2017/05/12(金) - 11:32
200kmに渡るエスケープが決まったジロ第6ステージ。マッチスプリントで対決したシルヴァン・ディリエとジャスパー・ストゥイヴェンら、逃げメンバーのコメントを中心にレースを振り返ります。
ステージ優勝したシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)
今日は0km地点でいきなりパンクと最悪なスタートだった。そこから逃げに乗り、最後はもうギリギリいっぱいで攻め続けていたんだ。ストゥイヴェンをスプリントで下すなんてクレイジーだ。まだ勝ったなんて信じられないよ。自分にとっては厳しいレース展開が好き。ストゥイヴェンを尊敬しているし、彼は本当に強い選手だ。
間違いなくキャリア最高の勝利で、うまく感情を説明することができないよ。ファンタスティックだ。ストゥイヴェンをどうやってスプリントで下したのか自分でもわからない。最後はアウターチェーンリングに入れて渾身の力でスプリント。登りスプリントは得意なので、自分を信じて、力が続く限りに踏んだんだ。2年ほどの間勝利がなかったけれど、それをジロで挙げることができるなんて。一生忘れることができないと思う。
レースを分析するマキシミリアン・シャンドリ監督(BMCレーシング)
今日のタイム差は50-60km地点でおよそ8分半。キャノンデール・ドラパックがタイム差をコントロールしたが、先頭の5名は強力だった。特にトレック・セガフレードは2人を送り込んでいたので、マッズ・ペデルセン(デンマーク)はストゥイヴェンのために全力で逃げを率いることができた。それが今日は大きかったと思う。キャノンデールのメンバーでコントロールを担ったのは5名で、先頭も5名。今日は5対5の戦いだったんだ。最後は多数のチームが集団牽引に加わったが、士気の高い逃げを追い込むことはできなかった。
2位に終わったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
「惜しいレースが続けばいつか勝てる」と言われるけれど、そんなにチャンスは多く巡ってくるものじゃない。今日チャンスをモノにできなかったなんてクソだ。
今日は追い風だという予報があったけれど、実際には単純な追い風だけではなかった。補給所の手前で横風に変わった時逃げ切りは無理かもしれない、と考えてしまった。実際そこからはキツかったけれど、ペデルセンが猛烈にアシストしてくれたので力になった。彼の走りは野獣のようだった。
最後の勾配は8%。ものすごくタフだったし、ディリエが強いと知っていたので彼の動きに警戒していたんだ。長丁場を逃げ続けての末のスプリントは簡単じゃない、でも負けてしまったことに今はものすごく落ち込んでいる。
ストゥイヴェンをアシストしたマッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
終盤のコーナーに差し掛かった時、前輪に安全ピンが刺さってスローパンクのように空気が抜けてしまった。タイヤからエアが抜けていく音が聞こえたんだ。そこからは最後のアシストだと思って抜けきるまで全力で引きまくった。逃げ切りに貢献できて良かった。
3位、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
(スプリント力で負けているので)最後はロングスパートを決める必要があったけれど、200kmを逃げた後に脚がどう動くかなんて誰にも分からない。今日は思うようにスプリントが掛からなくて3位に甘んじてしまったが、十分結果にはハッピーさ。まだマリアローザの感触が残っていて、どこかふわふわした気分。ジロはまだまだ続くので、次のチャンスを積極的に狙っていきたい。
4位、シモーネ・アンドレッタ(イタリア、バルディアーニCSF)
自分のベストを尽くした。逃げ切りができたのは少しばかりサプライズだ。本当に疲れ切ったけれど満足しているし、全力を尽くしたので後悔は無いよ。今朝の作戦会議から逃げ切りのチャンスがあるので、チームとしてエスケープしようと決めていた。
逃げに乗る際も簡単ではなかった。20km地点でディリエと集団から抜け出して、5kmを追いかけて先行していたストゥイヴェンとペデルセンとペストルベルガーに追いついた。残り80km地点からリードが少なくなってきて集団が追いかけてきているのが分かった。何とか逃げ切ることができたけれど、残り3kmで逃げグループのメンバーが加速して、白旗を上げざるをえなかった。
個人的には調子が良くて、チーム全体としてステージ優勝へのモチベーションは非常に高い。開幕直前にチームからショッキングなニュースを出してしまったが、それを挽回する活躍をしたいと思っている。
集団の頭を獲ったマイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)
ほろ苦い1日。しかし今日はチームメイトの走りを誇りに思う。キャノンデール・ドラパックの走りは王者の走りだった。
マリアローザを守ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
総合成績に影響しないメンバーによる逃げは、クイックステップにとってパーフェクトなシチュエーション。彼らを途中で吸収すると厄介なことになるので逃げ切って欲しかった。
僕のタスクは集中して残り距離をカウントダウンしていくことだけ。チームとしてローザとチクラミーノをキープ中で、すべて上手くいっている。まだまだ楽しい時間を続けることができそうだ。もうコメントしている通り、日曜日のブロックハウスまでマリアローザを守りたい。その後は多分手放すことになると思うけれど、その2日後に控える個人TTでクライマーからタイムを取り返していければ良いと考えている。
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)
今日のようなコースではいつもスプリンターvsクライマーorパンチャーという構図になる。今日は逃げグループのギャンブルが成功した1日だった。集団を引いていたのはキャノンデール・ドラパックだけ。ウッズは集団の先頭でフィニッシュしたのでその価値はあったんじゃないだろうか。
