2021/08/10(火) - 09:18
7日間に戻ったツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が開幕。別府史之(EFエデュケーション・NIPPO)が参戦するステージレースの初日、登坂スプリントでフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が勝利した。
8月9日(月)から15日(日)までの一週間、ポーランド南部を舞台にしたツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が開幕した。
ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の落車事故に騒然とした昨年はコロナ禍で5日間日程だったものの、第78回目を迎えた2021年大会は正規の7日間へと復活。ブエルタ・ア・エスパーニャと会期が2日間重なるためマイヨロホを狙うオールラウンダーたちの出場はないものの、ポローニュの丘陵レイアウトで強みを見せるパンチャーや「登れるスプリンター」たちが多数集結した。
合計1142kmを走る7日間の内訳は、パンチャー向けステージが4、スプリンター向けステージが2、そして19kmの個人タイムトライアルが1。タイム差がつきにくいコース設定であり、かつ中間スプリントやフィニッシュにボーナスタイムが設けられているため、総合成績は数秒を争う激しい戦いになるはずだ。なお、前述の落車を大きなものにした下りスプリントフィニッシュは廃止され、衝突してもダメージの少ないコースバリアの設置など、安全面においても配慮がなされている。
今年はUAEチームエミレーツと5年契約を結んだジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)やマテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、年初に心筋炎の手術を経て以降変わらず第一線で活躍しているディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ポーランドの期待を背負うミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)といった面々が集結。7月末のツール・ド・ワロニーで久々のレース復帰した別府史之(EFエデュケーション・NIPPO)も参戦中だ。
ルブリンを出発し、ウクライナ国境に近い街ヘウムまでの216.4kmで争われた第1ステージで逃げたのはエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)、ショーン・ベネット(アメリカ、クベカ・ネクストハッシュ)、そしてミハウ・パルタ(ポーランドナショナルチーム)の3名。合計3箇所設定されたスプリントポイントのうち、2箇所で先着したフェドロフはボーナスタイムを稼ぎ、この日最終的に総合3位までジャンプアップに成功している。
UAEチームエミレーツやドゥクーニンク・クイックステップなど有力チームがメイン集団のペースを上げ、45kmを切って逃げグループは吸収される。ここから一箇所残されたスプリントポイントに向けて、各チームの激しい位置取り合戦が始まった。
ロット・スーダルを押しのけてイネオス・グレナディアーズがリードアウトトレインを組み、クフィアトコフスキは対抗したモホリッチを下して狙い通りボーナスタイムを獲得。このカウンターでヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たちが飛び出したものの、ゴールスプリントを狙うメイン集団に残り14km地点で引き戻された。
アップダウンコースで次々と掛かるアタックは潰され、ドゥクーニンク・クイックステップ主導の高速トレインが先行する。タイトコーナーが連続する市街地コースを駆け抜け、最後に控える石畳登坂へ。ペースダウンを強いられる上り勾配の残り300m地点から、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が発進した。
「最終盤はハードで、数人が早めに仕掛けていたのでその流れに乗った。最後まで逃げ切れると信じた」と言うホッジは大きなリードを稼いだものの、唯一フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が追い上げて並び、二人がハンドルを投げ込んでフィニッシュ。体力を搾り尽くすような登坂スプリントで勝利したのはバウハウスだった。
「(フェルナンド)ガビリアの背後につけていたけれど、彼がクイックステップの隊列と距離を空けていたので不安になり、自らその差を詰める必要があった。僅かな上り勾配だったので最後の150mに向けて脚を貯め、そこからもう一段階加速した。ホッジを捕まえなければならなかったけれど、やり遂げたよ」と話すバウハウス。今季6勝目を挙げた27歳はボーナスタイム10秒を得て総合リーダージャージにも袖を通している。
8月9日(月)から15日(日)までの一週間、ポーランド南部を舞台にしたツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が開幕した。
ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の落車事故に騒然とした昨年はコロナ禍で5日間日程だったものの、第78回目を迎えた2021年大会は正規の7日間へと復活。ブエルタ・ア・エスパーニャと会期が2日間重なるためマイヨロホを狙うオールラウンダーたちの出場はないものの、ポローニュの丘陵レイアウトで強みを見せるパンチャーや「登れるスプリンター」たちが多数集結した。
合計1142kmを走る7日間の内訳は、パンチャー向けステージが4、スプリンター向けステージが2、そして19kmの個人タイムトライアルが1。タイム差がつきにくいコース設定であり、かつ中間スプリントやフィニッシュにボーナスタイムが設けられているため、総合成績は数秒を争う激しい戦いになるはずだ。なお、前述の落車を大きなものにした下りスプリントフィニッシュは廃止され、衝突してもダメージの少ないコースバリアの設置など、安全面においても配慮がなされている。
