2017/03/10(金) - 15:39
3月5日(日)に東北シクロクロス第4戦SUGOラウンドが行われた。ドライコンディションのなか、C1クラスはメカトラに見舞われながらも加藤健悟(臼杵レーシング)がシリーズ最終戦を制した。
東北シクロクロス最終戦である第4戦SUGOラウンドが、昨年と同じく宮城県村田町のスポーツランドSUGO西コースを舞台に行われた。路面が雪に覆われ自転車押し競争と化した昨年とは打って変わって、今年は完全ドライバーンのコースがシーズンエンドの79名の選手たちを迎えた。
シーズン末期ということもあり今大会に集まった選手数は少ないものの、それだけにホストチームや地元選手などお互い見知った顔が集まり、良い意味のローカルイベントらしさがあった。冷え込みや風も弱く、時折日の差す小春日和の中、最初のレースC3+4を制したのは千葉秀樹(NJK) 。2位に朽木聡(K-Blood Racing)、3位に内田恭太(メイドさん学科自転車部)が続いた。
続くCM1では、小堺猛弘(taiki☆works)がホールショットを決めるものの、今季中々調子の出なかった昨年シリーズチャンピオン江川嘉宏(PEDAL NATION)が小堺を抜き返し一時先頭を引く様相に。その後は先頭に躍り出た須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA・UVEX)と海口秀幸(F(t)麒麟山Racing CX Team)2人のトップ争いの背後を伺いながら3位を得る。東北シリーズ連勝中の須藤は終盤ブーストアップ、海口とのトップ争いに決別し今季東北シリーズを4戦全勝で終え、第3戦で確定していたシリーズチャンピオンタイトルの完全性を高めた。
Kids1と2は東北の常連が顔をそろえる。Kids1はいつも小学校高学年のKids2とトップ争いを繰り広げる成田光志が優勝、シリーズチャンピオンを決めた。Kids2は、双子の蓮と直紀の長谷川兄弟(RIDEON)に新潟の高橋壮(SAGAMI RACING)が絡む展開。そしてそこにマーカーとしてKids1の成田も譲らず居る。結果は昨年のシリーズチャンピオン長谷川蓮が逃げ切って優勝。今年のシリーズチャンピオンも獲得した。またKidsレースには、ゲストライダーの女子エリート武田和佳(Liv)が急遽伴走として参加し、子供たちを励ましながら走った。
CL1とC2は混走となったが、CL1はDNSもあったためわずか3名といつも以上に寂しい様相。C2も15名にとどまり、他のカテゴリー同様東北のハードルを感じる。CL1に出走した武田和佳は草キャンバーでの横方向グリップ確保のためにタイヤをシラクサンドからシラクマッドに変更しスターティングボックスに立った。
そして1分前にスタートした男子C2選手をマーカーにして、後方の須藤むつみ(Ready Go JAPAN)、宮崎優花(Team GARNEAU CHAINRING)達を引き離していく。最終的に武田はC2選手と同一周回、C2換算でもシングルリザルトという解りやすい、しかしトップコンペティターらしくレースをメイクし優勝。単調になりがちなレースに緊張感をつくりながらシーズンの最後を勝利で飾った。2位は須藤が入り、シーズンポイント合計でシリーズチャンピオンジャージも獲得、夫婦で東北シリーズチャンピオンとなった。
C2はジュニアの積田連(Team GARNEAU CHAINRING)がスタートから飛び出しそのまま独走かと思われたが、序盤出遅れた本多拓貴(F(t)麒麟山Racing)が追い上げを見せ、積田を中盤キャッチアップし見ごたえのあるドッグファイトとなった。そして最終周回のゴール前ストレートで一気に仕掛けた積田は本多に4秒差をつけゴール。2位の本多はC1への昇格を成し遂げた。
最後のレースC1には5名がスターティングボックスに並ぶが、更にオープン参加でC2優勝のジュニア積田連
も40分限定条件で特別出走することとなった。ボディナンバー1を得たのは、わずか1年でC1に昇格したCXレース歴2年目の加藤健悟(臼杵レーシング)。前週の土浦では重なるチェーン落ちからDNF、東北CX第3戦蔵王ラウンドでもDNFと浮き沈みが多く、1月に行われた前橋CX第2戦での3位以外ポディウムに縁が無い。
その加藤は得意のスタートでホールショットを取ると逃げ切り態勢に移る。追うべき齋藤拓真(TEAM GARNEAU CHAINRING)は立ち上り悪く、むしろ最後尾近くまでポジションを落としそこから上げていくことに。替わって加藤を追うのは齋藤のチームメイトであり、先ほどC2優勝を飾ったジュニアの積田。1周あたり20秒近く離されていくC1メンバーに代わり、昇格後のライバルと見立てた加藤を追撃する。序盤2位を走るのは小川克広(じてんしゃの杜)、3周目に入るとようやく齋藤のリズムも上がって小川とパックを形成。4周目には一旦小川からリードを奪うが、もつれたまま終盤まで進み加藤に詰め寄るまでは至らない。
