2018/05/29(火) - 09:02
ステージズサイクリングが展開するクランク式パワーメーターに、左右測定が可能な「STAGES POWER LR」が登場。スマートなルックスかつ、インストールも簡単。センサーも新たに第3世代へとアップデートされた新作パワーメーターを紹介しよう。
ステージズの新型クランク式パワーメーター「STAGES POWER LR」
2012年創業、アメリカ・オレゴン州ポートランドに本拠地を置くトレーニング機器メーカーがステージズサイクリングだ。インドアサイクリング機器で培ったテクノロジーを活かし、2013年にクランク型パワーメーター「STAGES POWER」をリリース。その翌年にはチームスカイが同製品を正式採用したことでも注目を集め、今や一般のサイクリストにも広く浸透したトレーニングツールとなっている。
STAGES POWERと言えば独自の高精度小型センサーを左クランク内側に装備したパワーメーターで、パワー入力に対するクランクアームのひずみを感知し、それをパワー数値に変換するというもの。チェーンリングを外して組み付けたり、ケーブルを配線したりといった煩わしい作業は一切なく、左クランクをSTAGES POWERに交換するだけですぐに使える作業性の良さも大きな特徴だ。
薄型のセンサーと優れた軽量性が特徴的なステージズのパワーメーター
アップデートされた第3世代のセンサーは新たにLEDインジケータを装備
ドライブ側はクランクアーム下部にバッテリーを配置
右クランクのセンサーはチェーンリングに隠れるほどの目立たないサイズ
今まで左足のデータを元に独自のアルゴリズムを経て、右足の数値も仮想的に算出するという方式をとっていたステージズだが、今回左右独立のセンサーを搭載した新型「STAGES POWER LR」が登場した。左クランクに装着していたセンサーを右クランクにも対応させた製品で、左右それぞれのパワーを測定できることでより正確な値が分かる他、パワー左右バランスやペダルスムーズネス、トルクエフェクティブネスも表示させることが可能となった。
新作のデビューに伴い2018年モデルよりセンサーも第3世代へとアップデート。ステージズに大きな特徴である軽量性はそのままに、より使い勝手を増した性能を獲得している。具体的には、センサー中央に新たにLEDインジケータを装備。グリーンやレッドの色別にバッテリー残量が分かる他、ファームウェアの更新やリンク状態を視覚的に判別できるようになった。
クランクアームにはステージズの青いブランドロゴがあしらわれる
バッテリーはコンビニ等でも購入可能なCR2032ボタン電池を使用
STAGES POWER LRのDURA-ACEモデルは実測重量646g
STAGES POWER LRのULTEGRAモデルは実測重量704g
またセンサー内部の加速度計等も最新のものへ更新。メーカー公称精度が従来の±2.0%から±1.5%へ進化しているとともに、全体的に不具合を解消するアップデートが加わっている。重量も左クランクで従来比-5g、左右合わせても純正のシマノクランクから+35gに収まる重量増で、競合他社と比べても圧倒的な軽量性はステージズの強みと言えるだろう。
見た目はと言えば、新しい右クランクはチェーンリングに隠れるほどのサイズでアーム裏側にセンサーを装備。バッテリー部分を電池交換がしやすいよう外側に配置しているものの、クランクアーム下側に小さな箱状の突起を設けたのみで、存在感を感じさせないルックスに仕上がっている。フレームとのクリアランスも十分に確保できる薄型のセンサーによって、バイクを選ばす装着が可能だ。
クランクを交換するだけの簡単な作業でバイクへのインストールは完了
チェーンステーとのクリアランスも十分に確保できるセンサーサイズ
シマノの純正クランクのルックスを損なうことのないデザイン
バイクへのインストールが簡単なのはLRモデルになっても変わらない。装着されている既存のクランクを外して交換するだけのシンプルな作業のみで、あとは手持ちのサイクルコンピュータとペアリングすれば即使用可能だ。無線通信はANT+とBluetoothに対応。スマートフォンとBluetooth接続すれば、専用アプリからワイヤレスでファームウェアの更新やパワー値の校正、バッテリー残量の確認等が行える。
従来モデル同様、フレームにマグネット等を貼り付ける必要なくセンサーがケイデンスも測定。雨天時の使用も問題ないIPX7準拠の防水性能も備えている。またステージズ特有の機能としてATC(Active Temperature Compensation)があり、金属のひずみ具合が変わる外気温の変化に合わせてパワー数値を調整するようできている。
