2019/08/10(土) - 07:10
チームイネオスがツール・ド・ポローニュ連覇を達成。マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)が独走勝利を飾ったポローニュ最終日に、総合首位ヴィンゲゴーをふるい落とした22歳のパヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス)が総合優勝に輝いた。
総合タイム差1分以内に17名がひしめくという混戦のまま迎えたツール・ド・ポローニュ第7ステージ。最終日はポーランド南部の避暑地ブコヴィナを発着する複雑な周回コースで争われるのが通例となっている。5つの1級山岳を含め、標高1,000m級の登りが断続的に11カ所登場する153kmコースの獲得標高差は3,300m。ノコギリの歯のようなアップダウンコースが第76代総合優勝者を導き出した。
総合で2分16秒しか遅れていないカールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)を含む14名がこの日の逃げメンバー。山岳ポイント量産が可能なこのステージで、山岳賞首位のトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)の他、逃げグループの中には逆転を狙う同賞3位のサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)の姿も。前半からマルチンスキーとゲシュケが激しい山岳ポイント争いを繰り広げ、結果的に終盤まで逃げグループに残ったゲシュケが3ポイント差で逆転に成功している。
逃げグループとメイン集団のタイム差が3分を超えたためイエロージャージは暫定的にハーゲンの手に。ユンボ・ヴィズマの集団コントロールによってタイム差が縮小を開始すると、逃げ切りを狙うモホリッチがフィニッシュまで57kmという距離を残してアタックする。ステージ優勝に向けてモホリッチが勇敢な独走に持ち込む中、後方のメイン集団では総合争いが加熱した。
イニシアティブを取ったのはチームイネオス。総合2位パヴェル・シヴァコフ(ロシア)や総合11位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス)、総合15位ベン・スウィフト(イギリス)という3選手を総合タイム差1分以内に揃えたイギリスチームがメイン集団のペースを上げると、残り40km地点でイエロージャージのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ)がたまらず脱落した。
チームイネオスはその後もペースを上げ続け、総合7位ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)やミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)のカウンターアタックを封じ込める。対して、チームイネオスはジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)やニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)といった総合争いに関係しない選手のアタックを容認した。
メイン集団を飛び立ったブランビッラやポーレスは逃げメンバーを追い抜きながらハイペースで走り続けたが、先頭モホリッチの背中は見えてこなかった。モホリッチは最終的に追走者に55秒差をつけて逃げ切り勝利。総合上位陣を含む(ヴィンゲゴーを除く)メイン集団は2分15秒遅れでフィニッシュし、ライバルたちのアタックを封じ込めたチームイネオスのシヴァコフが逆転で総合優勝に輝いた。チームイネオスは2018年の大会覇者であるミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)を欠きながらも大会連覇を達成した。
実に57kmに及ぶ独走で、実に1年ぶりとなる勝利を飾ったモホリッチは「チームは総合優勝を狙っていたものの、昨日のステージで体調が崩れずにタイムを失ってしまった。気持ちを切り替えて、今日ステージ優勝を狙っていたんだ。ツール・ド・フランスの疲れが残っていたけど、逃げに乗ることができればチャンスがあると思っていた。早めに仕掛けることでこの美しい勝利を達成。この勝利をビョルグ(ランブレヒト)に捧げたい」とコメントする。
「この勝利を他の誰でもなく彼に捧げたい」と、同じく第3ステージで亡くなったビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)への気持ちを語ったのは総合優勝に輝いたシヴァコフ。ランブレヒトと同年代のシヴァコフは「彼と一緒に走ったレースを思い浮かべながら走った。彼はいつも厳しいレースを作り出した。この勝利を彼に捧げる」。
ツール・ド・フランスを制したエガン・ベルナル(コロンビア)と同じ22歳のシヴァコフが自身初のUCIワールドツアーレース総合優勝。シヴァコフは4月のツアー・オブ・アルプスで総合優勝を飾り、5月のジロ・デ・イタリアを総合9位で終えていた。シーズン後半に向けて好調ぶりを見せたシヴァコフだが、8月24日開幕のブエルタ・ア・エスパーニャには出場しない予定だ。シヴァコフは「まだ22歳なので成長を急ぐ必要はない。キャリアを長い目で見ると、少しずつの成長を目指すほうがいい」と語っている。
22歳シヴァコフだけでなく、23歳ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ)が総合2位、23歳セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が総合4位、24歳タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)が総合5位と、若手オールラウンダーの活躍が目立ったポーランドの7日間。次戦UCIワールドツアーレースは8月12日開幕のビンクバンク・ツアー。ベルギーとオランダを舞台にした7日間のレースには別府史之(トレック・セガフレード)が連戦出場予定だ。
総合タイム差1分以内に17名がひしめくという混戦のまま迎えたツール・ド・ポローニュ第7ステージ。最終日はポーランド南部の避暑地ブコヴィナを発着する複雑な周回コースで争われるのが通例となっている。5つの1級山岳を含め、標高1,000m級の登りが断続的に11カ所登場する153kmコースの獲得標高差は3,300m。ノコギリの歯のようなアップダウンコースが第76代総合優勝者を導き出した。
総合で2分16秒しか遅れていないカールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)を含む14名がこの日の逃げメンバー。山岳ポイント量産が可能なこのステージで、山岳賞首位のトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)の他、逃げグループの中には逆転を狙う同賞3位のサイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)の姿も。前半からマルチンスキーとゲシュケが激しい山岳ポイント争いを繰り広げ、結果的に終盤まで逃げグループに残ったゲシュケが3ポイント差で逆転に成功している。
逃げグループとメイン集団のタイム差が3分を超えたためイエロージャージは暫定的にハーゲンの手に。ユンボ・ヴィズマの集団コントロールによってタイム差が縮小を開始すると、逃げ切りを狙うモホリッチがフィニッシュまで57kmという距離を残してアタックする。ステージ優勝に向けてモホリッチが勇敢な独走に持ち込む中、後方のメイン集団では総合争いが加熱した。
