2023/05/26(金) - 07:45
3連続山頂フィニッシュの初日でイタリア王者フィリッポ・ザナ(ジェイコ・アルウラー)がジロ・デ・イタリア初勝利。一方の総合争いは、トーマスとログリッチが協調してアルメイダからタイムを奪った。
ジロ・デ・イタリア第18ステージはイタリア北部、ドロミテ山塊を舞台にした3日連続山頂フィニッシュに突入する。その初日は、分類こそ丘陵ステージだが161kmの比較的短い距離に獲得標高差4,100mの登りが詰め込まれた4つ星。序盤から1級山岳ラ・クロゼッタを登り、4級山岳と平坦路を挟んで1級山岳フォルチェッラ・チビアーナ(距離9.6km/平均7.8%)に突入する。
そして頂上から12kmの急勾配な下りを経て、最後は2つ連なる2級山岳コイ(距離5.8km/平均9.7%/最大19%!)とバル・ディ・ゾルド(距離2.7km/平均6.4%)を登った先に、ようやくフィニッシュラインが待っている。
オデルツォをスタートした126名の選手たちは北に進路を取り、平坦区間の序盤から激しいアタック合戦が勃発した。ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)はルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)と共にその中心にいたものの、最初の1級山岳ラ・クロゼッタでメイン集団に引き戻される。するとマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るヒーリーは更にはプロトンからも遅れていった。
そして登坂距離11.6kmもある1級山岳で、ようやくティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)や第4ステージの勝者オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)を含む7名の逃げ集団が形成される。一方のメイン集団は、この日が37歳の誕生日であるマリアローザ、ゲラント・トーマス(イギリス)を擁するイネオス・グレナディアーズ)が牽引を始めた。
第18ステージで逃げた7名
オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)
ワジム・プロンスキー(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)
ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
マルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)
デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)
フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
イスラエル・プレミアテックがクライマー2人を乗せ、そこにバルギルやザナ、ピノが入る強力なメンバーで形成された逃げグループは、1級と4級山岳をピノが先頭で越えていく。そのためピノは山岳ポイントを加算し、ほぼ自滅と言っていい形で遅れていったヒーリーに代わりに山岳賞ランキングで首位に立つ。またプロトンとの差が6分を超えたため、総合で6分48秒遅れ(総合13位)につけるピノの総合ジャンプアップも現実的となってきた。
最後から3つ目の1級山岳フォルチェッラ・チビアーナ(距離9.6km/平均7.8%)に入った時点で、逃げとプロトンは6分差。ピノやバルギル、パレパントルらフレンチクライマーのペーシングにプロンスキーが遅れ、6名となった逃げ集団がここもピノを先頭に頂上をクリアする。一方のプロトンはローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)の高速牽引によって、20名程度に絞られた。
2級山岳コイ(距離5.8km/平均9.7%)に突入した逃げグループからは、イタリア王者ジャージを着るザナが加速。それに追従したピノが先頭に出ると、今度はザナを引き離すべくピノがダンシングでペースアップを図る。しかし両者の間に差は生まれず、遅れたジーとバルギルが協調して先頭を追いかけた。
ピノが先頭で2級山岳コイの頂上をクリア。短い下りの後に最終2級山岳バル・ディ・ゾルド(距離2.7km/平均6.4%)に入り、ピノとザナはアタックを仕掛け合うこともなく淡々とフィニッシュまでの距離を縮めていく。そして勝負はクライマー2人によるスプリント勝負に持ち込まれ、先に腰を上げたピノの動きにザナが冷静に反応。約130kmに渡って逃げた2人のスピードバトルは、地元ヴェネト出身のザナに軍配が上がった。
その4分16秒後方のプロトンではセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が先頭で牽引を始めると、イネオスのアシスト陣が脱落してトーマスが単騎となる。同時に総合2位につけるジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が徐々に離され、クス&ログリッチというユンボ2人に、トーマスとエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)がつく4名の精鋭集団が形成された。
そしてまずはダンバーが遅れ、牽引の役目を終えたクスが緩斜面を使って再びログリッチの前に出る。その20秒後方ではジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)に牽かれたアルメイダが、その差を最小限に留めようと懸命に踏み込んだ。
最終山岳に入りようやくクスが遅れ、トーマスもアルメイダからタイム差を稼ごうと時折ログリッチの前に出る。その結果アルメイダは最後まで2人に追いつくことはなく、最後はログリッチが牽引する形でトーマスと共に静かにフィニッシュ。トーマスがマリアローザ保持に成功したと共に、アルメイダから21秒を奪ったログリッチが総合2位に上がっている。
ザナにとって4度目の出場で掴んだ、自身初となるジロ・デ・イタリアの区間優勝。「夢の舞台であるジロに、ワールドチームの一員として出場させてくれたジェイコ・アルウラーに感謝したい。このチームが僕をここまで成長させてくれた。最後のスプリントでは後ろにつき、50%の確率をものにすることができた。イタリア王者ジャージを着て勝利できるなんて、素晴らしい以外の言葉がない」とザナは喜んだ。
