シマノのツーリング向けSPDペダル「PD-ES600」をテスト。歩きやすいSPDシューズと組み合わせて、ライドの途中でカフェに寄ったり公園内を歩いたりするシチュエーションにマッチする、ロードサイクリングに最適なペダルだ。



シマノ PD-ES600シマノ PD-ES600 photo:Yuto Murata
MTBやシクロクロスなどのオフロードライディングから街乗りサイクリング&ツーリングまで、幅広い用途をカバーしているシマノのSPDシステム。ロードレーシング向けのSPD-SLと比べるとコンパクトなクリートを採用することで、ペダリングの効率を高めるビンディングの恩恵を受けつつ、バイクを降りた際の歩きやすさを確保した設計が特徴的だ。

CW編集部員もサイクリングイベントの実走取材などでは、撮影時の歩きやすさを優先してSPDペダルを選択することがほとんど。オフロードライドとも併用できるようMTBモデルのSPDペダルを普段から使っているが、オンロード専用、特にロードバイクに合わせるならコレを選ばない手はないというモデルが「PD-ES600」だ。

SPD-SLペダルにも似たボディ形状でロードバイクとマッチするルックスにSPD-SLペダルにも似たボディ形状でロードバイクとマッチするルックスに
クリートの固定力はアーレンキーで調整できるクリートの固定力はアーレンキーで調整できる SPD-SLペダルと同じ片側キャッチのデザインが軽量化にも繋がっているSPD-SLペダルと同じ片側キャッチのデザインが軽量化にも繋がっている

サイクリング向けのSPDペダルと言うと、片面がフラットペダルとしても機能する形状のものが多い中、今作はSPD-SLペダルのフォルムに近いボディデザインを採用。レーシーなロードバイクとも見た目の親和性は高く、装着した時のミスマッチ感は全くなかった。

片側キャッチのデザインもSPD-SLペダルと同じで、キャッチ面が重さで下側を向くため、つま先でペダルを回転させてクリートを嵌め込む動作は、普段SPD-SLを使っている身からすると非常に親しみやすいものだった。金属クリートがガチッと嵌るSPD特有の確実なキャッチ感も心地良い。固定力の強さはアーレンキーで調整できるため、弱めにしておけばビンディング初心者でも安心だろう。

シューズのつま先でキャッチ面を起こしてクリートをステップインシューズのつま先でキャッチ面を起こしてクリートをステップイン
効率的なペダリングができるビンディングペダルとしても十分に活躍する効率的なペダリングができるビンディングペダルとしても十分に活躍する
使ってみて実感するのがPD-ES600の大きな特徴でもある軽量性。XTRペダルよりも軽量な282g(編集部実測)という重量で、筆者が普段使用しているMTBペダルのエントリーモデルPD-M520と比べても片側で50g近く軽くなり、足を回した時のフィーリングもかなり軽快になった。特に長い時間ライドを楽しむ人にとってはこの軽量性は疲労の軽減などに大きく貢献するはずだ。

そしてなんと言っても歩きやすさがSPDペダルを選ぶ最大の理由になるだろう。ライドの途中で公園に寄って休憩していたのだが、今回使用したシマノのオフロードシューズ"XC7"はグリップ力の高いトレッドデザインのため、アスファルトやタイル、階段、砂利道、芝生など、どんな路面でも滑ることない安心感があった。クリートの大きなSPD-SLは不安定でスリップもしやすく、歩行によるクリートの摩耗も気になるため、その辺りの心配がいらないのはSPDの大きなメリットだ。

SPDペダルはサイクリング+カフェや散策といった使い方に便利SPDペダルはサイクリング+カフェや散策といった使い方に便利
階段などでも滑らず歩きやすいのはSPDシューズの良いところ階段などでも滑らず歩きやすいのはSPDシューズの良いところ オフロードはもちろん街中でも安心のグリップ力を発揮するシマノのMTBシューズ「XC7」オフロードはもちろん街中でも安心のグリップ力を発揮するシマノのMTBシューズ「XC7」

今回使用したXC7はクロスカントリーレース用のシューズということもあり、ソール剛性が高め。もっとソールが柔らかいサイクリング向けのシューズであれば、観光地を歩いて回るようなライドでは更に疲れにくいに違いない。スニーカーライクなSPDシューズも多数展開されており、普段着と合わせても違和感のない見た目になるのは嬉しい点だ。"ロードバイクにはSPD-SL"というイメージを変えてくれる画期的な「PD-ES600」、ぜひチェックしてみてほしい。



シマノ PD-ES600
クリートタイプ:シマノSPD
付属クリート:SM-SH51
カラー:ダークグレー
実測重量:282g
価格:9,178円(税抜)

impression&photo:Yuto Murata
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