2016/08/28(日) - 11:29
ブエルタらしい激坂でフィニッシュを迎えた第8ステージ。自身初のグランツール勝利をつかんだ35歳のラグティンやマイヨロホを獲得したキンタナ、落車の影響を感じさせない走りを見せたコンタドールらのコメントを紹介します。
ステージ初優勝を飾った35歳のセルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)
夢が叶った。子どもの頃からずっとグランツールでのステージ優勝を夢見続けていた。だから先頭でフィニッシュラインを切っても、自分がステージ優勝したことを実感できなかった。35歳になってキャリア終盤に差し掛かった今、長年の目標を達成することができて本当に良かった。
今日はスタート直後から調子の良さを感じたので、逃げに乗ることは比較的イージーだった。逃げグループ内は協調体制が築けていたし、常にチームカーの監督から無線を通して激励されていたよ。そして残り500mまで動かないよう指示されていた。その作戦が完璧にうまくいった。
一緒に逃げたジョニー(レストレポ)の働きは素晴らしく、彼の協力なしには成功は掴めなかった。登りでアタックした彼をライバルたちが追走し、自分は後ろで力を温存。今日のステージ優勝の50%はヨナタン・レストレポのものだと言ってもいい。
残り2kmを切ってからフランス人選手たちがアタックした時、正直言って全力を出すことなく反応できたんだ。そこで今日は勝てると思った。チームカーのハンドルを握るシャビエル・フロレンシオ監督のおかげでパニックになることなく脚を温存し、ステージ優勝に向けてダッシュすることができた。
総合首位に立ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
苦しい登りだったけど、今日の目標は少しでもライバルたちからタイムを奪うことだった。フルームのアタックを待って、呼応するようにカウンターアタック。キャリアの中で最高とも言えるコンディションなので、このラ・カンペローナで差をつけたいと思っていたんだ。
マイヨロホを最終日マドリードまで守り抜きたい。まだまだ道のりは長くて厳しい山岳ステージが多く残っているけど、チーム力も揃っているし、守り抜けると思う。ガリシアでの1週間はナーバスで難しいステージが続いたけど、マイヨロホをかけた戦いは実質的に今日動き出したと言える。
落車の影響を感じさせない走りを見せたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
ナイロの加速には反応できなかった。直接的なライバルである彼にタイムを奪われたので最高の結果とは言えないけど、昨日はリタイアを考えたほどだったので今日の走りには満足している。キンタナを除くライバルたちからタイムを奪うこともできたので、ポジティブに結果を捉えたい。
間違いなく言えるのは、今日の結果がこの先の自信につながるということ。全力でサポートしてくれているチームメイトやスタッフのやる気にもつながる。昨日の落車の後、様々な考えが頭の中を駆け巡ったけど、可能性があるなら戦い続けたいという思いが固まった。家に帰るという選択肢はなかった。
レース中も痛んだし、レース後にバイクを降りると激しい痛みが走った。でも脚の状態は思ったより良い。今日は沿道からの「諦めるな!」という大声援が力になったよ。明日は自分にとって今日よりも厳しい戦いになるのは間違いない。でも「意志あるところに道が開ける」という自分のモットーに従ってこれからも走り続ける。
キンタナから33秒失ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
厳しいステージを生きて終えることができた。今日はナイロが良いコンディションであることを見せつけた。彼の走りを賞賛したい。そして昨日落車したアルベルトもファイターとして素晴らしい走りだったと思う。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
今日は申し分ない結果になった。毎日のようにステージ優勝争いに絡み、厳しい山頂フィニッシュを終えて総合ワンツー体制をキープできている。ナイロが総合リーダーになった今、引き続き全力で彼をサポートしたい。
トラブルを避けるためにモビスターは集団先頭に陣取って登りに突入。急勾配区間でペースを作るのが自分の役目だった。どこで力を使うべきかを心得ているフルームがどこかでペースを上げてくることは予想済みだった。ナイロのカウンターアタックが決まり、ライバルたちからタイムを奪うことに成功。明日からも興味深いステージが続く。ナイロをサポートしながら、チャンスがあれば自分の勝利も狙いたい。
総合リードを失ったダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
最後の登りでもう少し堪えることができると思っていた。リーダージャージを守りきれるかどうか分からなかったけど、全力で総合リードを守ろうと思ったんだ。ここまで4日間ずっと自分のためにレースをコントロールしてくれたチームに感謝している。
とにかくリーダージャージを着て過ごした数日間は夢のようだった。これからの人生できっと忘れることがない体験だった。今日は苦しい戦いになったものの、まだチームには活躍の場が残されている。明日以降の山岳は今日よりも爆発的な登坂力を要求しない緩い登りが多く、自分向きのステージも多い。
