ツールを走ったサンウェブのバイクたち　サーヴェロ S5、R5、P5

ステージ3勝、マルク・ヒルシ（スイス）の総合敢闘賞を獲得など、ツールで大成功したサンウェブのバイクをピックアップ。S5、R5、そしてP5。サーヴェロの3モデルをピックアップする。

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サンウェブの主力機であるS5 photo:Makoto AYANO
初出場のツール・ド・フランスで一躍注目を集めたマルク・ヒルシ（スイス）が区間1勝と総合敢闘賞、セーアン・クラーウアナスン（デンマーク）が区間2勝と大成功の21日間を過ごしたサンウェブ。このツールでは二股ステムが特徴的なサーヴェロのS5をメインに、山岳ステージでは軽量オールラウンダーのR5を乗り分けた。

ディスクブレーキオンリーのS5に対して、山岳ステージで使われるR5はディスクブレーキとリムブレーキの2タイプが使われていた。例にとるとクラーウアナスンやティシュ・ベノート（ベルギー）はリムブレーキで、何度も逃げて湧かせたニコラス・ロッシュ（アイルランド）はディスクブレーキのR5を選んでいた。リムブレーキは昨シーズンカラー、ディスクブレーキは今シーズンカラーと見た目のデザインでも違いを判別することができる。

ニコラス・ロッシュ（アイルランド）はディスクブレーキのR5を使用した photo:Makoto AYANO
クラーウアナスンとベノートはリムブレーキのR5を使用した photo:Makoto AYANOシマノの次世代DURA-ACEホイールと目される製品を多数投入 photo:Makoto AYANO

スタートを待つP5。プロトタイプと思しきディスクホイールにも注目 photo:Makoto AYANO
数あるシマノグローバルサポートの中でも、サンウェブはシマノのコンポーネントやホイール、シューズ、プロのハンドル周り（R5）やサドル、バーテープ、レイザーのヘルメットなどシマノグループの製品を多く使用するチーム。R9170/R9150系DURA-ACE DI2を全選手が使うほか、このツールではプロトタイプと思われるカーボンホイールを投入したことでも話題を呼んだ。

ほとんどの選手が新型のDURA-ACEホイールと目されるノーロゴのディスクブレーキ用ホイールを使用したほか、もちろん現行モデルのC40とC60も併用。ただし新型ホイールに押されてかC60の使用率はかなり下がっていたようだ。なお、ヒルシはS5+プロトホイール前後、クラーウアナスンはリムブレーキのR5+前C40/後C60という組み合わせでステージを獲った。また、TTバイクのP5には同じくプロトタイプと思われるディスクホイールが装着されていたことも話題。シマノホイールラインナップ刷新に向けた準備が進んでいると思われる。

COMPETITON TTロゴ入りの新型チューブラータイヤ photo:Makoto AYANO
バーテープはプロ。クラーウアナスンは市販品に存在しない角度のVibeステムを使用する photo:Makoto AYANOCOMPETITON TTは新しいセンタースリックパターンを採用 photo:Makoto AYANO

サドルもプロで統一。Stealthシリーズ各モデルを使う photo:Makoto AYANO
タイヤはコンチネンタルのCOMPETITONで、プロ供給専用品のPRO LTDを使う。注目はニコラス・ロッシュ（アイルランド）が使っていたCOMPETITON TTなる製品。コンチネンタルはTT用のGRAND PRIX TTをラインナップしているが、このCOMPETITON TTはCOMPETITON PRO LTDのセンタースリックバージョンといった製品のようだ。

text:So Isobe
photo:Makoto AYANO