2022/05/28(土) - 22:15
ツール・ド・熊野第2ステージは、序盤に先行した集団が最後まで逃げ切り、登りスプリント勝負をレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアーガ(マトリックスパワータグ)が制して優勝。ネイサン・アール(チーム右京)が個人総合首位となった。
ツール・ド・熊野の第2ステージは、三重県熊野市に設定された104.5kmの「熊野山岳コース」。日本の棚田100選にも選ばれた「丸山千枚田」を登る2級山岳、道幅の狭い急坂が続く札立峠の1級山岳、さらに丸山千枚田をもう1回登り、今回から3級山岳となったフィニッシュへの登りと、4つの山岳賞ポイントが設定される。ツール・ド・熊野を象徴するステージであり、勝負を左右するクイーンステージでもある。
第1ステージを終えて、個人総合順位は10秒以内に53名がひしめく僅差。この第2ステージでの結果次第では、大きく順位が入れ替わることが予想された。
悪天候が多いツール・ド・熊野には珍しく、2日目も朝から青空が広がる晴れ。熊野市では30℃に迫る最高気温を記録する暑さとなり、選手からボトルの要求が絶えない1日となった。
パレードスタート直後、リーダージャージの窪木一茂を擁するチームブリヂストンサイクリングのメンバーが集団前方に集まる。リアルスタートが切られると、その中から松田祥位が飛び出していく。この動きに同調して飛び出しが相次ぎ、山本大喜(キナンレーシングチーム)、レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ)らを含む20名の先頭集団が形成される。
メイン集団との差は一気に開き、1回目の千枚田への登り口で2分まで開く。その後もタイム差は開き続け、40km過ぎから始まる札立峠への登り口では3分30秒以上まで開く。ここで審判はメイン集団を先頭の20名とみなし、審判車両などの配置を変更した。その判断の通り、後方の大集団が追いつくことなくレースが進行していく。
1級山岳の札立峠は山本大喜(キナンレーシングチーム)が先頭で通過。先頭集団は12名ほどまで絞られた状態で下りに入っていく。その後方では、ネイサン・アールとベンジャミン・ダイボール(共にチーム右京)が追走。さらにトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、小林海(マトリックスパワータグ)が追走集団を形成して続く。
道幅が狭く長い下りで、アールとダイボールが相次いで先頭に追いつく。さらにルバ、増田、小林の3名も追いつき、2回目の千枚田へ。
千枚田の中腹でアール、山本大喜、ルバ、キンテロ、増田の5名が先行。山本大喜が山岳賞ポイントを2位通過し、山岳賞を確実なものとする。下りに入ると遅れていたダイボールと小林が追いつき、先頭集団は7名となる。
残り10kmを過ぎてアタックが繰り返されるも決定打が出ずに牽制が入る中、後方から横山航太(シマノレーシング)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の3名がフィニッシュ直前に追いつく。勝負は登りスプリントへ。
残り50m、先頭で登ってきたのはキンテロ。2位のアールを引き離してガッツポーズと共にフィニッシュ。チームメイトの小林も後方でガッツポーズを見せて喜んだ。
表彰式でチームメイトやスタッフ、ベネズエラの家族や友人への感謝を語ったキンテロ。来日直後は歯車が噛み合わない時期もあったが、今シーズンは好調のチームメイト・小林の影響も受けて結果に結びつけてきている。安原監督は「札立峠の登りで飛び出したとしても、その後の長い下りがあるから追いつける。最後の千枚田も、下った後が長いから登りであせる必要はないと前夜のミーティングで話した。その狙い通りになった」と満足げに語った。
リーダージャージは、第1ステージに続き2位となったアールが獲得した。例年であれば個人総合順位のタイム差は第2ステージ終了後に大きく開くものだが、今回は上位7名が6秒差以内に並ぶ異例の展開となった。第3ステージは2回の中間スプリントポイントとフィニッシュでトップを獲れば、最大で16秒のボーナスタイムを獲得できるため、十分逆転が可能だ。総合優勝をめぐる争いは最後までヒートアップしそうだ。
ツール・ド・熊野の第2ステージは、三重県熊野市に設定された104.5kmの「熊野山岳コース」。日本の棚田100選にも選ばれた「丸山千枚田」を登る2級山岳、道幅の狭い急坂が続く札立峠の1級山岳、さらに丸山千枚田をもう1回登り、今回から3級山岳となったフィニッシュへの登りと、4つの山岳賞ポイントが設定される。ツール・ド・熊野を象徴するステージであり、勝負を左右するクイーンステージでもある。
第1ステージを終えて、個人総合順位は10秒以内に53名がひしめく僅差。この第2ステージでの結果次第では、大きく順位が入れ替わることが予想された。
悪天候が多いツール・ド・熊野には珍しく、2日目も朝から青空が広がる晴れ。熊野市では30℃に迫る最高気温を記録する暑さとなり、選手からボトルの要求が絶えない1日となった。
パレードスタート直後、リーダージャージの窪木一茂を擁するチームブリヂストンサイクリングのメンバーが集団前方に集まる。リアルスタートが切られると、その中から松田祥位が飛び出していく。この動きに同調して飛び出しが相次ぎ、山本大喜(キナンレーシングチーム)、レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアガ(マトリックスパワータグ)らを含む20名の先頭集団が形成される。
メイン集団との差は一気に開き、1回目の千枚田への登り口で2分まで開く。その後もタイム差は開き続け、40km過ぎから始まる札立峠への登り口では3分30秒以上まで開く。ここで審判はメイン集団を先頭の20名とみなし、審判車両などの配置を変更した。その判断の通り、後方の大集団が追いつくことなくレースが進行していく。
