2019/09/05(木) - 03:10
メイン集団に大きなタイム差をつけ、ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージで逃げ切った14名。大きな逃げ集団から終盤にアタックし、牽制するライバルたちを振り切ったミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス)が独走で大金星を飾った。
フランス国内のサン=パレをスタートしてピレネー山脈の北側をかすめ、3級山岳と2級山岳を経てスペインに入国し、再びフランスを走ってからスペインのウルダクスにフィニッシュする第11ステージ。終盤にかけてフランスとスペインのナバラ州を行ったり来たりするが文化的には同じバスク。二カ国にまたがるバスク地方をブエルタは走る。
合計3つのカテゴリー山岳が登場する獲得標高差3,000mの中級山岳ステージはアタッカーたちを刺激した。スタートから続いたアタック合戦は14名が先行を始めたところで沈静化。今大会すでに451kmを逃げているアンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)が山岳ポイント獲得のために逃げに乗った。
逃げグループを形成した14名
ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)37分08秒遅れ
アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ)37分56秒遅れ
ミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス)45分57秒遅れ
フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)47分17秒遅れ
マッテオ・ファッブロ(イタリア、カチューシャ・アルペシン)51分41秒遅れ
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)51分57秒遅れ
ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)1時間15分54秒遅れ
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)1時間16分39秒遅れ
レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)1時間20分38秒遅れ
アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)1時間25分11秒遅れ
アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)1時間27秒19秒遅れ/山岳賞1位
バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ)1時間29分45秒遅れ
ホルヘ・アルカス(スペイン、モビスター)1時間34分13秒遅れ
ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)1時間45分18秒遅れ
総合争いにおいて危険な選手が逃げに入っていないとして、ユンボ・ヴィズマをはじめとする総合系チームは先頭14名の逃げ切りを容認した。スタートから1時間が経ったところでタイム差は7分。リタイアしたステフェン・クライスヴァイク(オランダ)を除くメンバー7名全員でメイン集団の先頭を固めたユンボ・ヴィズマは終始落ち着いて状況をコントロールした。
2つ目の2級山岳エスペグイでタイム差は10分の大台に乗ると、ステージ優勝を狙うゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)とアレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が逃げグループの中からアタック。一方で最初の3級山岳を先頭通過したマドラソは逃げグループからも遅れてしまう。
2級山岳エスペグイを先頭通過したGイサギレとアランブルにはローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)が単独で追いつき、フィニッシュまで45kmを残して9名の追走グループまで30秒、メイン集団まで13分という位置関係。続く3級山岳で追走グループの選手が続々と先頭に復帰したため逃げグループは12名まで人数を戻した。
2級山岳と3級山岳のアタックが封じ込められたタイミングで、残り25km地点でアタックしたのはミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス)。淡々と独走のペースに持ち込んだイトゥリアは追走グループから40秒のリードで残り15km。うまく協調体制を築けない追走グループの中からはアタックが連発したがペースは上がりきらない。
アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ)、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)、ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)、クラドックというUCIワールドチームライダー揃いの追走グループは残り5km/タイム差12秒に差し掛かってもなお牽制状態。ゲブレイグザブハイアーとホーゾンが抜け出すシーンも見られたが、ライバルたちが合流すると再びペースが落ちた。
激しくペースの上げ下げを行う追走グループを振り切って、イトゥリアは先頭で踏み続けた。10秒差で残り1kmアーチを切ったイトゥリアが最終ストレートで後ろを振り返る。しかし視界の先にライバルたちの姿はなく、ジャージのフロントジッパーを上げる落ち着いた走りでフィニッシュした。
6秒差の2位争いスプリントはクラドックとホーゾン、ビダンを下したラストラに軍配。ゲブレイグザブハイアーはエリトリア人選手によるグランツールの最高位であるステージ6位に。メイン集団は最後まで動きを見せずに18分35秒遅れでフィニッシュした。
1992年3月生まれのイトゥリアが故郷バスク地方に近い場所でステージ優勝。「自宅に近く、家族が駆けつけたステージで勝つなんて夢のよう。開幕前からこの第11ステージを狙っていくと家族に伝えていたんだ。そして逃げグループに入り、終盤にかけて監督に『アタックして全開でフィニッシュまで逃げ切るんだ』と指示を受けた。独走に持ち込んでからはできる限り速い走りを心がけて、タイム差を気にすることなく自分のレースに徹した。今夜はシャンパンで乾杯だ」と、プロ初勝利をブエルタで飾ったイトゥリアは語る。UCIプロコンチネンタルチームのエウスカディ・ムリアスが2018年大会第13ステージに続く2勝目を飾った。
「ユンボ・ヴィズマは改めて屈強なチーム力を見せてくれた」と語るのはマイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)。元スキージャンパーで、ポイント賞でもトップを走る29歳は「明日のステージが山岳ステージよりも危険だとは思わない。短くて急勾配の登りも得意なので全力を尽くすのみだ」と語る。1分52秒差でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、2分1秒差でミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が続いている。
フランス国内のサン=パレをスタートしてピレネー山脈の北側をかすめ、3級山岳と2級山岳を経てスペインに入国し、再びフランスを走ってからスペインのウルダクスにフィニッシュする第11ステージ。終盤にかけてフランスとスペインのナバラ州を行ったり来たりするが文化的には同じバスク。二カ国にまたがるバスク地方をブエルタは走る。
合計3つのカテゴリー山岳が登場する獲得標高差3,000mの中級山岳ステージはアタッカーたちを刺激した。スタートから続いたアタック合戦は14名が先行を始めたところで沈静化。今大会すでに451kmを逃げているアンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)が山岳ポイント獲得のために逃げに乗った。
逃げグループを形成した14名
ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ)37分08秒遅れ
アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ)37分56秒遅れ
ミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス)45分57秒遅れ
フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)47分17秒遅れ
マッテオ・ファッブロ(イタリア、カチューシャ・アルペシン)51分41秒遅れ
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)51分57秒遅れ
ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)1時間15分54秒遅れ
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)1時間16分39秒遅れ
レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)1時間20分38秒遅れ
アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)1時間25分11秒遅れ
アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH)1時間27秒19秒遅れ/山岳賞1位
バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ)1時間29分45秒遅れ
ホルヘ・アルカス(スペイン、モビスター)1時間34分13秒遅れ
ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)1時間45分18秒遅れ
総合争いにおいて危険な選手が逃げに入っていないとして、ユンボ・ヴィズマをはじめとする総合系チームは先頭14名の逃げ切りを容認した。スタートから1時間が経ったところでタイム差は7分。リタイアしたステフェン・クライスヴァイク(オランダ)を除くメンバー7名全員でメイン集団の先頭を固めたユンボ・ヴィズマは終始落ち着いて状況をコントロールした。
2つ目の2級山岳エスペグイでタイム差は10分の大台に乗ると、ステージ優勝を狙うゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)とアレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が逃げグループの中からアタック。一方で最初の3級山岳を先頭通過したマドラソは逃げグループからも遅れてしまう。
2級山岳エスペグイを先頭通過したGイサギレとアランブルにはローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)が単独で追いつき、フィニッシュまで45kmを残して9名の追走グループまで30秒、メイン集団まで13分という位置関係。続く3級山岳で追走グループの選手が続々と先頭に復帰したため逃げグループは12名まで人数を戻した。
2級山岳と3級山岳のアタックが封じ込められたタイミングで、残り25km地点でアタックしたのはミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス)。淡々と独走のペースに持ち込んだイトゥリアは追走グループから40秒のリードで残り15km。うまく協調体制を築けない追走グループの中からはアタックが連発したがペースは上がりきらない。
アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ)、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール)、ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)、クラドックというUCIワールドチームライダー揃いの追走グループは残り5km/タイム差12秒に差し掛かってもなお牽制状態。ゲブレイグザブハイアーとホーゾンが抜け出すシーンも見られたが、ライバルたちが合流すると再びペースが落ちた。
激しくペースの上げ下げを行う追走グループを振り切って、イトゥリアは先頭で踏み続けた。10秒差で残り1kmアーチを切ったイトゥリアが最終ストレートで後ろを振り返る。しかし視界の先にライバルたちの姿はなく、ジャージのフロントジッパーを上げる落ち着いた走りでフィニッシュした。
6秒差の2位争いスプリントはクラドックとホーゾン、ビダンを下したラストラに軍配。ゲブレイグザブハイアーはエリトリア人選手によるグランツールの最高位であるステージ6位に。メイン集団は最後まで動きを見せずに18分35秒遅れでフィニッシュした。
1992年3月生まれのイトゥリアが故郷バスク地方に近い場所でステージ優勝。「自宅に近く、家族が駆けつけたステージで勝つなんて夢のよう。開幕前からこの第11ステージを狙っていくと家族に伝えていたんだ。そして逃げグループに入り、終盤にかけて監督に『アタックして全開でフィニッシュまで逃げ切るんだ』と指示を受けた。独走に持ち込んでからはできる限り速い走りを心がけて、タイム差を気にすることなく自分のレースに徹した。今夜はシャンパンで乾杯だ」と、プロ初勝利をブエルタで飾ったイトゥリアは語る。UCIプロコンチネンタルチームのエウスカディ・ムリアスが2018年大会第13ステージに続く2勝目を飾った。
「ユンボ・ヴィズマは改めて屈強なチーム力を見せてくれた」と語るのはマイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)。元スキージャンパーで、ポイント賞でもトップを走る29歳は「明日のステージが山岳ステージよりも危険だとは思わない。短くて急勾配の登りも得意なので全力を尽くすのみだ」と語る。1分52秒差でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、2分1秒差でミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が続いている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第11ステージ結果
1位 | ミケル・イトゥリア(スペイン、エウスカディ・ムリアス) | 4:36:44 |
2位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 0:00:06 |
3位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | |
4位 | ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール) | |
6位 | アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) | 0:00:09 |
7位 | バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:12 |
8位 | マッテオ・ファッブロ(イタリア、カチューシャ・アルペシン) | |
9位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
10位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
11位 | アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | |
12位 | ホルヘ・アルカス(スペイン、モビスター) | 0:00:20 |
13位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 0:09:11 |
14位 | アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH) | 0:17:15 |
19位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:18:35 |
59位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 41:00:48 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:01:52 |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:02:11 |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:00 |
5位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:03:05 |
6位 | カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) | 0:04:59 |
7位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:05:42 |
8位 | ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) | 0:05:49 |
9位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:06:07 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:06:25 |
ポイント賞
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 89pts |
2位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 70pts |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 61pts |
山岳賞
1位 | アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH) | 32pts |
2位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール) | 21pts |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 41:02:59 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:54 |
3位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:07:56 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 122:11:23 |
2位 | アスタナ | 0:21:54 |
3位 | ユンボ・ヴィズマ | 0:36:26 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
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