ロード世界選手権で優勝し、アルカンシェルを手にしたカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が、8年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場する。ガゼッタ紙とのインタビューの中で明らかにした。目指すはオーストラリア人初のマリアローザ獲得だ。

金メダルを誇らしげに見せるカデル・エヴァンス(オーストラリア)金メダルを誇らしげに見せるカデル・エヴァンス(オーストラリア) photo:Cor Vos現在オーストラリアでトレーニング中のエヴァンスが、ガゼッタ紙との電話インタビューの中で、2010年ジロ・デ・イタリアへの出場を明言した。「2010年は久々にジロに出場する。もちろん総合優勝を狙う。」

エヴァンスはロードレース転向後2年目の2002年に、マペイジャージを着てジロ初出場。後半ステージでマリアローザを一日着用する活躍を見せ、最終的に総合14位でレースを終えた。しかし2003年以降は専らツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャに出場しており、ジロ出場経験は2002年の1回だけ。

アルカンシェルを着るカデル・エヴァンス(オーストラリア)アルカンシェルを着るカデル・エヴァンス(オーストラリア) photo:Cor Vos「2002年以降、ずっとジロに戻ってきたいと思っていたんだ。ここ数年はツール・ド・フランスに集中していたけど、あのジロが僕の知名度を上げた初のグランツール。今では2つのグランツールで総合を狙う自信がある。ここ数年のグランツールで、それを証明出来ている。」

エヴァンスは2007年のツールで総合2位に入り、同年のブエルタで総合4位に。今年はツールで総合30位に沈んだが、ブエルタで奮起して総合3位。マドリードで初めて表彰台に上った。

厳しい山岳が特徴のジロのコースについて、エヴァンスは「素晴らしいコースだ。とにかく山岳が厳しい。クライマー向きのコースであり、自分向きだと思っている。これまでツールとブエルタの表彰台は経験してるから、残るはジロだけなんだ。」

仮にエヴァンスがジロ総合優勝を果たせば、オーストラリア人初。さらに、アルカンシェルを着用してのジロ制覇は、1983年のジュゼッペ・サロンニ(イタリア)以来の快挙となる。32歳の世界チャンピオンはこう述べる。「実現出来れば素晴らしい。いつも通り、全力で総合を狙って走るだけだ。」

マリアローザ争いにおけるライバルを問われたエヴァンスは「まだ予想するには時期尚早。バッソとペッリツォッティは強敵になるだろうね。あとメンショフもサストレもいる・・・まだ分からないよ」とコメントを残している。

BMCレーシングチームには、元世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア)やジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、マークス・ブルグハート(ドイツ)、カルステン・クローン(オランダ)、マウロ・サンタンブロジオ(イタリア)らが相次いで移籍。プロコンチネンタル登録ながら、トップチームと肩を並べるほどの戦力を有している。エヴァンスは母国オーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダーでシーズンインする予定だ。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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