2024/05/20(月) - 08:45
1級山岳リヴィーニョにフィニッシュしたジロ・デ・イタリア第15ステージで、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が圧巻の走り。逃げたキンタナを残り2kmで捉え、第2週目にしてマリアローザを大きく引き寄せる区間4勝目を掴んだ。
第107回ジロ・デ・イタリアの大会2週目を締めくくるのは、今大会最長の222kmに獲得標高差5,700mの山岳が設定された過酷なステージ。スタート後すぐに登りが始まり、徐々に標高を上げながら合計5つの峠に挑む。
前日のフィニッシュ地点であるガルダ湖に別れを告げた選手たちは、まず手始めに3級と2級山岳をクリア。その後下りと約50kmの平坦路を経て、最初の難関である1級パッソ・デル・モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)に臨む。最大勾配16%は標高1,854mの頂上手前約2kmに登場し、登頂後は一度712mまで下り、第2週目はそのクライマックスを迎える。
2連続で登る1級山岳の一つ目はパッソ・ディ・フォスカーニョ(距離14.6km/平均6.5%km)で、頂上手前4kmから標高は2,000mを超える(頂上は2,291m)。そして4kmの下りを挟み、最後のリヴィーニョ(距離4.7km/平均7.6%)頂上はフィニッシュ地点として今大会最標高地点となる2,385mだ。
ここ数年のジロだけでなく、グランツールの中でも近年稀みる高難易度なステージは現地時間午前10時40分にスタート。すると直後からリリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ)やスプリンターのカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)ら12名が逃げを打つ。それに3分のリードを許したメイン集団では、シモン・ゲシュケ(ドイツ)のた山岳ポイント獲得のためにコフィディスが牽引した。
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の繰り下げでマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るゲシュケは先頭に追いつくことができず、最初の3級はローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が先頭通過。しかしその後ゲシュケは先頭集団に合流し、続く2級山岳(残り157.3km)を2位で通過。その頃UAEチームエミレーツが先導するプロトンからは、逃げを諦められない50名近くの選手が飛び出し大きな追走集団を形成した。
その中にジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)はもちろん、モビスターはここまで脚を溜めていたナイロ・キンタナ(コロンビア)を含む4名を入れる。また総合2位ゲラント・トーマス(イギリス)を擁するイネオス・グレナディアーズも、トビアス・フォス(ノルウェー)とジョナタン・ナルバエス(エクアドル)の2名を送った。
逃げ切りを目指した選手たちは集合と分裂、脱落を繰り返しながら1級山岳パッソ・デル・モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)の登りに入る。ここではクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)がトップ通過して最大40ptsをゲット。そしてこの1級で逃げの選別が行われたため、下り切った所(残り52km地点)で17名の逃げ集団に落ち着いた。
この時点で4分半の差を許したプロトンは、引き続きUAEがペースコントロールを担当。そして中間スプリントとインテルジロを静かに通過した逃げが、いよいよ2連続で登坂する1級山岳の一つ目、パッソ・ディ・フォスカーニョ(距離14.6km/平均6.5%km)に足を踏み入れた。
その麓、ちょうどスタートして200kmを進んだところで先頭集団から遅れていくアラフィリップを尻目に、ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックする。それをアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク)とマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)が追いかけ、マイペースで踏みを強めたキンタナも遅れて合流。そして勾配が厳しくなる地点で、キンタナが単独でシュタインハウザーを追い始めた。
一方、約3分15秒差でパッソ・ディ・フォスカーニョに入ったメイン集団はポガチャルの最終アシストであるラファウ・マイカ(ポーランド)が先頭に出る。すると34歳のベテランはペースを一気に上げ、頂上まで5km、フィニッシュまで残り14km地点でポガチャルが早くも仕掛けた。
この切れ味鋭いアタックにトーマスは反応できず、食らいつこうと踏み込んだ総合3位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)も引き離される。そして標高2,000mに達した先頭ではキンタナがシュタインハウザーに追いつき、そのまま単独先頭に立つなか、ビブショーツだけではなくバイクやホイールのロゴもマリアローザのピンク色に染めたポガチャルは、逃げていた選手たちを次々に捉えながらトーマスたちとのタイム差を拡げていった。
キンタナは残り8.7km地点の頂上をクリアし、ポガチャルの影を背後に感じながら4kmの下りに入る。そしてフィニッシュラインの引かれた最終山岳リヴィーニョ(距離4.7km/平均7.6%)の登坂が始まった時点で、キンタナとポガチャルの差は40秒。この時点でポガチャルに2分26秒差をつけられたトーマスたちは、アシストによる牽引を受けながら懸命に追走した。
短いクランクをハイケイデンスで回すポガチャルは、大観衆が詰めかける残り1.9km地点でキンタナをキャッチする。並走することなくマリアローザはキンタナを抜き去り、沿道に雪が積もる急勾配の区間でもハイペースを維持。そしてそのまま単独で標高2,385mの頂上にフィニッシュした。
