2020/07/26(日) - 10:44
東日本ロードクラシック群馬大会Day-3のJプロツアーは132kmのレースが行われ、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ )との一騎討ちを制して優勝。3日間の総合順位でも首位となり、リーダージャージも獲得した。
群馬サイクルスポーツセンターで3日間に渡り開催された東日本ロードクラシック群馬大会。Jプロツアー第3戦となる最終日は、6kmコースを22周する132kmのレース。3日間の中では最長距離となるレースだ。
青空には恵まれないながらも、前日まではそれほど雨が強くならずに済んでいたJプロツアーのレースだが、この日はレース後半にかけて強めの雨が降る中でのレースとなった。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、逃げが容認されない時間が続く。3周目完了時に設定された中間スプリントポイントを横塚浩平(チーム右京)、6周目完了時にはレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)が獲得するも、長く続く逃げにはつながらない。
7周目、心臓破りへの登りで11名が先行する。メンバーは、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、増田成幸、鈴木譲、西村大輝(以上宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬、武山晃輔(以上チーム右京)、石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、西村基(レバンテフジ静岡)、大前翔(愛三工業レーシングチーム)、小出樹(JCF強化指定選抜チーム)。
メイン集団は、先頭集団にメンバーを送り込めなかったさいたまディレーブが中心となってコントロール。しかし先頭集団との差は開き続け、レース中盤には4分20秒まで開く。U23のリーダージャージを着る織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と、佐野千尋(イナーメ信濃山形)の2人が追走集団を形成するが、先頭集団に追いつくほどの勢いはない。
レースが終盤に差しかかると、マトリックスパワータグが中心となってメイン集団をペースアップ。さらにトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)が、集団の人数を半数以下にするほどの強力な牽引を見せ、先頭集団との差を一気に25秒まで縮める。しかし先頭集団でも増田や西村らがペースアップし、それ以上差を縮めさせない。残り3周となる20周目に入ると再び差が開きはじめ、勝負は先頭集団に絞られた。
雨が強さを増した最終周回、最後の心臓破りの登り口から小石がアタックするも決まらず。登りきったところでペースが緩んだところで増田がアタック。トリビオが追従し、2人が先行して残り1kmのバックストレートを迎える。「このまま勝負しても負けるから最後は心を鬼にしてツキイチに徹した」という増田が、トリビオとのマッチスプリントを制して優勝。フィニッシュラインを越えた瞬間、雄叫びをあげた。
宇都宮ブリッツェンは前日に続き2連勝。増田は3日間の総合でも首位となり、リーダージャージも獲得したが表情はどこか曇る。「今日は(鈴木)譲に勝たせたかったので、逃げに譲が乗ってきた瞬間にGoでした。僕が勝ってチームとしては良かったけれど、複雑な心境です」と話す増田。
「昨日3位までを独占するような勝ち方をして、それで今日は3人も先頭集団に乗ったから他のチームから警戒されていました。3日間の疲労もあって最初の1、2周は足が回らなかったけれど、それを越えたら動くようになりました。終盤に西村が先頭を引いて僕が代ろうとしたら「増田さんは温存していてください」と言ってくれたのですが、それでも最後に小石(祐馬)選手がアタックしていった時は足がなくて後ろでヒラヒラついていくだけでした。でも登りきったところで横に広がって牽制していたので、ここで行くしかないと本能的に飛び出しました。それで僕1人で行って後ろに追わせて、最後は譲に勝ってもらうと考えていましたが、ホセ(・ビセンテ・トリビオ)がついて来たのでこれは自分がもがくしかないなと思って勝負しました。
譲を表彰台に乗せられなかったけれど、昨日同様にチーム一丸でいいレースをして最高の形を見せられたし、今までにない結束力で闘えていると思います。僕たちにとっては次の宇都宮ラウンド(宇都宮ロードレース、宇都宮クリテリウム)が本番なので、この勢いを維持したいです。」
久々に感情を露わにしたフィニッシュについて問うと、「(3位までを独占できた)昨日の方が絶叫してましたね。コロナとかオリンピック代表選考の仲裁とかチームのこととか色々な想いを発散させたレースでした。久しぶりにレース会場に来て、この場所に戻って来られて良かったと思います。今は無観客ですけれど、またお客さんを呼べるようになって欲しいと期待しています」と、語った。
群馬サイクルスポーツセンターで3日間に渡り開催された東日本ロードクラシック群馬大会。Jプロツアー第3戦となる最終日は、6kmコースを22周する132kmのレース。3日間の中では最長距離となるレースだ。