text:Kei Tsuji
ステージ初優勝を飾った35歳のセルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)
夢が叶った。子どもの頃からずっとグランツールでのステージ優勝を夢見続けていた。だから先頭でフィニッシュラインを切っても、自分がステージ優勝したことを実感できなかった。35歳になってキャリア終盤に差し掛かった今、長年の目標を達成することができて本当に良かった。
今日はスタート直後から調子の良さを感じたので、逃げに乗ることは比較的イージーだった。逃げグループ内は協調体制が築けていたし、常にチームカーの監督から無線を通して激励されていたよ。そして残り500mまで動かないよう指示されていた。その作戦が完璧にうまくいった。
一緒に逃げたジョニー(レストレポ)の働きは素晴らしく、彼の協力なしには成功は掴めなかった。登りでアタックした彼をライバルたちが追走し、自分は後ろで力を温存。今日のステージ優勝の50%はヨナタン・レストレポのものだと言ってもいい。
残り2kmを切ってからフランス人選手たちがアタックした時、正直言って全力を出すことなく反応できたんだ。そこで今日は勝てると思った。チームカーのハンドルを握るシャビエル・フロレンシオ監督のおかげでパニックになることなく脚を温存し、ステージ優勝に向けてダッシュすることができた。
総合首位に立ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
苦しい登りだったけど、今日の目標は少しでもライバルたちからタイムを奪うことだった。フルームのアタックを待って、呼応するようにカウンターアタック。キャリアの中で最高とも言えるコンディションなので、このラ・カンペローナで差をつけたいと思っていたんだ。
マイヨロホを最終日マドリードまで守り抜きたい。まだまだ道のりは長くて厳しい山岳ステージが多く残っているけど、チーム力も揃っているし、守り抜けると思う。ガリシアでの1週間はナーバスで難しいステージが続いたけど、マイヨロホをかけた戦いは実質的に今日動き出したと言える。
落車の影響を感じさせない走りを見せたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
ナイロの加速には反応できなかった。直接的なライバルである彼にタイムを奪われたので最高の結果とは言えないけど、昨日はリタイアを考えたほどだったので今日の走りには満足している。キンタナを除くライバルたちからタイムを奪うこともできたので、ポジティブに結果を捉えたい。
間違いなく言えるのは、今日の結果がこの先の自信につながるということ。全力でサポートしてくれているチームメイトやスタッフのやる気にもつながる。昨日の落車の後、様々な考えが頭の中を駆け巡ったけど、可能性があるなら戦い続けたいという思いが固まった。家に帰るという選択肢はなかった。
レース中も痛んだし、レース後にバイクを降りると激しい痛みが走った。でも脚の状態は思ったより良い。今日は沿道からの「諦めるな!」という大声援が力になったよ。明日は自分にとって今日よりも厳しい戦いになるのは間違いない。でも「意志あるところに道が開ける」という自分のモットーに従ってこれからも走り続ける。
キンタナから33秒失ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
厳しいステージを生きて終えることができた。今日はナイロが良いコンディションであることを見せつけた。彼の走りを賞賛したい。そして昨日落車したアルベルトもファイターとして素晴らしい走りだったと思う。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
今日は申し分ない結果になった。毎日のようにステージ優勝争いに絡み、厳しい山頂フィニッシュを終えて総合ワンツー体制をキープできている。ナイロが総合リーダーになった今、引き続き全力で彼をサポートしたい。
トラブルを避けるためにモビスターは集団先頭に陣取って登りに突入。急勾配区間でペースを作るのが自分の役目だった。どこで力を使うべきかを心得ているフルームがどこかでペースを上げてくることは予想済みだった。ナイロのカウンターアタックが決まり、ライバルたちからタイムを奪うことに成功。明日からも興味深いステージが続く。ナイロをサポートしながら、チャンスがあれば自分の勝利も狙いたい。
総合リードを失ったダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
最後の登りでもう少し堪えることができると思っていた。リーダージャージを守りきれるかどうか分からなかったけど、全力で総合リードを守ろうと思ったんだ。ここまで4日間ずっと自分のためにレースをコントロールしてくれたチームに感謝している。
とにかくリーダージャージを着て過ごした数日間は夢のようだった。これからの人生できっと忘れることがない体験だった。今日は苦しい戦いになったものの、まだチームには活躍の場が残されている。明日以降の山岳は今日よりも爆発的な登坂力を要求しない緩い登りが多く、自分向きのステージも多い。
text:Kei Tsuji