2024/04/15(月) - 17:45
春めく甲府盆地を満喫する「桃と桜のサイクリング」が今年も開催された。その名の通り、コース沿いに春を象徴する花々が咲き誇る、絶景ライドをレポートしていこう。(後編はこちら)
最高の1日だったと振り返れる日が人生のうちにどれほどあるだろう。
毎日が最高にハッピーだという人もいれば、良くて年に2~3日くらいしかそんなふうには思えない、なんて人もいるだろう。でも、今年の「桃と桜のサイクリング」は迷いなく最高の1日だったと言える。数年に一度という完璧なタイミングで、幻想的な光景を堪能できたのだから。
三寒四温の時期も過ぎたと思いきや、都内では夏日を記録し一気に暖かさを増した4月初週。上がる気温に呼応して桜の花も綻び、各地で花見日和となった週末に桃と桜のサイクリングが開催された。
2018年に初開催となり、コロナ禍による中止を挟みつつ今年で4回目に。昨年よりメイン会場となった中央市役所に、全国からサイクリストが集結。関東からの参加者が多い中でも、大阪や石垣島(!)からやってこられたという方もおり、このイベントの人気ぶりが窺える。
人気イベントのご多分に漏れず、リピーターの姿も多い。ありがたいことに過去大会で取材させていただいた方に声をかけられることも多いけれど、桃と桜のサイクリングではその頻度も段違いだ。そんな皆さんは「今日は晴れてるし、楽しみだね!」と声を揃える。そう、去年は残念なことに結構な雨だったのである……。
もちろん雨でも楽しめるイベントなのだけれど、そりゃあやっぱり晴れているに限る。例外なのはパリ~ルーベを観戦している人くらいだろう。更に言えば、昨年は桜の開花も非常に早く、開催日にはかなり散ってしまっていたのだが、今年はまさに満開のタイミング。天気よし。花もよし。走り出す前から既に勝利が約束されたも同然だ。
ちなみにメイン会場ではスタートエイドとしてコーヒーとマフィンが用意されている。朝早めに出発したこともあり、小腹が空いてくるタイミングに嬉しいボリュームの補給だ。マフィンは中央市の人気ベーカリー「ルヴァン」謹製で、もっちもちの食感が病みつきになりそうな逸品。しっとりとした生地で、口の中の水分が奪われづらいのも、サイクリスト的にはグッドだ。
スタートに先立って行われた開会式では、中央市の望月市長をはじめ、ゲストライダーの今中さんや石垣さん、高瀬さんらが挨拶。ちなみに望月市長、このイベントをいたく気にかけておられ、一週間前から天気予報に一喜一憂していたのだとか。参加者であっても、一週間前から予報を見ているのは相当楽しみにしている部類だろう。
それだけ桃と桜のサイクリングを愛してくれている望月市長が鳴らす銅鑼と共に、各グループが走り出す。中央市役所を左(西方向)へ進むとすぐに釜無川の沿いの道へ。後ろには八ヶ岳も望める快走路には、なんとこの日の為に交通規制が掛けられている。
MCを務めた「山梨県住みます芸人」であるいしいそうたろうさんが日々通勤でも使うというイチオシ区間。確かに毎朝この絶景を見ながら通勤できるのは正直羨ましい限り。そんな道を自動車を気にすることなく走れるのは、参加者だけの特権だ。
菜の花も咲き誇る土手沿いで春を実感しながら数キロ走れば、この大会のメインディッシュとも言える「みやさか道」へアプローチする登りが現れる。
甲府盆地を見下ろす位置まで一気に高度を上げるため結構急な登りとなるが、まだまだ序盤とあって体力も満タンな皆さんはなんなくクリア。その眺望と泉質で人気の温泉である「みたまの湯」を通りすぎ、いくつかのアップダウンをこなした先に、第1エイドとなるYSKe-comシルクパークが見えてくる。
こちらで振舞われるのは道の駅富士川で販売されているバウムアルラのバウムクーヘン。富士川町の棚田で採れたコシヒカリを毎日自家製粉した米粉から作られているこだわりの一品だ。なかでもゆず味の「ふわとろあるら」がオススメなのだとか。
ここから先もまだまだアップダウンは続いていき、桃畑が広がるエリアへと入っていく。道の両脇に濃いピンクの花を枝いっぱいにつけた桃が並ぶ様子は、この時期にしか見られない絶景だ。
いつもならツライ登りも、綺麗な景色に癒されながらであればへっちゃら……というのは言い過ぎかもしれないが、軽いギアを回して景色を楽しめるくらいのペースであっても、いつもより短く感じるハズ。
段々太陽も登ってきた頃合いには、観光の自動車も増えてきたと思いきや、何やら渋滞が発生している様子。なんだなんだと思っていると、どうやら第2エイドである八代ふるさと公園の駐車場に並ぶ車列のようだ。
甲府盆地を見下ろす八代ふるさと公園は、この周辺でも有名な桜の名所。この時期は桜まつりが開催されていることもあり、多くの観光客が訪れていた。まんじりと動かない車列を横目に、公園内に設けられたエイドステーションへ。駐車場所などをほぼ気にすることなく、名所を巡ることができるのは空間効率に優れた自転車の美点だ。
満開の桜と桃に迎えられたエイドで振舞われたのはみずみずしいイチゴ。つやつやでいかにも甘そうなイチゴは、期待を裏切らないおいしさ。イチゴ好きを公言するゲストライダーの石垣さんはなんと7粒も食べてしまったという(笑)その気持ちは非常によく分かります。
走りだしてまだ20kmほどだけど、既に目でも舌でも山梨の春を満喫している桃と桜のサイクリング。でも、まだまだ桃と桜のサイクリングの山場はこれから!後半のレポートでは、このイベント最大の思い出になる絶景スポット、そしてエイドが登場します。