一方、ピノは「スプリントを仕掛けるのが早すぎたみたいだ。最終山岳でアタックして単独に持ち込む事ができなかったため、僕は逃げの中で最も強い選手ではなかったということだ」と敗者の弁。「本当にザナは強かったので(2位だった第13ステージの)クラン・モンタナよりは悔しくない」と語るピノは表彰台でマリアアッズーラに袖を通している。
そしてマリアローザを守ったトーマスは「アルメイダからタイムを稼ぎ、またプリモシュ(ログリッチ)から遅れることもなかった。プリモシュは緩急をつけて登っていたので調子の良し悪しが読めず、ラスト2kmで踏み込んだ。でも僕自身は自分の脚に力を感じ、結果的に良い日となった」と語った。
ジロ・デ・イタリア第18ステージはイタリア北部、ドロミテ山塊を舞台にした3日連続山頂フィニッシュに突入する。その初日は、分類こそ丘陵ステージだが161kmの比較的短い距離に獲得標高差4,100mの登りが詰め込まれた4つ星。序盤から1級山岳ラ・クロゼッタを登り、4級山岳と平坦路を挟んで1級山岳フォルチェッラ・チビアーナ(距離9.6km/平均7.8%)に突入する。
そして頂上から12kmの急勾配な下りを経て、最後は2つ連なる2級山岳コイ(距離5.8km/平均9.7%/最大19%!)とバル・ディ・ゾルド(距離2.7km/平均6.4%)を登った先に、ようやくフィニッシュラインが待っている。
オデルツォをスタートした126名の選手たちは北に進路を取り、平坦区間の序盤から激しいアタック合戦が勃発した。ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)はルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)と共にその中心にいたものの、最初の1級山岳ラ・クロゼッタでメイン集団に引き戻される。するとマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るヒーリーは更にはプロトンからも遅れていった。
そして登坂距離11.6kmもある1級山岳で、ようやくティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)や第4ステージの勝者オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)を含む7名の逃げ集団が形成される。一方のメイン集団は、この日が37歳の誕生日であるマリアローザ、ゲラント・トーマス(イギリス)を擁するイネオス・グレナディアーズ)が牽引を始めた。
第18ステージで逃げた7名
オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)
ワジム・プロンスキー(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)
ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
マルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)
デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)
フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
イスラエル・プレミアテックがクライマー2人を乗せ、そこにバルギルやザナ、ピノが入る強力なメンバーで形成された逃げグループは、1級と4級山岳をピノが先頭で越えていく。そのためピノは山岳ポイントを加算し、ほぼ自滅と言っていい形で遅れていったヒーリーに代わりに山岳賞ランキングで首位に立つ。またプロトンとの差が6分を超えたため、総合で6分48秒遅れ(総合13位)につけるピノの総合ジャンプアップも現実的となってきた。
最後から3つ目の1級山岳フォルチェッラ・チビアーナ(距離9.6km/平均7.8%)に入った時点で、逃げとプロトンは6分差。ピノやバルギル、パレパントルらフレンチクライマーのペーシングにプロンスキーが遅れ、6名となった逃げ集団がここもピノを先頭に頂上をクリアする。一方のプロトンはローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)の高速牽引によって、20名程度に絞られた。
2級山岳コイ(距離5.8km/平均9.7%)に突入した逃げグループからは、イタリア王者ジャージを着るザナが加速。それに追従したピノが先頭に出ると、今度はザナを引き離すべくピノがダンシングでペースアップを図る。しかし両者の間に差は生まれず、遅れたジーとバルギルが協調して先頭を追いかけた。
ピノが先頭で2級山岳コイの頂上をクリア。短い下りの後に最終2級山岳バル・ディ・ゾルド(距離2.7km/平均6.4%)に入り、ピノとザナはアタックを仕掛け合うこともなく淡々とフィニッシュまでの距離を縮めていく。そして勝負はクライマー2人によるスプリント勝負に持ち込まれ、先に腰を上げたピノの動きにザナが冷静に反応。約130kmに渡って逃げた2人のスピードバトルは、地元ヴェネト出身のザナに軍配が上がった。
その4分16秒後方のプロトンではセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が先頭で牽引を始めると、イネオスのアシスト陣が脱落してトーマスが単騎となる。同時に総合2位につけるジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が徐々に離され、クス&ログリッチというユンボ2人に、トーマスとエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)がつく4名の精鋭集団が形成された。
そしてまずはダンバーが遅れ、牽引の役目を終えたクスが緩斜面を使って再びログリッチの前に出る。その20秒後方ではジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)に牽かれたアルメイダが、その差を最小限に留めようと懸命に踏み込んだ。
最終山岳に入りようやくクスが遅れ、トーマスもアルメイダからタイム差を稼ごうと時折ログリッチの前に出る。その結果アルメイダは最後まで2人に追いつくことはなく、最後はログリッチが牽引する形でトーマスと共に静かにフィニッシュ。トーマスがマリアローザ保持に成功したと共に、アルメイダから21秒を奪ったログリッチが総合2位に上がっている。
