2023/05/24(水) - 05:44
休息日明けの山岳フィニッシュでジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がジロ初勝利。ログリッチがタイムを失う中、アルメイダと共に攻勢に出たゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が再びマリアローザに袖を通した。
大会最後の休息日を終え、臨むジロ・デ・イタリア16日目は獲得標高差5,200mに達する過酷な山岳ステージ。ロンバルディア州のサッビオ・キエーゼのスタートして、イタリア最大のガルダ湖を沿う数多のトンネルをくぐりながらドロミテ山塊のモンテ・ボンドーネ(ボンドーネ山)を目指す。
64kmの平坦路で身体を暖めた選手たちは、まずは最大勾配14%の1級山岳サンタ・バルバラ(距離12.7km/平均8.3%)を越え、その後3級山岳ボルダラから15.8kmの急勾配ダウンヒルを経て2つの2級山岳をクリア。そして最終1級山岳モンテ・ボンドーネ(距離21.4km/勾配6.7%)を駆け上る。勝負所は勾配が上がる残り9.4km地点からと見られており、細いつづら折りは最大勾配15%に達する。
ようやく晴天に恵まれたこの日は3名が未出走に。ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)がリタイアしたスーダル・クイックステップは2名となり、これまで計47名が去ったレースは129名でサッビオ・キエーゼのスタートを切った。
最初の1時間を平均時速52kmのハイペースで進んだレースは、前日に引退を発表したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が逃げに乗るシーンも。しかしこれをメイン集団が引き戻し、ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)らお馴染みの逃げメンバーに加え、マリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)のジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)を含む17名が先頭に立った。
その後マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)ら追走集団が合流したことで、逃げ集団は26名に拡大。ここに逃げグループには総合で4分30秒遅れ(総合13位)のオレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)が入ったこともあり、ユンボ・ヴィスマが先導するメイン集団はタイトなコントロールを見せた。
64kmの平坦区間を終えて迎えた、この日最初の1級山岳サンタ・バルバラをヒーリーがトップ通過して山岳ポイント(+40ポイント)を加算。続く3級山岳でも2位通過したヒーリーは山岳賞で暫定トップに立つ。ところどころ路面がウェットな約20kmのテクニカルな下りを経て、迎えた中間スプリントはミランが先頭で通過(+12ポイント)。この日の目標を達成したミランはプロトンに戻っていた。
アスタナ・カザフスタンの2人(プロンスキーとスカローニ)が抜け出した逃げ集団はプロトンに6分差をつけ、最後から2つ目の2級山岳セラッダに突入する。それを追うジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)やパレパントル兄弟(兄オレリアンと弟ヴァランタン)がスピードを上げ、頂上手前でこの2人を引き戻した。
それまで順調にプロトンとのタイム差を保っていた逃げ集団だったが、ユンボ・ヴィスマが追走に本腰を入れると、最終1級山岳モンテ・ボンドーネを前にその差は4分を切る。最終登坂に入りカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)がペースアップしたものの、フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)やヘイグらを引き離すことはできず、更にユンボからUAEチームエミレーツに牽引の代わったプロトンが残り8.5kmで逃げを飲み込んだ。
マリアローザを着るブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)が早々と遅れたプロトンは、ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)の高速牽引によって7名まで絞られる。そしてヴァインが仕事を終え、エースのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が頂上まで8kmを残して早くも先頭に出た。
単独となったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に対し、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)はセップ・クス(アメリカ)を残す有利な展開を作り出す。更にエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)のアシストとして残ったザナが、アルメイダに代わって牽引を始めた。
イタリア王者の意地を見せたザナが遅れていき、小雨降るなか再び前に出たマリアビアンカ(ヤングライダー賞)を着るアルメイダが加速する。クスがペーシングで差を詰めたものの、肝心なログリッチのスピードが上がらない。この絶好のチャンスをトーマスは見逃すことなくアルメイダに合流し、2人は一気にその差を拡げにかかった。
クスのペースに必死に食らいつくログリッチと先頭2人の差は、残り4km地点で15秒。更にその差は残り3kmで30秒まで拡大し、トーマスとアルメイダはローテーションを回しながらフィニッシュを目指して突き進む。そしてログリッチの追走が最後まで届くことなく、残り150mで腰を上げたアルメイダがトーマスを抜き、自身初となるジロのステージ優勝を掴み取った。
「夢が叶った。初めて出場した2020年から何度も勝利に迫っていたが、ようやく勝利することができた。嬉しすぎて言葉もない。脚は辛かったものの、調子が良かったのでリスクを取ってアタックした。攻撃なくして勝利はない。それを証明することができたのでスーパーハッピーだよ」と区間2位に過去4度も入り、念願の初勝利を飾ったアルメイダは喜んだ。
クスによるアシストの甲斐もあり、遅れを最小限に留めたログリッチは25秒遅れでフィニッシュ。そのためボーナスタイム-10秒を獲得したアルメイダはログリッチを抜いて総合2位に上がり、マリアローザは再びトーマスの手に。しかしトーマスは「マリアローザを再び着用できることは嬉しいものの、チームメイトを失うのは悲しい」と語ったように、重要な山岳アシストであるパヴェル・シヴァコフ(フランス)が怪我の影響でレースを去っている。
また、ログリッチと共にフィニッシュしたダンバーが総合8位から5位に順位を上げた一方で、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)は1分16秒遅れと大幅に総合タイムを失った。
大会最後の休息日を終え、臨むジロ・デ・イタリア16日目は獲得標高差5,200mに達する過酷な山岳ステージ。ロンバルディア州のサッビオ・キエーゼのスタートして、イタリア最大のガルダ湖を沿う数多のトンネルをくぐりながらドロミテ山塊のモンテ・ボンドーネ(ボンドーネ山)を目指す。
64kmの平坦路で身体を暖めた選手たちは、まずは最大勾配14%の1級山岳サンタ・バルバラ(距離12.7km/平均8.3%)を越え、その後3級山岳ボルダラから15.8kmの急勾配ダウンヒルを経て2つの2級山岳をクリア。そして最終1級山岳モンテ・ボンドーネ(距離21.4km/勾配6.7%)を駆け上る。勝負所は勾配が上がる残り9.4km地点からと見られており、細いつづら折りは最大勾配15%に達する。
ようやく晴天に恵まれたこの日は3名が未出走に。ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)がリタイアしたスーダル・クイックステップは2名となり、これまで計47名が去ったレースは129名でサッビオ・キエーゼのスタートを切った。
最初の1時間を平均時速52kmのハイペースで進んだレースは、前日に引退を発表したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が逃げに乗るシーンも。しかしこれをメイン集団が引き戻し、ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)やデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)らお馴染みの逃げメンバーに加え、マリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)のジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)を含む17名が先頭に立った。
