3TのエアログラベルロードバイクEXPLOROで日本各地のグラベルを走る”3T XPDTN JAPAN CLUB RIDE”。凍った雪が路面に残る群馬・榛名湖畔の林道を、ゆったりとした雰囲気で楽しんだライドレポートをお届け。



榛名湖に映る逆さ榛名富士をバックに。榛名湖に映る逆さ榛名富士をバックに。 photo:Hayato.Higuchi
冬場は距離や獲得標高などに囚われず、早朝でなくとも気温が高くなってから走りはじめて峠でお茶を飲んで陽が高い暖かいうちに下山する。そんな、ゆっくりとワイワイしながらのグラベルライドを今回は企画。“ハルヒル”の舞台としてヒルクライマーに人気の榛名山・榛名湖の周りにある林道をルートにした3T XPDTN JAPAN CLUB RIDE HARUNAを4名の方に楽しんでいただいた。

群馬県榛名湖。標高約1000m付近にある火山によって形成されたカルデラ湖は周囲を“小高い山”に囲まれ、榛名山にはロープウェーもある観光名所だ。今回のクラブライドは、榛名湖の畔から入る杖ノ神峠林道。周辺のハイキングコースへのアプローチとして利用される距離も短めな林道だ。前情報では、浅間山の眺めも良いらしいポイントがあるらしい。期待をしながら、スタートした。

フラットのダブルトラックで先ずはウォームアップフラットのダブルトラックで先ずはウォームアップ photo:Hayato.Higuchi
今回は群馬県前橋市のサイクルハウスWISHのお客様を中心に4名の参加者で冬のグラベルライドだ。グラベルビギナーという事で、おもてなしのドリンクには香りが良いピーチマンゴーティーをサーモボトルに入れておいた。

スタート後はしばらく標高差の無い地道を進む。火山特有の土質は砂状で、バイクコントロールが難しく、平地とはいえ前に進むのに苦労する。さくさくで、ふわふわな路面は可笑しいくらいに進まない。ウォームアップ的なショートグラベルを過ぎ、湖へと続く気持ちの良いストレートの舗装を下る。標高1000mの高さで、このストレート。しかも周囲に山というロケーションは榛名ならではの見事な景色だ。

榛名湖に伸びるストレート。見事な直線で爽快に走れる。榛名湖に伸びるストレート。見事な直線で爽快に走れる。 photo:Hayato.Higuchi
前橋市内からは約25km程。自走でのアプローチも可能なフィールドの榛名山と榛名湖は普段はロードバイクで登ってくる慣れた場所。しかし、グラベルバイクで走る事で、普段見慣れた景色からまた違った景色が見えてくるところが面白い。

3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEの参加者の方は、概ね地元の方とはいえ、ライド中に漏れてくる感想では「こんなところがあったんだ」というのが多い。知らない場所に行くエクスペディション(探検)ライド。それが3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEの面白さ。

沿道の熊笹も林道の雰囲気を醸し出している。沿道の熊笹も林道の雰囲気を醸し出している。 photo:Hayato.Higuchi
榛名湖畔を少し走り林道に入る。葉がすっかり落ちた木々の間から見える湖を見ながら標高を上げていく。道の所々に雪が見えてきて、冬の林道らしさが出てきた。この先にあるだろうグラベルや路上の雪への期待に心が躍る。

林道の入口から700mほど舗装の登り下りを走ると、グラベル区間に突入。踏み固められた土基調のグラベルは走りやすい。時々現れる溶けかけた雪の上を少し滑りながらも登るのは難しさもあって、ドキドキワクワクな楽しさがある。土の上も良いが、せっかくなので雪の上を走っておくというのがこういった路面でのお約束だ。

待ちに待ったグラベル区間に入ると、登りの足取りも軽くなってくる。待ちに待ったグラベル区間に入ると、登りの足取りも軽くなってくる。 photo:Hayato.Higuchi
木陰や斜面によっては、雪が残るところも。わざわざ雪の上を走るのも面白い。木陰や斜面によっては、雪が残るところも。わざわざ雪の上を走るのも面白い。 photo:Hayato.Higuchi
自家用車での往来も多いこの林道はガレ場も無く、グラベルビギナーにもおすすめできる路面状況。部分舗装とグラベル区間を繰り返しながら登っていくと、周辺の山並みが見えるビューポイントに到着した。

群馬県の山らしい、荒々しい山並みがダイナミックだ。私は関西から自動車で群馬県に入ったが、道中でも高速道路からも垣間見える妙義山をはじめとした群馬県内の山の景色が壮大で、群馬県を訪れるのがいつも楽しみでいる。まるで、昔話のアニメーションでお爺さんお婆さんが駆け足で登り下りをする情景が思い起こされるような形で面白い。