両手の人差し指を突き上げ、また天を見上げながら自らの勝利を祝福したポガチャル。「昨年12月頃からこのステージを意識していた。だからチームとして展開をコントロールし、残り15kmは全力を尽くした。そしてイタリアで僕が好きな場所の一つ、リヴィーニョで勝利することができて本当に嬉しいよ」と語り、また最後に追い抜いたキンタナについて「子どもの頃キンタナとフルームのアタック合戦をTVで観ていたんだ。今日、彼が見せたアタックは素晴らしく、また3位のシュタインハウザーの走りも良かった。そんな中勝利することができて光栄に思うよ」と争った選手たちを称えた。
ちょうど10年前の2014年に総合優勝し、再びトップレベルに戻ってきたキンタナは29秒遅れの区間2位。3位にはシュタインハウザーが入り、総合上位勢ではロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が4位(2分42秒遅れ)。またマルティネスとトーマスは共に2分50秒遅れのフィニッシュとなったため、ポガチャルとのタイム差は6分41秒まで拡大した。
選手たちは翌日に今大会最後の休息日を迎え、そして過酷な山岳ステージが登場する第3週目に臨む。
第107回ジロ・デ・イタリアの大会2週目を締めくくるのは、今大会最長の222kmに獲得標高差5,700mの山岳が設定された過酷なステージ。スタート後すぐに登りが始まり、徐々に標高を上げながら合計5つの峠に挑む。
前日のフィニッシュ地点であるガルダ湖に別れを告げた選手たちは、まず手始めに3級と2級山岳をクリア。その後下りと約50kmの平坦路を経て、最初の難関である1級パッソ・デル・モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)に臨む。最大勾配16%は標高1,854mの頂上手前約2kmに登場し、登頂後は一度712mまで下り、第2週目はそのクライマックスを迎える。
2連続で登る1級山岳の一つ目はパッソ・ディ・フォスカーニョ(距離14.6km/平均6.5%km)で、頂上手前4kmから標高は2,000mを超える(頂上は2,291m)。そして4kmの下りを挟み、最後のリヴィーニョ(距離4.7km/平均7.6%)頂上はフィニッシュ地点として今大会最標高地点となる2,385mだ。
ここ数年のジロだけでなく、グランツールの中でも近年稀みる高難易度なステージは現地時間午前10時40分にスタート。すると直後からリリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・ワンティ)やスプリンターのカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)ら12名が逃げを打つ。それに3分のリードを許したメイン集団では、シモン・ゲシュケ(ドイツ)のた山岳ポイント獲得のためにコフィディスが牽引した。
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の繰り下げでマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るゲシュケは先頭に追いつくことができず、最初の3級はローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ)が先頭通過。しかしその後ゲシュケは先頭集団に合流し、続く2級山岳(残り157.3km)を2位で通過。その頃UAEチームエミレーツが先導するプロトンからは、逃げを諦められない50名近くの選手が飛び出し大きな追走集団を形成した。
その中にジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)はもちろん、モビスターはここまで脚を溜めていたナイロ・キンタナ(コロンビア)を含む4名を入れる。また総合2位ゲラント・トーマス(イギリス)を擁するイネオス・グレナディアーズも、トビアス・フォス(ノルウェー)とジョナタン・ナルバエス(エクアドル)の2名を送った。
逃げ切りを目指した選手たちは集合と分裂、脱落を繰り返しながら1級山岳パッソ・デル・モルティローロ(距離12.6km/平均7.6%)の登りに入る。ここではクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)がトップ通過して最大40ptsをゲット。そしてこの1級で逃げの選別が行われたため、下り切った所(残り52km地点)で17名の逃げ集団に落ち着いた。
この時点で4分半の差を許したプロトンは、引き続きUAEがペースコントロールを担当。そして中間スプリントとインテルジロを静かに通過した逃げが、いよいよ2連続で登坂する1級山岳の一つ目、パッソ・ディ・フォスカーニョ(距離14.6km/平均6.5%km)に足を踏み入れた。
その麓、ちょうどスタートして200kmを進んだところで先頭集団から遅れていくアラフィリップを尻目に、ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックする。それをアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク)とマイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング)が追いかけ、マイペースで踏みを強めたキンタナも遅れて合流。そして勾配が厳しくなる地点で、キンタナが単独でシュタインハウザーを追い始めた。
一方、約3分15秒差でパッソ・ディ・フォスカーニョに入ったメイン集団はポガチャルの最終アシストであるラファウ・マイカ(ポーランド)が先頭に出る。すると34歳のベテランはペースを一気に上げ、頂上まで5km、フィニッシュまで残り14km地点でポガチャルが早くも仕掛けた。
この切れ味鋭いアタックにトーマスは反応できず、食らいつこうと踏み込んだ総合3位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)も引き離される。そして標高2,000mに達した先頭ではキンタナがシュタインハウザーに追いつき、そのまま単独先頭に立つなか、ビブショーツだけではなくバイクやホイールのロゴもマリアローザのピンク色に染めたポガチャルは、逃げていた選手たちを次々に捉えながらトーマスたちとのタイム差を拡げていった。
