2024/05/21(火) - 15:40
東アルプス山脈の一部、ドロミテ山塊が舞台となるジロ・デ・イタリア第3週目。雪崩の危険性のため一部変更された第16ステージやパッソ・ブロコンを2度登る第17ステージ、そして下りが鍵となる最終山岳決戦などコースの詳細を紹介します。
5月21日(火) 第16ステージ
リヴィーニョ〜サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ 206km(山岳)
高地トレーニングでお馴染みの地、リヴィーニョで今大会最後の休息日を終えた選手たちは、これより最終日のローマまでノンストップで走っていく。第16ステージはリヴィーニョを出発し、スイスを通りながらサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナに至る206kmだ。
出発直後にカテゴリーなき丘を2つ越え、一度下ってから臨むのは標高2,498kmのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア。本来はジロ第100回大会のチーマコッピ(大会最高地点)にも指定されたステルヴィオ峠を登る予定だったものの、気温が上昇し雪崩の危険性が増したことによりコースから外されている。そのためジョーゴ・ディ・サンタ・マリアが新たなチーマコッピとなり、また迂回路を通るためレース距離も4km延長されることとなった。
頂上に至ってからはスイスを18kmだけ通過し、標高約250mまで緩やかに下っていく。そして平坦路で脚を回復させた選手たちは登坂距離23.3kmの1級パッソ・ディ・ピネイ(平均4.7%)、そしてラスト2kmが平均11.8%の最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)に挑む。
5月22日(水) 第17ステージ
セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナ〜パッソ・ブロコン 159km(山岳)
ジロ17日目は前日に引き続き、山頂フィニッシュが設定される。今大会最難関ステージだった15日目とは違い、この日走るのは159kmという比較的短い距離に5つの山岳が詰め込まれた山岳ステージ。平坦路が一切ないためその獲得標高は4,000mを超える、なんとも過酷なレイアウトだ。
セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナを出発直後から一つ目の2級山岳が始まり、頂上からは長い緩斜面の下りを経て登坂距離19.8kmの1級山岳パッソ・ロッレ(平均4.8%/標高1,972m)をクリア。直後に3級山岳パッソ・ゴッベラ(距離5.7km/平均6%)を登った後、パッソ・ブロコンをそれぞれ異なる方向から2度登る。
東側からアプローチする1度目につけられたカテゴリーは2級(距離13.3km)。そして下った先のスプリントポイント(ボーナスタイムのみ)を経て、南西からは1級山岳(距離11.9km/平均6.5%/最大13%)を駆け上がる。
5月23日(木) 第18ステージ
フィエラ・ディ・プリミエロ〜パドヴァ 178km(平坦)
ここまで過酷な山岳を耐えたスプリンターたちに、ようやく出番が回ってくる。標高700mのフィエラ・ディ・プリミエロから高度を徐々に下げながら目指す地点はパドヴァ。設定されたカテゴリー山岳は序盤の4級のみのため、ここまで総合争いで疲弊した選手たちにとっては休息の時となる。
パドヴァの市街地に入ってからは直線路が続き、フラムルージュ(残り1km)直後に左の直角コーナーが登場。そして残り約500mで今度は右の直角コーナーを経て、スピードマンたちはフィニッシュに飛び込む。
5月24日(金) 第19ステージ
モルテリアーノ〜サッパーダ 157km(丘陵)
第107回ジロ・デ・イタリアも残すところあと3日。ここまで勝利のないチームにとって千載一遇の好機となるのが第19ステージだ。モルテリアーノから約86kmは平坦路だが、そこから登場するのは3つのカテゴリー山岳。
最初に臨む2級山岳パッソ・ドゥロン(距離4.4km/平均9.7%)は、序盤に最大勾配18%が登場する過酷な登り。続いて3級山岳セッラ・ヴァルカルダ(距離5.4km)を越え、徐々に標高を上げながら最終2級山岳チーマ・サッパーダ(距離8.5km/平均4.7%)へ。
フィニッシュ地点はこの山頂ではなく6.2km先にある。残り2kmを過ぎた地点には10%の坂が登場し、ラスト1kmは平坦路。大方の予想は逃げ切りだが、タイムを稼ぎたい総合勢によるアタックも考えられる。
5月25日(土) 第20ステージ
アルパゴ〜バッサーノ・デル・グラッパ 184km(山岳)
昨年、個人タイムトライアルで大逆転劇を演出した第20ステージは、今年は2つの1級山岳が設定された山岳ステージとなる。出発地点であるアルパゴから山岳を撫でるように南東へ進み、1級山岳モンテ・グラッパを2度登るレイアウトだ。
登坂距離18.1kmの1級山岳は平均勾配8.1%と厳しく、また頂上に近づくにつれ勾配も徐々に上がっていく。最大勾配17%は残り2km地点に登場し、頂上からは急勾配のダウンヒル。そして2度目のモンテ・グラッパを登り、フィニッシュ地点は下ってから4kmの平坦路を進んだ先にある。
純粋な登坂力に加え、26.6kmの2度に渡る下りが鍵を握るステージ。そして翌日はローマでのパレード走行を含むスプリントステージのため、フィニッシュ地点であるバッサーノ・デル・グラッパでマリアローザを着た選手が、第107大会の総合優勝者となる。
5月26日(日) 第21ステージ
ローマ〜ローマ 125km(平坦)
2023年から2年連続で、ジロは最終日にローマでのスプリントステージを用意した。前日のフィニッシュ地点から飛行機でローマに到着した選手たちは、現地時間の午後3時半にスタート。そこから互いに3週間に渡る戦いを労いながら、パレード走行を楽しむ。
125kmコースは一度ティレニア海を経由して、そこからローマの中心地へと向かっていく。そして最後は9.5kmコースを8周回する。昨年はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が劇的な勝利を飾ったスプリントを、ローマで制するのは誰か。
