2024/06/11(火) - 08:11
ツール・ド・スイス第2ステージは丘で絞られたスプリンターの争いに。トップスピードに乗ったブライアン・コカール(フランス、コフィディス)がマシューズらを退け、今シーズン初勝利を飾った。
開幕まで3週間を切ったツール・ド・フランスの前哨戦、第87回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は第2ステージを迎えた。その舞台となったのは前日に個人タイムトライアルが行われたリヒテンシュタインの首都ファドゥーツから、レーゲンスドルフに向かう177.3kmのラインレースだ。
コース前半に2つの2級山岳が設定され、その後は3級山岳を含む6つの丘が登場。最後の丘の頂上からフィニッシュまでは11kmの下り&平坦路のため、集団スプリントや逃げ切りなど様々な展開が予想された。
4月に下部チームから昇格を果たしたゲルベン・カイパース(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)を中心にした逃げグループは5名。コラテック・ヴィーニファンティーニとスイス・ナショナルチームがそれぞれ2名を送ったため、協調の取れた先頭はスーダル・クイックステップが先導するメイン集団に4分の差を付けた。
プロ選手で唯一パナマ出身であるロベルト・ゴンサレス(コラテック・ヴィーニファンティーニ)が2つ目の2級山岳で遅れ、4名となった逃げ集団はリードを4分40秒まで拡大する。その一方、現U23ロード世界王者であるアクセル・ローランス(フランス)での勝負を狙うべく、アルペシン・ドゥクーニンクもプロトンの牽引に参加。そのため残り距離が70kmを切ると徐々にタイム差は縮まっていった。
逃げを1分差まで詰め、集団スプリントの可能性が高まってきたプロトンはカテゴリーのつかない丘に突入する。そこでツールに出場予定のスプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)が遅れ、総合エースの安全を確保したいチームも集団前方で位置を争ったため、プロトンのスピードが上がった。
昨年までEFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームに所属していたルカ・イェンニ(スイス・ナショナルチーム)が逃げから最後まで粘ったものの、ジェイコ・アルウラーも牽引に加わるメイン集団に飲み込まれる。そして残り5km地点でアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタック。そのため慌ただしさの増す集団ではイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ら3名による落車が発生したものの、残り3km以内だったため救済措置(トップと同タイムフィニッシュ)が取られた。
残り1.3kmでベッティオルは引き戻され、アルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロット・デスティニーを先頭に最終ストレートに突入。しかし最終リードアウトを務めたセドリック・ブーレンス(ベルギー)の背後から飛び出し、勝利を掴んだのはドゥリーではなくブライアン・コカール(フランス、コフィディス)だった。
トップスピードに乗れないドゥリーを尻目に、踏み込むコカールはマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を退け、念願だった今季初勝利を飾った。
「キャリア最高の勝利と言える。今日のステージをチャンスだと思い、難しいステージだが勝つことができた。特にツールでは僕は2位が多いのだが、高地トレーニングの成果が結果となって現れた」とコカール。今シーズンは何度も表彰台に上がりながら、ここで勝利を掴めずにいた。
2位にはマシューズ、3位にはドゥリーが入り、イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がリーダージャージの保持に成功している。
開幕まで3週間を切ったツール・ド・フランスの前哨戦、第87回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は第2ステージを迎えた。その舞台となったのは前日に個人タイムトライアルが行われたリヒテンシュタインの首都ファドゥーツから、レーゲンスドルフに向かう177.3kmのラインレースだ。
コース前半に2つの2級山岳が設定され、その後は3級山岳を含む6つの丘が登場。最後の丘の頂上からフィニッシュまでは11kmの下り&平坦路のため、集団スプリントや逃げ切りなど様々な展開が予想された。
4月に下部チームから昇格を果たしたゲルベン・カイパース(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)を中心にした逃げグループは5名。コラテック・ヴィーニファンティーニとスイス・ナショナルチームがそれぞれ2名を送ったため、協調の取れた先頭はスーダル・クイックステップが先導するメイン集団に4分の差を付けた。
プロ選手で唯一パナマ出身であるロベルト・ゴンサレス(コラテック・ヴィーニファンティーニ)が2つ目の2級山岳で遅れ、4名となった逃げ集団はリードを4分40秒まで拡大する。その一方、現U23ロード世界王者であるアクセル・ローランス(フランス)での勝負を狙うべく、アルペシン・ドゥクーニンクもプロトンの牽引に参加。そのため残り距離が70kmを切ると徐々にタイム差は縮まっていった。
逃げを1分差まで詰め、集団スプリントの可能性が高まってきたプロトンはカテゴリーのつかない丘に突入する。そこでツールに出場予定のスプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)が遅れ、総合エースの安全を確保したいチームも集団前方で位置を争ったため、プロトンのスピードが上がった。
昨年までEFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームに所属していたルカ・イェンニ(スイス・ナショナルチーム)が逃げから最後まで粘ったものの、ジェイコ・アルウラーも牽引に加わるメイン集団に飲み込まれる。そして残り5km地点でアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタック。そのため慌ただしさの増す集団ではイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ら3名による落車が発生したものの、残り3km以内だったため救済措置(トップと同タイムフィニッシュ)が取られた。
残り1.3kmでベッティオルは引き戻され、アルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロット・デスティニーを先頭に最終ストレートに突入。しかし最終リードアウトを務めたセドリック・ブーレンス(ベルギー)の背後から飛び出し、勝利を掴んだのはドゥリーではなくブライアン・コカール(フランス、コフィディス)だった。
トップスピードに乗れないドゥリーを尻目に、踏み込むコカールはマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を退け、念願だった今季初勝利を飾った。
「キャリア最高の勝利と言える。今日のステージをチャンスだと思い、難しいステージだが勝つことができた。特にツールでは僕は2位が多いのだが、高地トレーニングの成果が結果となって現れた」とコカール。今シーズンは何度も表彰台に上がりながら、ここで勝利を掴めずにいた。
2位にはマシューズ、3位にはドゥリーが入り、イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がリーダージャージの保持に成功している。
ツール・ド・スイス2024第2ステージ結果
1位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | 4:06:39 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
4位 | ブランドン・リベラ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | アクセル・ローランス(フランス、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | ロジャー・アドリア(スペイン、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | フランチェスコ・ブザット(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
10位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) |
個人総合成績
1位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 4:11:44 |
2位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:04 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:07 |
4位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
6位 | サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ) | +0:09 |
7位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
8位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +0:11 |
9位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク) |
その他の特別賞
ポイント賞 | イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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