2022/07/01(金) - 16:44
ロード全日本選手権を走ったバイクを連載形式で紹介。まず第一弾は、強豪勢を抑えて初戴冠を決めた金子宗平(群馬グリフィン)ら、個人タイムトライアル上位入賞者のTTバイクを紹介します。
男子エリート優勝:金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) サーヴェロ P5
優勝候補に挙げられる中、強豪勢を打ち破り全日本TTタイトルを勝ち取ったのが金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) 。「一定に踏めば良いわけではなかったので、ちょっとだけ持っている物理の知識を使って事前シミュレーションを行った」という理論派王者の走りを支えたのは、サーヴェロのP5だった。
「たまたま安く購入できたのも大きかったのですが、(元々チームメイトでU23個人TTを制した)留目(夕陽)が以前から使っていて速いバイクということは分かっていたし、何より各部調整がしやすいことも気に入りました」と金子はバイクチョイスの理由を話す。
「エアロ全振り」というテーマのもと行われたカスタマイズされたの最たる部分は、フロントディレイラーを取り払ってフロントシングル化している点。流行りの「タックポジション」を取れるように肘パッドやハンドル位置をUCIルールギリギリまで詰めているほか、各種パーツ選びにも注意が払われている。
ホイールとハンドルは世界トップ選手も愛用するエアロコーチ。フロントホイールはエアロコーチとプリンストンカーボンワークスのWAKE 6560を用意してタイヤを分けていたが、コースが完全ドライとなったためヴィットリアのCORSA SPEEDをセットしていたプリンストンを選んだという。
長身の海外選手が比較的短いクランクを使っていることに着目して165mmクランク(ローターALDHU)をセット。チェーンリングはStone Design Workshopの60T楕円を使用したが、風が強く登りでペースが落ちることも考え56Tも用意していたという。チェーンはアブソリュートブラックのGraphen Lubeコーティングを施したものを4本準備し、そのうち2本を試走とレース用で使い分け。残る2本は留目に貸したという。
アルマイトのブルーとピンクが目立つSIGEYIのビッグプーリーやディレイラーハンガーを使っているが、その理由は「ピンクとブルーの組み合わせが好きだから」。ロードバイク(ウィアウィスのWAWS-G)のホイールもピンクとブルーのカラースポークで揃えられていた。
女子エリート優勝:樫木祥子(株式会社オーエンス)ニールプライド BAYAMO
2年連続の個人タイムトライアル制覇を遂げた樫木祥子(株式会社オーエンス) のTTバイクはニールプライドのBAYAMO。「本格的にタイムトライアルに取り組み始めたタイミングで購入した」バイクだという。
同じコースで行われた昨年大会は海外帰国での隔離期間と、初めて走る広島のコースを踏まえてノーマルバイクで走ったが、今年は事前練習を重ねたことでTTバイクにチェンジ。比較して1分短縮できたため満足していると話した。
ただしワインディングコースゆえディスクホイールは使わず、前後軽量なディープリムホイールで揃えた。コンポーネントはシマノDI2でデュラエースとアルテグラをミックス。小柄な体格ゆえ可変ステムを使ってハンドル位置を下げるなど努力の跡が見受けられるが、登りが多い広島のコースでは普段よりもハンドル位置を上げたアップライトなポジションにしていたという。
男子エリート2位:小石祐馬(チーム右京) ファクター SLICK
惜しくも勝利には手が届かなかったものの、2位に食い込んだのが小石祐馬(チーム右京)。バイクは双胴ダウンチューブが特徴的なファクターのSLICKだ。
チーム右京はシマノのサポートチームの一つ。コンポーネントはR9170系デュラエースDI2(ノーマルバイクはR9270系を使用)だが、ホイールはフロントがR9200系のC60で、リアのディスクホイールはSHIMANOロゴだけが入った未確認品。フレームセット純正仕様の51Speedshop製ハンドルにはDI2のリモートサテライトシフターを取り付け、ハンドルを握ったままシフトアップ/ダウンができるよう工夫されていた。
男子エリート3位:新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) メリダ TIME WARP TT
タイムトライアルで調子の良さを確かめ、その勢いのままロードレースの全日本チャンピオンに輝いた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。TTではメリダの最新モデル「TIME WARP TT」を駆った。
コンポーネントはR9270系デュラエースDI2だが、全世界的にパワーメータークランクの供給が遅れているためか、クランクのみFC-R9100-Pで、チェーンリング歯数は小石と同じく56-44Tをチョイス。ブレーキレバー横にリモートサテライトシフターを取り付けているのも同様だ。
前後ホイールやハンドル周りは全てヴィジョンのMETRONシリーズで揃えられていたが、肘パッドが通常よりもかなり手前位置に取り付けられていた。
