2018/08/08(水) - 11:23
山岳地帯に突入したツール・ド・ポローニュ第4ステージ。4つの1級山岳で絞られた集団による急勾配登りバトルでミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)がステージ優勝。総合優勝に向けてイエロージャージを手にした。
開幕から3日間続いたスプリンターたちの競演は終了。ツール・ド・ポローニュは大会4日目からポーランド南部の山岳地帯へと入っていく。第4ステージはヤヴォジュノをスタートし、チェコやスロバキアの国境に近い高原リゾート地シュチルクにフィニッシュする179km(獲得標高差2,200m)。後半にかけて4つの1級山岳が設定されており、最後は残り1.4km地点から高低差120mを駆け上がってフィニッシュを迎える。最大勾配17.2%のパンチの効いた登りがステージ優勝を選び出した。
序盤から逃げグループを形成したヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)ら3名は最大6分のリードを得たものの、チームスカイが徹底的にコントロールするメイン集団の追撃を振り切ることはできない。3つの1級山岳を先頭通過して山岳賞ジャージを手にしたトラトニクも最後の1級山岳を前に吸収されている。
メイン集団からはパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4名がカウンターアタックを仕掛けたものの、チームスカイの集団牽引によって残り13km地点で吸収。チームスカイがアタックを許さないハイペースで引き続けた結果、最後の1級山岳通過時点でメイン集団は約50名にまで絞られていた。
主導権を握るチームスカイにBMCレーシングとミッチェルトン・スコット、ボーラ・ハンスグローエが対抗し、60km/hオーバーで巡航しながらシュチルクのフィニッシュ地点へ。残り1.4km地点の左コーナーを合図に高低差120mの登りが始まるとモビスターが先頭に立った。
残り1kmを切ったところで先陣を切ってアタックしたのは、ジロ・デ・イタリアでマリアビアンカを争ったリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)。急勾配区間を軽快なダンシングで突き進んだカラパスが一時的に5秒程度のリードを得たが、残り500mから再び勾配が増すと徐々にペースが落ちてしまう。
失速するカラパスを残り300m地点で捉えた集団から次に動いたのはディフェンディングチャンピオンのディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)だった。1年前に同じフィニッシュでペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を下しているトゥーンスがペースアップすると、その後ろにポーランドチャンピオンジャージがぴったりと食らいついた。
残り100mの最終コーナーを曲がると、トゥーンスの横からクウィアトコウスキーが加速。力を逃すダンシングのトゥーンスを、力のこもったダンシングのクウィアトコウスキーが突き放す。ライバルたちに3秒差をつけたクウィアトコウスキーが余裕を持った表情で両手を広げた。
「カウベルグやユイの壁と同じように、急勾配の登りでは最初から全開で踏んでしまうと最後まで続かない。だから残り300mまで力を貯めて、このフィニッシュの経験者の動きをマークしたんだ。開幕前の記者会見で調子が良いと言っていたディラン・トゥーンスが必ず動くと思っていた」と落ち着いて勝負に持ち込んだクウィアトコウスキーは語る。
総合優勝候補クウィアトコウスキーが示した調子の良さ。ステージ優勝とイエロージャージを手にしたクウィアトコウスキーは「家族とアガタ(婚約者)が来ている日にステージ優勝するなんてスペシャル。期待してくれているみんなの前で勝利するのは信じられない気持ち。ツールが終わってから自分のコンディションに自信はなかったけど、この勝利で調子の良さを確認できた。明日以降の山岳ステージでライバルたちが総攻撃を仕掛けてくると思う。僅差の総合争いが定番のポローニュにあって、(総合2位トゥーンスに対して)8秒というリードは大きい」と、総合優勝に向けて意気込んだ。
開幕から3日間続いたスプリンターたちの競演は終了。ツール・ド・ポローニュは大会4日目からポーランド南部の山岳地帯へと入っていく。第4ステージはヤヴォジュノをスタートし、チェコやスロバキアの国境に近い高原リゾート地シュチルクにフィニッシュする179km(獲得標高差2,200m)。後半にかけて4つの1級山岳が設定されており、最後は残り1.4km地点から高低差120mを駆け上がってフィニッシュを迎える。最大勾配17.2%のパンチの効いた登りがステージ優勝を選び出した。
序盤から逃げグループを形成したヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)ら3名は最大6分のリードを得たものの、チームスカイが徹底的にコントロールするメイン集団の追撃を振り切ることはできない。3つの1級山岳を先頭通過して山岳賞ジャージを手にしたトラトニクも最後の1級山岳を前に吸収されている。
メイン集団からはパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら4名がカウンターアタックを仕掛けたものの、チームスカイの集団牽引によって残り13km地点で吸収。チームスカイがアタックを許さないハイペースで引き続けた結果、最後の1級山岳通過時点でメイン集団は約50名にまで絞られていた。
主導権を握るチームスカイにBMCレーシングとミッチェルトン・スコット、ボーラ・ハンスグローエが対抗し、60km/hオーバーで巡航しながらシュチルクのフィニッシュ地点へ。残り1.4km地点の左コーナーを合図に高低差120mの登りが始まるとモビスターが先頭に立った。
