2024/04/26(金) - 08:30
第2ステージを迎えたツール・ド・ロマンディは大会最初の山頂フィニッシュ。序盤から逃げた元シクロクロスU23世界王者のティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)がヴェンドラーメを退け、ワールドツアーで金星を掴んだ。
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ニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)など強力なメインバー7名による逃げグループが形成された photo:CorVos
大会3日目、第2ステージを迎えたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は171kmの山頂フィニッシュ。スタートから100kmの平坦路を進み、一つ目の2級山岳から平坦路を挟んで2級山岳マレコット(距離7.6.km/平均7.3%)の頂上を目指す。大会最初の山頂フィニッシュは最大勾配14%だが、総合争いを大きく左右するほどの難易度と距離はない。
逃げ切りの可能性も十分考えられるレイアウトのこの日、逃げ集団を形成したのはニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)ら7名。その中には経験豊富なアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)や2023年のU23シクロクロス世界王者ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)など実力者が揃い、僅か20km地点で6分近いタイム差を積み上げた。
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逃げに対し、最大5分半のリードを許したプロトン photo:CorVos
ネイスがハイペースに誘った逃げ集団は一つ目の2級山岳に入ると5名に減り、山岳ポイントが与えられる頂上をヴェンドラーメが先頭通過。そしてUCI(国際自転車競技連合)の本部があるエーグルを通り、残り30km地点を通過してグルパマFDJが先導するメイン集団は逃げに依然として2分半のリードを許した。
そのタイム差は残り15km地点で3分と一度拡がり、頂上にフィニッシュ地点の引かれた2級山岳マレコット(距離7.6.km/平均7.3%)に2分差で突入。登り口でシャビエル・アスパレン(スペイン、Q36.5プロサイクリング)が脚の痙攣によって遅れたため、逃げ集団は4名に絞られた。
最終山岳で先頭集団に残った4名
クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)
ロジャー・アドリア(スペイン、ボーラ・ハンスグローエ)
アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
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最終山岳に入り、逃げ集団は4名に絞られた photo:Tour de Romandie
残り6km地点でエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)が牽引するプロトンからは、前日勝者で総合首位のドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が脱落する。残り3kmで50秒のリードを保つ先頭ではアドリアが遅れ、ムーリッセも引き離される。そのためヴェンドラーメとネイスの2名が、30秒差まで迫ったメイン集団から逃げ続けた。
逃げ切りを容認した感のあるメイン集団からは、ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)とフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出し、ムーリッセが粘り強く復帰した先頭集団に合流する。そのままプラップはペースアップを敢行。それにはネイスとヴェンドラーメしか反応できず、勝負は3名に絞られた。
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先頭のヴェンドラーメとネイスに追いついたルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos
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マッチスプリントを制したティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) photo:CorVos
残り1km地点を通過し、コーナーの連続する緩斜面で先に仕掛けたのはヴェンドラーメ。それにネイスが反応する一方で、ここまで脚を使ったプラップは遅れてしまう。そして序盤から逃げに乗っていた2名によるマッチスプリントを、ネイスが制した。
「脚の調子が良かったのに結果が出なかった(13位)昨日は落ち込んでいたんだ。だから強力なメンバーの逃げならば乗ろうと思っていた。極力脚を使わないよう努めたが、どんな展開になるかは想像すらできなかった。あんなに早く形成された逃げの乗るのは初めてだったからね。とにかく冷静にかつリスクを犯さず、適切なタイミングから全力を出そうと心がけていた」と、21歳のネイスはレースを振り返った。
昨年の冬からシクロクロスシーズンをフル参戦したため今大会が今季のロード初戦となったネイス。そのため僅か3戦目でワールドツアー初勝利を掴み、総合でも首位に立ったものの、「僕はタイムトライアルの力が十分ではないため、このリーダージャージを守り抜くことは難しい。だが今夜はよく眠れると思う」とコメントしている。
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ワールドツアー初勝利と共に、総合でも首位に浮上したティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) photo:CorVos
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大会3日目、第2ステージを迎えたツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は171kmの山頂フィニッシュ。スタートから100kmの平坦路を進み、一つ目の2級山岳から平坦路を挟んで2級山岳マレコット(距離7.6.km/平均7.3%)の頂上を目指す。大会最初の山頂フィニッシュは最大勾配14%だが、総合争いを大きく左右するほどの難易度と距離はない。