青空には恵まれないながらも、前日まではそれほど雨が強くならずに済んでいたJプロツアーのレースだが、この日はレース後半にかけて強めの雨が降る中でのレースとなった。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、逃げが容認されない時間が続く。3周目完了時に設定された中間スプリントポイントを横塚浩平(チーム右京)、6周目完了時にはレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)が獲得するも、長く続く逃げにはつながらない。
7周目、心臓破りへの登りで11名が先行する。メンバーは、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、増田成幸、鈴木譲、西村大輝(以上宇都宮ブリッツェン)、小石祐馬、武山晃輔(以上チーム右京)、石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、西村基(レバンテフジ静岡)、大前翔(愛三工業レーシングチーム)、小出樹(JCF強化指定選抜チーム)。
メイン集団は、先頭集団にメンバーを送り込めなかったさいたまディレーブが中心となってコントロール。しかし先頭集団との差は開き続け、レース中盤には4分20秒まで開く。U23のリーダージャージを着る織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と、佐野千尋(イナーメ信濃山形)の2人が追走集団を形成するが、先頭集団に追いつくほどの勢いはない。
レースが終盤に差しかかると、マトリックスパワータグが中心となってメイン集団をペースアップ。さらにトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)が、集団の人数を半数以下にするほどの強力な牽引を見せ、先頭集団との差を一気に25秒まで縮める。しかし先頭集団でも増田や西村らがペースアップし、それ以上差を縮めさせない。残り3周となる20周目に入ると再び差が開きはじめ、勝負は先頭集団に絞られた。
雨が強さを増した最終周回、最後の心臓破りの登り口から小石がアタックするも決まらず。登りきったところでペースが緩んだところで増田がアタック。トリビオが追従し、2人が先行して残り1kmのバックストレートを迎える。「このまま勝負しても負けるから最後は心を鬼にしてツキイチに徹した」という増田が、トリビオとのマッチスプリントを制して優勝。フィニッシュラインを越えた瞬間、雄叫びをあげた。
宇都宮ブリッツェンは前日に続き2連勝。増田は3日間の総合でも首位となり、リーダージャージも獲得したが表情はどこか曇る。「今日は(鈴木)譲に勝たせたかったので、逃げに譲が乗ってきた瞬間にGoでした。僕が勝ってチームとしては良かったけれど、複雑な心境です」と話す増田。
「昨日3位までを独占するような勝ち方をして、それで今日は3人も先頭集団に乗ったから他のチームから警戒されていました。3日間の疲労もあって最初の1、2周は足が回らなかったけれど、それを越えたら動くようになりました。終盤に西村が先頭を引いて僕が代ろうとしたら「増田さんは温存していてください」と言ってくれたのですが、それでも最後に小石(祐馬)選手がアタックしていった時は足がなくて後ろでヒラヒラついていくだけでした。でも登りきったところで横に広がって牽制していたので、ここで行くしかないと本能的に飛び出しました。それで僕1人で行って後ろに追わせて、最後は譲に勝ってもらうと考えていましたが、ホセ(・ビセンテ・トリビオ)がついて来たのでこれは自分がもがくしかないなと思って勝負しました。
譲を表彰台に乗せられなかったけれど、昨日同様にチーム一丸でいいレースをして最高の形を見せられたし、今までにない結束力で闘えていると思います。僕たちにとっては次の宇都宮ラウンド(宇都宮ロードレース、宇都宮クリテリウム)が本番なので、この勢いを維持したいです。」
久々に感情を露わにしたフィニッシュについて問うと、「(3位までを独占できた)昨日の方が絶叫してましたね。コロナとかオリンピック代表選考の仲裁とかチームのこととか色々な想いを発散させたレースでした。久しぶりにレース会場に来て、この場所に戻って来られて良かったと思います。今は無観客ですけれど、またお客さんを呼べるようになって欲しいと期待しています」と、語った。
Jプロツアー第3戦 東日本ロードクラシックDay-3 結果(132km)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 3時間17分47秒 |
2位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ ) | +0秒 |
3位 | 大前 翔(愛三工業レーシングチーム) | +7秒 |
4位 | 石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム) | |
5位 | 小出 樹(JCF強化指定選抜チーム) | |
6位 | 小石祐馬(チーム右京) |
敢闘賞 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
中間スプリントポイント
3周回完了時 横塚浩平(TeamUKYO)
6周回完了時 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ )
9周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