ザナにとって4度目の出場で掴んだ、自身初となるジロ・デ・イタリアの区間優勝。「夢の舞台であるジロに、ワールドチームの一員として出場させてくれたジェイコ・アルウラーに感謝したい。このチームが僕をここまで成長させてくれた。最後のスプリントでは後ろにつき、50%の確率をものにすることができた。イタリア王者ジャージを着て勝利できるなんて、素晴らしい以外の言葉がない」とザナは喜んだ。
一方、ピノは「スプリントを仕掛けるのが早すぎたみたいだ。最終山岳でアタックして単独に持ち込む事ができなかったため、僕は逃げの中で最も強い選手ではなかったということだ」と敗者の弁。「本当にザナは強かったので(2位だった第13ステージの)クラン・モンタナよりは悔しくない」と語るピノは表彰台でマリアアッズーラに袖を通している。
そしてマリアローザを守ったトーマスは「アルメイダからタイムを稼ぎ、またプリモシュ(ログリッチ)から遅れることもなかった。プリモシュは緩急をつけて登っていたので調子の良し悪しが読めず、ラスト2kmで踏み込んだ。でも僕自身は自分の脚に力を感じ、結果的に良い日となった」と語った。
ジロ・デ・イタリア2023第18ステージ結果
1位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | 4:25:12 |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | +0:50 |
4位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +1:03 |
5位 | オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) | +1:24 |
6位 | マルコ・フリーゴ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | |
7位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +1:56 |
8位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +2:17 |
10位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +2:32 |
13位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:57 |
14位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +3:03 |
16位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | +3:13 |
98位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | +34:57 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 76:25:51 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:29 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:39 |
4位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +3:39 |
5位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:51 |
6位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +4:27 |
7位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | +4:43 |
8位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | +4:47 |
9位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +4:53 |
10位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +5:52 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 215pts |
2位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | 140pts |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | 95pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 227pts |
2位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | 164pts |
3位 | ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) | 144pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 76:26:30 |
2位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | +4:08 |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +4:14 |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 229:00:00 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +23:25 |
3位 | ユンボ・ヴィスマ | +23:25 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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