まずは「StagesPower」アプリをダウンロード
アプリのホーム画面 ”Connect with Bluetooth”を押して次の画面へ
LRモデルだと左右2つのセンサーを認識。チェックマークを入れConnectを押そう
アプリ上でパワーとケイデンスは表示可能だ
キャリブレーションもアプリからスムーズに行える
左右クランクの詳細な情報も確認できる
ラインアップはシマノのR9100系DURA-ACEと、R8000系ULTEGRAクランクの2モデル。同社はカンパニョーロやFSA、キャノンデールSiクランク対応のSTAGES POWERもリリースしていることから、今後LRモデルのラインアップ拡大も予想される。価格はDURA-ACEモデルが152,000円(税抜)、ULTEGRAモデルが113,000円(税抜)。
クランク長は165、170、172.5、175mmの4サイズで展開。ギア構成は52×36Tのみの販売となるが、チェーンリングは純正クランクと同じように交換可能となる。バッテリーにはCR2032ボタン電池を使用し、左右測定時のバッテリーライフは175時間以上としている。
また従来モデルのSTAGES POWERを既に使用している人向けに、右クランクのみも単品で販売。追加購入しペアリングを行うことでLRモデルと同じように使用できる互換性を持っている。右クランクはDURA-ACE仕様が92,000円(税抜)、ULTEGRA仕様が78,000円(税抜)だ。取り扱いはインターテック。
競合他社と比べ圧倒的な軽量性と、幅広いバイクとの適合性が魅力のSTAGES POWER LR
今回CW編集部にて実際に組付けをし試乗してみた。クランク交換だけで使用可能なお手軽さは健在で、ロードバイクのメンテナンス作業に慣れている筆者はものの10分ほどで取り付けができた。専用アプリとのBluetooth接続もスムーズで、クランクを垂直方向に向けキャリブレーションを行えば作業は完了だ。あとは手持ちのサイクルコンピュータとリンクさせ、お好きな測定項目を表示させるだけ。校正作業はサイコン側でも操作可能だ。
センサー分のわずか35gの重量増は体感できるレベルではなく、走り出してみても特にセンサーなどが装着されている感覚はない。今回使用したワフーのELEMNT BOLTとも相性は良く、認識しない・パワーが表示されないといったトラブルはなかった。走り出してひと漕ぎふた漕ぎ目にはもう数値が表示されるので、ライド中もストレスは皆無。ちゃんと動作しているのか不安になっても、停止している状態から軽くクランクを動かすだけでセンサーのLEDランプが点滅してくれるので安心だ。
「LRモデルはより正確に深くパワー値を分析したい人にオススメ」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
またSTAGES POWERを取り扱うさいたま市のプロショップ「スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ」より、自身も3年ほどステージズのパワーメーターを使用しているという鈴木卓史店長にオススメポイントを聞いてみた。
「新型のLRモデルはより正確に深くパワー値を分析したい人にオススメ」と鈴木店長(右)
「STAGES POWERと言えば、組付けのし易さとどんなバイクにも取り付けできる小型のセンサーサイズが良いですよね。今回LRモデルの登場で、より正確に深くパワー値を分析したい人にもマッチする製品になったと思います。その中でもペダリング解析のような難しい機能はないことと、アプリ上の操作のし易さや電池交換の簡単な構造など、全てがシンプルで気軽に導入できる利便性の高さがステージズの魅力ではないでしょうか。
左クランクに限って言えばシマノ以外のラインアップも豊富で、カンパニョーロやキャノンデールクランクのユーザーでも今使っているクランクを替えなくて済みます。ケイデンス測定用のマグネットもいらないので作業も少ないですし、チェーン落ちでマグネットを巻き込んで取れてしまう心配もありませんね。
STAGES POWERが出始めの頃はパワーが表示されない等のトラブルも聞かれましたが、アップデートが加わるごとに性能は安定してきていると思います。今回新たに第3世代になりましたから、その信頼性はさらに上がっていることでしょう。
チラリと見えるセンサーが所有欲を掻き立てる。センサーの反応性の良さやLEDインジケータなど使い勝手も向上している