今年はUAEチームエミレーツと5年契約を結んだジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)やマテイ・モホリッチ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、年初に心筋炎の手術を経て以降変わらず第一線で活躍しているディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ポーランドの期待を背負うミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)といった面々が集結。7月末のツール・ド・ワロニーで久々のレース復帰した別府史之(EFエデュケーション・NIPPO)も参戦中だ。
ルブリンを出発し、ウクライナ国境に近い街ヘウムまでの216.4kmで争われた第1ステージで逃げたのはエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)、ショーン・ベネット(アメリカ、クベカ・ネクストハッシュ)、そしてミハウ・パルタ(ポーランドナショナルチーム)の3名。合計3箇所設定されたスプリントポイントのうち、2箇所で先着したフェドロフはボーナスタイムを稼ぎ、この日最終的に総合3位までジャンプアップに成功している。
UAEチームエミレーツやドゥクーニンク・クイックステップなど有力チームがメイン集団のペースを上げ、45kmを切って逃げグループは吸収される。ここから一箇所残されたスプリントポイントに向けて、各チームの激しい位置取り合戦が始まった。
ロット・スーダルを押しのけてイネオス・グレナディアーズがリードアウトトレインを組み、クフィアトコフスキは対抗したモホリッチを下して狙い通りボーナスタイムを獲得。このカウンターでヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たちが飛び出したものの、ゴールスプリントを狙うメイン集団に残り14km地点で引き戻された。
アップダウンコースで次々と掛かるアタックは潰され、ドゥクーニンク・クイックステップ主導の高速トレインが先行する。タイトコーナーが連続する市街地コースを駆け抜け、最後に控える石畳登坂へ。ペースダウンを強いられる上り勾配の残り300m地点から、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が発進した。
「最終盤はハードで、数人が早めに仕掛けていたのでその流れに乗った。最後まで逃げ切れると信じた」と言うホッジは大きなリードを稼いだものの、唯一フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が追い上げて並び、二人がハンドルを投げ込んでフィニッシュ。体力を搾り尽くすような登坂スプリントで勝利したのはバウハウスだった。
「(フェルナンド)ガビリアの背後につけていたけれど、彼がクイックステップの隊列と距離を空けていたので不安になり、自らその差を詰める必要があった。僅かな上り勾配だったので最後の150mに向けて脚を貯め、そこからもう一段階加速した。ホッジを捕まえなければならなかったけれど、やり遂げたよ」と話すバウハウス。今季6勝目を挙げた27歳はボーナスタイム10秒を得て総合リーダージャージにも袖を通している。
ツール・ド・ポローニュ2021 第1ステージ結果
1位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 5:01:24 |
2位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
4位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
5位 | ダヴィド・デッケル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
6位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ) | |
7位 | ジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
8位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
9位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
104位 | 別府史之(EFエデュケーション・NIPPO) | 0:44 |
個人総合成績
1位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 5:01:14 |
2位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04 |
3位 | エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック) | |
4位 | ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:06 |
5位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | 0:07 |
6位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:08 |
7位 | エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード) | 0:09 |
8位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:10 |
9位 | ダヴィド・デッケル(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
10位 | ディオン・スミス(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) |
山岳賞 | ミハウ・パルタ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
Text:So.Isobe
Photo:CorVos
Photo:CorVos
Amazon.co.jp