3月27日、セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリの最終第5ステージが開催され、序盤から逃げたバルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ)が逃げメンバーを振り切り、独走勝利を収めた。総合優勝は、昨年ジャパンカップ3位のイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)。

独走でゴールに飛び込むバルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ)独走でゴールに飛び込むバルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ) photo:www.gsemilia.it最終第5ステージはエミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャ近郊で開催された。コースは先ず標高450mのモンテ・エヴァンジェロを含む29kmの周回コースを3周し、続いて標高431mのモンテ・ジッビオを含む23kmの周回コースを3周。モンテ・ジッビオは最大勾配が18%に達する急坂で、しかも最後の頂上通過からゴールまでは8kmしか離れていない。

この起伏に富んだ最終ステージで、バルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ)とステファノ・ボルキ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)の2人が逃げを試みた。

ステージレース初総合優勝を飾ったイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)ステージレース初総合優勝を飾ったイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス) photo:www.gsemilia.it最大4分のリードを得た2人だったが、やがて最終周回に差し掛かるとタイム差は2分まで縮小。徐々に先頭2名の脚の差が現れ、最後のモンテ・ジッビオの上りでフザルスキーがボルキを置き去りにし、独走で頂上を越えた。

メイン集団ではリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)を始めとする総合上位陣が動いたものの、決定的な動きは生まれず。結局フザルスキーは逃げメンバーのボルキを42秒、メイン集団を2分引き離す独走劇で、ゴールに飛び込んだ。

チーム総合成績トップに輝いたアンドローニ・ジョカトーリチーム総合成績トップに輝いたアンドローニ・ジョカトーリ photo:www.gsemilia.it現在29歳のフザルスキーは2002年にムロズでプロデビュー。2005年から2年連続でツール・ド・ポローニュの山岳賞に輝いている。昨年チームISDに合流し、ジロ・デ・イタリアでグランツールデビューを飾った(総合101位)。これがUCIクラス1レースでの初勝利だ。

そして、最後までライバルたちの攻撃を抑え込んだサンタロミータが総合優勝に。リクイガスは初日のチームタイムトライアルで優勝すると、最後までそのリードを守り抜いた。リクイガスとしては今シーズン15勝目だ。

昨年ジャパンカップで3位に入ったサンタロミータは、これがステージレース初優勝。「この勝利はチームワークの賜物であり、自分一人で勝ち取ったものじゃない。平坦コースで集団を牽き、上りでペースを作り、そしてチームメイトのためにボトルを運ぶ。そんな助け合いの精神で優勝したんだ」。その喜びをチームメイトたちと分かち合った。

ドーピングによる出場停止から復帰したリッコは「調子は良かったけど、今日は周りにチームメイトがいなかったし、展開にも恵まれなかった。いずれにしても、このキャリア第2のデビューには満足している。自分がまだレースシーンで闘えるということを実感した。来週の月曜日からはセッティマーナ・ロンバルダが始まる。今度こそステージ優勝を果たしたい」とコメント。復帰第1戦を総合5位で終えた。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはガゼッタ紙より。

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2010第5ステージ結果
1位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ)           4h36'09"
2位 ステファノ・ボルキ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)       +42"
3位 ルーカ・アスカーニ(イタリア、CDC・カヴァリエーレ)           +2'00"
4位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)          +2'02"
5位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)
6位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)
7位 レオポルド・コニグ(チェコ、PSKウィールプール)
8位 マッシミリアーノ・ジェンティーリ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
9位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
10位 ルーカ・ザナスカ(イタリア、CDC・カヴァリエーレ)

個人総合成績
1位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)           20h12'50"
2位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)              +1'43"
3位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)          +2'25"
4位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)    +2'38"
5位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)           +2'44"
6位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)     +2'52"
8位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)          +3'03"
9位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)     +3'05"
10位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、ミケ)             +3'18"

ポイント賞
ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)

山岳賞
プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)

チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトーリ

text:Kei Tsuji
photo:www.gsemilia.it

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