イニシアティブを取ったのはチームイネオス。総合2位パヴェル・シヴァコフ(ロシア)や総合11位タオ・ゲオゲガンハート(イギリス)、総合15位ベン・スウィフト(イギリス)という3選手を総合タイム差1分以内に揃えたイギリスチームがメイン集団のペースを上げると、残り40km地点でイエロージャージのヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ)がたまらず脱落した。
チームイネオスはその後もペースを上げ続け、総合7位ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)やミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)のカウンターアタックを封じ込める。対して、チームイネオスはジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)やニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)といった総合争いに関係しない選手のアタックを容認した。
メイン集団を飛び立ったブランビッラやポーレスは逃げメンバーを追い抜きながらハイペースで走り続けたが、先頭モホリッチの背中は見えてこなかった。モホリッチは最終的に追走者に55秒差をつけて逃げ切り勝利。総合上位陣を含む(ヴィンゲゴーを除く)メイン集団は2分15秒遅れでフィニッシュし、ライバルたちのアタックを封じ込めたチームイネオスのシヴァコフが逆転で総合優勝に輝いた。チームイネオスは2018年の大会覇者であるミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)を欠きながらも大会連覇を達成した。
実に57kmに及ぶ独走で、実に1年ぶりとなる勝利を飾ったモホリッチは「チームは総合優勝を狙っていたものの、昨日のステージで体調が崩れずにタイムを失ってしまった。気持ちを切り替えて、今日ステージ優勝を狙っていたんだ。ツール・ド・フランスの疲れが残っていたけど、逃げに乗ることができればチャンスがあると思っていた。早めに仕掛けることでこの美しい勝利を達成。この勝利をビョルグ(ランブレヒト)に捧げたい」とコメントする。
「この勝利を他の誰でもなく彼に捧げたい」と、同じく第3ステージで亡くなったビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)への気持ちを語ったのは総合優勝に輝いたシヴァコフ。ランブレヒトと同年代のシヴァコフは「彼と一緒に走ったレースを思い浮かべながら走った。彼はいつも厳しいレースを作り出した。この勝利を彼に捧げる」。
ツール・ド・フランスを制したエガン・ベルナル(コロンビア)と同じ22歳のシヴァコフが自身初のUCIワールドツアーレース総合優勝。シヴァコフは4月のツアー・オブ・アルプスで総合優勝を飾り、5月のジロ・デ・イタリアを総合9位で終えていた。シーズン後半に向けて好調ぶりを見せたシヴァコフだが、8月24日開幕のブエルタ・ア・エスパーニャには出場しない予定だ。シヴァコフは「まだ22歳なので成長を急ぐ必要はない。キャリアを長い目で見ると、少しずつの成長を目指すほうがいい」と語っている。
22歳シヴァコフだけでなく、23歳ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ)が総合2位、23歳セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が総合4位、24歳タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)が総合5位と、若手オールラウンダーの活躍が目立ったポーランドの7日間。次戦UCIワールドツアーレースは8月12日開幕のビンクバンク・ツアー。ベルギーとオランダを舞台にした7日間のレースには別府史之(トレック・セガフレード)が連戦出場予定だ。
ツール・ド・ポローニュ2019第7ステージ結果
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 4:04:42 |
2位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:55 |
3位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:01:07 |
4位 | スガブ・グルマイ(エチオピア、ミッチェルトン・スコット) | 0:01:19 |
5位 | パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01:32 |
6位 | ダニエル・ナバーロ(スペイン、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:57 |
7位 | キリアン・フランキーニー(スイス、グルパマFDJ) | |
8位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:02:15 |
9位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | |
10位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス) | 26:20:58 |
2位 | ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、サンウェブ) | 0:00:02 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:12 |
4位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:14 |
5位 | タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス) | |
6位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) | 0:00:15 |
7位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:16 |
8位 | クリス・ハミルトン(オーストラリア、サンウェブ) | |
9位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
スプリント賞
1位 | マルク・サロー(フランス、グルパマFDJ) | 53pts |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 50pts |
3位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 44pts |
山岳賞
1位 | シモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム) | 60pts |
2位 | トマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル) | 57pts |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 35pts |
チーム総合成績
1位 | チームイネオス | 79:07:11 |
2位 | サンウェブ | 0:00:11 |
3位 | ミッチェルトン・スコット | 0:04:09 |
text:Kei Tsuji
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