2022/04/28(木) - 10:06
ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が残り1kmで飛び出したロマンディ第1ステージは、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)がフィニッシュ手前で差し切り勝利。2位に甘んじたデニスがリーダージャージに袖を通している。
前日のプロローグで圧巻の走りを見せたリーダージャージのイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
スイスアルプスを舞台に争われる6日間のステージレース「ツール・ド・ロマンディ(2.UWT)」。前日のプロローグを終え、ロード初日となる第1ステージはヌシャテル湖畔のラ・グランド・ブロッシュからロモンまでの178km。レース後半は3級山岳を含む46.5kmのコースを2周し、ラスト1km手前には最大勾配11%の登坂が待つパンチャー向けのレイアウトだ。
トマ・シャンピオン(フランス、コフィディス)やティム・ナーベルマン(オランダ、チームDSM)など全員が24歳以下の5名が形成した逃げグループは、メイン集団から3分のリードを奪うことに成功。それを3分差前後で追うプロトンは、前日のプロローグを制したイーサン・ヘイター(イギリス)擁するイネオス・グレナディアーズがコントロールした。
序盤から逃げ集団を形成したトマ・シャンピオン(フランス、コフィディス)ら5名 photo:A.S.O.
プロトンは終始イネオス・グレナディアーズが牽引を担当した photo:CorVos
3つの3級山岳をトップ通過し、山岳ジャージを確定させたシャンピオンが最後まで残った逃げ集団は、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)が牽引するプロトンに残り30km地点で吸収。ここから一気にペースが上がり、区間優勝と総合を争う戦いが始まった。
ユンボ・ヴィスマやフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が先頭で牽引し、終盤に向けて速度を上げていった残り14kmで大規模落車が発生。これに後方を走行していたヘイターやヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)などが巻き込まれ、完走を果たしたものの総合争いから脱落する事態に。
この落車とペースアップにより約40名まで人数が減ったプロトンから、残り6kmでフランス王者のレミ・カヴァニャ(クイックステップ・アルファヴィニル)がアタックする。しかし最大勾配11%の登坂を前に引き戻されると、アユソのカウンターアタックに反応したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が飛び出し、独走体制に持ち込んだ。
残り6kmで飛び出したレミ・カヴァニャ(クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
デニスは過去世界選個人TT2連覇の独走力を発揮し、短い登坂や連続するテクニカルコーナーを難なくクリア。そのまま独走勝利かと思われたものの、「残り数百メートルで脚が空っぽになった」というデニスのスピードが一気に落ちてしまう。追走するディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)が猛烈な加速を見せ、その差は一気に縮まっていった。
そして白熱の追走劇の行方は、フィニッシュ手前1mでデニスを差し切ったトゥーンスが先着。7日前にラ・フレーシュ・ワロンヌを制覇をしたトゥーンスが、ロマンディ第1ステージ(2日目)の勝者に輝いた。
ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)に迫るディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ハンドルを投げ、ラスト1kmで勝利を掴んだディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
「タイミングが重要だったレースを、上手く走ることができた。残り200mでもまだ勝てるとは思っていなかったが、残り25m地点でようやく”ローハンを捉えた”と思ったんだ。ラスト1kmを前に完璧な位置取りをしてくれたチームメイトのおかげだよ」と、劇的な逆転勝利を挙げたトゥーンスは語っている。
総合1位ヘイターが脱落したため、総合2位デニスが薄緑色のリーダージャージを獲得。首位を明け渡したイネオス・グレナディアーズは、ゲラント・トーマス(イギリス)が16秒遅れの総合3位に入っている。
劇的な勝利を挙げたディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
勝利は逃したものの、総合首位に立ったローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
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スイスアルプスを舞台に争われる6日間のステージレース「ツール・ド・ロマンディ(2.UWT)」。前日のプロローグを終え、ロード初日となる第1ステージはヌシャテル湖畔のラ・グランド・ブロッシュからロモンまでの178km。レース後半は3級山岳を含む46.5kmのコースを2周し、ラスト1km手前には最大勾配11%の登坂が待つパンチャー向けのレイアウトだ。
トマ・シャンピオン(フランス、コフィディス)やティム・ナーベルマン(オランダ、チームDSM)など全員が24歳以下の5名が形成した逃げグループは、メイン集団から3分のリードを奪うことに成功。それを3分差前後で追うプロトンは、前日のプロローグを制したイーサン・ヘイター(イギリス)擁するイネオス・グレナディアーズがコントロールした。
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3つの3級山岳をトップ通過し、山岳ジャージを確定させたシャンピオンが最後まで残った逃げ集団は、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)が牽引するプロトンに残り30km地点で吸収。ここから一気にペースが上がり、区間優勝と総合を争う戦いが始まった。
ユンボ・ヴィスマやフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が先頭で牽引し、終盤に向けて速度を上げていった残り14kmで大規模落車が発生。これに後方を走行していたヘイターやヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)などが巻き込まれ、完走を果たしたものの総合争いから脱落する事態に。
この落車とペースアップにより約40名まで人数が減ったプロトンから、残り6kmでフランス王者のレミ・カヴァニャ(クイックステップ・アルファヴィニル)がアタックする。しかし最大勾配11%の登坂を前に引き戻されると、アユソのカウンターアタックに反応したローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ)が飛び出し、独走体制に持ち込んだ。
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デニスは過去世界選個人TT2連覇の独走力を発揮し、短い登坂や連続するテクニカルコーナーを難なくクリア。そのまま独走勝利かと思われたものの、「残り数百メートルで脚が空っぽになった」というデニスのスピードが一気に落ちてしまう。追走するディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)が猛烈な加速を見せ、その差は一気に縮まっていった。
そして白熱の追走劇の行方は、フィニッシュ手前1mでデニスを差し切ったトゥーンスが先着。7日前にラ・フレーシュ・ワロンヌを制覇をしたトゥーンスが、ロマンディ第1ステージ(2日目)の勝者に輝いた。
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総合1位ヘイターが脱落したため、総合2位デニスが薄緑色のリーダージャージを獲得。首位を明け渡したイネオス・グレナディアーズは、ゲラント・トーマス(イギリス)が16秒遅れの総合3位に入っている。
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ツール・ド・ロマンディ2022第1ステージ結果
1位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | 4:23:58 |
2位 | ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | 0:02 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | クイントン・ヘルマンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
6位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | 0:04 |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ステフ・クラス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) |
個人総合成績
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) | 4:29:48 |
2位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:16 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:18 |
5位 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:20 |
6位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | 0:22 |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:23 |
10位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ローハン・デニス(オーストラリア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | トマ・シャンピオン(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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