text&photo:Naoki YASUOKA
最高の1日だったと振り返れる日が人生のうちにどれほどあるだろう。
毎日が最高にハッピーだという人もいれば、良くて年に2~3日くらいしかそんなふうには思えない、なんて人もいるだろう。でも、今年の「桃と桜のサイクリング」は迷いなく最高の1日だったと言える。数年に一度という完璧なタイミングで、幻想的な光景を堪能できたのだから。
三寒四温の時期も過ぎたと思いきや、都内では夏日を記録し一気に暖かさを増した4月初週。上がる気温に呼応して桜の花も綻び、各地で花見日和となった週末に桃と桜のサイクリングが開催された。
2018年に初開催となり、コロナ禍による中止を挟みつつ今年で4回目に。昨年よりメイン会場となった中央市役所に、全国からサイクリストが集結。関東からの参加者が多い中でも、大阪や石垣島(!)からやってこられたという方もおり、このイベントの人気ぶりが窺える。
人気イベントのご多分に漏れず、リピーターの姿も多い。ありがたいことに過去大会で取材させていただいた方に声をかけられることも多いけれど、桃と桜のサイクリングではその頻度も段違いだ。そんな皆さんは「今日は晴れてるし、楽しみだね!」と声を揃える。そう、去年は残念なことに結構な雨だったのである……。
もちろん雨でも楽しめるイベントなのだけれど、そりゃあやっぱり晴れているに限る。例外なのはパリ~ルーベを観戦している人くらいだろう。更に言えば、昨年は桜の開花も非常に早く、開催日にはかなり散ってしまっていたのだが、今年はまさに満開のタイミング。天気よし。花もよし。走り出す前から既に勝利が約束されたも同然だ。
ちなみにメイン会場ではスタートエイドとしてコーヒーとマフィンが用意されている。朝早めに出発したこともあり、小腹が空いてくるタイミングに嬉しいボリュームの補給だ。マフィンは中央市の人気ベーカリー「ルヴァン」謹製で、もっちもちの食感が病みつきになりそうな逸品。しっとりとした生地で、口の中の水分が奪われづらいのも、サイクリスト的にはグッドだ。
スタートに先立って行われた開会式では、中央市の望月市長をはじめ、ゲストライダーの今中さんや石垣さん、高瀬さんらが挨拶。ちなみに望月市長、このイベントをいたく気にかけておられ、一週間前から天気予報に一喜一憂していたのだとか。参加者であっても、一週間前から予報を見ているのは相当楽しみにしている部類だろう。
それだけ桃と桜のサイクリングを愛してくれている望月市長が鳴らす銅鑼と共に、各グループが走り出す。中央市役所を左(西方向)へ進むとすぐに釜無川の沿いの道へ。後ろには八ヶ岳も望める快走路には、なんとこの日の為に交通規制が掛けられている。
MCを務めた「山梨県住みます芸人」であるいしいそうたろうさんが日々通勤でも使うというイチオシ区間。確かに毎朝この絶景を見ながら通勤できるのは正直羨ましい限り。そんな道を自動車を気にすることなく走れるのは、参加者だけの特権だ。
菜の花も咲き誇る土手沿いで春を実感しながら数キロ走れば、この大会のメインディッシュとも言える「みやさか道」へアプローチする登りが現れる。
甲府盆地を見下ろす位置まで一気に高度を上げるため結構急な登りとなるが、まだまだ序盤とあって体力も満タンな皆さんはなんなくクリア。その眺望と泉質で人気の温泉である「みたまの湯」を通りすぎ、いくつかのアップダウンをこなした先に、第1エイドとなるYSKe-comシルクパークが見えてくる。
こちらで振舞われるのは道の駅富士川で販売されているバウムアルラのバウムクーヘン。富士川町の棚田で採れたコシヒカリを毎日自家製粉した米粉から作られているこだわりの一品だ。なかでもゆず味の「ふわとろあるら」がオススメなのだとか。
ここから先もまだまだアップダウンは続いていき、桃畑が広がるエリアへと入っていく。道の両脇に濃いピンクの花を枝いっぱいにつけた桃が並ぶ様子は、この時期にしか見られない絶景だ。
いつもならツライ登りも、綺麗な景色に癒されながらであればへっちゃら……というのは言い過ぎかもしれないが、軽いギアを回して景色を楽しめるくらいのペースであっても、いつもより短く感じるハズ。
段々太陽も登ってきた頃合いには、観光の自動車も増えてきたと思いきや、何やら渋滞が発生している様子。なんだなんだと思っていると、どうやら第2エイドである八代ふるさと公園の駐車場に並ぶ車列のようだ。
甲府盆地を見下ろす八代ふるさと公園は、この周辺でも有名な桜の名所。この時期は桜まつりが開催されていることもあり、多くの観光客が訪れていた。まんじりと動かない車列を横目に、公園内に設けられたエイドステーションへ。駐車場所などをほぼ気にすることなく、名所を巡ることができるのは空間効率に優れた自転車の美点だ。
満開の桜と桃に迎えられたエイドで振舞われたのはみずみずしいイチゴ。つやつやでいかにも甘そうなイチゴは、期待を裏切らないおいしさ。イチゴ好きを公言するゲストライダーの石垣さんはなんと7粒も食べてしまったという(笑)その気持ちは非常によく分かります。
走りだしてまだ20kmほどだけど、既に目でも舌でも山梨の春を満喫している桃と桜のサイクリング。でも、まだまだ桃と桜のサイクリングの山場はこれから!後半のレポートでは、このイベント最大の思い出になる絶景スポット、そしてエイドが登場します。
text&photo:Naoki YASUOKA
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