40分も経過する6周目には2位パックにほぼ2分のタイム差を作ったトップを走る加藤。前週土浦での反省を活かし万全のチェーン落ち対策をして挑んだ加藤だったが、7周目にキャンバーからの降り口でのチェーン暴れから後輪にリアディレーラーケージが飛込み、カーボンリムホイールとディレーラーエンドを破断。幸い稼ぎ出したタイムギャップから40秒を使い走行不可となったバイクを担いでピットに辿り着く。
スペアとして用意されたチームメイトのバイクに乗り換えた加藤は慣れないバイクながら集中して残り周回を重ね、それ以上タイムを詰められることなくトップでフィニッシュラインを超えC1初のポディウム中央を決めた。2位には残り2周で加速した齋藤が入り、更にC1では初のポディウムとなった小川が続く3位となった。
レース後には年間チャンピオン表彰も行われたが、C1チャンピオンを決めていた小坂光選手(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)は地元宇都宮でのロード開幕戦に向けた調整作業のため今回不参加であった。表彰のあとは東北CX第3戦蔵王ステージで世界選応援チャリティを受けたお礼として、ゲストの武田和佳が貴重なルクセンブルグ土産やスポンサーグッズ、彼女の愛用のキャップまで持ち込んでのじゃんけん大会が開かれ、最後まで盛り上がりをみせながらアットホームな最終戦を終えた。
C1優勝 加藤健悟コメント
「今日は落ち着いていけば十分行けると思っていたのに、運の悪さがメカトラに出てしまいどうなることかと思いました。しかしチームのフォローのおかげでなんとか念願のC1初優勝ができました。今年夏場は実業団ロードにも出て地足を強化、そして来季の全日本CXで表彰台が目標です。」
CL1優勝 武田和佳コメント
「お台場以来久しぶりのレースだったので楽しかったですし、まとまりよく終われたので良かったです。これからはマウンテンバイクに切り替えてフル参戦は無理ですが全日本MTBターゲットで頑張りたいと思います。来シーズンのシクロクロスですが、海外で場数を踏まないと話にならないなというのも解ったので、今年は出来るだけ海外のレースにも出ていきたいと思っています。」
菅田大会オーガナイザーコメント
「今年の菅生は雪でも泥でも無い、ここ数年初めてのドライコンディションで無事終了できホッとしています。来季はさがえのUCIレースや久々に復活の猪苗代のサマークロス含め全6戦を計画しています。さがえのUCIレースには海外の選手を招待したいですね。これ以外の自治体からのオファーも来ていて大会が増える可能性もあります。今まで以上に活発にやって行きますが、それにはまず参加者を増やしていく事、それも地元の競技人口と参加者を増やしていかないとですね。」
photo&text:Masakazu.Abe/TOHOKU CX
東北シクロクロス最終戦である第4戦SUGOラウンドが、昨年と同じく宮城県村田町のスポーツランドSUGO西コースを舞台に行われた。路面が雪に覆われ自転車押し競争と化した昨年とは打って変わって、今年は完全ドライバーンのコースがシーズンエンドの79名の選手たちを迎えた。
シーズン末期ということもあり今大会に集まった選手数は少ないものの、それだけにホストチームや地元選手などお互い見知った顔が集まり、良い意味のローカルイベントらしさがあった。冷え込みや風も弱く、時折日の差す小春日和の中、最初のレースC3+4を制したのは千葉秀樹(NJK) 。2位に朽木聡(K-Blood Racing)、3位に内田恭太(メイドさん学科自転車部)が続いた。
続くCM1では、小堺猛弘(taiki☆works)がホールショットを決めるものの、今季中々調子の出なかった昨年シリーズチャンピオン江川嘉宏(PEDAL NATION)が小堺を抜き返し一時先頭を引く様相に。その後は先頭に躍り出た須藤大輔(VOLCAオードビーBOMA・UVEX)と海口秀幸(F(t)麒麟山Racing CX Team)2人のトップ争いの背後を伺いながら3位を得る。東北シリーズ連勝中の須藤は終盤ブーストアップ、海口とのトップ争いに決別し今季東北シリーズを4戦全勝で終え、第3戦で確定していたシリーズチャンピオンタイトルの完全性を高めた。
Kids1と2は東北の常連が顔をそろえる。Kids1はいつも小学校高学年のKids2とトップ争いを繰り広げる成田光志が優勝、シリーズチャンピオンを決めた。Kids2は、双子の蓮と直紀の長谷川兄弟(RIDEON)に新潟の高橋壮(SAGAMI RACING)が絡む展開。そしてそこにマーカーとしてKids1の成田も譲らず居る。結果は昨年のシリーズチャンピオン長谷川蓮が逃げ切って優勝。今年のシリーズチャンピオンも獲得した。またKidsレースには、ゲストライダーの女子エリート武田和佳(Liv)が急遽伴走として参加し、子供たちを励ましながら走った。
CL1とC2は混走となったが、CL1はDNSもあったためわずか3名といつも以上に寂しい様相。C2も15名にとどまり、他のカテゴリー同様東北のハードルを感じる。CL1に出走した武田和佳は草キャンバーでの横方向グリップ確保のためにタイヤをシラクサンドからシラクマッドに変更しスターティングボックスに立った。