残り1kmを切ったところで先陣を切ってアタックしたのは、ジロ・デ・イタリアでマリアビアンカを争ったリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)。急勾配区間を軽快なダンシングで突き進んだカラパスが一時的に5秒程度のリードを得たが、残り500mから再び勾配が増すと徐々にペースが落ちてしまう。
失速するカラパスを残り300m地点で捉えた集団から次に動いたのはディフェンディングチャンピオンのディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)だった。1年前に同じフィニッシュでペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を下しているトゥーンスがペースアップすると、その後ろにポーランドチャンピオンジャージがぴったりと食らいついた。
残り100mの最終コーナーを曲がると、トゥーンスの横からクウィアトコウスキーが加速。力を逃すダンシングのトゥーンスを、力のこもったダンシングのクウィアトコウスキーが突き放す。ライバルたちに3秒差をつけたクウィアトコウスキーが余裕を持った表情で両手を広げた。
「カウベルグやユイの壁と同じように、急勾配の登りでは最初から全開で踏んでしまうと最後まで続かない。だから残り300mまで力を貯めて、このフィニッシュの経験者の動きをマークしたんだ。開幕前の記者会見で調子が良いと言っていたディラン・トゥーンスが必ず動くと思っていた」と落ち着いて勝負に持ち込んだクウィアトコウスキーは語る。
総合優勝候補クウィアトコウスキーが示した調子の良さ。ステージ優勝とイエロージャージを手にしたクウィアトコウスキーは「家族とアガタ(婚約者)が来ている日にステージ優勝するなんてスペシャル。期待してくれているみんなの前で勝利するのは信じられない気持ち。ツールが終わってから自分のコンディションに自信はなかったけど、この勝利で調子の良さを確認できた。明日以降の山岳ステージでライバルたちが総攻撃を仕掛けてくると思う。僅差の総合争いが定番のポローニュにあって、(総合2位トゥーンスに対して)8秒というリードは大きい」と、総合優勝に向けて意気込んだ。
ツール・ド・ポローニュ2018第4ステージ結果
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 4:25:44 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:03 |
3位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | |
4位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | |
5位 | ダニエル・モレーノ(スペイン、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:06 |
8位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
9位 | セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ) | |
10位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
125位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:17:40 |
個人総合成績
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 13:51:22 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:08 |
3位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:00:10 |
4位 | セルゲイ・チェルネトスキー(ロシア、アスタナ) | 0:00:14 |
5位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | ダニエル・モレーノ(スペイン、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:17 |
8位 | エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
ポイント賞
1位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、クイックステップフロアーズ) | 58pts |
2位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | 50pts |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 49pts |
山岳賞
1位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 30pts |
2位 | マレク・ルトケヴィッチ(ポーランド、ポーランドナショナル) | 14pts |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | 10pts |
チーム総合成績
1位 | BMCレーシング | 41:35:21 |
2位 | アスタナ | 0:00:10 |
3位 | クイックステップフロアーズ | 0:00:13 |
text:Kei Tsuji
photo:Tour de Pologne
photo:Tour de Pologne
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