12周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
女子 唐見実世子が樫木祥子を下して優勝
女子は前日と同じ12周72km。序盤から唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がペースアップし、レース後半を前に4名まで絞られる。メンバーは、唐見、樫木祥子(株式会社オーエンス)、植竹海貴(Y's Road)、伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)。伊藤、植竹が遅れ、残り2周からは唐見と樫木のマッチレースに。最後は唐見が僅差で樫木を下して優勝した。
◆唐見実世子コメント
「霧で周回数が短くなるかもしれないと言われていたので、ゆっくり行ったら大変なことになる気がしていたので、早め早めに行きました。植竹、伊藤、樫木、私の4人で回せて良いペースで序盤から行けました。コースの特性もあるけれど登りが得意な選手が有利になって最後は樫木と2人になり、2人ともスプリンターではないので最後は駆け引きでうまく勝負しました。
昨日の初戦は良いイメージが持てなくて、なんとか完走しなければと思っていたら難しいレースにしてしまったので、2日目は優勝することまでは考えていなかったけれど、思い切って出来ればいいかなと思って走ったらうまく行きました。次の宇都宮はもっと自信をもって走れるようにしたいです」
中間スプリントポイント
3周回完了時 横塚浩平(TeamUKYO)
6周回完了時 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ )
9周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
12周回完了時 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
女子 唐見実世子が樫木祥子を下して優勝
女子は前日と同じ12周72km。序盤から唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がペースアップし、レース後半を前に4名まで絞られる。メンバーは、唐見、樫木祥子(株式会社オーエンス)、植竹海貴(Y's Road)、伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)。伊藤、植竹が遅れ、残り2周からは唐見と樫木のマッチレースに。最後は唐見が僅差で樫木を下して優勝した。
◆唐見実世子コメント
「霧で周回数が短くなるかもしれないと言われていたので、ゆっくり行ったら大変なことになる気がしていたので、早め早めに行きました。植竹、伊藤、樫木、私の4人で回せて良いペースで序盤から行けました。コースの特性もあるけれど登りが得意な選手が有利になって最後は樫木と2人になり、2人ともスプリンターではないので最後は駆け引きでうまく勝負しました。
昨日の初戦は良いイメージが持てなくて、なんとか完走しなければと思っていたら難しいレースにしてしまったので、2日目は優勝することまでは考えていなかったけれど、思い切って出来ればいいかなと思って走ったらうまく行きました。次の宇都宮はもっと自信をもって走れるようにしたいです」
F(女子) 結果(72km)
1位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 2時間5分43秒 |
2位 | 樫木祥子(株式会社オーエンス) | +0秒 |
3位 | 植竹海貴(Y's Road) | +1分37秒 |
E1 結果(90km)
1位 | 小林 亮(ALL OUT reric) | 2時間15分2秒 |
2位 | 東 優仁(VC福岡(エリート)) | +0秒 |
3位 | 松木健治(VC VELOCE) | |
4位 | 天野壮悠(VC VELOCE) | |
5位 | 小野寺望(VENTOS ACT2) | |
6位 | 小嶋渓円(MiNERVA-asahi) |
E2・E3 結果
E2(60km) | E3(48km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 鳥倉必勝(SBC Vertex Racing Team) | 1時間49分54秒 | 松本一成(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | 1時間14分33秒 |
2位 | 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | +0秒 | 伊藤大地(群馬グリフィンエリート) | +0秒 |
3位 | 五十嵐洸太(Yamanakako Cycling club) | 高梨万理王(TEAM YOU CAN) | ||
4位 | 本多晴飛(ALL OUT reric) | 中村太郎(ALDINA) | ||
5位 | 本田竜介(F(t)麒麟山Racing) | 細川健太(TEAM YOU CAN) | ||
6位 | 中野 圭(イナーメ信濃山形-EFT) | 増子悠樹(矢板アローズCycling Team) |
text&photo:Satoru Kato
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