小難しい機能は必要ないから、とにかくパワーメーターを使ってみたいという人には迷わずステージズをオススメします。左右測定のパワーメーターというと今までは他社のものを選ぶしかありませんでしたが、このLRモデルの登場でユーザーの選択肢を広げてくれるラインアップとなりました。よりリーズナブルにパワーを測りたいという片側タイプ、より深くパワー値を知りたいという両側タイプで選んでいただけたらと思います。」
ステージズサイクリング STAGES POWER LR
パワーレンジ:0~2500W
ケイデンスレンジ:20~220rpm
測定誤差:+-1.5%
通信規格:ANT+、Bluetooth
センサー重量:35g(左側15g、右側20g)
防水性能:IPX7
バッテリー寿命:175時間(左右測定時)
使用バッテリー:CR2032
サイズ:165mm、170mm、172.5mm、175mm(52×36T)
価格:
LR DURA-ACE R9100 152,000円(税抜)
LR ULTEGRA R8000 113,000円(税抜)
※右クランクのみ DURA-ACE:92,000円(税抜) ULTEGRA:78,000円(税抜)
左クランクのみ DURA-ACE:79,800円(税抜) ULTEGRA:69,800円(税抜)
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2012年創業、アメリカ・オレゴン州ポートランドに本拠地を置くトレーニング機器メーカーがステージズサイクリングだ。インドアサイクリング機器で培ったテクノロジーを活かし、2013年にクランク型パワーメーター「STAGES POWER」をリリース。その翌年にはチームスカイが同製品を正式採用したことでも注目を集め、今や一般のサイクリストにも広く浸透したトレーニングツールとなっている。
STAGES POWERと言えば独自の高精度小型センサーを左クランク内側に装備したパワーメーターで、パワー入力に対するクランクアームのひずみを感知し、それをパワー数値に変換するというもの。チェーンリングを外して組み付けたり、ケーブルを配線したりといった煩わしい作業は一切なく、左クランクをSTAGES POWERに交換するだけですぐに使える作業性の良さも大きな特徴だ。
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今まで左足のデータを元に独自のアルゴリズムを経て、右足の数値も仮想的に算出するという方式をとっていたステージズだが、今回左右独立のセンサーを搭載した新型「STAGES POWER LR」が登場した。左クランクに装着していたセンサーを右クランクにも対応させた製品で、左右それぞれのパワーを測定できることでより正確な値が分かる他、パワー左右バランスやペダルスムーズネス、トルクエフェクティブネスも表示させることが可能となった。
新作のデビューに伴い2018年モデルよりセンサーも第3世代へとアップデート。ステージズに大きな特徴である軽量性はそのままに、より使い勝手を増した性能を獲得している。具体的には、センサー中央に新たにLEDインジケータを装備。グリーンやレッドの色別にバッテリー残量が分かる他、ファームウェアの更新やリンク状態を視覚的に判別できるようになった。
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見た目はと言えば、新しい右クランクはチェーンリングに隠れるほどのサイズでアーム裏側にセンサーを装備。バッテリー部分を電池交換がしやすいよう外側に配置しているものの、クランクアーム下側に小さな箱状の突起を設けたのみで、存在感を感じさせないルックスに仕上がっている。フレームとのクリアランスも十分に確保できる薄型のセンサーによって、バイクを選ばす装着が可能だ。
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バイクへのインストールが簡単なのはLRモデルになっても変わらない。装着されている既存のクランクを外して交換するだけのシンプルな作業のみで、あとは手持ちのサイクルコンピュータとペアリングすれば即使用可能だ。無線通信はANT+とBluetoothに対応。スマートフォンとBluetooth接続すれば、専用アプリからワイヤレスでファームウェアの更新やパワー値の校正、バッテリー残量の確認等が行える。
従来モデル同様、フレームにマグネット等を貼り付ける必要なくセンサーがケイデンスも測定。雨天時の使用も問題ないIPX7準拠の防水性能も備えている。またステージズ特有の機能としてATC(Active Temperature Compensation)があり、金属のひずみ具合が変わる外気温の変化に合わせてパワー数値を調整するようできている。
