21歳のヴァシュが登りスプリントを制す　最終日を前にファンフルーテンが総合優勝に王手

無数のアタックを経て、登りスプリントで決着したジロ・ドンネ8日目。サバイバルレースを21歳のハンガリー王者カタブランカ・ヴァシュ（SDワークス）が制し、ファンフルーテンが4度目の総合優勝を大きく引き寄せた。

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移動日を挟み、第34回ジロ・デ・イタリア・ドンネ（UCIワールドツアー）はイタリア本土からサルデーニャ島にやってきた。最終日を翌日に控えた第8ステージはヌオロからサッサリへと至る125.7kmで争われ、コース前半にカテゴリーのつかない丘と終盤に低難度の3級山岳を越える。

これまでのステージと同様に、決定的な逃げが生まれないままレース前半が過ぎる。そして残り48km地点でようやくフロールチェ・マッカイ（オランダ、モビスター）とシルヴィア・マーグリ（イタリア、イスラエル・プレミアテック・ローランド）の2名による逃げが形成された。

気温が35度を越え、レース途中で38度を記録した猛暑のなか、マッカイはマーグリを引き離し単独となる。マッカイは一時1分20秒までその差を拡げ、3級山岳の頂上を通過。しかしそのスピードを維持することができずプロトンが飲み込まれ、その寸前に繰り下げで山岳賞ジャージを着るニアム・フィッシャーブラック（ニュージーランド、SDワークス）ら3名によるアタックも決まらない。

その後もアタックと吸収は繰り返され、フェニックス・ドゥクーニンクのインへ・ファンデルヘイデン（オランダ）とオーストリア王者カリーナ・シュレンプのアーリーアタックも失敗に終わる。そして勝負は約20名による緩斜面を舞台とした集団スプリントに持ち込まれた。

キャニオン・スラムのリードアウトからクロエ・ダイガート（アメリカ）がスプリントを開始。ジロ・ローザ時代から通算32勝しているマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）のスプリントが伸び悩むなか、リアヌ・リッパート（ドイツ、モビスター）とカタブランカ・ヴァシュ（ハンガリー、SDワークス）が両サイドからダイガートに迫る。

そして勝ったのは驚異的なトップスピードでライバルたちを圧倒したヴァシュ。21歳の若きハンガリー王者がジロ・ドンネでキャリア最高の結果を手に入れた。

「まるで夢のよう。この勝利が信じられない。今朝、まさか自分が勝つなんて思ってもいなかった。登り基調のスプリントは私の脚質に向いており、少し後からスプリントしなければならないと分かっていた。チームが私をアシストしてくれたおかげ」とヴァシュは喜びを語った。

2位にはアメリカ王者のダイガート、3位にはドイツ王者のリッパートが入ったため、ジロ・ドンネ8日目の表彰台には3名のナショナル選手権王者が並んだ。