text&photo:So Isobe
男子エリート優勝:金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) サーヴェロ P5
優勝候補に挙げられる中、強豪勢を打ち破り全日本TTタイトルを勝ち取ったのが金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) 。「一定に踏めば良いわけではなかったので、ちょっとだけ持っている物理の知識を使って事前シミュレーションを行った」という理論派王者の走りを支えたのは、サーヴェロのP5だった。
「たまたま安く購入できたのも大きかったのですが、(元々チームメイトでU23個人TTを制した)留目(夕陽)が以前から使っていて速いバイクということは分かっていたし、何より各部調整がしやすいことも気に入りました」と金子はバイクチョイスの理由を話す。
「エアロ全振り」というテーマのもと行われたカスタマイズされたの最たる部分は、フロントディレイラーを取り払ってフロントシングル化している点。流行りの「タックポジション」を取れるように肘パッドやハンドル位置をUCIルールギリギリまで詰めているほか、各種パーツ選びにも注意が払われている。
ホイールとハンドルは世界トップ選手も愛用するエアロコーチ。フロントホイールはエアロコーチとプリンストンカーボンワークスのWAKE 6560を用意してタイヤを分けていたが、コースが完全ドライとなったためヴィットリアのCORSA SPEEDをセットしていたプリンストンを選んだという。
長身の海外選手が比較的短いクランクを使っていることに着目して165mmクランク(ローターALDHU)をセット。チェーンリングはStone Design Workshopの60T楕円を使用したが、風が強く登りでペースが落ちることも考え56Tも用意していたという。チェーンはアブソリュートブラックのGraphen Lubeコーティングを施したものを4本準備し、そのうち2本を試走とレース用で使い分け。残る2本は留目に貸したという。
アルマイトのブルーとピンクが目立つSIGEYIのビッグプーリーやディレイラーハンガーを使っているが、その理由は「ピンクとブルーの組み合わせが好きだから」。ロードバイク(ウィアウィスのWAWS-G)のホイールもピンクとブルーのカラースポークで揃えられていた。
女子エリート優勝:樫木祥子(株式会社オーエンス)ニールプライド BAYAMO
2年連続の個人タイムトライアル制覇を遂げた樫木祥子(株式会社オーエンス) のTTバイクはニールプライドのBAYAMO。「本格的にタイムトライアルに取り組み始めたタイミングで購入した」バイクだという。
同じコースで行われた昨年大会は海外帰国での隔離期間と、初めて走る広島のコースを踏まえてノーマルバイクで走ったが、今年は事前練習を重ねたことでTTバイクにチェンジ。比較して1分短縮できたため満足していると話した。
ただしワインディングコースゆえディスクホイールは使わず、前後軽量なディープリムホイールで揃えた。コンポーネントはシマノDI2でデュラエースとアルテグラをミックス。小柄な体格ゆえ可変ステムを使ってハンドル位置を下げるなど努力の跡が見受けられるが、登りが多い広島のコースでは普段よりもハンドル位置を上げたアップライトなポジションにしていたという。
男子エリート2位:小石祐馬(チーム右京) ファクター SLICK
惜しくも勝利には手が届かなかったものの、2位に食い込んだのが小石祐馬(チーム右京)。バイクは双胴ダウンチューブが特徴的なファクターのSLICKだ。
チーム右京はシマノのサポートチームの一つ。コンポーネントはR9170系デュラエースDI2(ノーマルバイクはR9270系を使用)だが、ホイールはフロントがR9200系のC60で、リアのディスクホイールはSHIMANOロゴだけが入った未確認品。フレームセット純正仕様の51Speedshop製ハンドルにはDI2のリモートサテライトシフターを取り付け、ハンドルを握ったままシフトアップ/ダウンができるよう工夫されていた。
男子エリート3位:新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) メリダ TIME WARP TT
タイムトライアルで調子の良さを確かめ、その勢いのままロードレースの全日本チャンピオンに輝いた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。TTではメリダの最新モデル「TIME WARP TT」を駆った。
コンポーネントはR9270系デュラエースDI2だが、全世界的にパワーメータークランクの供給が遅れているためか、クランクのみFC-R9100-Pで、チェーンリング歯数は小石と同じく56-44Tをチョイス。ブレーキレバー横にリモートサテライトシフターを取り付けているのも同様だ。
前後ホイールやハンドル周りは全てヴィジョンのMETRONシリーズで揃えられていたが、肘パッドが通常よりもかなり手前位置に取り付けられていた。
text&photo:So Isobe
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