そして1分前にスタートした男子C2選手をマーカーにして、後方の須藤むつみ(Ready Go JAPAN)、宮崎優花(Team GARNEAU CHAINRING)達を引き離していく。最終的に武田はC2選手と同一周回、C2換算でもシングルリザルトという解りやすい、しかしトップコンペティターらしくレースをメイクし優勝。単調になりがちなレースに緊張感をつくりながらシーズンの最後を勝利で飾った。2位は須藤が入り、シーズンポイント合計でシリーズチャンピオンジャージも獲得、夫婦で東北シリーズチャンピオンとなった。
C2はジュニアの積田連(Team GARNEAU CHAINRING)がスタートから飛び出しそのまま独走かと思われたが、序盤出遅れた本多拓貴(F(t)麒麟山Racing)が追い上げを見せ、積田を中盤キャッチアップし見ごたえのあるドッグファイトとなった。そして最終周回のゴール前ストレートで一気に仕掛けた積田は本多に4秒差をつけゴール。2位の本多はC1への昇格を成し遂げた。
最後のレースC1には5名がスターティングボックスに並ぶが、更にオープン参加でC2優勝のジュニア積田連
も40分限定条件で特別出走することとなった。ボディナンバー1を得たのは、わずか1年でC1に昇格したCXレース歴2年目の加藤健悟(臼杵レーシング)。前週の土浦では重なるチェーン落ちからDNF、東北CX第3戦蔵王ラウンドでもDNFと浮き沈みが多く、1月に行われた前橋CX第2戦での3位以外ポディウムに縁が無い。
その加藤は得意のスタートでホールショットを取ると逃げ切り態勢に移る。追うべき齋藤拓真(TEAM GARNEAU CHAINRING)は立ち上り悪く、むしろ最後尾近くまでポジションを落としそこから上げていくことに。替わって加藤を追うのは齋藤のチームメイトであり、先ほどC2優勝を飾ったジュニアの積田。1周あたり20秒近く離されていくC1メンバーに代わり、昇格後のライバルと見立てた加藤を追撃する。序盤2位を走るのは小川克広(じてんしゃの杜)、3周目に入るとようやく齋藤のリズムも上がって小川とパックを形成。4周目には一旦小川からリードを奪うが、もつれたまま終盤まで進み加藤に詰め寄るまでは至らない。
40分も経過する6周目には2位パックにほぼ2分のタイム差を作ったトップを走る加藤。前週土浦での反省を活かし万全のチェーン落ち対策をして挑んだ加藤だったが、7周目にキャンバーからの降り口でのチェーン暴れから後輪にリアディレーラーケージが飛込み、カーボンリムホイールとディレーラーエンドを破断。幸い稼ぎ出したタイムギャップから40秒を使い走行不可となったバイクを担いでピットに辿り着く。
スペアとして用意されたチームメイトのバイクに乗り換えた加藤は慣れないバイクながら集中して残り周回を重ね、それ以上タイムを詰められることなくトップでフィニッシュラインを超えC1初のポディウム中央を決めた。2位には残り2周で加速した齋藤が入り、更にC1では初のポディウムとなった小川が続く3位となった。
レース後には年間チャンピオン表彰も行われたが、C1チャンピオンを決めていた小坂光選手(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)は地元宇都宮でのロード開幕戦に向けた調整作業のため今回不参加であった。表彰のあとは東北CX第3戦蔵王ステージで世界選応援チャリティを受けたお礼として、ゲストの武田和佳が貴重なルクセンブルグ土産やスポンサーグッズ、彼女の愛用のキャップまで持ち込んでのじゃんけん大会が開かれ、最後まで盛り上がりをみせながらアットホームな最終戦を終えた。
C1優勝 加藤健悟コメント
「今日は落ち着いていけば十分行けると思っていたのに、運の悪さがメカトラに出てしまいどうなることかと思いました。しかしチームのフォローのおかげでなんとか念願のC1初優勝ができました。今年夏場は実業団ロードにも出て地足を強化、そして来季の全日本CXで表彰台が目標です。」
CL1優勝 武田和佳コメント
「お台場以来久しぶりのレースだったので楽しかったですし、まとまりよく終われたので良かったです。これからはマウンテンバイクに切り替えてフル参戦は無理ですが全日本MTBターゲットで頑張りたいと思います。来シーズンのシクロクロスですが、海外で場数を踏まないと話にならないなというのも解ったので、今年は出来るだけ海外のレースにも出ていきたいと思っています。」
菅田大会オーガナイザーコメント
「今年の菅生は雪でも泥でも無い、ここ数年初めてのドライコンディションで無事終了できホッとしています。来季はさがえのUCIレースや久々に復活の猪苗代のサマークロス含め全6戦を計画しています。さがえのUCIレースには海外の選手を招待したいですね。これ以外の自治体からのオファーも来ていて大会が増える可能性もあります。今まで以上に活発にやって行きますが、それにはまず参加者を増やしていく事、それも地元の競技人口と参加者を増やしていかないとですね。」
photo&text:Masakazu.Abe/TOHOKU CX
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