その後マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)ら追走集団が合流したことで、逃げ集団は26名に拡大。ここに逃げグループには総合で4分30秒遅れ(総合13位)のオレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン)が入ったこともあり、ユンボ・ヴィスマが先導するメイン集団はタイトなコントロールを見せた。
64kmの平坦区間を終えて迎えた、この日最初の1級山岳サンタ・バルバラをヒーリーがトップ通過して山岳ポイント(+40ポイント)を加算。続く3級山岳でも2位通過したヒーリーは山岳賞で暫定トップに立つ。ところどころ路面がウェットな約20kmのテクニカルな下りを経て、迎えた中間スプリントはミランが先頭で通過(+12ポイント)。この日の目標を達成したミランはプロトンに戻っていた。
アスタナ・カザフスタンの2人(プロンスキーとスカローニ)が抜け出した逃げ集団はプロトンに6分差をつけ、最後から2つ目の2級山岳セラッダに突入する。それを追うジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)やパレパントル兄弟(兄オレリアンと弟ヴァランタン)がスピードを上げ、頂上手前でこの2人を引き戻した。
それまで順調にプロトンとのタイム差を保っていた逃げ集団だったが、ユンボ・ヴィスマが追走に本腰を入れると、最終1級山岳モンテ・ボンドーネを前にその差は4分を切る。最終登坂に入りカルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)がペースアップしたものの、フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)やヘイグらを引き離すことはできず、更にユンボからUAEチームエミレーツに牽引の代わったプロトンが残り8.5kmで逃げを飲み込んだ。
マリアローザを着るブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)が早々と遅れたプロトンは、ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)の高速牽引によって7名まで絞られる。そしてヴァインが仕事を終え、エースのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が頂上まで8kmを残して早くも先頭に出た。
単独となったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)に対し、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)はセップ・クス(アメリカ)を残す有利な展開を作り出す。更にエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)のアシストとして残ったザナが、アルメイダに代わって牽引を始めた。
イタリア王者の意地を見せたザナが遅れていき、小雨降るなか再び前に出たマリアビアンカ(ヤングライダー賞)を着るアルメイダが加速する。クスがペーシングで差を詰めたものの、肝心なログリッチのスピードが上がらない。この絶好のチャンスをトーマスは見逃すことなくアルメイダに合流し、2人は一気にその差を拡げにかかった。
クスのペースに必死に食らいつくログリッチと先頭2人の差は、残り4km地点で15秒。更にその差は残り3kmで30秒まで拡大し、トーマスとアルメイダはローテーションを回しながらフィニッシュを目指して突き進む。そしてログリッチの追走が最後まで届くことなく、残り150mで腰を上げたアルメイダがトーマスを抜き、自身初となるジロのステージ優勝を掴み取った。
「夢が叶った。初めて出場した2020年から何度も勝利に迫っていたが、ようやく勝利することができた。嬉しすぎて言葉もない。脚は辛かったものの、調子が良かったのでリスクを取ってアタックした。攻撃なくして勝利はない。それを証明することができたのでスーパーハッピーだよ」と区間2位に過去4度も入り、念願の初勝利を飾ったアルメイダは喜んだ。
クスによるアシストの甲斐もあり、遅れを最小限に留めたログリッチは25秒遅れでフィニッシュ。そのためボーナスタイム-10秒を獲得したアルメイダはログリッチを抜いて総合2位に上がり、マリアローザは再びトーマスの手に。しかしトーマスは「マリアローザを再び着用できることは嬉しいものの、チームメイトを失うのは悲しい」と語ったように、重要な山岳アシストであるパヴェル・シヴァコフ(フランス)が怪我の影響でレースを去っている。
また、ログリッチと共にフィニッシュしたダンバーが総合8位から5位に順位を上げた一方で、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)は1分16秒遅れと大幅に総合タイムを失った。
ジロ・デ・イタリア2023第16ステージ結果
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 5:53:27 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:25 |
4位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | |
5位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | +1:03 |
6位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:16 |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | |
9位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | |
102位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | +42:44 |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 67:32:35 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:18 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:29 |
4位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:50 |
5位 | エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー) | +3:03 |
6位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +3:20 |
7位 | ブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ) | +3:22 |
8位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | +3:30 |
9位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +4:09 |
10位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +4:32 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 176pts |
2位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | 118pts |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | 88pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | 164pts |
2位 | ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) | 144pts |
3位 | ティボーエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 117pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 67:32:53 |
2位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | +3:12 |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +3:51 |
チーム総合成績
1位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 202:09:02 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +32:31 |
3位 | ユンボ・ヴィスマ | +40:26 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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