text:Sotaro.Arakawa
5月21日(火) 第16ステージ
リヴィーニョ〜サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ 206km(山岳)
高地トレーニングでお馴染みの地、リヴィーニョで今大会最後の休息日を終えた選手たちは、これより最終日のローマまでノンストップで走っていく。第16ステージはリヴィーニョを出発し、スイスを通りながらサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナに至る206kmだ。
出発直後にカテゴリーなき丘を2つ越え、一度下ってから臨むのは標高2,498kmのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア。本来はジロ第100回大会のチーマコッピ(大会最高地点)にも指定されたステルヴィオ峠を登る予定だったものの、気温が上昇し雪崩の危険性が増したことによりコースから外されている。そのためジョーゴ・ディ・サンタ・マリアが新たなチーマコッピとなり、また迂回路を通るためレース距離も4km延長されることとなった。
頂上に至ってからはスイスを18kmだけ通過し、標高約250mまで緩やかに下っていく。そして平坦路で脚を回復させた選手たちは登坂距離23.3kmの1級パッソ・ディ・ピネイ(平均4.7%)、そしてラスト2kmが平均11.8%の最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)に挑む。
5月22日(水) 第17ステージ
セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナ〜パッソ・ブロコン 159km(山岳)
ジロ17日目は前日に引き続き、山頂フィニッシュが設定される。今大会最難関ステージだった15日目とは違い、この日走るのは159kmという比較的短い距離に5つの山岳が詰め込まれた山岳ステージ。平坦路が一切ないためその獲得標高は4,000mを超える、なんとも過酷なレイアウトだ。
セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナを出発直後から一つ目の2級山岳が始まり、頂上からは長い緩斜面の下りを経て登坂距離19.8kmの1級山岳パッソ・ロッレ(平均4.8%/標高1,972m)をクリア。直後に3級山岳パッソ・ゴッベラ(距離5.7km/平均6%)を登った後、パッソ・ブロコンをそれぞれ異なる方向から2度登る。
東側からアプローチする1度目につけられたカテゴリーは2級(距離13.3km)。そして下った先のスプリントポイント(ボーナスタイムのみ)を経て、南西からは1級山岳(距離11.9km/平均6.5%/最大13%)を駆け上がる。
5月23日(木) 第18ステージ
フィエラ・ディ・プリミエロ〜パドヴァ 178km(平坦)
ここまで過酷な山岳を耐えたスプリンターたちに、ようやく出番が回ってくる。標高700mのフィエラ・ディ・プリミエロから高度を徐々に下げながら目指す地点はパドヴァ。設定されたカテゴリー山岳は序盤の4級のみのため、ここまで総合争いで疲弊した選手たちにとっては休息の時となる。
パドヴァの市街地に入ってからは直線路が続き、フラムルージュ(残り1km)直後に左の直角コーナーが登場。そして残り約500mで今度は右の直角コーナーを経て、スピードマンたちはフィニッシュに飛び込む。
5月24日(金) 第19ステージ
モルテリアーノ〜サッパーダ 157km(丘陵)
第107回ジロ・デ・イタリアも残すところあと3日。ここまで勝利のないチームにとって千載一遇の好機となるのが第19ステージだ。モルテリアーノから約86kmは平坦路だが、そこから登場するのは3つのカテゴリー山岳。
最初に臨む2級山岳パッソ・ドゥロン(距離4.4km/平均9.7%)は、序盤に最大勾配18%が登場する過酷な登り。続いて3級山岳セッラ・ヴァルカルダ(距離5.4km)を越え、徐々に標高を上げながら最終2級山岳チーマ・サッパーダ(距離8.5km/平均4.7%)へ。
フィニッシュ地点はこの山頂ではなく6.2km先にある。残り2kmを過ぎた地点には10%の坂が登場し、ラスト1kmは平坦路。大方の予想は逃げ切りだが、タイムを稼ぎたい総合勢によるアタックも考えられる。
5月25日(土) 第20ステージ
アルパゴ〜バッサーノ・デル・グラッパ 184km(山岳)
昨年、個人タイムトライアルで大逆転劇を演出した第20ステージは、今年は2つの1級山岳が設定された山岳ステージとなる。出発地点であるアルパゴから山岳を撫でるように南東へ進み、1級山岳モンテ・グラッパを2度登るレイアウトだ。
登坂距離18.1kmの1級山岳は平均勾配8.1%と厳しく、また頂上に近づくにつれ勾配も徐々に上がっていく。最大勾配17%は残り2km地点に登場し、頂上からは急勾配のダウンヒル。そして2度目のモンテ・グラッパを登り、フィニッシュ地点は下ってから4kmの平坦路を進んだ先にある。
純粋な登坂力に加え、26.6kmの2度に渡る下りが鍵を握るステージ。そして翌日はローマでのパレード走行を含むスプリントステージのため、フィニッシュ地点であるバッサーノ・デル・グラッパでマリアローザを着た選手が、第107大会の総合優勝者となる。
5月26日(日) 第21ステージ
ローマ〜ローマ 125km(平坦)
2023年から2年連続で、ジロは最終日にローマでのスプリントステージを用意した。前日のフィニッシュ地点から飛行機でローマに到着した選手たちは、現地時間の午後3時半にスタート。そこから互いに3週間に渡る戦いを労いながら、パレード走行を楽しむ。
125kmコースは一度ティレニア海を経由して、そこからローマの中心地へと向かっていく。そして最後は9.5kmコースを8周回する。昨年はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が劇的な勝利を飾ったスプリントを、ローマで制するのは誰か。
text:Sotaro.Arakawa
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