第1回ロマンディ女子開幕　初日スプリントをモビスターのシエラが制す

2022年のUCIウィメンズワールドツアー最終戦「ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」が開幕。初日の集団スプリントをアメリカ大陸王者アルレニス・シエラ（キューバ、モビスター）が制し、リーダージャージに袖を通した。

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アルカンシエルを初披露したアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター） photo:Tour de Romandie Féminin
ダヴィド・ラパルティアンUCI会長もスタート地点に姿を見せた photo:Tour de Romandie Fémininレマン湖を右手にスタートした 82名の選手たち photo:Tour de Romandie Féminin

ツール・ド・フランス・ファムの初開催など、女子自転車ロードレースにとって変革の年となった2022年。そのシーズンを締めくくるUCIウィメンズワールドツアー最終戦「ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」が開幕した。

舞台となるのは春に行われる男子のツール・ド・ロマンディと同じスイス。その女子版として初開催される本レースは3日間日程で、初日と3日目が丘陵ステージ、2日目は1級山岳ティヨン2000（距離17.3km/平均6.6%）に登り詰める山岳ステージが待ち受ける。

ワールドツアー最終戦かつ、勾配のあるステージが揃うレースには強豪クライマーやオールラウンダーたちが集結。先日のロード世界選手権で驚きの勝利を挙げたアネミエク・ファンフルーテン（オランダ、モビスター）を筆頭に、デミ・フォレリング（オランダ、SDワークス）やエリーザ・ロンゴボルギーニ（イタリア、トレック・セガフレード）、怪我から復帰したマルタ・カヴァッリ（イタリア、FDJスエズ・フチュロスコープ）などが顔を揃えた。

先頭を行くカティア・ラグーザ（イタリア、リブレーシング・エクストラ）を追走するエレナ・ハルトマン（スイスナショナルチーム） photo:Tour de Romandie Féminin
メイン集団はチームDSMがコントロールした photo:Tour de Romandie Féminin
初日はIOC（国際オリンピック委員会）の本拠地が置かれているローザンヌを発着地点とする134.4km。レマン湖の北岸に位置するローザンヌ市街地から、北の丘陵地帯で5つの3級山岳を越えたのち、フィニッシュ地点までは平坦路が続く。

スタートして40kmほど集団ひとつのまま進行したレースは、カティア・ラグーザ（イタリア、リブレーシング・エクストラ）の飛び出しにより動き出す。FDJが牽引するプロトンに対し、単独で逃げるラグーザは最大2分半までそのリードを拡大。そこに無所属ながら今年スイスTT王者に輝いたエレナ・ハルトマン（スイスナショナルチーム）が単独で合流した。

最後から2つ目の3級山岳を前にプロトンが2人を飲み込むと、登坂を利用しフォレリングやエリーザ・ロンゴボルギーニ（イタリア、トレック・セガフレード）など強豪選手たちがアタックする。最終3級山岳でも再びフォレリングやリアヌ・リッパート（ドイツ、チームDSM）、セシリーウトラップ・ルドヴィグ（デンマーク、FDJスエズ・フチュロスコープ）が加速を見せたものの、決定的な動きに繋がることはなく、集団のままローザンヌの市街地になだれ込んだ。

リッパートの背後から飛び出し先頭に立ったアルレニス・シエラ（キューバ、モビスター） photo:Tour de Romandie Féminin
スプリント勝利を挙げたアルレニス・シエラ（キューバ、モビスター） photo:Tour de Romandie Féminin
繰り返されるアタックで集団の人数は26名まで減り、チームDSMがコントロールして最終ストレートに突入する。残り100mでリッパートがスプリントを開始すると、その背後についていたアルレニス・シエラ（キューバ、モビスター）が追い抜き勝利した。

シエラは今年パン・アメリカ（アメリカ大陸）選手権を制した29歳のクライマー。今年はファンフルーテンの山岳アシストとしてジロ・デ・イタリア・ドンネ、ツール・ド・フランス・ファム、セラティジット・チャレンジbyブエルタに出場し、総合優勝に貢献した。

シエラの勝利についてファンフルーテンは「キューバ出身の彼女が今日の勝利を掴み、とても誇りに思う。彼女に相応しい勝利。明日は雨予報の山頂フィニッシュかつ、私の誕生日！」と自身のSNSで綴っている。

リーダージャージに袖を通したアルレニス・シエラ（キューバ、モビスター） photo:Tour de Romandie Féminin