ビューポイントからは群馬の荒々しい山並みが眺める事ができる。ビューポイントからは群馬の荒々しい山並みが眺める事ができる。 photo:Hayato.Higuchi
雪の残る峠のピークに到着。雪の残る峠のピークに到着。 photo:Hayato.Higuchi
錆びついた杖ノ神峠の標識。朽ち果て感が林道らしい。錆びついた杖ノ神峠の標識。朽ち果て感が林道らしい。 photo:Hayato.Higuchi
冬場は葉っぱが落ちて見通しが良く、夏場は深い緑が広がるであろう頂上付近からの景色。時折鳥のさえずりが聞こえるだけの静かな空間だ。頂上はまだ雪が残り、凍っている箇所も多い。滑るところは無理せず自転車から降りたりしながら杖ノ神峠に到着。

峠にある林道の案内版の文字は擦れて消えていて読めず、峠の標識はすっかり錆びついているところが林道の雰囲気を醸し出していた。峠を後にして、反対側の浅間山方面を臨むビューポイントでティータイムにしようと反対斜面を下り始めた。

雪がしっかりと残る北側斜面。無理せずに押すのもOK。雪がしっかりと残る北側斜面。無理せずに押すのもOK。 photo:Hayato.Higuchi
湖から峠までの道のりは山の南側斜面となり雪はあまりみかけなかったものの、反対側は北側斜面でまだかなりの雪が残っていた。雪の下りに、苦戦を強いられたためビューポイントに向かうのは中止して折り返した。

まだ慣れない雪の下りは、楽しめるものも楽しめなくなってしまう事もある。無理せず登り返したが、登り返しもまた滑る路面に苦戦。しかし、この難しさが遊び心をくすぐるのだ。

ティータイムには手作りブルーベリーマフィン!ティータイムには手作りブルーベリーマフィン! photo:Hayato.Higuchi
再び杖ノ神峠に戻ったら、ティータイムだ。サーモボトルで運んできたピーチマンゴーティをカップに注ぐとホッとする甘い香りが漂ってくる。参加者の方の手作りブルーベリーマフィンと合わせ、温かく美味しいひと時を過ごした。

ティータイムの後、湖へと戻るように下っていく。ループでルートをとらずにピストンでルート設定しても行きと帰りで景色が違うところが楽しい。同じ道でも登りと下りでは違う景色なのだ。

登ってきた道を下る。行きと帰りでは景色が違って見えるのがポイント。登ってきた道を下る。行きと帰りでは景色が違って見えるのがポイント。 photo:Hayato.Higuchi
グラベルライドで最も楽しい下りが始まった。グラベルライドで最も楽しい下りが始まった。 photo:Hayato.Higuchi
登っている際にも感じた良いコンディションの路面は下りでも同じ。初めてのグラベルライドとはいえ、ご機嫌に下れる良いコンディションの中下っていく。650x45B、700x37cといった様々なバリエーションのタイヤを装着したEXPLOROがコーナーを駆け抜ける。

木陰に雪が残るところも、轍を利用して下っていく。程よい緊張感が脳を刺激してくるのが楽しい。パンクも無く、順調かつ軽快に湖までの下りを楽しんだら、ゴールだ。余裕を持った行動で、初めてのグラベルライドを終え、駐車場でティータイムだ。

雪の上を走るもよし、轍の土の上を走るもよし。雪の上を走るもよし、轍の土の上を走るもよし。 photo:Hayato.Higuchi
650BホイールをセットしたEXPLORO。ホイール&タイヤサイズで遊べるのもEXPLOROの特徴の一つだ。650BホイールをセットしたEXPLORO。ホイール&タイヤサイズで遊べるのもEXPLOROの特徴の一つだ。 photo:Hayato.Higuchi
群馬県では前回の皇海山や今回の榛名山などグラベルバイクで楽しめるフィールドが沢山。夏に予定している次回の群馬開催の話題も織り交ぜながら、グラベルバイクの楽しさを語りあって解散した。

3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEは2020年も全国で開催。ライドイベント情報は3TのWEBサイトで順次公開されているので、チェックしてみよう。

過去の3Tクラブライドレポート一覧はこちら


3T XPDTN JAPAN CLUB RIDE HARUNA
走行距離:15km
獲得標高:450m
協力:サイクルハウス WISH

text&photo:HAYATO HIGUCHI



樋口準人(3Tマーケティング担当)樋口準人(3Tマーケティング担当) 筆者プロフィール:樋口準人(3Tマーケティング担当)

ロングライド、ヒルクライム、シクロクロスと四季を通じて自転車に乗りながら、最近は毎週林道に出かけ空撮を楽しむドローングラファー。3TのグラベルロードEXPLOROを知り尽くし、日本各地で開催している3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEをアテンドしている。