2019/09/12(木) - 10:47
平均スピード50.628km/hという猛烈なスピードで駆け抜け、ブエルタ第17ステージで勝利を収めたフィリップ・ジルベール(ドゥクーニンク・クイックステップ)は「54x11Tが回りきった。17年のキャリアで初めての経験」とコメント。その他、風の一日を走り終えた選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
とてもスペシャルな勝利。スタートから超高速のレース展開で、歴史に刻まれるステージになったと思う。ドゥクーニンク・クイックステップは8名のうち7名を先行させることに成功。チームメイトたちと互いを高め合いながら走ったんだ。
平坦路でも75km/hは出ていたと思う。54x11Tというギアを用意してたけど、ずっと回りっぱなしだった。こんなことは17年のキャリアの中で初めての経験。とてもクレイジーなレースだった。チームのDNAでもある横風とエシュロンのステージで成績を残すことができて本当に良かった。グランツールでステージ2勝したことは過去にもあるけど、ステージ3勝は無い。金曜日の自分向きのステージで3勝目を狙いたい。
ステージ2位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
0km地点からフィニッシュラインまで、断続的なアタックを含むハイスピード走行。逃げ集団に入ってからも調子良く走ることができていた。もちろんステージ優勝したかった。でも(ドゥクーニンク・クイックステップの)6人に対して自分1人という状況は理想的とはとても言えなかった。今日はジルベールが最も強かったのは事実だし、彼の勝利を祝福したい。
ステージ4位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)
タフな日になると予想していた。そして実際に本当にタフだった。先頭集団が形成された直後は超ハイスピードだったけど、協調体制を築いてからはずっと楽になった。エシュロンで出遅れずに済んで本当に良かった。
登り基調のフィニッシュは自分向きで、良いスプリントができたと思う。今はとにかく回復しないといけない。ブエルタ3週目で、しかも今日は脚にくるとてもハードなステージだったので、残る3ステージに備えてリカバリーに励みたい。
ステージ10位 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
風が強く、吹きっさらしの中を走ることは予め分かっていた。チームはスタート直後から全開で攻撃して、先頭集団が形成されてからは逃げ切れると信じて踏み続けた。今日は総合ジャンプアップと同時にフィル(ジルベール)でステージ優勝を狙う作戦だった。ちょっと非現実的な作戦をチームはやり遂げたんだ。
ステージ14位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
正しい攻撃を仕掛けることに成功した。しばらく体調を崩していたけど、このスペクタクルなステージで復活を遂げたと言える。危険度の高いステージで大きなタイムを奪うことができた。風邪から順調に回復しているけど、本当の調子がどうなのかは明日の山岳ステージを走ってみないとわからない。
平坦で風の強い「ナイロ向きじゃないステージ」でリードを奪えたことを嬉しく思う。今日は総合リーダーチームを苦しめるために攻撃を仕掛け、出来るだけ大きなタイムを奪う作戦だった。これでマイヨロホ争いの舞台に舞い戻ったと言える。ここまでずっと言い続けているように、最後の最後まで戦い抜く。脚は疲れ切っているけど、心で踏み続けたい。
ステージ17位 オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス)
平均35km/h、最高50km/hの風が吹くという予報が出ていたので朝から警戒していたけど、本当に狂気じみたステージになった。前半は横風で後半は追い風。破滅的なステージになる要素が揃っていたけど、まさかここまでクレイジーな展開になるとは予想していなかった。
40名を超える先頭集団がやがて20名に絞られたけど、チームイネオスは危険な先行を許すことなく全ての動きをマーク。でもフィニッシュに近づく頃にはもう誰もが出し切った状態だった。スタートから50〜60km走った頃「このペースで走り続けるのは無理だ」と思ったけど、その先もずっと同じペースで走り続けていた。そして終わってみれば220kmにわたってずっとハイペースだった。本当にクレイジーなステージだった。
マイヨロホ プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
ミスを犯してしまった。スタートの時点から常に集団の前方に位置しておくべきだったんだ。チームは前半から全開でサポートしてくれて、後半にかけて他のチームの協力を得ることができた。今日は誰にとっても厳しい1日だったと思う。今日は負けたけど、ブエルタを失ったわけじゃない。まだ総合リードを得ている状態。ブエルタは予測不可能なことが多いけど、まだ状況はとても良い。
総合3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
集団分裂はスタート直後に発生した。集団先頭近くにいたのに反応できず。まさに一瞬の出来事だった。ユンボ・ヴィズマはタイム差を詰めきれず、モビスターにとって良い展開に持ち込むことができた。そして終盤の登りで攻撃を仕掛けて、メイン集団を牽引するチームの力を弱めることに成功したんだ。結果的に人数を残したアスタナがロペスのためにメイン集団を牽引したのでログリッチェが総合首位を守ることになったけど、こればかりは仕方がなかった。
今日の結果には満足しかない。エシュロンが形成される厳しい1日で、チームのおかげでナイロ(キンタナ)を総合争いに復活させることに成功した。モビスターは再び総合争いにおける2つの可能性を得た。今日のステージで多くの選手が疲れていると思う。今日の走りが明日以降の走りに影響するはず。特に今日みっちり追い込んだ選手たちはつけを払うことになるはず。自分は一日中ずっと誰かの後ろで走っていたので力を温存することができた。
総合4位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
今まで経験した中で最も速いレースだった。信じられないほど速かった。チームメイトたちはユンボ・ヴィズマとアスタナと協力してメイン集団を牽引してくれたのでパニックにはならなかったよ。今日で全てが決まったわけじゃないし、挽回のチャンスは残されている。山岳ステージで攻撃して総合表彰台の座を取り返したい。
アレクサンドル・シェファー監督(アスタナ)
スタート直後に先頭集団が形成された時、キンタナが入っているという情報がなかなか入ってこなかった。キンタナが逃げていることが判明してからすぐに総合リーダーチーム(ユンボ・ヴィズマ)が危険な動きを封じ込めるためにメイン集団を牽引したもののタイム差は広がるばかり。だからミゲル(ロペス)の総合順位を守るためにアスタナも追撃に加わることにした。
チームはミゲルに絶大な信頼を置いており、彼にはまだ総合表彰台に上るチャンスがあると信じている。でも今日は先頭集団がとにかく巨大で強力で、追い風に乗って信じられないほどのスピードでレースが進行した。今日はアスタナだけでなく多くのチームが消耗したと思う。
ルーク・ロバーツ監督(サンウェブ)
今年のブエルタの最長ステージは風の影響でナーバスなものになると予想していた。だからスタートの時点で集団先頭に位置しておくようにチームに指示を出していた。そして実際にスタートから1kmほど走ったところで集団が分裂。サンウェブは5名を送り込むことに成功して、利害が一致した他のチームと一緒にタイム差を広げていった。そのおかげでウィルコ(ケルデルマン)がタイムを挽回することに成功。誰もが消耗する1日の最後に、総合順位を上げることができた。
text&photo:Kei Tsuji
photo:CorVos
ステージ優勝 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
とてもスペシャルな勝利。スタートから超高速のレース展開で、歴史に刻まれるステージになったと思う。ドゥクーニンク・クイックステップは8名のうち7名を先行させることに成功。チームメイトたちと互いを高め合いながら走ったんだ。
平坦路でも75km/hは出ていたと思う。54x11Tというギアを用意してたけど、ずっと回りっぱなしだった。こんなことは17年のキャリアの中で初めての経験。とてもクレイジーなレースだった。チームのDNAでもある横風とエシュロンのステージで成績を残すことができて本当に良かった。グランツールでステージ2勝したことは過去にもあるけど、ステージ3勝は無い。金曜日の自分向きのステージで3勝目を狙いたい。
ステージ2位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
0km地点からフィニッシュラインまで、断続的なアタックを含むハイスピード走行。逃げ集団に入ってからも調子良く走ることができていた。もちろんステージ優勝したかった。でも(ドゥクーニンク・クイックステップの)6人に対して自分1人という状況は理想的とはとても言えなかった。今日はジルベールが最も強かったのは事実だし、彼の勝利を祝福したい。
ステージ4位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)
タフな日になると予想していた。そして実際に本当にタフだった。先頭集団が形成された直後は超ハイスピードだったけど、協調体制を築いてからはずっと楽になった。エシュロンで出遅れずに済んで本当に良かった。
登り基調のフィニッシュは自分向きで、良いスプリントができたと思う。今はとにかく回復しないといけない。ブエルタ3週目で、しかも今日は脚にくるとてもハードなステージだったので、残る3ステージに備えてリカバリーに励みたい。
ステージ10位 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
風が強く、吹きっさらしの中を走ることは予め分かっていた。チームはスタート直後から全開で攻撃して、先頭集団が形成されてからは逃げ切れると信じて踏み続けた。今日は総合ジャンプアップと同時にフィル(ジルベール)でステージ優勝を狙う作戦だった。ちょっと非現実的な作戦をチームはやり遂げたんだ。
ステージ14位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
正しい攻撃を仕掛けることに成功した。しばらく体調を崩していたけど、このスペクタクルなステージで復活を遂げたと言える。危険度の高いステージで大きなタイムを奪うことができた。風邪から順調に回復しているけど、本当の調子がどうなのかは明日の山岳ステージを走ってみないとわからない。
平坦で風の強い「ナイロ向きじゃないステージ」でリードを奪えたことを嬉しく思う。今日は総合リーダーチームを苦しめるために攻撃を仕掛け、出来るだけ大きなタイムを奪う作戦だった。これでマイヨロホ争いの舞台に舞い戻ったと言える。ここまでずっと言い続けているように、最後の最後まで戦い抜く。脚は疲れ切っているけど、心で踏み続けたい。
ステージ17位 オウェイン・ドゥール(イギリス、チームイネオス)
平均35km/h、最高50km/hの風が吹くという予報が出ていたので朝から警戒していたけど、本当に狂気じみたステージになった。前半は横風で後半は追い風。破滅的なステージになる要素が揃っていたけど、まさかここまでクレイジーな展開になるとは予想していなかった。
40名を超える先頭集団がやがて20名に絞られたけど、チームイネオスは危険な先行を許すことなく全ての動きをマーク。でもフィニッシュに近づく頃にはもう誰もが出し切った状態だった。スタートから50〜60km走った頃「このペースで走り続けるのは無理だ」と思ったけど、その先もずっと同じペースで走り続けていた。そして終わってみれば220kmにわたってずっとハイペースだった。本当にクレイジーなステージだった。
マイヨロホ プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
ミスを犯してしまった。スタートの時点から常に集団の前方に位置しておくべきだったんだ。チームは前半から全開でサポートしてくれて、後半にかけて他のチームの協力を得ることができた。今日は誰にとっても厳しい1日だったと思う。今日は負けたけど、ブエルタを失ったわけじゃない。まだ総合リードを得ている状態。ブエルタは予測不可能なことが多いけど、まだ状況はとても良い。
総合3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
集団分裂はスタート直後に発生した。集団先頭近くにいたのに反応できず。まさに一瞬の出来事だった。ユンボ・ヴィズマはタイム差を詰めきれず、モビスターにとって良い展開に持ち込むことができた。そして終盤の登りで攻撃を仕掛けて、メイン集団を牽引するチームの力を弱めることに成功したんだ。結果的に人数を残したアスタナがロペスのためにメイン集団を牽引したのでログリッチェが総合首位を守ることになったけど、こればかりは仕方がなかった。
今日の結果には満足しかない。エシュロンが形成される厳しい1日で、チームのおかげでナイロ(キンタナ)を総合争いに復活させることに成功した。モビスターは再び総合争いにおける2つの可能性を得た。今日のステージで多くの選手が疲れていると思う。今日の走りが明日以降の走りに影響するはず。特に今日みっちり追い込んだ選手たちはつけを払うことになるはず。自分は一日中ずっと誰かの後ろで走っていたので力を温存することができた。
総合4位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
今まで経験した中で最も速いレースだった。信じられないほど速かった。チームメイトたちはユンボ・ヴィズマとアスタナと協力してメイン集団を牽引してくれたのでパニックにはならなかったよ。今日で全てが決まったわけじゃないし、挽回のチャンスは残されている。山岳ステージで攻撃して総合表彰台の座を取り返したい。
アレクサンドル・シェファー監督(アスタナ)
スタート直後に先頭集団が形成された時、キンタナが入っているという情報がなかなか入ってこなかった。キンタナが逃げていることが判明してからすぐに総合リーダーチーム(ユンボ・ヴィズマ)が危険な動きを封じ込めるためにメイン集団を牽引したもののタイム差は広がるばかり。だからミゲル(ロペス)の総合順位を守るためにアスタナも追撃に加わることにした。
チームはミゲルに絶大な信頼を置いており、彼にはまだ総合表彰台に上るチャンスがあると信じている。でも今日は先頭集団がとにかく巨大で強力で、追い風に乗って信じられないほどのスピードでレースが進行した。今日はアスタナだけでなく多くのチームが消耗したと思う。
ルーク・ロバーツ監督(サンウェブ)
今年のブエルタの最長ステージは風の影響でナーバスなものになると予想していた。だからスタートの時点で集団先頭に位置しておくようにチームに指示を出していた。そして実際にスタートから1kmほど走ったところで集団が分裂。サンウェブは5名を送り込むことに成功して、利害が一致した他のチームと一緒にタイム差を広げていった。そのおかげでウィルコ(ケルデルマン)がタイムを挽回することに成功。誰もが消耗する1日の最後に、総合順位を上げることができた。
text&photo:Kei Tsuji
photo:CorVos
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