2023/06/20(火) - 11:30
ツール・ド・フランス前哨戦の一つであるツアー・オブ・スロベニアが閉幕。ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が区間2連勝を挙げ、フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)が総合優勝を飾った。
プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)やタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)らを輩出し、自転車新興国として成長著しいスロベニア。人口210万人のスロベニア最大のステージレースが、2021年よりUCIプロシリーズに昇格したツアー・オブ・スロベニアだ。
例年ツール・ド・フランスの調整レースとして参戦していたポガチャルは、左手首の骨折から回復途中のため出場を回避。しかしツールに出場する地元のスター選手マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)など、4つのワールドチームが出場した。
大会初日はスロベニア第3の都市ツェリエ周辺を巡る平坦ステージ。4名の逃げ集団からボシュティヤン・ムルン(スロベニア、アドリア・モビル)が飛び出し、残り35kmで吸収される。大規模ではなく、数名程度の落車が多数発生するなかジェイコ・アルウラーやボーラ・ハンスグローエなどが集団コントロールを担い、勝負はスプリントへ。
ベテランリードアウトマン、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー)に導かれたフルーネウェーヘンが残り100mの標識手前でスプリントを開始。その背後からフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が迫ったものの、フルーネウェーヘンが初日を制した。
第2ステージも集団スプリントで決着。メズゲッツが先頭で最終ストレートに突入し、フルーネウェーヘンが腰を上げる前日のデジャブのような展開に。リーダージャージを着たフルーネウェーヘンはバウハウスと前日3位だったマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)を退け、2連勝を達成した。
残り13km地点にカテゴリーのつかない丘が登場する大会3日目は丘陵ステージ。残り20km地点で逃げを捉えたプロトンは、フルーネウェーヘンやバウハウスなどピュアスプリンターが一度遅れたもののチームメイトの牽引にとって集団復帰する。しかし先頭を牽いていたフィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)が残り800mに設定されたラウンドアバウトでコースを間違い、集団はバラバラに。そして緩斜面のスプリントでイーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)がメズゲッツを抑えて勝利した。
前日に亡くなったジーノ・メーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)を悼む黙祷がスタート前に行われた大会4日目は、終盤に2つの1級山岳を超えるクイーンステージだ。前日勝者のイーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が逃げに乗ったこの日は、1つ目の1級山岳通過後にプロトンが逃げを吸収。総合優勝を目指す先鋭集団からザナが仕掛け、トップで最終山岳の頂上を通過する。
リードを得て下りに入ったザナだったが、ガードレールの無いコーナーの出口でオーバーランして真っ直ぐ谷へとコースアウトしてしまう。激しく前転ザナだったが幸い芝生に覆われた斜面だったため大きな怪我はなく、自力でバイクを担いでコースに復帰。その間にチームメイトであるヘスス・ペニャ(コロンビア)が抜き去り、そのままプロ初勝利を手に入れた。
2位は3名によりスプリントに持ち込まれ、ザナが先着してジェイコがワンツーフィニッシュを決めた。
大会最終日はフィニッシュ手前12kmから3級山岳(距離1.7km/平均9.8%)が登場する丘陵ステージ。それ以外はほぼ平坦路のコースでは山岳賞ジャージを着るサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)らが逃げ、3級山岳でそれを捉えたプロトンからモホリッチがアタックした。
モホリッチの加速には唯一総合リーダーであるザナが追従し、2人は協力しながら最終ストレートに突入。大観衆が見守る中のマッチスプリントを地元スロベニア出身のモホリッチが制し、チームメイトであるメーダーのために天に向かって指を指した。
「この勝利はジーノ(メーダー)が力を貸してくれた勝利。今日は僕に適したコースで、最後は集中して走ることができた。どうしても勝利が欲しかった。力のすべてを勝利のために注ぎたかった」と、最終日で勝利を飾ったモホリッチは話している。
一方、ザナは最終ステージ負けを喫したものの総合優勝を射止める。今年ジェイコ・アルウラーに加入し、クライマー/オールラウンダーとしてジロ・デ・イタリアで区間1勝を挙げるなど躍進する24歳は「モホリッチの登りアタックに食らいつき、前日の落車もあり下りは安全にいった。幸い彼が待っていてくれたので合流した。彼がステージを、そして僕が総合優勝する完璧な結果となった」と、語っている。
プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)やタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)らを輩出し、自転車新興国として成長著しいスロベニア。人口210万人のスロベニア最大のステージレースが、2021年よりUCIプロシリーズに昇格したツアー・オブ・スロベニアだ。
例年ツール・ド・フランスの調整レースとして参戦していたポガチャルは、左手首の骨折から回復途中のため出場を回避。しかしツールに出場する地元のスター選手マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)など、4つのワールドチームが出場した。
大会初日はスロベニア第3の都市ツェリエ周辺を巡る平坦ステージ。4名の逃げ集団からボシュティヤン・ムルン(スロベニア、アドリア・モビル)が飛び出し、残り35kmで吸収される。大規模ではなく、数名程度の落車が多数発生するなかジェイコ・アルウラーやボーラ・ハンスグローエなどが集団コントロールを担い、勝負はスプリントへ。
ベテランリードアウトマン、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー)に導かれたフルーネウェーヘンが残り100mの標識手前でスプリントを開始。その背後からフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が迫ったものの、フルーネウェーヘンが初日を制した。
第2ステージも集団スプリントで決着。メズゲッツが先頭で最終ストレートに突入し、フルーネウェーヘンが腰を上げる前日のデジャブのような展開に。リーダージャージを着たフルーネウェーヘンはバウハウスと前日3位だったマッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)を退け、2連勝を達成した。
残り13km地点にカテゴリーのつかない丘が登場する大会3日目は丘陵ステージ。残り20km地点で逃げを捉えたプロトンは、フルーネウェーヘンやバウハウスなどピュアスプリンターが一度遅れたもののチームメイトの牽引にとって集団復帰する。しかし先頭を牽いていたフィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)が残り800mに設定されたラウンドアバウトでコースを間違い、集団はバラバラに。そして緩斜面のスプリントでイーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)がメズゲッツを抑えて勝利した。
前日に亡くなったジーノ・メーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス)を悼む黙祷がスタート前に行われた大会4日目は、終盤に2つの1級山岳を超えるクイーンステージだ。前日勝者のイーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が逃げに乗ったこの日は、1つ目の1級山岳通過後にプロトンが逃げを吸収。総合優勝を目指す先鋭集団からザナが仕掛け、トップで最終山岳の頂上を通過する。
リードを得て下りに入ったザナだったが、ガードレールの無いコーナーの出口でオーバーランして真っ直ぐ谷へとコースアウトしてしまう。激しく前転ザナだったが幸い芝生に覆われた斜面だったため大きな怪我はなく、自力でバイクを担いでコースに復帰。その間にチームメイトであるヘスス・ペニャ(コロンビア)が抜き去り、そのままプロ初勝利を手に入れた。
2位は3名によりスプリントに持ち込まれ、ザナが先着してジェイコがワンツーフィニッシュを決めた。
大会最終日はフィニッシュ手前12kmから3級山岳(距離1.7km/平均9.8%)が登場する丘陵ステージ。それ以外はほぼ平坦路のコースでは山岳賞ジャージを着るサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)らが逃げ、3級山岳でそれを捉えたプロトンからモホリッチがアタックした。
モホリッチの加速には唯一総合リーダーであるザナが追従し、2人は協力しながら最終ストレートに突入。大観衆が見守る中のマッチスプリントを地元スロベニア出身のモホリッチが制し、チームメイトであるメーダーのために天に向かって指を指した。
「この勝利はジーノ(メーダー)が力を貸してくれた勝利。今日は僕に適したコースで、最後は集中して走ることができた。どうしても勝利が欲しかった。力のすべてを勝利のために注ぎたかった」と、最終日で勝利を飾ったモホリッチは話している。
一方、ザナは最終ステージ負けを喫したものの総合優勝を射止める。今年ジェイコ・アルウラーに加入し、クライマー/オールラウンダーとしてジロ・デ・イタリアで区間1勝を挙げるなど躍進する24歳は「モホリッチの登りアタックに食らいつき、前日の落車もあり下りは安全にいった。幸い彼が待っていてくれたので合流した。彼がステージを、そして僕が総合優勝する完璧な結果となった」と、語っている。
第1ステージ結果
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 4:33:23 |
2位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム) |
第2ステージ結果
1位 | イェントル・ヴァンドヴェルデ(ベルギー、TDTユニベット・サイクリングチーム) | 4:21:52 |
2位 | アレクサンダー・コニシェフ(イタリア、チーム・コラテック) | +0:01 |
3位 | ベルトヤン・リンデマン(オランダ、フォルカーウェッセルズ・サイクリングチーム) | +0:06 |
第3ステージ結果
1位 | イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:08:42 |
2位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | ロビン・フロワドゥヴォー(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム) |
第4ステージ結果
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:07:49 |
2位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー) | +0:16 |
個人総合成績
1位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | 20:00:24 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:18 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +0:23 |
その他の特別賞
ポイント賞 | イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | サムエーレ・バティステッラ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) |
ヤングライダー賞 | ラウル・ガルシア(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) |
チーム総合成績 | エキポ・ケルンファルマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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