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ラインアップはシマノのR9100系DURA-ACEと、R8000系ULTEGRAクランクの2モデル。同社はカンパニョーロやFSA、キャノンデールSiクランク対応のSTAGES POWERもリリースしていることから、今後LRモデルのラインアップ拡大も予想される。価格はDURA-ACEモデルが152,000円(税抜)、ULTEGRAモデルが113,000円(税抜)。
クランク長は165、170、172.5、175mmの4サイズで展開。ギア構成は52×36Tのみの販売となるが、チェーンリングは純正クランクと同じように交換可能となる。バッテリーにはCR2032ボタン電池を使用し、左右測定時のバッテリーライフは175時間以上としている。
また従来モデルのSTAGES POWERを既に使用している人向けに、右クランクのみも単品で販売。追加購入しペアリングを行うことでLRモデルと同じように使用できる互換性を持っている。右クランクはDURA-ACE仕様が92,000円(税抜)、ULTEGRA仕様が78,000円(税抜)だ。取り扱いはインターテック。
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センサー分のわずか35gの重量増は体感できるレベルではなく、走り出してみても特にセンサーなどが装着されている感覚はない。今回使用したワフーのELEMNT BOLTとも相性は良く、認識しない・パワーが表示されないといったトラブルはなかった。走り出してひと漕ぎふた漕ぎ目にはもう数値が表示されるので、ライド中もストレスは皆無。ちゃんと動作しているのか不安になっても、停止している状態から軽くクランクを動かすだけでセンサーのLEDランプが点滅してくれるので安心だ。
「LRモデルはより正確に深くパワー値を分析したい人にオススメ」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
またSTAGES POWERを取り扱うさいたま市のプロショップ「スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ」より、自身も3年ほどステージズのパワーメーターを使用しているという鈴木卓史店長にオススメポイントを聞いてみた。
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左クランクに限って言えばシマノ以外のラインアップも豊富で、カンパニョーロやキャノンデールクランクのユーザーでも今使っているクランクを替えなくて済みます。ケイデンス測定用のマグネットもいらないので作業も少ないですし、チェーン落ちでマグネットを巻き込んで取れてしまう心配もありませんね。
STAGES POWERが出始めの頃はパワーが表示されない等のトラブルも聞かれましたが、アップデートが加わるごとに性能は安定してきていると思います。今回新たに第3世代になりましたから、その信頼性はさらに上がっていることでしょう。
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小難しい機能は必要ないから、とにかくパワーメーターを使ってみたいという人には迷わずステージズをオススメします。左右測定のパワーメーターというと今までは他社のものを選ぶしかありませんでしたが、このLRモデルの登場でユーザーの選択肢を広げてくれるラインアップとなりました。よりリーズナブルにパワーを測りたいという片側タイプ、より深くパワー値を知りたいという両側タイプで選んでいただけたらと思います。」
ステージズサイクリング STAGES POWER LR
パワーレンジ:0~2500W
ケイデンスレンジ:20~220rpm
測定誤差:+-1.5%
通信規格:ANT+、Bluetooth
センサー重量:35g(左側15g、右側20g)
防水性能:IPX7
バッテリー寿命:175時間(左右測定時)
使用バッテリー:CR2032
サイズ:165mm、170mm、172.5mm、175mm(52×36T)
価格:
LR DURA-ACE R9100 152,000円(税抜)
LR ULTEGRA R8000 113,000円(税抜)
※右クランクのみ DURA-ACE:92,000円(税抜) ULTEGRA:78,000円(税抜)
左クランクのみ DURA-ACE:79,800円(税抜) ULTEGRA:69,800円(税抜)
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