2023/09/29(金) - 15:00
クロアチアを6日間をかけて巡るクロ・レースが開幕した。初日はヴィヴィアーニが自身1年振りの勝利を飾り、丘陵ステージでニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)がプロ初勝利を挙げた前半ステージをレポートします。
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9月26日(火)に開幕したクロ・レース photo:CorVos
レースカテゴリーは1クラス(上から3番目)ながら毎年豪華メンバーが揃うクロ・レースが9月26日(火)に開幕した。6日間レースの舞台となるのはアドリア海に面したクロアチア。本格的な山岳ステージは登場せず、丘陵と平坦ステージが主となるため例年総合優勝は僅差での争いとなる。
歴代総合優勝者にヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)やアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)などの名が残る大会初日には、前回覇者マテイ・モホリッチ(スロベニア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスやイネオス・グレナディアーズなど5つのワールドチームが揃う。中でも今月20日に行われたTTヨーロッパ選手権を19歳にして制したジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に注目が集まった。
第1ステージ
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アンドレースンらを退けるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
大会初日は3つのカテゴリー山岳が設定された丘陵ステージで争われた。序盤から激しいアタック合戦の末、ラウル・ガルシア(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)ら4名の逃げが成立。しかしメイン集団は残り20km地点で逃げを飲み込んだ。
集団スプリントに向けてプロトンのスピードと緊張感が高まるなか、残り6km地点で落車が発生する。これにモホリッチが巻き込まれ、素早くレース復帰したものの初日に48秒を失う不運に見舞われる。そして集団スプリントはマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)による絶好のリードアウトを受けたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が1年ぶりの勝利を挙げた。
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昨年大会以来、1年ぶりの勝利を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
第2ステージ
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初日に変わらぬ強さを見せたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) photo:CorVos
パシュマン島を巡る第2ステージは平坦路。終盤に2級山岳とカテゴリーなき丘(距離1.6km/平均7%)が登場するものの、スプリンターを退けるほどではない。この日も4名の逃げが形成され、スプリンターチームが引き戻す。そしてイネオスやバーレーン・ヴィクトリアスの牽引にQ36.5プロサイクリングチームが加わる形で集団スプリントへ。
残り200m地点の緩い左コーナーを前に、一度集団のスピードが緩んだ隙にユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA)が飛び出す。その動きに2連勝を目指すヴィヴィアーニやアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)は虚を突かれ、そのままフィニッシュしたレイタオンが金星を挙げた。
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ヴィヴィアーニらを退けたユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA)が第2ステージを制す photo:CorVos
第3ステージ
大会の前半戦を締めくくる大会3日目は序盤に3級山岳を経て、終盤に距離400m/平均勾配13.8%の3級山岳オパティジャを2度越えるパンチャー向きのステージ。そのため逃げを吸収したプロトンから1度目のオパティジャでヴィヴィアーニらスプリンターが遅れ、2度目で先頭集団は30名弱に絞られた。
ジャパンカップにも参戦予定のエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)など総合優勝を目指す選手が揃う集団は、クライマーとパンチャーによるスプリントへ。トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ)が先んじて踏み始めたものの、モホリッチなど強豪選手たちを抑えたニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)が勝利した。
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第3ステージで金星を挙げたニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム) photo:CRO Race
今年下部チームから昇格し、プロデビューを果たしたパリジーニは23歳。「信じられない。最終コーナーで集団の前にいることが大事だと思っており、狙い通り3番手で通過することができた。その後は5秒間我慢し、モホリッチに合わせて僕もペダルに力を込めた」とパリジーニはプロ初勝利を振り返った。
翌日の第4ステージは超級山岳が登場し、再び総合争いが予想される。
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レースカテゴリーは1クラス(上から3番目)ながら毎年豪華メンバーが揃うクロ・レースが9月26日(火)に開幕した。6日間レースの舞台となるのはアドリア海に面したクロアチア。本格的な山岳ステージは登場せず、丘陵と平坦ステージが主となるため例年総合優勝は僅差での争いとなる。
歴代総合優勝者にヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)やアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)などの名が残る大会初日には、前回覇者マテイ・モホリッチ(スロベニア)を擁するバーレーン・ヴィクトリアスやイネオス・グレナディアーズなど5つのワールドチームが揃う。中でも今月20日に行われたTTヨーロッパ選手権を19歳にして制したジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に注目が集まった。
第1ステージ
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大会初日は3つのカテゴリー山岳が設定された丘陵ステージで争われた。序盤から激しいアタック合戦の末、ラウル・ガルシア(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)ら4名の逃げが成立。しかしメイン集団は残り20km地点で逃げを飲み込んだ。
集団スプリントに向けてプロトンのスピードと緊張感が高まるなか、残り6km地点で落車が発生する。これにモホリッチが巻き込まれ、素早くレース復帰したものの初日に48秒を失う不運に見舞われる。そして集団スプリントはマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)による絶好のリードアウトを受けたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が1年ぶりの勝利を挙げた。
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第2ステージ
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パシュマン島を巡る第2ステージは平坦路。終盤に2級山岳とカテゴリーなき丘(距離1.6km/平均7%)が登場するものの、スプリンターを退けるほどではない。この日も4名の逃げが形成され、スプリンターチームが引き戻す。そしてイネオスやバーレーン・ヴィクトリアスの牽引にQ36.5プロサイクリングチームが加わる形で集団スプリントへ。
残り200m地点の緩い左コーナーを前に、一度集団のスピードが緩んだ隙にユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA)が飛び出す。その動きに2連勝を目指すヴィヴィアーニやアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)は虚を突かれ、そのままフィニッシュしたレイタオンが金星を挙げた。
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第3ステージ
大会の前半戦を締めくくる大会3日目は序盤に3級山岳を経て、終盤に距離400m/平均勾配13.8%の3級山岳オパティジャを2度越えるパンチャー向きのステージ。そのため逃げを吸収したプロトンから1度目のオパティジャでヴィヴィアーニらスプリンターが遅れ、2度目で先頭集団は30名弱に絞られた。
ジャパンカップにも参戦予定のエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)など総合優勝を目指す選手が揃う集団は、クライマーとパンチャーによるスプリントへ。トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ)が先んじて踏み始めたものの、モホリッチなど強豪選手たちを抑えたニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)が勝利した。
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今年下部チームから昇格し、プロデビューを果たしたパリジーニは23歳。「信じられない。最終コーナーで集団の前にいることが大事だと思っており、狙い通り3番手で通過することができた。その後は5秒間我慢し、モホリッチに合わせて僕もペダルに力を込めた」とパリジーニはプロ初勝利を振り返った。
翌日の第4ステージは超級山岳が登場し、再び総合争いが予想される。
第1ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 4:38:39 |
2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) |
第2ステージ結果
1位 | ユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA) | 2:39:16 |
2位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) |
第3ステージ結果
1位 | ニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム) | 3:01:35 |
2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ) | |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
個人総合成績(第3ステージ終了時点)
1位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ) | 10:19:18 |
2位 | ニコロ・パリジーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム) | +0:02 |
3位 | アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | +0:04 |
その他の特別賞(第3ステージ終了時点)
ポイント賞 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ) |
山岳賞 | マービン・ハマーシュミット(オーストリア、チーム・フリンコウ・アドバリックス) |
ヤングライダー賞 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、DSM・フィルメニッヒ) |
チーム総合成績 | DSM・フィルメニッヒ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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