キンタナは残り8.7km地点の頂上をクリアし、ポガチャルの影を背後に感じながら4kmの下りに入る。そしてフィニッシュラインの引かれた最終山岳リヴィーニョ(距離4.7km/平均7.6%)の登坂が始まった時点で、キンタナとポガチャルの差は40秒。この時点でポガチャルに2分26秒差をつけられたトーマスたちは、アシストによる牽引を受けながら懸命に追走した。
短いクランクをハイケイデンスで回すポガチャルは、大観衆が詰めかける残り1.9km地点でキンタナをキャッチする。並走することなくマリアローザはキンタナを抜き去り、沿道に雪が積もる急勾配の区間でもハイペースを維持。そしてそのまま単独で標高2,385mの頂上にフィニッシュした。
両手の人差し指を突き上げ、また天を見上げながら自らの勝利を祝福したポガチャル。「昨年12月頃からこのステージを意識していた。だからチームとして展開をコントロールし、残り15kmは全力を尽くした。そしてイタリアで僕が好きな場所の一つ、リヴィーニョで勝利することができて本当に嬉しいよ」と語り、また最後に追い抜いたキンタナについて「子どもの頃キンタナとフルームのアタック合戦をTVで観ていたんだ。今日、彼が見せたアタックは素晴らしく、また3位のシュタインハウザーの走りも良かった。そんな中勝利することができて光栄に思うよ」と争った選手たちを称えた。
ちょうど10年前の2014年に総合優勝し、再びトップレベルに戻ってきたキンタナは29秒遅れの区間2位。3位にはシュタインハウザーが入り、総合上位勢ではロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が4位(2分42秒遅れ)。またマルティネスとトーマスは共に2分50秒遅れのフィニッシュとなったため、ポガチャルとのタイム差は6分41秒まで拡大した。
選手たちは翌日に今大会最後の休息日を迎え、そして過酷な山岳ステージが登場する第3週目に臨む。
ジロ・デ・イタリア2024第15ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 6:11:43 |
2位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | +0:29 |
3位 | ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +2:32 |
4位 | ロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +2:42 |
5位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:50 |
6位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | +2:58 |
8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
9位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +3:05 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ) | +3:20 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 56:11:42 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +6:41 |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | +6:56 |
4位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +7:43 |
5位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +9:26 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +9:45 |
7位 | ロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +10:49 |
8位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | +11:11 |
9位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | +12:13 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ) | +13:11 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 284pts |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 174pts |
3位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 93pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 172pts |
2位 | シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス) | 78pts |
3位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 65pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 56:21:08 |
2位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:19 |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +1:45 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 169:15:59 |
2位 | デカトロンAG2Rラモンディアル | +0:14 |
3位 | UAEチームエミレーツ | +27:40 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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