1級山岳の札立峠は山本大喜(キナンレーシングチーム)が先頭で通過。先頭集団は12名ほどまで絞られた状態で下りに入っていく。その後方では、ネイサン・アールとベンジャミン・ダイボール(共にチーム右京)が追走。さらにトマ・ルバ(キナンレーシングチーム)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、小林海(マトリックスパワータグ)が追走集団を形成して続く。
道幅が狭く長い下りで、アールとダイボールが相次いで先頭に追いつく。さらにルバ、増田、小林の3名も追いつき、2回目の千枚田へ。
千枚田の中腹でアール、山本大喜、ルバ、キンテロ、増田の5名が先行。山本大喜が山岳賞ポイントを2位通過し、山岳賞を確実なものとする。下りに入ると遅れていたダイボールと小林が追いつき、先頭集団は7名となる。
残り10kmを過ぎてアタックが繰り返されるも決定打が出ずに牽制が入る中、後方から横山航太(シマノレーシング)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の3名がフィニッシュ直前に追いつく。勝負は登りスプリントへ。
残り50m、先頭で登ってきたのはキンテロ。2位のアールを引き離してガッツポーズと共にフィニッシュ。チームメイトの小林も後方でガッツポーズを見せて喜んだ。
表彰式でチームメイトやスタッフ、ベネズエラの家族や友人への感謝を語ったキンテロ。来日直後は歯車が噛み合わない時期もあったが、今シーズンは好調のチームメイト・小林の影響も受けて結果に結びつけてきている。安原監督は「札立峠の登りで飛び出したとしても、その後の長い下りがあるから追いつける。最後の千枚田も、下った後が長いから登りであせる必要はないと前夜のミーティングで話した。その狙い通りになった」と満足げに語った。
リーダージャージは、第1ステージに続き2位となったアールが獲得した。例年であれば個人総合順位のタイム差は第2ステージ終了後に大きく開くものだが、今回は上位7名が6秒差以内に並ぶ異例の展開となった。第3ステージは2回の中間スプリントポイントとフィニッシュでトップを獲れば、最大で16秒のボーナスタイムを獲得できるため、十分逆転が可能だ。総合優勝をめぐる争いは最後までヒートアップしそうだ。
ツール・ド・熊野2022 第2ステージ・熊野山岳コース 結果(104.5km)
1位 | レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアーガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | 2時間38分50秒 |
2位 | ネイサン・アール(チーム右京、オーストラリア) | +0秒 |
3位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | |
4位 | 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング、日本) | |
5位 | 山本大喜(キナンレーシングチーム、日本) | |
6位 | トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス) | |
7位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | |
8位 | ホセヴィセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ、スペイン) | |
9位 | ベンジャミン・ダイボール(チーム右京、オーストラリア) | +4秒 |
10位 | 横山航太(シマノレーシング、日本) | +9秒 |
個人総合順位(第2ステージ終了時)
1位 | ネイサン・アール(チーム右京、オーストラリア) | 5時間10分1秒 |
2位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) | +5秒 |
3位 | レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアーガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | +6 |
4位 | 山本大喜(キナンレーシングチーム、日本) | |
5位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | |
6位 | トマ・ルバ(キナンレーシングチーム、フランス) |
ポイント賞・山岳賞・チーム順位(第2ステージ終了時)
ポイント賞 | ||
1位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング、日本) | 25p |
2位 | ネイサン・アール(チーム右京、オーストラリア) | 20p |
3位 | 織田 聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) | 16p |
山岳賞 | ||
1位 | 山本大貴(キナンレーシングチーム、日本) | 20p |
2位 | レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アルテアーガ(マトリックスパワータグ、ベネズエラ) | 12p |
3位 | ネイサン・アール(チーム右京、オーストラリア) | 10p |
チーム順位 | ||
1位 | マトリックスパワータグ | 7時間56分34秒 |
2位 | キナンレーシングチーム | +1分10秒 |
3位 | チーム右京 | +1分14秒 |
text&photo:Satoru Kato
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