逃げ切りの可能性も十分考えられるレイアウトのこの日、逃げ集団を形成したのはニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)ら7名。その中には経験豊富なアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)や2023年のU23シクロクロス世界王者ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)など実力者が揃い、僅か20km地点で6分近いタイム差を積み上げた。
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ネイスがハイペースに誘った逃げ集団は一つ目の2級山岳に入ると5名に減り、山岳ポイントが与えられる頂上をヴェンドラーメが先頭通過。そしてUCI(国際自転車競技連合)の本部があるエーグルを通り、残り30km地点を通過してグルパマFDJが先導するメイン集団は逃げに依然として2分半のリードを許した。
そのタイム差は残り15km地点で3分と一度拡がり、頂上にフィニッシュ地点の引かれた2級山岳マレコット(距離7.6.km/平均7.3%)に2分差で突入。登り口でシャビエル・アスパレン(スペイン、Q36.5プロサイクリング)が脚の痙攣によって遅れたため、逃げ集団は4名に絞られた。
最終山岳で先頭集団に残った4名
クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック)
ロジャー・アドリア(スペイン、ボーラ・ハンスグローエ)
アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)
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残り6km地点でエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)が牽引するプロトンからは、前日勝者で総合首位のドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が脱落する。残り3kmで50秒のリードを保つ先頭ではアドリアが遅れ、ムーリッセも引き離される。そのためヴェンドラーメとネイスの2名が、30秒差まで迫ったメイン集団から逃げ続けた。
逃げ切りを容認した感のあるメイン集団からは、ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)とフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出し、ムーリッセが粘り強く復帰した先頭集団に合流する。そのままプラップはペースアップを敢行。それにはネイスとヴェンドラーメしか反応できず、勝負は3名に絞られた。
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残り1km地点を通過し、コーナーの連続する緩斜面で先に仕掛けたのはヴェンドラーメ。それにネイスが反応する一方で、ここまで脚を使ったプラップは遅れてしまう。そして序盤から逃げに乗っていた2名によるマッチスプリントを、ネイスが制した。
「脚の調子が良かったのに結果が出なかった(13位)昨日は落ち込んでいたんだ。だから強力なメンバーの逃げならば乗ろうと思っていた。極力脚を使わないよう努めたが、どんな展開になるかは想像すらできなかった。あんなに早く形成された逃げの乗るのは初めてだったからね。とにかく冷静にかつリスクを犯さず、適切なタイミングから全力を出そうと心がけていた」と、21歳のネイスはレースを振り返った。
昨年の冬からシクロクロスシーズンをフル参戦したため今大会が今季のロード初戦となったネイス。そのため僅か3戦目でワールドツアー初勝利を掴み、総合でも首位に立ったものの、「僕はタイムトライアルの力が十分ではないため、このリーダージャージを守り抜くことは難しい。だが今夜はよく眠れると思う」とコメントしている。
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ツール・ド・ロマンディ2024第2ステージ結果
1位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | 4:02:44 |
2位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | |
3位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:04 |
4位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:14 |
5位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:16 |
6位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | |
9位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) | 7:55:32 |
2位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:04 |
3位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:22 |
4位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:25 |
5位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:26 |
6位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | +0:27 |
7位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:28 |
9位 | ヤニス・ヴォワザール(スイス、チューダー・プロサイクリング) | +0:29 |
10位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) |
山岳賞 | ユーリ・ホルマン(ドイツ、アルペシン・ドゥクーニンク) |
ヤングライダー賞 | ティボー・ネイス(ベルギー、リドル・トレック) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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