期待とプレッシャーからの体調不良、そして脚の故障が重なったことで一時は引退を考えたものの休養を経て2019年に復活。その年と翌2020年のMTB世界選手権を制し、さらに2022、2023年の世界選はショートトラック(XCC)とクロスカントリー(XCO)をダブル制覇、さらに2022年はクロスカントリーマラソン(XCM)世界選も制すなど、誰にも止められない圧倒的な強さでMTB界を制圧してきた(インタビュー記事はこちら)。

ヴィスマ女子チームはラボバンク時代に共にロードとMTB、シクロクロスで活躍したマリアンヌ・フォス(オランダ)や、圧倒的な強さで今年のシクロクロス世界選手権を制したフェム・ファンエンペル(オランダ)も所属。男子チームにはパートナーであるディラン・ファンバーレ(オランダ)も在籍しているが、あくまでフェランプレヴォの目標はロードレースであり、ツール・ド・フランス・ファムで優勝を目指したいとも語られている。

「女子(ロード)サイクリング界は私がいなくなってから大きく進歩している。プロトンに戻るのが本当に楽しみ。素晴らしいことを成し遂げられると自信を持っていて、今はモチベーションに満ち溢れている」と話している。

text:So Isobe