text:So.Isobe
ステージ優勝したシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)
今日は0km地点でいきなりパンクと最悪なスタートだった。そこから逃げに乗り、最後はもうギリギリいっぱいで攻め続けていたんだ。ストゥイヴェンをスプリントで下すなんてクレイジーだ。まだ勝ったなんて信じられないよ。自分にとっては厳しいレース展開が好き。ストゥイヴェンを尊敬しているし、彼は本当に強い選手だ。
間違いなくキャリア最高の勝利で、うまく感情を説明することができないよ。ファンタスティックだ。ストゥイヴェンをどうやってスプリントで下したのか自分でもわからない。最後はアウターチェーンリングに入れて渾身の力でスプリント。登りスプリントは得意なので、自分を信じて、力が続く限りに踏んだんだ。2年ほどの間勝利がなかったけれど、それをジロで挙げることができるなんて。一生忘れることができないと思う。
レースを分析するマキシミリアン・シャンドリ監督(BMCレーシング)
今日のタイム差は50-60km地点でおよそ8分半。キャノンデール・ドラパックがタイム差をコントロールしたが、先頭の5名は強力だった。特にトレック・セガフレードは2人を送り込んでいたので、マッズ・ペデルセン(デンマーク)はストゥイヴェンのために全力で逃げを率いることができた。それが今日は大きかったと思う。キャノンデールのメンバーでコントロールを担ったのは5名で、先頭も5名。今日は5対5の戦いだったんだ。最後は多数のチームが集団牽引に加わったが、士気の高い逃げを追い込むことはできなかった。
2位に終わったジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
「惜しいレースが続けばいつか勝てる」と言われるけれど、そんなにチャンスは多く巡ってくるものじゃない。今日チャンスをモノにできなかったなんてクソだ。
今日は追い風だという予報があったけれど、実際には単純な追い風だけではなかった。補給所の手前で横風に変わった時逃げ切りは無理かもしれない、と考えてしまった。実際そこからはキツかったけれど、ペデルセンが猛烈にアシストしてくれたので力になった。彼の走りは野獣のようだった。
最後の勾配は8%。ものすごくタフだったし、ディリエが強いと知っていたので彼の動きに警戒していたんだ。長丁場を逃げ続けての末のスプリントは簡単じゃない、でも負けてしまったことに今はものすごく落ち込んでいる。
ストゥイヴェンをアシストしたマッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
終盤のコーナーに差し掛かった時、前輪に安全ピンが刺さってスローパンクのように空気が抜けてしまった。タイヤからエアが抜けていく音が聞こえたんだ。そこからは最後のアシストだと思って抜けきるまで全力で引きまくった。逃げ切りに貢献できて良かった。
3位、ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
(スプリント力で負けているので)最後はロングスパートを決める必要があったけれど、200kmを逃げた後に脚がどう動くかなんて誰にも分からない。今日は思うようにスプリントが掛からなくて3位に甘んじてしまったが、十分結果にはハッピーさ。まだマリアローザの感触が残っていて、どこかふわふわした気分。ジロはまだまだ続くので、次のチャンスを積極的に狙っていきたい。
4位、シモーネ・アンドレッタ(イタリア、バルディアーニCSF)
自分のベストを尽くした。逃げ切りができたのは少しばかりサプライズだ。本当に疲れ切ったけれど満足しているし、全力を尽くしたので後悔は無いよ。今朝の作戦会議から逃げ切りのチャンスがあるので、チームとしてエスケープしようと決めていた。
逃げに乗る際も簡単ではなかった。20km地点でディリエと集団から抜け出して、5kmを追いかけて先行していたストゥイヴェンとペデルセンとペストルベルガーに追いついた。残り80km地点からリードが少なくなってきて集団が追いかけてきているのが分かった。何とか逃げ切ることができたけれど、残り3kmで逃げグループのメンバーが加速して、白旗を上げざるをえなかった。
個人的には調子が良くて、チーム全体としてステージ優勝へのモチベーションは非常に高い。開幕直前にチームからショッキングなニュースを出してしまったが、それを挽回する活躍をしたいと思っている。
集団の頭を獲ったマイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)
ほろ苦い1日。しかし今日はチームメイトの走りを誇りに思う。キャノンデール・ドラパックの走りは王者の走りだった。
マリアローザを守ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
総合成績に影響しないメンバーによる逃げは、クイックステップにとってパーフェクトなシチュエーション。彼らを途中で吸収すると厄介なことになるので逃げ切って欲しかった。
僕のタスクは集中して残り距離をカウントダウンしていくことだけ。チームとしてローザとチクラミーノをキープ中で、すべて上手くいっている。まだまだ楽しい時間を続けることができそうだ。もうコメントしている通り、日曜日のブロックハウスまでマリアローザを守りたい。その後は多分手放すことになると思うけれど、その2日後に控える個人TTでクライマーからタイムを取り返していければ良いと考えている。
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)
今日のようなコースではいつもスプリンターvsクライマーorパンチャーという構図になる。今日は逃げグループのギャンブルが成功した1日だった。集団を引いていたのはキャノンデール・ドラパックだけ。ウッズは集団の先頭でフィニッシュしたのでその価値はあったんじゃないだろうか。
text:So.Isobe
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