開幕戦に続き、世界チャンピオンとオランダチャンピオンの一騎打ちとなったスーパープレスティージュ第2戦。ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)の攻撃をしのぎ、スプリントで先行したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が勝利した。



大群衆が詰めかけたスーパープレスティージュ第2戦大群衆が詰めかけたスーパープレスティージュ第2戦 photo:TDWsport


ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)とマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が砂区間を行くワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)とマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が砂区間を行く photo:TDWsport砂の下りを行くマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)砂の下りを行くマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:TDWsportランニング区間のスピードが光ったワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)ランニング区間のスピードが光ったワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) photo:TDWsport徐々に先頭2名に近づくローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)徐々に先頭2名に近づくローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) photo:TDWsport最終ストレートに入るマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)とワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)最終ストレートに入るマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)とワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) photo:TDWsportスーパープレスティージュ第2戦の舞台となったのは、オランダ国境に近い北部の街ゾンホーフェン。コースの大半が砂地であり、長いキャンバーを何度も直登・直滑降するダイナミックさが特徴で、砂を攻略するテクニックとパワーのどちらもが問われる。全日本チャンピオン竹之内悠(東洋フレーム)を含む35名がスタートラインに並んだ。

レースが始まるや否や、現在シクロクロスサーキットで図抜けた力を持つ2人、オランダ王者のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)と世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)が抜け出した。

後続ではヨーロッパ王者のラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)やトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)らが束になって追いかけたものの、積極的にペースを上げることは叶わない。

先頭では砂登りでファンデルポールが仕掛け、ファンアールトから10秒程度のリードを奪ったものの、1周回をかけてランニング区間のスピードに長ける世界王者が合流に成功。ここからシクロクロス界を牽引する若手2人の長いランデブーが始まった。

ファンデルポールは乗車区間で畳み掛けるように加速したが、マークを厳しくしたファンアールトは食らい付いて離れない。後方からはローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)が抜け出し、単騎ハイペースを刻みながら先頭2人を追走していく。

互いに仕掛け合いながらも決定打を欠く2人。アタックと合流を繰り返すうちに3番手スウィークが近づき、最終周回突入時点でその差は4秒まで縮まった。「2人の支配下で走っているだけじゃつまらない。何かしたかった」と言うスウィークは遂に合流に成功すると、続けざまにアタックを試みた。

しかしスウィークの攻撃は交わされ、この動きが口火となってファンデルポールとファンアールトのファイナルバトルがスタート。乗車区間でファンデルポールが仕掛け、ランニング区間でファンアールトが追いつく。スウィークは遅れ、先頭2人はコーナーの出口で猛烈な加速を繰り返しながら、ファンアールト先行で最終ストレートに入った。

短いストレートで勃発したスプリント勝負。番手につけたファンデルポールが一心不乱にバイクを振って先頭に立つと、ファンアールトには為す術がなかった。「物凄くタフなコースだった」と振り返るファンデルポールが先着し、第1戦に続くスーパープレスティージュ2連勝を達成。体力を絞り尽くすような接戦を制したオランダ王者はコース脇に倒れ込み、数分間立ち上がることができなかった。

「毎周回体力が削がれていくのを感じていた。ワウトとは良試合を繰り広げることができたと思う。最終回はフィニッシュラインまでエキサイティングだった。僕のお気に入りのコースで勝利できて本当によかった」とファンデルポールはコメントしている。

また、竹之内はマイナス3ラップの22位でレースを終えている。次なるビッグレースは今週末、10月23日(日)にオランダ、ファルケンブルクで行われるワールドカップ第3戦だ。



マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)を下して勝利マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)を下して勝利 photo:TDWsport
マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がスタッフに介抱されるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)がスタッフに介抱される photo:TDWsport2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)、1位マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)、3位ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)、1位マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)、3位ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) photo:TDWsport




スーパープレスティージュ2016-2017第2戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
3位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)
4位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
5位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マルルクス・ナポレオンゲームス)
6位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
7位 ロブ・ピータース(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)
8位 ミカエル・ボロス(チェコ、ベオバンク・コレンドン)
9位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 
10位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス)
22位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・エコイ)
1h01’15”

+28”
+46”
+1’10”
+1’21”
+1’36”
+1’48”
+2’00”
+2’06”
-3Laps


text:So.Isobe
photo:TDWsports